ハーレクイン を中心に10冊の紹介です

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2972. ハーレクイン を中心に10冊の紹介です

お名前: 久子
投稿日: 2009/7/4(13:37)

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こんにちは 久子です。

前回からだいぶ時間が空いてしまいましたが、10冊ごとの報告です。
恐らく読んでいる人は少ないとと思いますが、わずかでもいることを
期待して書いています。(笑

10冊読むに時間がかかったのは、TOEICに向けて文法を中心にテキストや
問題集をやっていたからです。(読書時間をそれにあてたので、ロマンスはお休み)
どうも一方づく傾向があるので、文法ばかりやってしまい 全体的な
点数は下るという 結果に (笑

常に50%前後をうろうろしている文法について75%程度まで伸びたので
テキスト問題集は無駄にならなかったのかな? という程度でした。
何事もバランスよくというのが大切だと改めて思いました。

今回は、ハーレクインヒストリカルが大目です。
2冊合本で1000円程度と安かったので、ごぞっと買ってしまったのですが
いろいろ調べるとすでに日本では翻訳が出版されているものが多かったです。
私は翻訳は読まないので既読本はなかったのですけど、翻訳を読まれる方は
注意した方がよいと思います。

合本が含まれるため、作品の数としては10以上になり とても長いですから
覚悟して読んでください。(爆
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◆Kidnapped: His Innocent Mistress
Nicola Cornick

Scotland ----
Miss Catriona Balfour は、18歳で父を失い一人ぼっちになってしまいます。
名付け親の Mr. Campbell から父の David が生前、自分にもしものことがあったら、
おじの Ebeneezer を頼るように言っていたと聞かされました。おじに代わって
彼女を迎えに来たのは Strathconan 伯爵の甥で跡継ぎのMr. Neil Sinclairでした。

Mr. Neil Sinclair とおじの家に向かう途中の宿屋で髪を下ろして窓辺に座った
Catriona は、外にたたずむ Neil と目があいます。しどけない姿を見られた
Catriona は直ぐに奥に引っ込みますが、ドアをノックする音に chaperon の
Mrs. Campbell と勘違いして 開けると そこには Neil が立っていました。
驚く彼女に、Neil は「僕の愛人になれば、贅沢なくらしができる。」と
予想もしない申し出をしてきました。
---
冒険物といった感じのヒストリカルです。(その分 ロマンスは薄め)
ヒーローが最低ラインから出発して挽回するパターンです。ヒロインが過去を
回想しているという形で、常にヒロイン視点の一人称語りなので、ヒーローの
気持ちは推測するしかないところが新鮮でした。

場面転換が早く、話がドンドン進むので先が気になりますが、すっ飛ばすと
良く分からなくなります。

宝島で有名な作家 Robert Louis Stevenson の Kidnapped(邦題:誘拐されて) を
下敷きにしたロマンスです。スコットランドが舞台の冒険小説ですが、日本では
あまり有名ではありませんから、どんな話だったっけ? と思われる方が多いかも
しれません。この本は、設定や話の展開の一部がほぼ同じようなので書いてしまうと
ネタバレになってしまうので割愛しますが、ネットで調べれば簡単に粗筋はわかると
思います。

この本のヒロインの父親は、David Balfour とKidnapped の主人公と同じ、
意地悪なおじはEbeneezer Balfour と少し変えていますが、ほぼ同じです。
ご丁寧にヒロインの名付け親はMr. Campbell、ヒロインの従姉妹で友達になるのは
Ellen、ヒロインを助けるヒーロー Neil と、他の登場人物の名前も Kidnapped から
取られていると思われます。 Kidnapped を読んでいれば、ピンと来たり、
ニヤリとするシーンがあるのかもしれませんが、残念ながら私は読んだことが
無いので分かりませんでした。
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◆Lord of Scandal
Nicola Cornick

Miss Catherine Fenton は、母方の祖父の莫大な財産の相続人です。
そのうえ美しいとあって求婚者は何人もいましたが、父親が選んだのは
あまり評判のよろしくない Lord Withers でした。

ある日、銀行家殺しの罪で犯人が縛り首にされるのを父親の命令で
Lord Withers とともに見に行きました。大勢の人でごった返した処刑場にて、
小さな弟の姿が見えなくなったため Catherine は、群衆の中に探しに向かいました。

Benjamin, Lord Hawksmoor は、無実の罪で処刑される現場に来ていました。
金もなく社交界で確固たる地位もない自分にはどうすることもできないことに、
憤りを感じていました。そんな時、美しい女性に目を留めました。
こんなところにちゃんとした良家の女性が居るわけ無いため、てっきり
パトロンに連れられた高級娼婦と思い込みます。処刑が始まる少し前に
その女性は一人で群衆の中に向かっていくことに気がつきました。
興奮の坩堝と化した群集の中に女性が一人では危ないと思った Ben は、
彼女に近づき 自分の体を盾にして群衆から守りました。

処刑が終わった後、Lord Withers が Catherine を敬意のかけらもない態度で
連れ戻す様子を見た Ben は、Catherine の パトロンは Lord Withers だと
更に思い込みを深めました。

---
作者は、Nicola Cornick、男爵の醜聞 というタイトルで 翻訳が発売されてます。

少々華やかさに欠けるお話ですが、ヒーローとヒロインの心情が良く描かれていて
読み応えがあります。上流社会の表側だけでなく、負の面(体面と体裁を保つ為に
借金まみれな人、アヘンにおぼれる人、金と権力で動く世の中など)も良く描かれて
いると思います。

当時の社会習慣や常識を知らないと、登場人物の行動が理解できず 楽しめません。
現代の感覚で判断しながら読むと 全く持ってつまらないと思います。
例えば、ヒロインの婚約者がとっても嫌な男ですが、ヒロインは行動を起こさず
諦めたような気持ちでいます。このあたり、とっとと婚約破棄してしまぇ〜 と
ヒロインを優柔不断でダメな女 と判断する方がいるかもしれません。
また、ヒーローがヒロインのことを簡単に高級娼婦と勘違いして強引に迫ったり、
彼女が莫大な財産の相続人と知ったとたん、あっさり結婚相手として考え始める
点をマイナスと考えるかもしれません。

当時は、良家の女性の行動規範ががっちりしていて、少しでも逸脱すると娼婦と
思われるのは当然であったり、良家の男性の結婚相手を決めるにあたって
なるべくお金持ちの女性を選ぶのは社会常識で恥ずべきことではない。
ということを知っていると知らないとでは、大分受ける印象が異なります。

英国摂政期の社会知識が少しある方もしくは、ヒストリカルロマンスを読みなれている方向けです。
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◆Snowfall at Willow Lake
Susan Wiggs

The Lakeshore Chronicles の四作目、一作目の Summer at Willow Lake は
「あの夏、湖面にまばゆく 」というタイトルで翻訳されていますので、
これからシリーズが順次翻訳されるかもしれません。

Avalon に住む Noah Shepherd は、外出禁止指示が出るほどの吹雪の中、
仕事先から車で家に向かっていました。最近、彼女と別れたばかり、
これまでの彼女ともなかなか長続きしません。
そんな Noah の自宅目前で怪我をしたらしい鹿とその鹿にぶつかって
吹き溜まりに突っ込んだと思しき車を見つけました。怪我をしている女性を
自宅に連れて行き応急処置をしようとしたところ、それまで冷静だった
女性が出血した自分の足をみたとたんパニックを起こしたのに驚きます。

オランダにあるICC(International Criminal Court)で弁護士として働く
Sophie Bellamy は、バツ一で子供が二人います。子供たちは父親と
暮らすことを選び今は、父親の再婚相手と一緒に暮らしています。
仕事にやりがいを感じつつも家庭的なぬくもりがない自分をごまかすために
仕事にだけ打ち込んでいる自分を感じています。

懸案だったアフリカ某国のBlood Diamond シンジゲートを追い詰め、
その国にに安定と平和をもたらすめどがついた今 Sophie は、
自分が世界を変える仕事に携わっていた感慨にふけっています。
ICCの功績が認められてオランダ女王から勲章が授与される式典に
テロリストが侵入し、Sophie は銃を突きつけられて人質として
連れ去られようとしたとき、Sophie の心に浮かんだのは子供たち顔と
子供たちと十分な時間をすごしてこなかったことへの後悔でした。

その事件の後 ICC の職を辞した彼女は子供たちの暮らす Avalon へと向かいます。

---
三作目のヒーローの Greg の元妻 Sophie がヒロインです。一作目で
うまくいっていないことが描かれていて、とうとう二作目で離婚してしまいます。
三作目で夫の Greg は、二作目のヒロインの親友 Nina と結婚します。
そして、仕事に生きる Sophie は、どうなる? というのがこの本です。

アラフォー子持ちで働いている人には、Sophie の心情に共感できたり、
理解できる部分が多いのではないかと思います。ただ、ストーリーの流れとして
仕事より家庭って流れになってしまったことや、Noah と Sophie の年齢差の
設定がちょっとあざとく感じてしまったところもあります。
人によってはそこが気になるかもしれません。

とにかくこのシリーズは登場人物が多いため、主人公以外の登場人物の
サイドストーリーもあり読み応えがあります。ロマンスはちょっとねと
思う方でも(そんな方はここを読んでいないかもしれませんが....)
アメリカの片田舎 Avalon に住む人々の人間模様を楽しむことができると思います。
昨今流行の、やけどしそうな熱いラブシーンなどはありませんから、
そのあたりが気になる人でも大丈夫です。
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◆Mistress of Madderlea
Mary Nichols

Miss Sophia Roswell と Miss Charlotte Hundon は、いとこ同士の仲良しです。
Sophia は、両親を亡くした後、伯爵である父方の伯父 に引き取ら幸せに
暮らしていましたが、その伯父夫妻も事故で亡くなってしまいます。
その後、母方の伯母の Charlotte の母親夫妻の家に引き取られました。

子供が無かった 伯父の伯爵から莫大な遺産を相続した Sophia が、誠実な男性と
結婚できるようにと Charlotte の父は、今年 ロンドンの社交シーズンで花婿探しを
することを決めました。しかし、Charlotte の母の持病が思わしくなく同行できません。
相応しい chaperon をと考えた末、お年で目も耳も遠い Lady Fitzpatric に
頼みました。ロンドンについた、Sophia と Charlotte を温かく迎えてくれた
Lady Fitzpatric ですが、なんと二人を取り違えて覚えてしまい、社交界に
取り違えて紹介してしまいます。

Richard, Viscount Brayblooke は、この前まではしがない将校でしたが、
祖父である公爵の跡取りが無くなったため、突如 跡取りになりました。
祖父からは、早く結婚して跡継ぎをと勧められ、公爵夫人になるのが夢だった
伯母は自分の娘を Richard の花嫁にと気合を入れています。
従姉妹のことは嫌いではありませんが、赤ちゃんのころから知っている彼女を
未来の妻とはとても考えられません。なんとか、自分で相応しい花嫁を
見つけようと考えていました。

親友とどんな女性がよいか と冗談交じりに多額の持参金持ちなら、
財産目当てで無いと思われるのでより好ましい と言ったのが、「お金持ち」の
女性で無ければダメ と社交界中に広まってしまいます。社交界は、Richardが
莫大な持参金を持つ Miss Charlotte Roswell を花嫁候補と考えていると思い込みますが.....

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可も無く不可も無く 普通に面白かったです。
私の好みとはちょっと違いましたが、このお話が好きな方も多いと思います。

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◆The Wolfe's Mate
Paula Marshall

Miss Susanna Beverly は、結婚式の日に花婿になるはずの男から届けられた
短い手紙の素っ気無い言葉で婚約を破棄された。たとえ Susanna に一切の
落ち度がなくても、そんな不名誉な目にあった女性と結婚したい男性など
もう現れないのが現実。ショックをうけた Susanna に継父は、実はSusannaの
実父が一文無しでなくなったため これまで自分が彼女を育てて結婚の持参金も
用立てたが、このような結果になった以上、この先の面倒は見てやれないので、
自分で生計を立てるようにと言い渡しました。

その日から4年 companion として暮らしてきました。現在は、結婚間近かの
Miss Amelia Western の元で仕事をしています。Amelia と Viscount Darlington の
結婚が決まった後、買い物に出かけた Susanna は、突然 男に無理やり馬車に
乗せられ 誘拐されていまいました。

Mr. Ben Wolfe は、とある舞踏会で、遠くから Miss Amelia Western を
教えてもらいました。 残念なことに、Ben に Amelia を教えたレディは
しばしば右と左を間違えるという癖が有りました。そうとは知らない Ben は
早速、以前からの計画を実行に移します。計画とは、 金に困っていて息子
(Viscount Darlington)を資産家の令嬢と結婚させたい Lord Babbacombe の
邪魔をして 経済的に追い詰めること.....

---
Paula Marshall のお話は、一癖あるものが多いように思います。
ハーレクインなので語数は少な目ですが、ストーリーがギュッと詰まった
感じがしました。他の作品に比べて読みにくかったです。
「運命の逆転」というタイトルで翻訳されています。
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◆To Beguile A Beast
Elizabeth Hoyt

The Legend of the Four Soldiers の3作目です。
ヒーロー、ヒロインともに To Seduce A Sin に出てきていますが、
前作を読んでいなくても問題ないと思います。
表紙のヒーローと思しき男性は、フツーの人に見えるんですけど....どこが
Beastやねん と突っ込みがはいらないのか 気になります。

Sir Alistair Munroe は、生物学者でアメリカで土着の動植物の観察研究を
しているうちに戦闘に巻き込まれ、インディアンの捕虜にされてしまいます。
捕虜となった彼は、顔の片側に醜い傷を付けられ片目と2本の指を失いました。
誰もが一目見て、ドキッとする容貌となった彼はスコットランドの自分の城に
隠棲しています。

Mrs. Helen Fitzwilliam は、The Duke of Lister の愛人として14年暮らし
Lister との間に2人の子供を儲けました。でも、Lister はHelen とその子供達を
自分の所有物としてしか考えず愛情を示すことも、子供を認知することもしません。
30歳を過ぎた Helen の元を Lister が訪れることはもうなくなり、他に愛人が
いるにも関わらず Helen を自由にするつもりはありません。そんな生活が
一生続くことを恐れた Helen は、子供をつれて Lister の元を去り逃げ出します。

行くあてのない Kelen に Lady Vale は Sir Alistair の城の housekeeper 職への
紹介状を渡しました。Helen は、それを手にスコットランドへと向かいます。
人目を避けて隠棲する ゾッとする容姿のヒーローと、公爵が愛人にと望んだ
美貌のヒロイン、美女と野獣をイメージしているようです。

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本シリーズの中では一番面白かったです。
戦争で惨い傷を負ったために人目を避けて暮らすヒーローと訳アリで未婚の母の
美貌のヒロイン、 この設定は Mary Bologh の Simply Love と似ていますが、
ストーリーは違います。

大きな出来事は特になく二人の心情が切々と描かれる Simply Love と、
心を閉ざしたヒーローの心を Helen の二人の子供が溶かし始め、父親の愛情に
恵まれない自分の子供に愛情を示すヒーローに引かれていくヒロイン という
To Beguile A Beast。どちらが好みかは人によって分かれるでしょう。
子供と動物を出して感動させるのはズルイって感じる人もいるかもしれませんね。

あと1冊でこのシリーズは完結する予定、裏切り者は誰かが気になるのと、
おまけでついている冒頭部分を読んだら先が知りたくなる内容! まんまと出版社の
戦略に乗せられているのは承知で 次回作も買います!
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◆Lord Scandal
Kalen Hughes

Gabriel Angelstone は、呑む、打つ、買う 全てに飽き飽きしていました。
従姉妹の屋敷のハウスパーティで訪れた時に、美しい女性に出会います。
どこかで見たような? との思いに囚われますが、思い出せません。
従姉妹のGeorge に尋ねると、Miss Imorgen Mowbary だと教えられ、
彼女にちょっかいを出さないようにと釘を刺されます。 理由を問う彼に
「元 Mrs. William Perrin と言えば分かるかしら」と George は答えました。

Imorgen は、政治家の妻でしたが 彼女の肖像画の姿が画家との親密な関係に
あった証拠だ と噂をたてられてしまいます。それを耳にした夫は即座 離婚され、
実家からも拒絶されてしまいます。 現在の彼女は、友人をなった George の
元でひっそりと暮らしています。
Imorgen が George のに庭で会ったエキゾチックな風貌の男性のことを尋ねると
従兄弟のGabriel で、彼の母親がトルコ人であると教えられました。

その肖像画 Portrait Devorceé は、現在 Gabriel の寝室を飾っています。
自分を魅了してやまない肖像画の女性が近くにいると知ったGabriel は、
なんとしても彼女を手に入れたいと決心しました。

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Kalen Hughes の本は初めてでしたが、癖がなくて読みやすいと感じました。
ヒーローが、ヒロインに引かれた理由がいまひとつ良く分からなくて、
I want her. の一点張りみたいでしたが.....(笑
でも、欲しいから欲しい とヒロインの意向などお構いなしの冒頭から
ヒロインのことを良く知るにつれて、彼女の気持ちを思いやり
気持ちに寄り添っていくところに好感が持てました。

裕福な友人を頼って田舎でひっそり暮らすヒロインと、都会で華やかに
暮らすヒーローは会えるのは、ハウスパーティや狩猟パーティのときくらい。
次はいつ会えるのだろうと切なく思う気持ちに胸がキュンとします。

Amazon では、P352 となっているのですが、私の本はP285 です。
ストーリーは普通に終わってますし、最後にはEpilogueもついてます。
なんでなのでしょうね?

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◆The Neglectful Guardian
Anne Ashley

Mr Marcus Ravenhurst は、母親が名付け親になっている Sarah Pennington の
後見人になりましたが、4年間十分な手当てを送る以外のことは何もしませんでした。
そろそろ身を固めようと考えた彼は、手ごろな?Ladyの家に向かう途中、
祖母の家を訪ねます。祖母にSarahのことを放りっぱなしにしていることを指摘された、
Marcus は、ふと思いついて Sarah を尋ねます。

Sarah は、ほんの少しの手当てしか貰えず 素敵なドレスも、ボンネットも縁の無い
生活をしていました。一文無しの自分がこの先暮らしていくには? と考えた結果、
governess になろうと考えて、自分の元governess のところへ行って
今後の身の振り方を考えようと、こっそりと家を出ました。 出発してすぐに
雪が降り出し Sarah は、宿屋に降り込められてしまします。

Marcus は、Sarahの辿ったみちを行くうちに、雪が酷くなり 宿屋に泊まることにしました。

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ミステリー交じりのリージェンシーです。ミステリーといっても、直ぐに犯人の
見当がついてしまうていどのものなので、期待するとアレレって感じです。
Anne Ashleyの本は初めてでしたが、一文が長いのか持ってまわっ多言い回しなのか
読みやすいとはいえませんでした。
また、面白くないわけではありませんが、好みの話ではありませんでした。

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◆The Larkswood Legacy
Nicola Cornick

Mrs. Annabella St Auby は夫を亡くした後、義母のLady St Auby の元に身を
寄せています。Annabella の父は裕福な商人でしたが、数年前に何も財産を
残さずに亡くなっています。財産目当てに結婚した 夫の Francis と
その一族は Annabella に冷たい仕打ちをしています。Annabella の母は彼女を
生んで直ぐに亡くなっていたため、某伯爵家の令嬢だったことは社交界では
都合よく忘れられ 成り上がりものの娘として軽んじられています。
現在、Annabella の姉 Alicia は、侯爵夫人ですが過去のいきさつから連絡が
途絶えています。

夫の喪が明けた Annabella は、社交界に顔を出しますが、予想のとおりみなに
冷たくあしらわれます。そのとき、姉の友人の Lady Kilgaren と夫、そして
友人達が現れました。不幸に暮らしている自分を見下す為に来たのか?
と思う彼女に一行は暖かい声をかけました。その中の一人 Sir William Winston の
真っ青な瞳に彼女は魅せられ、何も知らない人に心を動かされたことに動揺します。

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Alicia の話は「いたずらな運命」Annabella の話は、「胸騒ぎの舞踏会」
というタイトルで翻訳されていました。Alicia と Annabella が疎遠な理由は、
この本では Annabella側からの視点で描かれていますから、おそらく Aliciaのお話では、
Alicia の視点で描かれていると思います。

それにしても 邦題ってどういう基準で決めているのでしょうね。
「いたずらな運命」は True Colours です。

実に嫌な性格の登場人物が何人か出てきて ヒロインをいじめますので、
そういった描写が嫌いな人は避けたほうがよいでしょう。また、ヒーローのBig Secretもので、
それが誤解の元で というパターンです。長さの割りに アレコレ詰め込んでありますので
先が気になって一気に読み終えました。
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◆Lord Hadleigh's Rebellion
Paula Marshall

Russell Chancellor, Lord Hadleigh は、結婚するなら愛する人と と考えており
33歳の今も独身でした。Russell は父親にハウスパーティに行きそこの家の娘と
結婚するように、でなければ爵位以外をすべて弟のRichardに相続させる と
言い渡されました。Richardは父の受けも良く既に結婚して息子も生まれています。
弟とその妻のむつまじい姿をみていると、自分もあのような相手と結婚したいと
思いますが、父には逆らえずにハウスパーティに向かいます。

Mrs Mary Wardour は、父親ほども年の違う夫を亡くしてからは夫の莫大な財産を
自ら管理して自由に暮らしてきました。自由を手にいれた今は再婚する気持ちは
ありません。でも年若い資産家の未亡人を社交界が放っておくはずもなく、
とあるハウスパーティに招待され 断りきれず出席することにしました。

招待先の家についたMary は、庭を散歩しているときに13年ぶりに 将来を
約束しておきながら、その後何も連絡がないまま 二度と会うことのなかった
Russell の姿を見かけショックと受けます。
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Paula Marshall の本は初めてですが、さほど癖もなく読みやすい英文と思います。
ただ、文字が小さくて詰まっていたので その点では読みにくかったです。

ちょっとネタバレすると ヒーロー20歳、ヒロイン17歳の時に 二人は恋に落ち
将来の約束をしますが、双方の父親の思惑で引き裂かれてしまいます。
それから互いが心変わりをしたと思い込んでいました。再会してから互いに少しずつ話を
していくうちに、実は父親達の手回しで引き裂かれたことに気づいた二人は関係を
修復していきます。

という、ロマンスに Russell と父親の確執やRussell の父の若いころの話などが
絡まりあって進みますので、ロマンス度は低めです。
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◆The Sweet Cheat
Anne Ashley

Miss Georgiana Westleigh は、多額の借金を抱えた弟のHarryに有り金全部を
渡してフランスへ逃れるように言い、召使も解雇した家にたった一人で夜を
過ごしていました。その夜に自分の弟がHarryと行動をともにして厄介ごとに
巻き込まれたことをしった Edward, Viscount Lyndhurst が尋ねて来て、
二人の行き先をGeorgiana に問い詰めました。

言い逃れは出来ないと観念したGeorgiana は、二人がフランスへ向かったことを
教え二人を追跡する旅に自分を連れて行くように Edward に迫とり 承知させました。
そして、二人はともにフランスへ向けて出発しました。

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情況が情況とはいえ、自分ひとりではどうにもならないことを 自分さえ
我慢すれば とか何とかできるはず という考えて 当時としてはとんでもない
行動を繰り返す ヒロインが あまり好きになれませんでした。

ヒーローの気持ちはあまり描かれていないので、推測するしかないのですけど
最初からヒロインにメロメロだったようです。時々、激高してますが、
直ぐにヒロインのことを思って反省するいい人でした。
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◆Falling for Rachel
Nora Roberts

Rachel Stanislaski は、Public Defender (公定弁護人)をしています。
今回の担当は、盗みに入ったところを捕まった19歳の Nick 。
Nickへの接見を終えた Rachel は、Nick を逮捕した Alex(Rachel の兄) と
事件当時の話を聞き 週末 に一緒に出かける約束をしました。

弟の Nick が逮捕された Zack Muldoon は、慌てて警察に駆けつけ、
弟の担当弁護士(スタイルのよい美人)が 警官 と親しげに デートの約束をしている
ところに出くわしました。こんな頼りなさそうな弁護士なんて と憤ったZack は
Rachel に声をかけました。

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面白くないわけではないのですけど、ちょっと好みとは違っていました。
Perry Mason に憧れて弁護士を目指し、それを実現した Rachel は、デートも
恋愛も二の次で暮らしてきました。そんな彼女だから、というストーリー展開なの
でしょうけど ちょっと読んでいて居心地が悪かったです。

Nora Roberts の The Stanislaski の3作目、「レイチェルに夢中」 という邦題で、
以前ハーレクイン社から出版されましたが現在は古書での取り扱いになっていると
思います。原書でしたら、このシリーズは 2作ずつ1冊の本で再販されています。
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◆Convincing Alex
Nora Roberts

昼メロの脚本家の Beth は、取材のために hooker (街娼というのかな? 街角で
客を引いて売春している女性) のフリして ニューヨークの街角に立っていました。
本物の hooker の Rosarie が、Beth の態度に不審なものを感じて声をかけてきたため、
怪しまれないように 二人連れの男に声をかけたところ、なんと二人は警察官で
売春容疑でRosarie ともども逮捕されてしまいます。

Alex Stanislaski は、街角で客引きしていた二人連れの hooker を逮捕した
つもりでした。ところが、一人は取材していただけと主張して 身元引受人として
テレビ局の人間の名前を挙げました。身元が保証されて Beth は釈放されましたが、
Alex に取材の申し込みをしたいと言い出しました。自分のタイプじゃないさ
と思う Alex ですが、なぜかBeth のことが気になって仕方がありません。

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Alexは、これまで女性とは楽しいひと時をすごしすことはあっても、真剣に先を
考えたことはありません。警察官という職業がら、家族をもつということが
考えられなかったのです。そんな彼が、Beth のことを思い 自分の気持ちに
正直になっていく様子に好感がもてました。Beth は、私にはちょっと理解できない
人でした。

後半 慌しく 話をまとめてしまったように感じますが、Stanislaski 一家の
あたたらかな団欒や一族の結束の強さは、これまでの作品同様に良く描かれています。

次の作品は、Waiting for Nick 、本作で Falling for Rachel のヒーロー
Zack の弟の Nick に淡い恋心を寄せる Freddy(Taming Natasha のヒーローの連れ子)
の様子が描かれていますから、この二人のロマンスなのでしょうね。楽しみです。

Nora Roberts の The Stanislaski の4作目、「この愛は終わらない」 という邦題で、
以前ハーレクイン社から出版されましたが現在は古書での取り扱いになっていると思います。
原書でしたら、このシリーズは 2作ずつ1冊の本で再販されています。

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◆Waiting for Nick
Nora Roberts

Frederica Kimball には、少女のころからの夢があった。それは、Nicholas LeBeck に
一人前のの女性として見られて、パートナーとなり、やがて二人の家庭を気づくこと。
でも、叔父の義弟でずっと年上のNickは、Freddyのことを妹くらいにしか思ってくれません。

作曲家として頭角を現し始めたNickの作詞家としてコンビを組むことができたFreddyは
しだいに関係を深めて.... と思うですが、仕事は順調に進むものの 期待した方面に
ついてはなかなか進みません。

Nick は、親戚の可愛い女の子だった Freddy が大人の女性になって身近に登場してから
彼女のことが気になって仕方がありません。でも、自分の過去(ストリートギャングの
一員だったことがある)を考えると、大学教授で有名な作曲家を父に持ち いいとこの
お嬢さんの Freddy に自分は相応しくないと思い込んでいます。

押せ押せタイプの若い女の子のお話です。待つ女が好きな人には向かないかもしれません。

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Nora Roberts のStanislaski シリーズの5作目です。一作目(Taming Natasha)の
ヒーロー Spence の連れ子Freddy がヒロインです。当時6歳だったかな?の彼女も
すっかり大人になりました。Nickは、3作目(Falling for Rachel)のヒーロー Zack の
義弟。ヒーローとヒロインが出会ったキッカケが 彼の逮捕でした。

コレまでの作品のヒーロー、ヒロインも話の流れの中で自然に全員登場して、
ずーっとシリーズを読んできた読者を楽しませてくれます。
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今回もとても長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。
現在、未読ロマンスが数十冊ありますので、まだまだ投稿は続くと思います。(笑


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[♪] 2975. Re: ハーレクイン を中心に10冊の紹介です

お名前: rinrin
投稿日: 2009/7/18(22:09)

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久子さん、こんにちは。
10冊ごとのご報告、素敵ですね。

私は、先日、アメリカに行って来て何冊か購入してきたのですが、

To Beguile A Beast Elizabeth Hoyt

は、表紙の美しさに惹かれて購入してきました。
Elizabeth Hoytは、現在、日本で1冊だけ翻訳が出ていますが、作風は切ない感じで、ヒーロー&ヒロインの気持ちの動きがよく描けているので大好きになった作家さんです。

↑の作品は、少し読み始めたのですが、仕事が忙しくてなかなか読む暇がありません。
私も積読がたくさんあって…。少しづつ読み始めなければと思っています。
ハーレクインのヒストリカルは、他のペーパーバッグより100ページくらい少ないので手軽に読めて好きです。
私の手元にも何冊かありますが、変わったところではローマ帝国を舞台にした作品を何作か書いているMichelle Stylesが個人的にはお勧めです。
日本では、時代設定から多分翻訳されることのない作家さんだろうと思いますので、久子さんもいつかお読みになってみてくださいね。


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2977. Re: ハーレクイン を中心に10冊の紹介です

お名前: 久子
投稿日: 2009/7/20(10:54)

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rinrinさん こんにちは。

〉10冊ごとのご報告、素敵ですね。
ありがとうございます。

〉私は、先日、アメリカに行って来て何冊か購入してきたのですが、
羨ましいです。でも、行ったら持ち帰れないほど買ってきてしまうかも...(笑

〉To Beguile A Beast Elizabeth Hoyt

〉は、表紙の美しさに惹かれて購入してきました。
〉Elizabeth Hoytは、現在、日本で1冊だけ翻訳が出ていますが、作風は切ない感じで、ヒーロー&ヒロインの気持ちの動きがよく描けているので大好きになった作家さんです。

この作家の本は表紙がどれも素敵だなぁ と思います。
翻訳された THe Raven Prince は、ちょっと突飛な設定でしたが、
面白かったです。このシリーズのあと2冊は、ちょっと落ちるのが
残念です。

〉私も積読がたくさんあって…。少しづつ読み始めなければと思っています。
どうしても積読が増えてしまいますよね....
買った本を後回しにして図書館の本読むとさらに加速度が....
今のところ一生かかっても読みきれないというほどではありませんが、
このままのペースで買うと危険かもしれません。

〉ハーレクインのヒストリカルは、他のペーパーバッグより100ページくらい少ないので手軽に読めて好きです。
〉私の手元にも何冊かありますが、変わったところではローマ帝国を舞台にした作品を何作か書いているMichelle Stylesが個人的にはお勧めです。
〉日本では、時代設定から多分翻訳されることのない作家さんだろうと思いますので、久子さんもいつかお読みになってみてくださいね。

ローマ時代とは珍しいですね。
The Roman Mysteries という児童書を持っているので、
先にコレを読んだら役に立ちそうです。(児童書の積読も多いのです)
ご紹介ありがとうございます。こんど挑戦してみますね。


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