社会で活躍するSEG卒業生 特別対談④ ~SEG・中高の仲間とのビジネスコンテスト挑戦をきっかけに学生起業の道へ[SEG37期生(2018年卒)]
「科学的教育グループ SEG」は1981年の創立以来、「学ぶ楽しさ」を重視した独自の授業を展開し、東京大学をはじめとする難関大学に多くの卒業生を輩出している中高生対象の進学塾です。
2026年、SEGは創立45周年を迎えます。
そんなSEGの卒業生は、大学生活を経て社会に飛び立ち、一体どんな道を歩んでいるのでしょうか。SEG37期生である笹沼颯太さんをお招きし、SEG代表古川昭夫と多読の魅力を語り合っていただきました。

笹沼 颯太(ささぬま そうた)さん/株式会社Yondemy代表取締役
SEGには高1の夏に入会し、英語多読を受講。2018年3月筑波大学附属駒場高校を卒業後、同年4月東京大学文科Ⅱ類に入学。SEGでは英語多読の講師もつとめ、東大在学中の20年4月、子どもが読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を提供する株式会社Yondemyを設立、代表取締役に就任。現在に至る。
読書教育サービス「ヨンデミー」で子どもたちへ豊かな読書体験を提供

古川 笹沼さんは現在、全国の子どもたちにオンラインで読書教育サービスを提供する株式会社Yondemy(ヨンデミー)の代表取締役として活躍されています。ヨンデミーとはどのようなサービスなのでしょうか。
笹沼 AIの「ヨンデミー先生」のサポートとゲームのように楽しめるアプリによって、「子どもが読書にハマる」オンラインの習い事です。読み聞かせの時期が終わり、自分で文字を追って本を読む段階をサポートするイメージです。単に文字を追うだけではなく、読書に深く取り組める姿勢と、豊かな心を育てることを目的としています。メインターゲットは小学生ですが、5歳前後から15歳くらいまで、幅広くご利用いただいています。
ヨンデミー先生が一人ひとりの好みや読書レベルに合わせ、その子にぴったりな本をお薦めしたり、ゲーム感覚で読書を習慣化しながら、本の楽しみ方、感想の書き方を学べたりするといったサービスを提供しています。全国の図書館を対象としたリアルタイム蔵書検索と連携しているため、読みたい本をその場で予約し、最寄りの図書館ですぐに借りることも可能です。個人で習い事として利用いただいているほか、最近では学童、学習塾、小学校でも導入され始めています。
古川 活動の幅が広がっているのですね。子どもたちへの影響や効果はいかがですか。
笹沼 嬉しいことに、子どもたちからは「本の感想を書くのが楽しみ」「ヨンデミー先生とだったら本を読みたい」など、楽しく読んでいる様子が伝わってくる感想を多くいただいています。保護者の方からは「寝る前に動画ではなく、本を選ぶようになって感動している」「親の言うことは拒んでいたのに、ヨンデミー先生のお薦めは読んでくれて、子どもの読書の幅が広がった」という声も。さらに、やんちゃだった子が落ち着いて話を聞いてくれるようになったというケースもあります。
古川 読書は学力面だけでなく、精神面にも良い影響を与えているのですね。
多読で苦手な英語を克服 原著との「出合い直し」も楽しかった
古川 少しSEG時代にさかのぼりましょう。SEGに通うことになったきっかけを教えてください。
笹沼 入会したのは高1の夏で、きっかけは中学から筑駒で一緒だった友人Iくんに紹介されたことです。当時の私は英語が大の苦手で、単語や文法を覚えることに拒否反応が出てしまうくらい嫌でした(笑)。学校のテストでは下から数えた方が早いほどで、そんな私を見て心配したのか、「英語の本を読むだけだから来なよ」と誘ってくれたのです。もともと読書は好きだったのと、学校で洋書を楽しそうに読んでいるIくんが印象的だったこともあり、「それなら通ってみよう」と思いました。
古川 実際に通ってみていかがでしたか。
笹沼 高校生でも最初は『Oxford Reading Tree(ORT)』という絵本のシリーズから始めるため、なんだか幼い印象を受けました。でも、読み進めるうちに読める本の難易度はどんどん上がっていきましたし、いつの間にか英語が苦手だとは思わなくなりました。小学生の頃に読んだ児童書の原著を読む機会もあり、そういった本たちとの「出合い直し」も楽しかったです。特に小学校の頃に大好きだった『The Saga of Darren Shan(ダレン・シャン)』を原著で読めたことは一番の思い出です。
古川 ダレン・シャンは日本でも児童書として出版されていますし、SEGの英語多読でも定番です。今も昔も人気の本ですね。
笹沼 はい。私が英語多読を楽しめたのは、小学生の頃からいろいろな本を読んでいたことが大きいと思います。「読む」という行為自体に慣れていましたし、日本語で読んで知っている本が多かったことも、難しい洋書を読むモチベーションにつながったと思います。
古川 クラスの雰囲気はいかがでしたか。
笹沼 男女を問わずに仲が良いクラスでした。SEGで親しくなった方とは、今でも集まる機会があるほどです。ヨンデミーを一緒に立ち上げたIくんとSくんは筑駒の同期であり、SEGでも一緒に学んだ大切な仲間です。彼らとは大学生の時にSEGで共に英語多読の講師もしていました。
子どもの読書離れの解決に向けて、SEG出身の筑駒仲間3人で会社を設立
古川 ヨンデミー立ち上げのきっかけとなった出来事は何だったのでしょうか。
笹沼 大学2年生の夏、アイデアマンのSくんが「夏休み中、暇だからビジネスコンテストに挑戦しよう」と、私とIくんを誘ったことです。3人共通のバックグラウンドである「多読で英語を学んだ」「英語多読の講師をしている」ことを軸としてさまざまなアイデアが出る中、子どもの読書離れの話題からヨンデミーの原型である「読書教育」につながったのです。中高の国語の先生が読書教育専門の方で、「読書を教わる」経験をしていた影響もあります。
古川 みなさん、読書が当たり前だったのですね。
笹沼 はい。3人とも読書が大好きなので、子どもたちが本を読まなくなっていることに対して「この課題を解決したい」という気持ちが強かったのだと思います。また、身近でも読書離れを感じる出来事がありました。当時は家庭教師もやっていたのですが、中学受験を志す小学生に、「全教科困っている」子どもがたくさんいたのです。国語が苦手なのはもちろん、算数は文章問題になると解けない。文章が理解できないから解説を見ても分からない。自分にはかなりショッキングで、その背景にある「子どもの読書離れ」の深刻さを目の当たりにした瞬間でした。
古川 ビジネスコンテストの結果はどうでしたか?
笹沼 コンテストに出したアイデアは「日本語多読(海外の方が日本語を学ぶ手法としての多読)」だったのですが、全然駄目でした(笑)。しかし多読という手法はどんな言語を学ぶ時にも通用するというのは3人とも分かっていたので、「そもそも母語をターゲットにした方がいいのではないか」と視点を変えてみたら、事業としてかなりしっくりきたのです。その頃から本格的に起業の準備を始め、大学3年になる2020年の4月に会社をスタートさせました。起業がちょうどコロナ禍と重なったのですが、振り返ってみると、会社にとっては追い風だったかもしれません。
古川 コロナ禍で一気にオンライン環境が整いましたからね。
笹沼 コロナ禍以前は小学校でのオンライン教育はほぼ行われていませんでしたし、AIと聞いてイメージできる方も少なかったため、運が良かったと感じています。
古川 SEGで英語多読を学んだ経験は、ヨンデミーの立ち上げにどのように役立ちましたか。
笹沼 自分の経験を元に、一番重視して念頭に置いたのは「先生への信頼」です。私は高2から一番上のクラスに上がり古川先生にお世話になったのですが、その頃にはすっかりSEGの先生方を信頼していたので、普段手に取らないジャンルの本でも「自分の好みを分かっている先生がお薦めしてくれるなら面白いはず」と思えましたし、かなり分厚いペーパーバックでも「読めると思って選んでくれたのだから読めるはず」とモチベーションにつながったことを今でも覚えています。
海外にも読書教育サービスがありますが、それらは読み上げ機能やクイズ機能がついていたり、学校向けだと「ほかの生徒がどのくらい読んでいるか」といった統計機能が実装されていたりします。ヨンデミーがそうした先行例を参考にしなかったのは、SEGでの経験があったからです。先生への信頼があれば、それが本を読むモチベーションになります。同じクラスでも異なるレベルの本を読んでいるのが当然で、誰が何を何冊読んでいるかなど、SEGでは知らないのが普通です。そんなSEGの光景は、この事業を立ち上げる大きな後押しになりました。
対談はまだまだ続きます!
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※笹沼様との対談は、朝日小学生新聞1月3日発行号にも掲載されました。★本対談は
『SEG FORUM No.103別冊 対談特集号 —社会で活躍するSEG卒業生—』
に掲載されています。
代表古川が、年代の異なる4名の卒業生それぞれと今と昔を語り合いました。
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