星の王子さまについてお二方への返礼等

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2583. 星の王子さまについてお二方への返礼等

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/12(07:40)

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第1 お礼
  極楽トンボさん、Ryotasanさん、こんにちは。
  ご返事ありがとうございます。
  お二方の論旨は、明快、納得できましたし、記憶に残りました。
  以下、関連事項について書かせてもらった上で、若干の感想を述べさせてください。
  サン・テグジュペリと打つのは、時間がかかるので、サンテックと記載することがあります。

第2 歴史的考察
1. 執筆期間と第2次世界大戦
 星の王子さまの執筆期間は、1942年6月からその年の10月までらしいので、そう仮定し、出版は、翌43年4月であるとする。
 執筆及び出版とも、第2次世界大戦の最中である。
 第2次世界大戦の概略を記すると、1939年9月1日、ドイツがポーランドに侵攻して、第2次世界大戦が勃発し、翌40年6月14日、ドイツ軍は、パリを陥落させ、無血入城する。
 ドイツは、1945年5月7日、無条件降伏する。
 サンテックは、戦争のさなか、前年の44年7月31日、死亡する。

2. 執筆当時の戦争の状況
(1) 日本
 執筆開始の1942年6月といえば、日本は、1941年12月8日真珠湾を攻撃し勝利を収めたものの、翌1942年6月、ミッドウェー会戦にて、4空母を失うなど、戦局の転機を迎える。歴史の評価は、この後の勝機は、なかったし、局地的勝利さえ、存在しなかったとさえいえよう。もとより、最初から、人的物的な資源面から勝ち目がなかったといえようが、日清戦争や日露戦争で模索したような、和平の落としどころも見失ったといえるのかもしれない。アメリカは、42年8月7日、ガナルカナル島に上陸し、日本は、12月31日、ガナルカナル島の撤退を決定する。
 日本は、1943年1月13日には、ジャズなど英米の音楽をほぼ全面禁止するという効果の薄い統制をはかるが、英米は、翌1月14日には、カサブランカ会談を開き、相手が無条件降伏するまで戦うとの恐ろしい原則を決定した。
 1943年4月、山本五十六が、ブーゲンビリア島上空で、撃墜される。
 この4月に、サンテックは、本を出版した。
 彼は、日米の戦局について、どの程度認識し評価していただろうか?について、私は、知らない。知っていたら、教えていただければ幸いである。
 英米、中国は、執筆終了後の11月、日本の無条件降伏を求めるカイロ宣言を出す。

(2) フランスとドイツ等ヨーロッパ戦線
 フランスの占領下の様子は、昔勉強したかもしれないが、全て忘れてしまった。
 しかし、おおかたの想像はつくということで、その想像はさておいて、マクロ的な話を進めよう。
 ソ連軍は、1942年11月19日、ドイツ軍に対し、レニングラードで大反撃を開始し、ドイツ軍は、撤退する。ここにドイツ軍のソ連に対する勝利がなくなっただけでなく、英米に対する勝利もなくなったといえよう。フランスの奪回も、時間の問題だったといえよう。しかし、戦っている側の多くは、情報も薄く、かつ、認識能力も十分でなかったし、戦局は水ものだから、そう簡単に認識できなかっただろう。サンテックは、どう認識しただろうか。もともとドイツは、戦争では、2方向に分散して戦う必要がある。これは、戦略的に不利だ。ソ連と表面上平和条約を締結したのだから、あくまでそれを貫く方が、賢明だったかもしれないが、歴史は、そう動かなかった。
連合軍は、1944年6月6日、ノルマンディに上陸し、パリは、8月8日解放され、指導者のドゴールは、9月にパリに戻る。
 サンテックは、ノルマンディ上陸は知っていたから、勝利の気配を感じていた可能性が高い。
 しかし、パリの解放は、知らずに死んだ。
サンテック戦死の直前の7月1日には、戦後の政治経済体制を決定するブレトンウッズ会議が、アメリカで開催された。
 サンテックは、その会議の存在または重要性を知っていただろうか。会議開催に関与したのだろうか。

(3) 著者サンテック
 アメリカにいたサンテックは、戦後の政治、経済、法律等の展望について、どの程度の知見があり、どう評価していたのだろうか。
 サンテックは、銃後で計画を練った人でなければ、すでにどろくさい戦闘に実際参加する人でもなかった、と思う。
 しかし、本は書くし、間接的ながら戦争の実務にも就くということだから、それに時間を取られる。内省の人には、なりえたとはいえ、現状把握の知見を取得する立場としては、必ずしも有利とはいえまい。
 また、私生活も、忙しい人であったと思われる。
 私は、サンテックが、当時の世界の現状及び将来の方向において、一流の知見を有していた、という仮定を置くことはできない。
 しかし、実際どうであったかは、わからない。
 実際どうであったか、サンテックの知見と評価について、簡明に知りたい思いである。

第3 私の著書の分析の方法
 これは、これまでも述べているとおり、執筆当時の客観的な政治的・経済的・法律的・文化的・科学史的等の状況がいかなるものであって、著者が、それらを、どの程度認識し、その認識に基づいた評価を下していたか、を考える。
 その場合には、たとえば、著者が、その本において、何を書いたかという以上に、何を書かなかったかを考察し、これを尽くすという、いわゆる「ないない尽くし」の方法が有効である。
 この方法は、本を精読するのも大事だが、それより、むしろ、本の内容を総合的にマクロ的に把握するとともに、私自身の知見を増加させ、その評価を多彩にする方が、効果的である。
 また、著者の主張と、本音とは、意識においても、意識しない面においても、必ずしも同じでないという経験則から、客観的事実と主張を対比し、著者の合理的意思を推認する方法があり、かつ、それで足りると思っている。

第4 若干の感想
1 極楽トンボさんへ
(1) 王子が自己の統治する星の狭隘さと女性の唯一性に感想を漏らすくだりについて
 世の中に女性はたくさんいるし、自分の統治できる範囲以外に世界は広いことは、子供だって知っているから、サンテックが、あらためて世界の広さと女性の多さに驚いたとは、必ずしもいえない。サンテックは、世界が広くても、魅力はないし、女性は美しくても、内容に欠けるという結論を導いているから、その前提としての話の作り方に過ぎないように思われる。まあ、わかっていても、改めて驚いたが、やっぱり、自分の環境が良かったという言い分かもしれない。

(2) 「飲んべえ」について
 「飲んべえ」について、詳しくは書く余裕はないが、「ないない尽くし」の思考方法でいえば、なぜ、あの6種の人選になったかが気になる。オズとドロシーの話のように、農夫、工場労働者のように銃後で稼働している人のことを述べているのではないし、戦後の計画を練っている政治家や、戦略に日々腐心する軍人の指揮官に触れているわけでもない。一線の軍人の苦悩や横暴に触れているわけでもない。女性も出ない。6種の人定は、平和なときにも、出てきそうな感じである。しかも、それぞれに、わがままか、自由だ。6種の人定は、作者の分身かもしれない。作者は、決して、いわゆる子供心に純真ではないし、純真に戻ろうという気もないと思われる。少なくとも、ピーターパンのように、大人になること、成人女性と交際することに恐怖や嫌悪を示し、大人になりたくないという気持ちを持っていたとは、さらさら考えられない。王の支配欲求、うぬぼれ屋の賞賛欲求、飲んべえの飲酒欲求は、サンテックも、王子こと小さな大公も、捨てられないものだろう。また、これから発展させ、星の王子さまが、日独伊を批判した戦争文学だというような評価は、軽々にできないだろうと思う。その仮説を検証するために、テキストを深読みするよりは、サンテックの有した政治的・経済的・法律的知識などについて、調べる必要があろう。

(3) 是非早めに英語版を読んで、感想を書いてください。
 
2 Ryotasanさんへ
(1) ご指摘の点、インターネットである程度把握していましたが、知らないことも多く、頭に定着しました。私も、今後、より正確性を期します。

(2) 多くの人が、この物語について一筋縄ではいかないと思っていると評価されていることにかんがみると、私が、「星の王子さま」の物語について、神秘性を喪失し、サンテックの合理的真意を把握できたかのような口ぶりをしていることに異論があるかもしれませんが、この点については、私は、おそらく、この物語の底が見えたという今回の感想は、今後も維持できると考えています。

(3) 私は、Ryotasanさんの過去歴については、あまり調べる暇がなかったので、よく存じませんが、1970年代から、多読を開始し、大学でアメリカ文学を教えておられるのではないかと思います。星の王子さまについて、何か、文を載せていただければ幸いです。

(4) 私は、星の王子さまの日本語訳や解説のたぐいについては、本を立ち読みした以外は、読んだことがありません。仏英の適訳の隘路に関連し、以下の語源については、該当する本がありませんでした。
 
第5 語源について
1 apprivoiserとtameについて
 原典は、本屋で立ち読みすると、フランス語の(1)apprivoiserであり、これを英語で、(2)tameと訳している。以下、書くのが億劫なので、(1)と(2)で我慢されたい。ここから、推測であるので、是非、教えていただければ、幸いである。(2)は、古い英語である。ラテン語系ではない。この手の言葉が古英語であることを直感的に感じるには、難しいことではない。(1)は、ラテン語系である。すると、本来、(1)は、ラテン語系の英語である、別の言葉に訳されるべきだった、という仮定が成立する。

2 私は、フランス語の知識は全くないが、おなじ語族だから、英語を類推しよう。(1)のうち、apは、接頭辞のadだろう。ここでは、普通よくある、「急激でも良いが、どちらかといえば、徐々に、そちらの方向へもっていく」というような感じだと思う。privoiが迷う。prのつく言葉は、おそらく語源が、いろいろあるからだ。priという接頭辞かもしれない。しかし、ここでは、考え方を方向転換し、本の内容から、「女性と、親密な関係になって、自分の所有物にしてしまう。私物化する」という意味だから、英語のprivateと関係があるのではないか、と考える。英語で、apprivateを見ると、こんな単語はない。しかし、私物化するという意味では、appropriateがある。これは、ap pro priであり、ateは、動詞化である。これは、(1)と関連した言葉と考えて、正解ではないか。これらの思考を発展させると、サンテックは、privateに関連した用語で、英訳させるべきであった、といわざるをえない。

3 なお、pri pro privは、同じような語源ではないか。今手元に、語源の書物はないので、なんともいえないが、その可能性は、あるだろう。

4 以上は、普通の英和辞典でも、確認すると、それらしきことが書いてあるように思う。

                                                          以  上


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2585. Re: 星の王子さまについてお二方への返礼等

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/5/14(09:40)

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主観の新茶さん、
丁寧なお返事をありがとうございます。

僕は1970年に小学生で、
78年に手探りで英語の多読を始め、
79年に大学生になりました。
でも、
過去歴についてはご自由に想像して下さっても結構です。(^-^)

英語で初めて The Little Prince を読んだのは79年です。
この作品に対して、
親しい友人に対する気持ちと同じ様な感情を抱いていますが、
神秘性は感じていません。
作品の受け止め方は人それぞれで構わないと思っています。(^-^)

フランス語で Le Petit Prince を読んだことはありますが、
"apprivoiser" の語源が分かるほどの知識は無いです。
ここでは何種類かの英訳からキツネの性格を考え、
このキツネの語彙にふさわしいのはどういう単語かを判断するにとどめます。

この話に登場するキツネは、
人間から鶏を盗んだり、
猟銃を持った人間から逃げることにしか普段は興味を持っていないキツネらしいです。
生活体験に根ざした知恵や狡猾さは身につけているようですが、
教養のあるタイプではなさそうです。
言語に対する不信感も表明しています。
豊富な語彙を駆使して話すより、
身近な具体例を示す方が得意な様です。

ですから、
仮に英語を話すキツネだとしても、
限られた語彙の中で話す方が自然です。
ラテン語起源の単語を豊富に使うキツネではないような気がします。
(フランス語を話すキツネなのか、
英語を話すキツネなのかで、
語彙の選択も違ってくると思います。)

日本語だったら、
たとえば宮沢賢治の作品に登場する動物たちが、
辞書的な日本語から外れた日本語の表現を用いることがあります。
そういう見地から、
キツネの言葉を考えても良いと思います。

ご指摘のとおり、
tame は古くから英語の中で使われいる単語であり、
ラテン語系ではないです。

以上、
まとまりのない投稿ですが、
ご笑覧いただければ幸いです。


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2587. 星の王子さまあれこれ中国語訳本のことなど

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/5/14(17:25)

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主観の新茶さん、Ryotasanさん、こんにちわ!

お二人の投稿を読んでいろいろ思い出してきました。

小学生の時に、星の王子さまの内藤訳を親に読み聞かせてもらっていました。
でも、当時わたしは飛行機乗りにあこがれていたので、語り手のパイロットが食料も水もないのに砂漠に不時着して生命の危険に直面していることばかり気になったことを思い出しました。飛行機乗りになると怖いことがいっぱいあるんだなあと子供心に思ったのでしょうか。そのほかのことはあまり印象に残っていません。もしかすると、星の王子さまは、こどもにはあまり向かない児童書かもしれませんね。

大学受験時に上京して御茶ノ水丸善で英訳を購入した話はもうしました。普通の本屋に洋書がおいてあったのでうれしくなって衝動的に買ったのですが、よく考えたら丸善って普通の本屋ではありませんでしたね。昔から洋書を扱っていたことで有名な本屋でした。でも、店の構えからは、洋書を扱ってるんだぞお、という感じがしませんでした。いまでも洋書置いているのかなあ?

このときは辞書をひきまくって読んだような気がします。今は全然このときの印象を思い出せません。昔のことですから仕方がないのですが、大学受験のとき、英語は英文解釈の勉強ばっかりしていました。もちろんたいしてできたわけではありません。知り合いにはRyotasanみたいな多読の先駆者は全然いませんでしたねえ。大学入学後、内藤訳を引っ張り出して読んでみて、子供のときの印象があまり的を得たものでないことに気が付きました。

しばらくの間、星の王子さまに夢中だったのですが、ある日、熱を醒まさせる事件がありました。ネット事典によると、このころブームがあって、研究参考書も出たようです。こうして輩出したミーハーな星の王子さま好きを苦々しく思ったからなのでしょうか、金井美恵子さんがエッセイでブームを批判していました。星の王子さまを嬉々として熱く語る成人男性について、とくに児童文学などに関心を持って読んできたわけでもないのに、ブームになったのを機会に、たまたま手にとって読んでみたら思いのほか面白かったので、星の王子さまについて熱く語り始めてしまうその駄目さ加減を口をきわめて罵倒したそのエッセイを読んで、わたしは、うーん、図星!と思いました。それでわたしは、星の王子さまについて語ろうと思うとき、もっと児童書をいろいろ読んでからにしないとなあとつい反省してしまいます。この掲示板には児童文学に造詣の深いひとがいっぱいいそうなので、なおさらです。主観の新茶さんの重厚な大作、ブラウサの文字を最大にして一生懸命読ましていただき、とっても刺激を受けましたし、もよりの図書館に古い英訳も所蔵されていることもわかったのですが、星の王子さまの感想は、もうちょっと先に延ばさせてください。

星の王子さまの中国語訳が10年前に二種類出ていたので、読み比べたことがあります(人民文学出版社版と浙江文芸出版社版だったと思います)。どっちがどっちか忘れちゃいましたが、片方は英訳からの重訳、片方はフランス語からの訳でした。これもどっちがどっちだったか忘れちゃったのですが、片方は比較的口語的な文体で、もう片方は少し硬い文体で訳していました。本は他人にあげちゃったので手元にありません。いま、ネット書店のカタログを見てみたら、中国には現在10何種類もの訳本があることがわかってびっくりです。あ、日本もそうでしたね。中国語多読をするときに星の王子さま中国語訳コンプリートっていう企画もありかなあと思いました。

いまはちょっと公私共に忙しいので、星の王子さまより簡単に読める英語の児童書を求めています。シェークスピア物語へのリベンジはまだ全然無理なようです。できれば、MarvinRedpostより易しくておもしろいやつ。児童書をいきいきとした物語として楽しむというのは難しいです。わたしは子供のとき、児童書をいっぱい読んで楽しんだはずなのですが、いったいどんな楽しさを求めて読んでいたのでしょうか?ORTは、読み聞かせの時は楽しいのですが、オヤジ一人で読むのはつまんないです。


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2628. Re: 星の王子さまあれこれ中国語訳本のことなど

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/31(01:07)

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   極楽トンボさん、こんにちは。しばらくぶりです。
   主観の新茶です。

"極楽トンボ"さんは[url:kb:2587]で書きました:
〉主観の新茶さん、Ryotasanさん、こんにちわ!

〉お二人の投稿を読んでいろいろ思い出してきました。

〉小学生の時に、星の王子さまの内藤訳を親に読み聞かせてもらっていました。
〉でも、当時わたしは飛行機乗りにあこがれていたので、語り手のパイロットが食料も水もないのに砂漠に不時着して生命の危険に直面していることばかり気になったことを思い出しました。飛行機乗りになると怖いことがいっぱいあるんだなあと子供心に思ったのでしょうか。そのほかのことはあまり印象に残っていません。もしかすると、星の王子さまは、こどもにはあまり向かない児童書かもしれませんね。

   子供に向かない、というのは、一面の真理だと思います。
   しかし、子供のときは向かないが、成長するにつれて、向くようになるものであると、極楽トンボさんは、述べておられるのだと思います。
   中国の古典も、同じだと思います。

     

〉大学受験時に上京して御茶ノ水丸善で英訳を購入した話はもうしました。普通の本屋に洋書がおいてあったのでうれしくなって衝動的に買ったのですが、よく考えたら丸善って普通の本屋ではありませんでしたね。昔から洋書を扱っていたことで有名な本屋でした。でも、店の構えからは、洋書を扱ってるんだぞお、という感じがしませんでした。いまでも洋書置いているのかなあ?

〉このときは辞書をひきまくって読んだような気がします。今は全然このときの印象を思い出せません。昔のことですから仕方がないのですが、大学受験のとき、英語は英文解釈の勉強ばっかりしていました。もちろんたいしてできたわけではありません。知り合いにはRyotasanみたいな多読の先駆者は全然いませんでしたねえ。大学入学後、内藤訳を引っ張り出して読んでみて、子供のときの印象があまり的を得たものでないことに気が付きました。

   英文解釈ばかり勉強していた、やや誇張かもしれませんが、私の場合も、英文解釈ばかりしていたと思います。
   もう少し述べると、いかに日本語らしくなるか、意訳の練習をしていたと思います。その意味では、英単語を日本語の訳として、1対1で対応して覚えるという発想はなく、たくさんある訳のうち、どれが適切か考えたし、英単語と日本語の意味を、便宜的に、1対1で覚えるにしても、代表的な意味程度に考えていたと思いますし、皆が、そう考えていると思っていました。

〉しばらくの間、星の王子さまに夢中だったのですが、ある日、熱を醒まさせる事件がありました。ネット事典によると、このころブームがあって、研究参考書も出たようです。こうして輩出したミーハーな星の王子さま好きを苦々しく思ったからなのでしょうか、金井美恵子さんがエッセイでブームを批判していました。星の王子さまを嬉々として熱く語る成人男性について、とくに児童文学などに関心を持って読んできたわけでもないのに、ブームになったのを機会に、たまたま手にとって読んでみたら思いのほか面白かったので、星の王子さまについて熱く語り始めてしまうその駄目さ加減を口をきわめて罵倒したそのエッセイを読んで、わたしは、うーん、図星!と思いました。それでわたしは、星の王子さまについて語ろうと思うとき、もっと児童書をいろいろ読んでからにしないとなあとつい反省してしまいます。この掲示板には児童文学に造詣の深いひとがいっぱいいそうなので、なおさらです。主観の新茶さんの重厚な大作、ブラウサの文字を最大にして一生懸命読ましていただき、とっても刺激を受けましたし、もよりの図書館に古い英訳も所蔵されていることもわかったのですが、星の王子さまの感想は、もうちょっと先に延ばさせてください。

   ブームに乗った人には厳しい意見かもしれませんが、ブームに乗じた付和雷同型の読書には、私も、苦々しい思いがする。
   星の数ほどある著書のうち、なぜに、同じ時期に、同じように、その本を、読むのか。
   一世を風靡したのに、50年後、いや30年後、10年後には、名前すら知られていない作家が、日本にも、かなりいます。
   金井美恵子さんを引き合いに出したのは、私の高校時代の参考書小林信明?の漢文研究法の最初の方に、昔の中国で、すでに使用されていた引用法だと書いてあり、なるほど、文章を書く人は、そういう使い方をするのかと初めて知り、感心したのを思い出しました。
   

〉星の王子さまの中国語訳が10年前に二種類出ていたので、読み比べたことがあります(人民文学出版社版と浙江文芸出版社版だったと思います)。どっちがどっちか忘れちゃいましたが、片方は英訳からの重訳、片方はフランス語からの訳でした。これもどっちがどっちだったか忘れちゃったのですが、片方は比較的口語的な文体で、もう片方は少し硬い文体で訳していました。本は他人にあげちゃったので手元にありません。いま、ネット書店のカタログを見てみたら、中国には現在10何種類もの訳本があることがわかってびっくりです。あ、日本もそうでしたね。中国語多読をするときに星の王子さま中国語訳コンプリートっていう企画もありかなあと思いました。

   中国語で読むなんて、すごいですね。

   私は、中国語を、全く知りません。知っているのは、メイヨーくらいです。

   漢文は、文章の能力を増強するから、自分に合った物を、白文で読みます。
   読み下しで読んで、ダメとはいわないが、英語と同じような構造を持つから、白文で読もうと思えば読めるし、白文で読んだ方が、文章能力の増強に役立つし、読んでいて、おもしろいですね。
   中国古典の主題は、儒教か、老荘であり、主張も、定型化しているから、その思想と、一文字一文字の漢字の意味と、語順等の規則がわかれば、熟語も類推でき、話の内容がわかりますが、内容が飽きてくると、頭に受け付けなくなりますね。めっぽう難解な熟語が続くと、スピードはのろのろ運転となり、その陳腐な内容と相まって、嫌になりますね。

   白文で読む能力は、低いです。読んだ量及び内容も、昔日の人たちに比べると、九牛の一毛にすぎません。また、ここ最近は、漢文は、白文すら読むことがなくなりました。

   近年、英語が良くできる日系外人?で、日本語主体・英語表記混じりの「英語のすすめ」のような光文社発行の本に、漢文不要論が書かれていましたが、それには、賛同できませんね。
   彼は、冒頭、東大卒の若者が、一方で、中央官庁に就職し、給料も安く自由時間がなく、不遇をかこち、他方で、六本木のIT企業で外人と英語で伍して、高給と自由時間を手に入れ、満足を勝ち得ているという対比を描いています。
   彼の文章は、内容に疑問がありますが、邦語の文章として、読めた文章であるか否か、検討する余地があります。
   日本語の読み書きの能力が低下し、かつ、英語が堪能になれば、それは、文化や思考が、今とは異なる人々が出現するということであり、ほかの国に散見されますが、日本古代から明治までの古典の伝統は、引き継がれないでしょう。
   なお、難しい漢語の使用には賛否がありますが、この点につき、「訓読みの話」光文社新書2008年5月20日発行は、読まれましたか。ここに、難しい漢語表現に、日本人は、どう対処すべきかのヒントがあるように思われます。やさしいと感じる漢字でも、漢字を和語の表記に使用するということは、どういうことを意味するかが記載されています。私は、それが、解決のヒントだと思います。

〉いまはちょっと公私共に忙しいので、星の王子さまより簡単に読める英語の児童書を求めています。シェークスピア物語へのリベンジはまだ全然無理なようです。できれば、MarvinRedpostより易しくておもしろいやつ。児童書をいきいきとした物語として楽しむというのは難しいです。わたしは子供のとき、児童書をいっぱい読んで楽しんだはずなのですが、いったいどんな楽しさを求めて読んでいたのでしょうか?ORTは、読み聞かせの時は楽しいのですが、オヤジ一人で読むのはつまんないです。

   極楽トンボさんが、星の王子さまのきつねの話について、また、中国文学の話などについて、再度お話ししているのを確かにお見かけしたと、記憶しているので、それに反応しようとしたのですが、私のアクセス能力がないのか、記憶が間違っていたか、はたまた、夢まぼろしであったか、判然としません。その話にレスしようとしたのですが、それができないので、代わりになりますし、再度になりますが、お返事しました。


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2629. 混乱させて御免なさい、或いは英文和訳と漢文訓読

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/5/31(12:07)

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〉   極楽トンボさんが、星の王子さまのきつねの話について、また、中国文学の話などについて、再度お話ししているのを確かにお見かけしたと、記憶しているので、それに反応しようとしたのですが、私のアクセス能力がないのか、記憶が間違っていたか、はたまた、夢まぼろしであったか、判然としません。その話にレスしようとしたのですが、それができないので、代わりになりますし、再度になりますが、お返事しました。

主観の新茶さん、混乱させてすいません。

わたし、確かに星の王子さまと中国古典の話を掲示板に書き込んだのですけど、時間を置いてまた読み直したら、急に恥ずかしくなったので、削除してしまったのです。主観の新茶さんがお読みになったのは、オリジナル版だったと思われます。     

ぐふふ、星の王子さまの話はやっぱり英訳書を読んでからやりましょう。気をもたせてすいません。

>>昔のことですから仕方がないのですが、大学受験のとき、英語は英文解釈の勉強ばっかりしていました。もちろんたいしてできたわけではありません。

〉   英文解釈ばかり勉強していた、やや誇張かもしれませんが、私の場合も、英文解釈ばかりしていたと思います。
〉   もう少し述べると、いかに日本語らしくなるか、意訳の練習をしていたと思います。その意味では、英単語を日本語の訳として、1対1で対応して覚えるという発想はなく、たくさんある訳のうち、どれが適切か考えたし、英単語と日本語の意味を、便宜的に、1対1で覚えるにしても、代表的な意味程度に考えていたと思いますし、皆が、そう考えていると思っていました。

そうでしたね。どうしたら試験官に気に入ってもらえるような日本語訳文が作れるか、そればっかり気にしていました。英文の単語はとりあえず全部日本語に移して、なおかつ日本語の文章として不自然なところがないように整える。評価のポイントはどこにあるのか、模試の解説を穴が空くほど読み込みました。まあ、でも、そんな優雅なことやってたら、実用的ではないのは確かだと思います。

よく巷で言われるように、漢文の訓読や英文の和訳が近代日本語の議論文のスタイルを作ったとされます。おかげさまでわれわれは、西洋哲学を日本語で語る離れ業ができるわけです。知的植民地にならずにすんでよかった!?ということは、逆に言えば、あれは外国語に根こそぎやられないようにという日本語の免疫反応みたいなもんで、根本的には、いかに外国語から日本語を守るかという防衛的なものだと思います。その限りで、外国語の修得の本筋ではないと思います。言ってみれば、外国語の習得というのは、心の中に外国語の植民地を作ってもらうことではないでしょうか。

〉   漢文は、文章の能力を増強するから、自分に合った物を、白文で読みます。
〉   読み下しで読んで、ダメとはいわないが、英語と同じような構造を持つから、白文で読もうと思えば読めるし、白文で読んだ方が、文章能力の増強に役立つし、読んでいて、おもしろいですね。
〉   中国古典の主題は、儒教か、老荘であり、主張も、定型化しているから、その思想と、一文字一文字の漢字の意味と、語順等の規則がわかれば、熟語も類推でき、話の内容がわかりますが、内容が飽きてくると、頭に受け付けなくなりますね。めっぽう難解な熟語が続くと、スピードはのろのろ運転となり、その陳腐な内容と相まって、嫌になりますね。

わたしが大学で漢文を習ったときは、訓読派の先生と原音直読派の先生が学界を二分していがみあっていました。わたしはいろいろな先生の授業に出て気づいたのですが、訓読派の先生も直読派の先生も、どちらも自分で読むときは上から下へまっすぐ読んでいるのです。訓読派の先生だからといって、訓読のように返り読みしたりしないし、直読派の先生だからといって、必ず現代日本語訳するわけではありません。学生に漢文を教える時に訓読文を用いるかどうかの違いに過ぎないと思いました。結局、訓読以外に、古典漢文を日本語に翻訳する技術が確立していないところに問題があるのだと思います。よくSSSの皆さんは、従来の英文和訳を漢文の訓読になぞらえて批判しますが、あれは翻訳のための技術なので、自分で読むときにいちいち訓読などしていたら、漢文など読めません。それは多読と同じです。偉そうなこと言ってますが、わたしも大して読めません。

〉   なお、難しい漢語の使用には賛否がありますが、この点につき、「訓読みの話」光文社新書2008年5月20日発行は、読まれましたか。ここに、難しい漢語表現に、日本人は、どう対処すべきかのヒントがあるように思われます。やさしいと感じる漢字でも、漢字を和語の表記に使用するということは、どういうことを意味するかが記載されています。私は、それが、解決のヒントだと思います。

新潮社の新しい漢字辞典を作った編集者の方ですね。ちょっと興味を持っていますが、まだ辞書の方も新書の方も手に入れていません。わたしは、漢字の訓読みが大好きなので、日本語の中で漢字がどういう使われ方をするのか解説するような辞典は大歓迎なのです。しかし、昔から、日本語のなかで使われる漢字や漢語の辞典を作るべきだという議論があって、実際にそういう辞典が作られるのですが、たいして便利なものではありませんでした。国語学者が片手間に作るのは無理だろうと思っていました。一方、専門家の白川静さんの『字訓』も、たくさんの和訓が集められていますが、平安時代以前に集中していて、江戸時代や明治以降の例がないので、不満に思っていました。


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2588. またしても お二方へ

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/15(08:00)

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1 取り急ぎ、発想したことを返答します。

2 private possess own haveについて
(1) 例のフランス語は、privateに関連するとみなして、所有について考える。
  私的所有権が認められてはじめて、商品経済が発展し、資本主義が進展し、各戸の人々に、ハッピィと思えるような商品やサービスが届く。
  happy readingの思想も、思想の媒介物たる書物も、今のところ、英語が多いのは、英米の所有権概念が、相対的に、自由で民主的な国民を発達させるからである。

(2) privateは、私的な関係である。私的所有権である。privilegeも、同じである。legeは、legalのことである。privateは、民間ということだ。民間でなくて,王様が、私的機関として利用しようという発想では,ちょっと語弊があるから,別の単語を作ろうという感じで,privaryになる。今はやりのprivatizationは、官を排除する。官民が共同する第3セクターは、privatizationの語感に反する。国立大学や国立病院の独立法人化は、privatizationの仲間入り可能か?。男が女に、I pravate youと言ったら、どういう意味に取られるだろうか。

(3) 脱線すると,prin primは,「あんたが第1」という感じの言葉と解している。星の王子様のprinceしかり。principleしかり。プリンちゃんは,しかし,実際は,厳粛な感じの言葉であろう。しかし,あまりprinと言われると,「あんたが第1」と切り返したくなる言葉のような気がする。

(4) possess は,本来,一時的所有である。正確には,いわゆる占有である。同じく占有には,ゲヴェーレgewereというものがあるが,これは,ゲルマン民族が,大移動や定着を繰り返すうちに,獲得した言葉だろう。ドイツ語的だ。遊牧民族には,土地に対するポゼッシオpossesioも,ゲヴェーレもないはずである。もともと,このような言葉は,土地か,重要な耐久消費財に使われた言葉であろう。重要な耐久消費財という言葉は,資本主義発生後の近代の言葉だから,このころは,不動産に対比し,「重要な動産」とでも言ったであろう。ゲヴェーレは,英語としては,どこに行ってしまったのだろう。消えてしまったのだろうか。
  possessは,今述べたように、ゲルマン族の言葉ではない。当然,ギリシャ・ローマの概念であろう。それ以外の民族でもない。ローマで,possessの概念が発生したのは,人の心がそれなりに発達したからである。取る取られるが日常茶飯事のローマにおいて,もし野蛮時代のように、取られたものは,取り返しても,何ら問題がないとすると,報復の繰り返しである。そこで,国家が出てくるまで,一時的に単なる占有も,possessとして,認めたのだろう。
 そこで,現代で,I possess youとなると,論理上は,一時的所有で良いということになろうから、言われた方としては、真意が聞きたいだろう。

(5) ownになると,永続的所有を意味するだろうと思う。
 サッカーで,own goalとはいうが,possessive goalというようなことはいわないだろうが,これは,possessiveが,長たらしい言葉というだけではないだろう。
 得点というのは,審判がその場で最終決定した以上,よほどのことがない限り,試合続行中も,試合後も,覆ることはないから,ownなのである。

(6) have  capになると,「家畜等の物の現実の握持」であるから,占有より狭い。
 占有なら,現実に手で持っていなくても良いが,haveは,手から離脱してしまうと,喪失してしまう。
 女性が,男性と永続的に付き合おうと心に想っている場合ならば、男性は、女性に対し、もしpriを使うプライドなる気持ちで,つまり、pride高く言うならば,I own youと言った方が,I possess youというより,喜ばれると思われる。I pravate youとの優劣は、どうか。これらは、あくまで、言葉の概念のたとえ話である。

(7) pride とかproudになると,「自分が第1」というようにも思えるから,あるいは,pri-vateのpriと共通の語源のように見えるが,結論は,似て非なるように思われる。思われるだけで,よくわからない。
 こういうのは,語源的感覚の正しい外国人が必要だろう。
 その気の利いた使い方については、ダールのような言語感覚の人に聞かなければ,わからないかも知れないのは,日本語を日本人に聞くのと同じである。

(8) 今は,所有なら,何でも haveで代用して良いから,I have a house と言えば,家を所有しているということに何ら問題はないだろうが,本来は,ownであろう。
 日本語でも,「私は,家を持っているよ。」という代わりに,「私は,家を所有しているのです」と言ったら,相手によっては,ちょっと煙たがられるかも知れない。
I have youと言ったら、どういう意味だろうか。

3 Ryotasanさんへ
(1) 神秘性
 私は,1973年秋か1974年春ころ,この童話を読んだが,当時は,意味や内容がはっきりつかめたか,つかめなかったのかさえ,おぼつかなかったと思われるが,含蓄のある表現が気にかかったのと,それから30年以上経過し,記憶の変容が,さらに内容の渺茫さに拍車をかけた点などを総合して,そのもやもやとした感情を「神秘性」と表現した上で,一般的に,他者も,普段この童話と疎遠になっているが,気にかかっている人が多いなどと推量し,これを一言で神秘性といわば定義したのですが,Ryotasanは,折に触れ,フランス語原典及び何種類かの英訳を読了されるなど,意味や内容についての不明確性を意識されていないから,親しい友人と同視する感情を抱きこそすれ,神秘性を感じないのは,当然だと思います。
 作品の受取り方をいうまでもなく,説明できるほどの知識と記憶が不明瞭だったのです。
 しかし,心に残って,魅力を感じていました。
 煎じ詰めれば,私の場合,今回初めて読んだも同然だが,いっぺん読めばわかったと,したり顔したというべきでしょう。
 私は,直感的に,サンテックの本音さえつかめれば,それで満足できます。
次は,王子の童話とは別の対象に向かいますが,その前に,以下述べます。

(2) キツネ
  王子が,キツネとつれなく別れたのは,タイプが合わなかったためでしょうが,Ryotasanが,キツネを「教養のあるタイプではない」と想定するのが正しいとすると,タイプが合わない理由が判明します。
 サンテックは,たとえ,帽子の絵の真の解釈を説明するより有益なことをしなさいと露骨に忠告するようなタイプでなく,逆に,王子にすり寄ってくるタイプであっても,タイプが合わなければ,これを引き連れて行きません。
 桃太郎のように,キツネを子分にして連れて歩く筋書きも可能だったが,その可能性は,排除したのです。
 もっとも王子は,終始,単独行動し,サンテックは,飛行機の故障により,単独行動を余儀なくさせられますが,始章と終章の人界においても,サンテック以外に,特に具体的な人物は,登場しません。
 サンテックが孤高の精神を併有させていることを示す挿話と解釈できるものでしょう。
 私なら,キツネに,「生活の知恵」が充満していたら,それがまさに教養であるとして,魅力を感じたでしょうが,この場合,「キツネの生活体験に根ざした知恵」は,「生活の知恵」の中の一部の特殊な場合にすぎないのであって,魅力的な生活の知恵の充満というものではないのでしょう。

4 極楽トンボさんへ

 私の経験で良ければ、参考にしてください。
(1) 私は、ICRを薦めます。1か2がおもしろい。0もいいよ。有名なローベルは、蛙とがま、ふくろう、バッタの話であるが、実は、それほどおもしろくない。私は、何度も読んだが、それは、言い回しがおもしろいからだ。ネズミの話は、なおさら、おもしろくない。これは相対的な問題で、他のICRの方が、平均的に、おもしろいということだ。7冊くらい、同時並行的に読めば、おもしろいものは、読了し、おもしろくないものは、脱落する。ただし、1000字か2000字だから、おもしろくなくても読める。書評で、だめとされたrotton eggという題名の入った物語は、アメリカ人らしい正義感があって、おもしろかった。日本にない発想だ。その中に、not too 〜 toという構文がある。私は、後戻りして日本語訳をしながら読むことはないが、はじめから考えていくべきで、後戻りして訳せば、かえっておかしいものがあるのが、この構文でもわかる。私は、ただ、日本語と同じくらい身についている英単語以外は、瞬間的に、日本語に置き換えているだろうと思う。日本語では、直訳しないで、こう慣用句を用いて訳すべきだろうなあなんて、考える。一番多いのは、上滑りで読んでいることだ。日本語でも、難しい本は、ついそうなる。それはともかく、ICRは、できれば、借りた方がよい。お金がかかる。50冊買えば、3万円だ。玉石混淆でもある。

(2) 次は、ORTのオールスターズだ。ステージ1から3まである。最初に読んだヒツジの話が、良かった。オオカミに育てられたヒツジが、ヒツジ仲間で村八分にされながら、ヒツジ世界の外延にとどまり、ヒツジ仲間を一人で外敵から守るのであるが、その発想は、前記と同じく、日本にない。日本なら、村八分解消の物語になるか、外に撃って出る話になるだろう。ほかも、おもしろく感じたものが多い。実は、本当におもしろいのは、内容というより、文体とテンポだ。これらも、買うと高い。全部で3万だ。私は、借りて読んだ。

(3) 最後に、ダールだ。内容は、感心しないが、文体が小気味よいし、話のテンポが速いから、内容に疑問が発生しても、読める。短いものから順に読んでいくと良い。私は、神父の話で、一度基本単語を辞典で引いたが、それ以外は、特に辞書を引かなくても、読めた。ただし、知らない単語が出てくるのは、致し方ない。ダールは、資本主義社会を是認しこれを是正しながら維持発展させようと考える人には、内容が承服できないと思う。

(4) 年齢、性別、嗜好で興味が異なる。たとえば、子供がおもしろいからと言って、我々が、おもしろいということはない。女性に好評なものの一部も、そうだ。

(5) 300字くらいで、もっと、おもしろいものがありますが、語数が伸びません。
                         
                         以 上


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2606. Re: またしても お二方へ

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/5/20(09:23)

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主観の新茶さん、またまた興味深いご投稿をありがとうございます。

英語の The Little Prince や、
日本語の『星の王子さま』には、
大人の読者を夢中にさせ、
さまざまな解釈を試みることが可能で、
それを熱く語らせてしまう力があるようですね。
いろいろな解釈を拝読するのも僕にとっては楽しいです。
そういう気持ちで、
主観の新茶さんの投稿も楽しませてもらっています。

日本で長らく読まれて来た内藤訳は、
フランス語の原文やいくつかの英訳に比べると、
文章のリズムが間延びしており、
個人的には苦手です。
でもその間延びした文体が哲学的な雰囲気を醸し出し、
神秘的な印象を高める手助けになっているのかもしれませんね。

王子がキツネと別れた理由の一つは、
小惑星に残して来た花に対して責任があることをキツネから教えられたせいかとも考えられます。
おっしゃるとおり、
二人とも群れの中で生きるタイプではないし、
ずっと一緒に暮らすほどの魅力を感じていたわけではないでしょう。
(キツネも幅広い領域に関心を持ってはいません。)

最後に、
英単語について色々と考えてらっしゃるようですが、
辞書的な知識は一旦忘れて、
英単語が使われている文脈を重視して多読を続ければ、
もっと色々なことが分かるでしょう。
たとえば yellow が黄色より広い範囲をあらわす単語で、
gold や light-brown や cream-white も含んでいることなども、
気づくでしょう。

あるいは、
have という単語自体には所有の意味が無いことなども、
意外に早く気づくと思います。

これからもご活躍を期待して、
Happy reading!


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2607. Re: 【横レス】tame

お名前: こるも
投稿日: 2008/5/20(10:29)

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Ryotasanさん、こんにちはー。

主観の新茶さん、初めまして。(面白いHNですね)
こるも、と申します。
横レス、失礼します。

【星の王子さま】
私は英訳で初めて読み,「すごい・・・」とうなりました。
でももう、何が「すごい」と思ったのか、忘れてしまいました。
この本は、人によっていろいろな解釈が可能で、だからこそ世界中で愛されているのではないかと思っています。
(あれ?Ryotasanさんと同じこと言ってる・・・)
でも、どんなに「いい」といわれる本でも、「べつに」と思う方がいてもおかしくない。
私自身も、そんな本があります。(日本の本ですが)

ところでtameですが。
「こんな単語、滅多に見ないよなー」と思っていたのですが、先日出会ってしまいました。

Roald Dahl の「The Minpins」。
森に住む「The Minpins」というこびとたち。
そのMinpinsが、小鳥の背中に乗って空を飛んでいるのを見て、
主人公のLittle Billy(人間の子)が、言います。
"Is that a special tame bird ?"

なるほど、こんな時に使うのね、と思いました。
それだけです。

では〜。


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2608. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/22(21:43)

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Ryotasanさん、こるもさん、こんにちは

  Escを隣の半角と押し間違えて、これまで書いた長文を一瞬にして、ダメにしてしまった。2回も。はじめから、やり直し。以下、全部書き直して、短文。

〉最後に、
〉英単語について色々と考えてらっしゃるようですが、
〉辞書的な知識は一旦忘れて、
〉英単語が使われている文脈を重視して多読を続ければ、
〉もっと色々なことが分かるでしょう。
〉たとえば yellow が黄色より広い範囲をあらわす単語で、
〉gold や light-brown や cream-white も含んでいることなども、
〉気づくでしょう。

 yellowの色の概念の範囲を、いつ、どのようなきっかけで理解したか、教えていただけませんか。
 オズの魔法使いを読んでいるときには、金銀複本位性の寓話だとみなす限りは、論理的に、yellowは、goldを含まないとおかしいのはわかりましたが、一般的用法としても含むのかは、疑問を留保していました。これで、疑問を留保しなくてすみます。
 なお、私は、辞書を引いているように見えるかもしれませんが、2004年に接辞語を網羅的に引いた以外は、ほとんど引いたことがありません。

〉あるいは、
〉have という単語自体には所有の意味が無いことなども、
〉意外に早く気づくと思います。

  するってぇと、habit habitanceは、同じ語源だから、定住という意味は、ないね。単に住んでいるというだけ。

>Roald Dahl の「The Minpins」。
>森に住む「The Minpins」というこびとたち。
>そのMinpinsが、小鳥の背中に乗って空を飛んでいるのを見て、
>主人公のLittle Billy(人間の子)が、言います。
>"Is that a special tame bird ?"

>なるほど、こんな時に使うのね、と思いました。

  これは、まだ読んでいません。
  こんなときって、どんなとき? やや隔靴掻痒の感あり。
  tamedになっていないのは、こびとたちは、小鳥と、自然に慣れ親しんだのであって、飼い慣らしたのではない、ということなのでしょうか。
  tameとtamedは、語感が、明らかに違うはずであり、ここで、後者を使用すると、主従の関係を意味すると考えるのだが。

  昨日と今日読んだ、「ゲゲゲの女房」(今年3月11日初版)、政治と秋刀魚(今年4月21日初版)に引っかけながら、いろいろ書いたが、全部消えたので、それらは、省略します。

                         それでは、また
  

  


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2609. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: こるも
投稿日: 2008/5/23(11:27)

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主観の新茶さん、こんにちは。

〉>Roald Dahl の「The Minpins」。
〉>森に住む「The Minpins」というこびとたち。
〉>そのMinpinsが、小鳥の背中に乗って空を飛んでいるのを見て、
〉>主人公のLittle Billy(人間の子)が、言います。
〉>"Is that a special tame bird ?"

〉>なるほど、こんな時に使うのね、と思いました。

〉  これは、まだ読んでいません。
〉  こんなときって、どんなとき? やや隔靴掻痒の感あり。
〉  tamedになっていないのは、こびとたちは、小鳥と、自然に慣れ親しんだのであって、飼い慣らしたのではない、ということなのでしょうか。
〉  tameとtamedは、語感が、明らかに違うはずであり、ここで、後者を使用すると、主従の関係を意味すると考えるのだが。

私がこれを書いたのは、「こんなのがあったよ」という例を示したのみで、
それ以上のことは何も考えていませんでした。
また、このような質問に答えられるだけの知識も持ち合わせてはおりません。
ご容赦願います。

ちなみに、Le petit princeの「apprivoiser」に相当する言葉を、数カ国語訳で調べてみました。

イタリア語 addomesticare
ドイツ語  zahmen (aは、ウムラウト)
スペイン語 domesticar
エスペラント語 malsovagxigi

お役に立てるでしょうか?
上の言語(フランス語も)私はほとんど知りません。

ではでは。


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2610. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/24(00:32)

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1 こるもさん、Rotasannさん、極楽トンボさん、そのほかの皆さん、こんにちは。
  
  (主観の)新茶です。

  こるもさんの最後の部分に反応します。

"〉ちなみに、Le petit princeの「apprivoiser」に相当する言葉を、数カ国語訳で調べてみました。

〉イタリア語 addomesticare
〉ドイツ語  zahmen (aは、ウムラウト)
〉スペイン語 domesticar
〉エスペラント語 malsovagxigi

2 念のため、これまでも誤解されたかもしれないので、一応ことわると、以下の話は、英語の辞書を引いて述べているのではない。英語の辞書をひっくり返して見ても、以下の総合的な記述内容が、出てくるものではないと思っている。

3 イタリア語 addomesticareとスペイン語 domesticarは、domesticで共通します。
 domesticは、domestic violenceの用語で、日本でも有名ですし、GDPつまり、Gross Domestic productでおなじみです。前者は、家庭内の虐待、後者は、国内総生産です。Gross National product国内総生産に代わって、1993年から使用されている。
 しかし、domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。
 Domesticのうち、ticは、形容詞化の接尾辞、estは、おそらく近代英語の動詞の現在形などの語尾変化であるから、中心は、domである。
 このドムの響きは、力で、何なら逮捕拘束して従わせるぞ、という響きだと思う。
 英語は、言葉の響きが、意味を付与する傾向が、邦語より顕著に強いと思う。
 dominantなんで、典型的な力による支配服従関係の言葉だと思われる。
 しかし、一国を支配できるほどのmonoな力ではない。国王、貴族、封建領主の重畳関係の支配であり、これに教会が絡む支配である。ある農民から見れば、ある日は、国王のため、ある日は、貴族のため、ある日は、近在の領主のため、ある日は、教会のため、そして、ある日は、自分のために働くのである、というような表現をどこかで見たことがあるが、まさにこれに該当しよう。
 だから、domの接尾辞の造語は、重畳的支配関係の制約がある範囲しか使用できない。 キリスト教の支配は、常に単独ではあり得ず、重畳内の1つの支配にとどまるから、その支配は、Cristiandomといえる、kingdomは、小国、それも独立国といえない国と見なければならない。
 しかし、もともとは、家庭の支配関係に由来するから、家庭でわがままな小君をからかって、〜domと命名して良いと思われる。
 英語は、日本語に比し、造語が多く可能な言葉であり、かつ、教養あるnativeが造語する発想を身につければ、我々日本人も、教養あるnativeがうなる造語ができるはずである。
 なお、globalに反対し、regionalという考え方があるが、これは、国を超えた単位を指すから、domとは、概念が異なる。
 また、今、日経新聞の「私の履歴書」において、民俗学者の谷川健一が、浜辺で採取した魚のうち、一定の余り物について、誰でも採取して良かったと述べて懐かしがっているが、これは、日本独特の浜辺の入会権で、山林の入会権と同種の発想であろう。
 入会権は、一種の集団的共同的土地利用権であるから、domの思想とは、全く異なる。
 これと同時に、日本には、二君にまみえずという発想があるから、戦国時代でさえ、domの関係はなかったと思われる。
 結局、日本には、domは、なかったと思われる。
 以上から、domは、一応穏健な関係を示すtameとは、形の上だけでなく、意味の上でも、語源が違うだろうと思う。

4 これに対し、ドイツ語zahmen は、zの発音tsにおいて、tもsも口の先で舌を操作する発音である。だから、同じような近い舌の操作から、2個の発音を続けて言いやすいし、逆に、また、省略しやすい。そこで、sを除外すると、tahmeであり、hを除けば、tameである。
 だから、発音の面から見て、英語の発祥地であるドイツ=ゲルマンの単語zahmenは、tameと同じ語源であると推測される。

5 最後に、エスペラント語 malsovagxigiであるが、エスペラント語は、接辞語を多用し、ラテン語系など古い言葉の語源から、単語を新たに作るのであるらしいから、それを前提とすると、malは、英語の接頭辞と同じであり、あまり良い意味を持たない。
 sovagは、英語のsoverignに似ている。語感としては、たとえば、統治だ。権力者のことを客観的に表現しようとする語感だと思う。igiは、よくわからないが、名詞の接尾語であるtion,つまりxion であるという気がする。

6 以上のことは、「こるもさん」の記述を見て、速やかに発想できるのだが、これを文章にすると、時間がかかるね。
 書くと、頭の中が整理されるが、書く時間が、もったいないという気がする。
 言い尽くせいない面もある。
 そこで、たいていは、心の内で考えて、いつも、疑問を留保している状況だ。
 私は、大学1年のころまでは英語をしたが、それから、仕事でも私的にも約30年英語を扱わなかったから、一種のunlearnの状態になったと思っており、以上のような仮定を推測するのは、かなり楽しい。
 今日述べたことは、おそらく、本質的には、正解だろうという気もしているが、細部では、誤解があると思う。
しかし、本質的な部分も、間違う確率も、もちろん排除できないし、正解が知りたい。
 ここで正解というのは、物事は何でもそうだが、正解も、反証を受けるまでの、一つの仮定に過ぎないのであることは、案外、人が意識しない。

7 したがって、以上の点は、ご専門の方が、厳密さを要求せず、気軽に、わかりやすく、かなりの長文で、書いてもらうのが、我々の学習になると思う。
 我々は、大なり小なり、ある単語を見て、その外延というか、語感というか、日本語と1対1の対応ではない、その外国語のイメージを仮定する。
 それが合っていれば、読解でも、会話でも、応用力ある使用法ができるはずである。
 Ryotasanさんをはじめ、英語に深い素養をお持ちの方に,是非、コメントがほしい。
 また、私のように、政治経済法律など、英語以外の知識及び実務経験から、逆に英語を理解するコメントもほしいと思う。


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2613. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/5/24(17:11)

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主観の新茶さん、皆さんこんにちわ!

主観の新茶さんの一連の投稿は、なんだか西洋語の接頭語をネタにした西洋の思想史を読むような趣ですね。

よく、自由だとか公私といったような語の歴史をたどった思想史の本ってあるじゃないですか、それの接頭語版。こういうのって、本当にありそうな気がしてきました。わたしは西洋の思想史はもちろん、西洋の言葉って全然わかんないけど。


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2616. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: fiona
投稿日: 2008/5/24(18:33)

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主観の新茶さん、初めまして。fionaと申します。

他の言語については良く分かりませんが、エスペラントの部分は的が少し外れているように思いましたので、書き込んでおきます。

以下の部分ですが、

「5 最後に、エスペラント語 malsovagxigiであるが、エスペラント語は、接辞語を多用し、ラテン語系など古い言葉の語源から、単語を新たに作るのであるらしいから、それを前提とすると、malは、英語の接頭辞と同じであり、あまり良い意味を持たない。
 sovagは、英語のsoverignに似ている。語感としては、たとえば、統治だ。権力者のことを客観的に表現しようとする語感だと思う。igiは、よくわからないが、名詞の接尾語であるtion,つまりxion であるという気がする。」

「mal」には、特に良い悪いと言う意味合いは無く、単純に「正反対」を示す接頭辞です。

次に、「sovagx」ですが、この綴りのうち「gx」は正確には、「g」の上に「^」の付いた一つの文字です。パソコン等では普通、この文字を打てないため、エスペラントでは使わない「x」を後ろにつけることによって、「g」+「^」であることを示します。
この、「sovagx」は「野蛮な;野生の」と言うような意味を示す語幹で、英語なら「savage」が近いのではないでしょうか?

最後の「igi」は、動詞以外に付いたときは、「〜の状態に変わらせる」と言う意味の動詞をつくる接尾辞です。

3つをくっ付けると、「野生とは正反対の状態にする」というような動詞が出来上がります。
日本語にしたら、「飼いならす」と言うような言葉になるのでしょうか。
何にしても、統治とか権力と言った意味合いは無いように思いますし、「名詞」ではなく「動詞」です。

最後に、正確に言えば「エスペラント語」ではなく「エスペラント」です。言語そのものの名前が「エスペラント」ですので、「語」は必要ありません。
ただ、「言語」であることをわかってもらうため、あえて後ろに「語」をつけ、「エスペラント語」と書くことはよくあるようです。

ではでは。


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2617. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/5/24(18:56)

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主観の新茶さん、こるもさん、極楽トンボさん、fiona さん、
こんばんは。

ドイツ語の語源について文章を書けるほどの知識は無いので、
zähmen については省略しますね。
エスペラントについては fiona さんのおっしゃるとおりで、
mal に悪い意味は無かったと記憶しています。
(ラテン語やフランス語の mal とは少し違います。)

英語の domestic の語源はラテン語の domesticus のようです。
これは家を示す dome が基になっています。
同じ語源の単語で、
domain もあります。

西暦をあらわすADも正式には Anno Domini で、
「主の年」という意味のはずです。
世界を支配する神 (万軍の主) の年から数えてという意味です。
これは主観の新茶さんが推測されているとおり、
kingdom の -dom も同じですが、
世界の支配者でも宇宙の支配者でも Domini と表現できるので、
特に小国に限定する必要はないです。

日本の入会地(いりあいち)の様に資源を共有する概念は西洋にもあり、
英語では village commons と呼びます。
最近はネット上の共有財産を creative commons と呼びます。

とりあえずここで切ります。(^-^;)


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2630. Re: お三方へ

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/31(19:15)

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1 極楽トンボさん、Ryotasanさん、fionaさん、こんにちは。
ごぶさたしております。

2 極楽トンボさんへ
  西洋思想史は、そんなにわかっていませんが、所有、占有などの概念から、英語の使い方を考えてみようと思いました。思考、会話などに使えると思うのです。

3 Ryotasanさんへ
というわけで、今、主に、possess, dominateで考えています。ローマ時代の使い方からです。
  書けるまでに、もう少しです。
  ownは、語源がわからない。そのうち、辞書を引いてみます。
  haveは、どこまで扱えるか疑問です。
haveは、アングロサクソン人が初期に獲得した文字なのではありませんか。
上記最初の2文字とは、由来が異なると思われますが。
私は、狩猟民族が、獲物を獲得することが、haveだと思っていました。
だから、次の獲物を獲得するのに、手に持っていてはできないので、必ずしも、手に持たなくても良いのですが、携帯する、つまり身につけているということが、haveの本来の意味だと思っていました。違うのでしょうか。
Ryotasanさんは、特定の人や物とつながりがあることと述べておられますが、「つながり」とは、関連しているという程度でよいのでしょうか。また、人や物という物体だけでなく、特定の精神的な抽象的思考とつながりがあることも含むのでしょうか。辞典は引いていないので、引いてみようと思っています。また、commonが出てきたので、これも、おもしろい。monというのが、よくわからないですね。communのmunも、同じようですね。そして、日本語は、日常で、共同も、共有も、同じように使っている場合もありますが、2つの概念は、日本語では、通常異なります。英語では、これが、1つになっていると思われます。この点もおもしろいので、後日、述べます。

4 fionaさんへ
(1) エスペラントについて、初めて知りました。
 人工的な言葉なのですね。
 興味のあるうちに、知っておこうと思いました。
 エスペラントに失礼ながら、esperantという言葉で、fionaさんの述べていることを理解しました。

(2) esper 語幹。
espero 希望。名詞。語尾にoをつける。
espera 希望の。形容詞。語尾にaをつける。
espere 希望して。副詞。語尾にeをつける。
esperi 希望する。動詞の原型。語尾にiをつける。
esperas 希望する。現在形。語尾にasをつける。
esperis 希望した。過去形。語尾にisをつける。
esperos 希望するだろう。未来形。語尾にosをつける。
esperus もし希望したら。仮定形。語尾にusをつける。
esperu 希望せよ。命令形。語尾にuをつける。
esperant 希望しつつある。現在進行形。語尾にantをつける。
esperanto エスペラント語。名詞。語尾にoをつける。
esperint 既に希望した。現在完了形。語尾にintをつける。日本語で、たとえば、「私は,部署の変更を希望した。」に使う。
esperont これから希望しようとする。未然形。語尾にontをつける。
esperat 希望された。「彼がここにきたのは,この部署の配属を希望されたからです。」
esperot まさにこれから希望される。
esperigi 希望させる。語幹にigiを加えることにより,他動詞にする。「上司は,彼に,外国行きを希望させた。」
esperigas 希望させる。
esperigis 希望させた。
esperigos 希望させるだろう。
esperigus もし希望させるならば
esperigu 希望させろ。
esperigit 希望させられた。「希望させる」と「希望させられる」とは,異なる。「希望されられる」という言葉も,やや変だが,邦語として,可能である。「私は,上司によって,外国に行くように希望させられた。」=「外国に行ったのは,自分が希望したように見えるかも知れない。しかし,そうではなくて,上司によって,あたかも,自分が希望したかのようにさせられたのである」。後者のように言い換えると,英語のmade have等を使用し,同様の文章ができるはずである。すると,この単語の存在の正しさには,疑問が留保される。
esperigot 希望させられようとしている。上記と同様の疑問がある。

(3) malesperi 失望する。絶望する。mal=反対,逆の意味を接辞語として付加した。
malesperigi失望させる。絶望させる。
malespero 失望。絶望。

(4) sovagx 語根。エスペラントでは,野生と野蛮の2つの意味がある。インターネットで調べた。たとえば,
sovagxulo 野蛮人。
sovagxherboj 野草。
すると,
sovagxigi 野生化させる。他動詞。野蛮化させるという意味は,通常,論理的に存在しないから,野蛮の意味はない。
   sovagxo 野生。野蛮。

(5) malsovagxigi野生の生き物を野生とは反対に(逆に)させる。つまり,家畜化する。飼い慣らす。英語のsavageは,森が語源であり,森の生物は,野生であり飼い馴されていないから,savageの語源をエスペラントに使用したというfionaさんの見解は,もとより、正しい。また,家畜化は,一代では無理であるから,対象となった文では,家畜化の意味ではない。

                                                     以   上


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2631. Re:エスペラントのこと

お名前: fiona
投稿日: 2008/5/31(19:53)

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主観の新茶さん、今晩は。

私は、エスペラントについていくらかは知っていますが、それほど詳しいわけではありません。
一つの語幹から、いろいろな派生語を簡単に作ることができるのですが、多分、総ての派生語が使用可能、もしくは実際に使われるのではないと思います。

エスペラントについて、

「エスペラント−異端の言語」 田中克彦著、岩波新書1077、2007年6月発行、740円(税別)、ISBN:9784004310778

は、主観の新茶さんには、面白く読んでいただける本ではないかと思います。
1年程前に出た岩波新書ですので、少し大きな本屋に行けばあると思います。一度、中身を、立ち読みでもして見て下さい。

エスペラントについて、もしくはエスペラントの本の入手については、
関西エスペラント連盟 [url:http://kleg.jp/]
もしくは
日本エスペラント学会 [url:http://www.jei.or.jp/]
まで。

何か、宣伝みたいになってしまいましたが。

ではでは!


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2633. Re: エスペラントのこと

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/6/3(22:49)

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   fionaさん、こんにちは、新茶です。

   参考文献の岩波新書、立ち読みしました。
   

   実は、今回を機会に、1冊買った本があります。
   エスペラントの本は、皆、真面目で内容がありますね。
   その本にも、岩波新書と同じような内容が書いてあります。
   歴史は、かなり、書いてあります。

   岩波新書は、隷従と圧政の中の自由という点を強調されていますね。
   これは、歴史上、かつ、著者の年齢上、やむを得ないでしょう。
   しかし、これからは、nation stateとglobalizationの双方からの自由が必要なのではないでしょうか。
   隷従や圧政がなくても、なお、自由は、十分ではないからです。
   そのために、エスペラントは、必要です。
   今購入した本を、もう少し読み、さらに、岩波も検討します。

   前回の内容は、CD付きのその本を参考にして、esperantで、作ってみたものです。
   まだ、基本的に、CDのABCの段階もクリアーしていません。
   このアルファベットの発音ができるようにならないと、先に進んでも、意味が薄い。

   ∧という、とんがり帽子の表示の付加された文字がある。
   この発音が、やや難解。
      

   どの点が難解かというと、なぜ、その音を選択したのか。
   これは、わかった気がする。

   特に、CGJSの4個。
   日本語的には、忘れたときのため、「長女上昇」と覚えようかと思っていた。
   しかし、舌の位置及び有声無声の喉の状況から、tと結びつくのは、∫であり、dと結びつくのは、3(∫と3で代用。発音記号は、キーボードをどう操作すれば、出るのでしょうか?)と結びつくとわかって、納得した。

   次に、複数jは、iと異なる発音だが、日本人は、iになってしまうのではないか。あらためて、英語のjとi、たとえば、YEARとEARの発音が、きちんとできるかどうかが、考えさせられる。
   
   rは、このCDだと、ドイツ語の巻き舌みたい。

   まだありますが、省略。

   アルファベットに関し、英語のABCは、末尾の主体が、iという音だと初めて気がつきましたが、知っていましたか?
   私は、エスペラントのアルファベットが、o主体だと書いてあって、初めて気がつきました。
   以前、LMNが、ELEMENであり、ELEMENTの言葉の由来と知ったときの驚きより、大きいか、小さいか?

   たった16しかないという触れ込みの規則は、途中までです。16しかないといっても、さらに、派生する細則がある規則もあります。
   ここを全部通過する前に、あきらめてしまう人も、多いが、それだと、結局、何もわからずじまいになってしまうと書いてあります。

                                                     それでは、また。


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2634. Re: エスペラントの発音など

お名前: fiona
投稿日: 2008/6/4(00:58)

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主観の新茶さん、今晩は。

エスペラントの発音、多分、これが絶対という発音はないと思います。
エスペラントには、英語やフランス語のように、標準となるネイティブの発音と言うものはありません。
例えば、rの発音ですが、人によって巻き舌だったり、英語みたいな発音だったりします。普通は、フランス人はフランス式、ドイツ人はドイツ式、アメリカ人はアメリカ式の「r」の発音だと思います。

他の発音も同じなのですが、聴いて「r」だと分かればOKだと思います。
聴いていて、1つ1つの母音、子音がどの音であるか区別がつけばよいわけです。100人いて、100人とも発音の仕方が違っていても、各子音、母音の区別さえきちんとつけば、コミュニケーションは可能です。

ただ、(しゃべるのが)上手い人の発音、もしくは聴いていて聴き易い発音は、スペイン語とかイタリア語のような感じの発音です。「r」は、巻き舌ですね。

発音記号って、当てになるのやらならないのやら。「r」でも、言語によって発音が違いますし、「l(エル)」も違うようです。
そう言えば、あいまい母音を表す、「e」を逆さにした発音記号。英語では「ア」に近い感じだけど、ドイツ語では「エ」に近い感じ、フランス語では「ウ」に近い感じだそうです。
発音記号といっても、発音の目安程度なんでしょうね。その言語の発音をきちんと知っていれば、記号の示す発音が「ああ、あれか」とわかる程度の目安なのではないでしょうか。
発音記号、どうやればパソコンで書けるんでしょう?何か特別なソフトがいるのかもしれません。

文法の規則、私は、一通りざっとやってから(多分10〜20分くらい。英語と結びつけて、こんな感じか…くらいで)、すぐ文章に入りました。文章を読みながら、(あまりきちんと覚えていませんでしから)忘れたり曖昧な部分を、再度確かめました。
文法については、骨格だけ押さえておいて、後は文章を読みながら身につけたという感じです。

最後に、アルファベットですが、一応気付いてました。
英語だけでは気がつかなかったと思いますが、ドイツ語だと、「アー」「ベー」「ツェー」「デー」と末尾の主体は「e」ですし、そのあと、エスペラントをやりましたから。
そう言えば、フランス語も「e」ですね。「アー」「ベー」「セー」…だったと思います。

ではでは。


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2639. Re: エスペラントの発音など

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/6/5(22:09)

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1 fionaさん、どうもありがとうございます。
  新茶です。

2 アルファベットの末尾
  ドイツ語とフランス語は,ABCの末尾が,e主体でしたか。
  なるほど。

3 エスペラントの学び方
  fionaさんの学び方は,最速,かつ,正しい。
  しかし,仕事が終了した後の心身のコンディションがあるのです。
  ボーとしている時間その他も,あるのですがね。これがまた大事で。
  というわけで、CD5分聴くのも,時間を割く気がしない。
  読むのと比し,聴くは,格段に,ながら思考可能だから,これが高じると,CDを止めてしまうのであります。
  これが,私にとって,音楽以外に,CDを聴くのを耐えることができない理由の1つだと思う。
  1日が,24時間ではなく,48時間あると良い。48というのは,たとえ。


4 エスペラントの発音
  なるほど,合点。
  ひょっとしたらと思っていたが,エスペラントの発音に絶対なし。
  そうか。
  CDのぬしは,ドイツ人かも。

5 発音記号
  発音記号のヒミツも,なにやら,合点。
  発音の 記号はあてに なるのやら ならないのやら あてにしてるが。

6 発音と聴き取り
  私は,英語の聴き取りができない。
  これは,別のところで少し話をした。
  なにせ,聴き取りなどした絶対時間数がない。
  不遜だが,お許しを願えば,たとえば,起きてから寝るまでの会話,秘書が事務室でする会話,こんなもの,ちっともおもしろくないし,私は,日本語でさえ,たとえば,秘書が事務室でするような会話は,しない。
  普段,外人と話をすることは,ない。
  今自分が話したいことの英会話がしたいのである。
  ところで,オズの魔法使いのCDが発売されていたので購入したが,裏声が多すぎる。
  日本語も,裏声をすると,唇の動きなどが,全然違う。
  すぐに聴くのが嫌になった。

7 英語とドイツ語の発音
  私は,外人に話すと,発音は,概ね正しいといわれる。
  思い当たる節は,

(1) 中学1年,英語に初めてお目にかかった際,英語の教師で元米軍の通訳をしていた日本人に,ABCの発音を始め,英語を習った。

(2) しかし,中学1年の英語の教師は,カタカナ英語もカタカナ英語,ひどかった。周りに,外人皆無。

(3) 今でも,上の二人の声と顔が,脳裏に思い出される。

(4) 中学校では,教師から、辞書を買うな,買うと高校入試に落ちるといわれていたので,辞書を買わなかった。

(5) だから,初めて出会った英単語について,発音記号をセットでノートに書いていたのは,高校からかもしれないし,中学からかもしれないが,基本的に,英単語が発音されると,脳裏に,英単語と発音記号が浮かぶ。ただし,簡単な英語の中には、発音記号が,2重に浮かぶ。たとえば,オーだったか,オウだったか,正解が単一にならない。これは,音声で覚えていないからである。発音記号で迷う単語は,概ね,中学で習ったようなアングロサクソン固有の単語であると思われる。

(6) 英単語を丸暗記しようとしたことは,ほとんどない。カードなどで,単語帳を作るという作業は,全くなかったとはいわないが,ほとんどなかった。

(7) だから,「試験に出る英単語」は,当時,ほとんどの人が買っていたと思うが,私は,嫌悪感から,買わなかった。今思えば,そのような狭い心は,持つべきではなかった。語源や接頭辞が載っていたとは,知らなかった。

(8) 中学校や高校の教科書は、今はもう、手元にない。この復刻版は、ないものか。出版社は、販売すれば、相当数売れると思うが。

(9) 大学の第2外国語は,ドイツ語だった。会話クラスに入ったので,当時,できたばかりの視聴覚教室みたいな建物の中で,イヤフォンを身につけ,テキストはドイツ語だけの気がするが,文法はそっちのけで,ドイツ語を聴く羽目になった。

(10) その経験で,6年も学んだ英語より,聴くだけなら,ドイツ語の方が,よく聴き取れるというような印象を、当時、持った。ドイツ語は,聴き取れるが,内容がわからない、英語は,聴き取れないが,文章を示されれば,内容はわかる,という具合である。もっとも,レベルは,どちらもお粗末なものである。

(11) 以後,語学は,30年の浦島太郎。30年を経たから,記憶の変容は著しいかもしれないが,忘れていなかった単語が,残っているのである。それに,5年ほど前から,邦語文献に【】して出てくる英単語は,チェックしていた。昔は,【】内の英語やドイツ語は,飛ばしていたね。また,氾濫するカタカナ語に,オドロキ,ムカツキナガラ,これも,チェックした。

(12) 浦島太郎の間の日本の実践英語界の歴史は,「晴山陽一氏の近著:英語ベストセラー本の研究:2008年5月31日第1刷発行」で,少しわかりました。別の項目で,載せております。

(13) 私の英語の聴き取り,なんとか,ならんものかのう。

(14) 私が,たとえば,話したい内容は,「150兆年の宇宙及び生物の歴史」,「17世紀に始めて起こった人間の合理的意思及びその後の歴史、資本主義社会の意味」,「20世紀に生きる意味」,「合理的人間の中に潜む非合理性と,非合理的人間に時折現れる合理性の意味」,「21世紀の予測」などなのである。

(15) 英米人が,子供から大人になるまでに学び,大人になってからも使う,日本にはない英米固有の発想の会話文章も,学びたいね。並行して。こちらのCDは、今聴いているものがある。
                                   それでは、また


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2632. Re: お三方へ

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/6/3(08:03)

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主観の新茶さん、お待たせしました。

英単語を理解するとき、
僕がいつも考える手がかりの優先順位をまず示させて下さい。

1. 文章の前後関係
2. 辞書的な知識
3. 語源

この優先順位について、
「卵が先か? ニワトリが先か?」などと考えたこともありますが、
最終的に前後関係の方が重要だと考えるようになりました。
辞書的な意味や用法にそぐわない使い方がされるばあいもあるし、
辞書の記述も、
(まともな辞書であれば)
沢山の用例の文脈を検討した結果として書かれているからです。
誰でも文章の前後関係に注意して多読を続けていれば、
英英辞典と同じ様な理解に達すると思うようになったのです。

ただし、
英語文化圏で編纂された英英辞典は、
彼らにとって自明なことが省略されていたりします。
日本で編纂された英和辞典は、
日本語を通して英語を理解しようとしたために生じた間違いが散見されます。

それで、
多読を始める前に獲得した辞書的な知識より、
文章の前後関係を優先すべきだと考えるようになったのです。

さらに、
多読をするときは、
言葉よりも内容に注目する方が、
すらすら読めて、
したがって多くの用例に触れることができ、
結果的に単語の正確な知識も得られるようなのです。
比率としては、
内容への関心が8割以上、
言葉への関心が2割以下が良いと思っています。
文章の前後関係より辞書的な知識を優先されるかたなら、
言葉に関する話題は5パーセントぐらいで良いかもしれないとさえ思います。

語源を下位にまわしているのは、
その単語の過去を無視して使われることもあるからです。

今回話題にしている "have" についても、
そういう位置づけでご理解ねがいたいです。

ご指摘のとおり、
"have" はもともと英語の中で使われてきた単語です。
そして、
"have been" などで使われる "have" と、
"I have a dream" などで使われる "have" と、
両方の用例が、
アングロサクソン語の時代からあったそうです。
辞書ではこの二つを別々の項目として扱っているので、
辞書的な知識に囚われていると、
これが別れたままで、
"have" という単語の全体像が見えません。
片方だけに注目するなら、
所有を示す例も昔からありました。

所有を示していることが分かる様な文脈で "have" を使えば、
伝えたいことを表現するための必要条件は満たせると思いますが、
あまり強い表現とは言えない、
つまり十分条件は満たしていないので、
話し言葉では "have got" を使うことが多いのだと、
僕は思っています。

エスペラントは英語より歴史が短いので、
優先順位も違っているかもしれません。
例えば "esperant" は "hoping" に相当する単語ですが、
この末尾に "-o" を付けると "esperanto"
つまり "someone who is hoping" の意味になるはずです。
これがなぜこの言語全体の名称として使われるようになったかは、
別な説明が必要かもしれないですね。

それでは、
Happy reading!


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2635. Re: お三方へ

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/6/4(21:16)

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1 Ryotasanさん,今晩は。
  どうもありがとうございます。
  新茶です。

2 英単語の理解の順番
    (1)文脈(文書の前後関係は,こう言い換えていいのでしょうか?     Ryotasanさんも,途中で使っておられます),(2)辞書的知識,(3)語源,であるというのは,理解できますし,その通りだと思います。
  (1)を力説されておられるには,一般的に,SSSの皆さんのことを想定されておられるからであると思われます。

3 have beenとhave a dream
  古くから双方の意味があったというのは,たとえていえば,元栓が2つあったのですか,それとも,双方を統合する元栓は,1つだったのですか。1つとすると,それは,何なのでしょうか。関係性,関連性ですか。それとも,私が主張するように,元は,grabの結果,発生した状態を意味したところ,その外延が広がったのでしょうか。

4 have toなど
  これは,普通,皆さんは,学校英語で,日本語訳にて「しなければならない」「にちがいない」などと学び,頭の中で,その文章の場面を描いているのではないでしょうか。
  どうして,haveにtoがくっつくと,そういう感じになるのか。
  私には,明確に,わかりませんね。
  nativeは,どう考えているのでしょうかね。
  It 構文などでは,ニュアンスが違うでしょう。
  主語が,I You Itで,have toは,ニュアンスが違うと思われるが,そこを,英語の使い手の源の人たちは,どう考えているのだろう。
  had better等も同じ。

5 have gotのニュアンス
  お説には,我が意を得たり。
  私の潜在意識が,充たされた思い。
  言われるまでわかっていなかっただろうと,お叱りを受けるかもしれないが。
  元々のイギリス英語の気持ちは,必要は満たすが,十分ではないから,強調するというわけだ。

6 語源の意義
  語源の位置づけが下位であるのは,単語が,語源を無視して使われることがあるからである,というご指摘は,その通りであると思います。
  たとえば,「天高く馬肥ゆる秋(私が以前に掲げた故事成語500選の最初を見てください)」は,本来は,「秋になると勾奴が,万里の長城を超えて,攻める」という勾奴側の脅迫と漢民族側の恐怖に使用される故事でしたが,今,そのように使用する使い方は,日本人でも,余り知る人はいないかもしれません。「良い天気で食欲旺盛」などというノーテンキを考えている。
  しかし,語源は,まず,言葉の本来の使用の仕方がわかる,その外延ぎりぎりまでのばした使い方か,全く無視した使い方かがわかる,などなど,いろいろな知的興味が湧くし,本来の使い方ができる,と思うのです。身の丈,知らずか。

7 英単語の理解再び
  まだ,これから書くとお話しした分は,できていないのですが,途中まで話すと,最初にやりとりしたpossessなどの単語については,最初にRyotasannさんとやりとりした後,2007年3月5日発行,ローマ物権法講義:大学教育出版を発見し,購入した。
  オーストリアの学者の大学講義録の翻訳だ。
  ラテン語が,アルファベットのまま,ふんだんに,引用されている。
  これを基に書こうと思っている。
  たまたま,本屋で見つけた。
  こんな本,買う人,いないんじゃあ,ないかな。
  少なくとも,実務家は。
  出版社も,良く出すね。
  私も,この手の本を買うのは,はじめでです。
  大枚1800円も,します。
  いかがでしょうか。
  私は,第(4)に,日本語から,厳密には,日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語から,英語を考え,その一環として,その語源,辞書的意味,等を考えるという方法があると思います。
  つまり,長い文脈を意味する,制度等から,所有という意味を英語で考えてみようと思った,と理解しているのですが。
  これは,英語の文章,つまりTEXTそのものの文脈ではないが,広い意味での文脈か。
  ムムム。どうでしょうか。

   それでは,また


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2637. Re: お三方へ

お名前: こるも
投稿日: 2008/6/4(23:44)

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新茶さん、こんばんわ!
理科クラブなご紹介を、ありがとうございました!

一点だけ。
(嵐を呼びそうな予感もしつつ・・・)

〉4 have toなど
〉   これは,普通,皆さんは,学校英語で,日本語訳にて「しなければならない」「にちがいない」などと学び,頭の中で,その文章の場面を描いているのではないでしょうか。
〉   どうして,haveにtoがくっつくと,そういう感じになるのか。
〉   私には,明確に,わかりませんね。

ええ〜〜〜?
have to は、have to だよう?

have は、have だよう。

I have a dream. も、
have been〜 も、
have to も、
同じhaveだよう。

それだけ。
(ああ〜、Ryotasanさん、ごめんなさい〜〜〜)


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2641. Re: お三方へ

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/6/7(10:39)

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〉1 Ryotasanさん,今晩は。
〉  どうもありがとうございます。
〉   新茶です。

新茶さん、こるもさん、お待たせしました。

〉2 英単語の理解の順番
〉    (1)文脈(文書の前後関係は,こう言い換えていいのでしょうか? 
    Ryotasanさんも,途中で使っておられます)、(2)辞書的知識,(3)語源,であるというのは,理解できますし,その通りだと思います。

文脈に加えて、
本の挿絵や、
話し手の声の調子、
顔の表情、
まわりの状況なども含めたかったので、
前後関係と表現しました。
条件付きで、
文脈と理解されても結構です。

〉   (1)を力説されておられるには,一般的に,SSSの皆さんのことを想定されておられるからであると思われます。

文脈が大事だと思うのは、
自分自身の多読経験と、
OED (Oxford English Dictionary) を使ってみた経験によります。

OED は全部で20巻あり、
一つの単語の歴史を、
何頁にも渡って示してあります。
そして、
ほかのどんな英語辞書より例文が多いのです。
その例文は、
辞書編纂のために作文されたものではなく、
実際に使われていた例文です。
出典も示してあります。

これを見て分かるのは、
OED の編纂者も、
沢山の用例にあたり、
その単語が使われている文脈を検討した結果に基づいて、
単語の意味や用法を説明していることです。

でも、
多読をしていて、
辞書では説明できない用例に出会うこともあります。

言語を街にたとえると、
読書は街を散策する行為[の]ようなもので、
辞書は街の地図のようなものだと思います。
どんなに優れた辞書でも街の全てを載せているわけではないし、
その街を知りたければ、
実際に散策してみるのが一番というわけです。
(職業的な理由で地図が必要な人もいるとは思いますが。)

〉3 have beenとhave a dream
〉   古くから双方の意味があったというのは,たとえていえば,元栓が2つあったのですか,それとも,双方を統合する元栓は,1つだったのですか。1つとすると,それは,何なのでしょうか。関係性,関連性ですか。それとも,私が主張するように,元は,grabの結果,発生した状態を意味したところ,その外延が広がったのでしょうか。

個人的には、
もともと一つで今でも一つだと思っています。
所有や獲得をあらわす例文も関係性で説明できると思うし、
habit と同根であったことも関係性で説明できると思います。
古代ギリシャ語やサンスクリット語の時代まで遡れば別かもしれませんが。

〉4 have toなど
〉   これは,普通,皆さんは,学校英語で,日本語訳にて「しなければならない」「にちがいない」などと学び,頭の中で,その文章の場面を描いているのではないでしょうか。
〉   どうして,haveにtoがくっつくと,そういう感じになるのか。
〉   私には,明確に,わかりませんね。
〉   nativeは,どう考えているのでしょうかね。
〉   It 構文などでは,ニュアンスが違うでしょう。
〉   主語が,I You Itで,have toは,ニュアンスが違うと思われるが,そこを,英語の使い手の源の人たちは,どう考えているのだろう。
〉   had better等も同じ。

I have something to do.
I have to do something.

表現のしかたに微妙な差はあるにせよ、
伝えたいことはどちらも同じだと思います。

それから、
"had better" は、
"If one had something better to do, it would be..." という意味だと思っています。

〉5 have gotのニュアンス
〉   お説には,我が意を得たり。
〉   私の潜在意識が,充たされた思い。
〉   言われるまでわかっていなかっただろうと,お叱りを受けるかもしれないが。
〉   元々のイギリス英語の気持ちは,必要は満たすが,十分ではないから,強調するというわけだ。

そうです。
説明できなくても、
何となくわかっていれば良いと思います。

〉6 語源の意義
〉   語源の位置づけが下位であるのは,単語が,語源を無視して使われることがあるからである,というご指摘は,その通りであると思います。
〉   たとえば,「天高く馬肥ゆる秋(私が以前に掲げた故事成語500選の最初を見てください)」は,本来は,「秋になると勾奴が,万里の長城を超えて,攻める」という勾奴側の脅迫と漢民族側の恐怖に使用される故事でしたが,今,そのように使用する使い方は,日本人でも,余り知る人はいないかもしれません。「良い天気で食欲旺盛」などというノーテンキを考えている。

そうですね。
「助長」なども、
もともとの起源を無視した使い方が横行していますね。

その言葉が実際に使われている文脈が金メダルで、
その時代における用法が銀メダル、
語源が銅メダルというぐらいに位置づけています。

〉   しかし,語源は,まず,言葉の本来の使用の仕方がわかる,その外延ぎりぎりまでのばした使い方か,全く無視した使い方かがわかる,などなど,いろいろな知的興味が湧くし,本来の使い方ができる,と思うのです。身の丈,知らずか。

文脈や現代における用法の次ぐらいには重要だと思っています。
文脈や現代における用法より語源を優先するのは行き過ぎだと思います。


〉7 英単語の理解再び
〉   まだ,これから書くとお話しした分は,できていないのですが,途中まで話すと,最初にやりとりしたpossessなどの単語については,最初にRyotasannさんとやりとりした後,2007年3月5日発行,ローマ物権法講義:大学教育出版を発見し,購入した。
〉   オーストリアの学者の大学講義録の翻訳だ。
〉   ラテン語が,アルファベットのまま,ふんだんに,引用されている。
〉   これを基に書こうと思っている。
〉   たまたま,本屋で見つけた。
〉   こんな本,買う人,いないんじゃあ,ないかな。
〉   少なくとも,実務家は。
〉   出版社も,良く出すね。
〉   私も,この手の本を買うのは,はじめでです。
〉   大枚1800円も,します。
〉   いかがでしょうか。

単語の過去を知りたければ、
過去についての文献より、
過去の文献にあたる方が望ましいです。
引用の基になる資料を見て、
あっと驚く様なこともあります。
文脈を無視して引用されていることもありますから。

OEDを参照して、
必要があれば引用された基の資料を探し出して確認することも、
あります。
できる範囲でですが。

〉   私は,第(4)に,日本語から,厳密には,日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語から,英語を考え,その一環として,その語源,辞書的意味,等を考えるという方法があると思います。
〉   つまり,長い文脈を意味する,制度等から,所有という意味を英語で考えてみようと思った,と理解しているのですが。
〉   これは,英語の文章,つまりTEXTそのものの文脈ではないが,広い意味での文脈か。
〉   ムムム。どうでしょうか。

成功の秘訣は、
できる限り明治時代に書かれた資料を参照することでしょうね。
できる限り。

それでは、
Happy reading!


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2674. Ryotasanさんへ、質問

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/12(22:30)

------------------------------

Ryotasanさん,今晩は。
 新茶です。
3点ほど、ご質問したいことがあります。
 わかりやすいように、◎が質問を表します。
 項目は、3つです。
 ()内は、どちらが意見を述べたかを表します。

第1 「文章の前後関係」の意味について
2632からも、一部転用。

(Ryotasanさん)
>英単語を理解するとき、
>僕がいつも考える手がかりの優先順位をまず示させて下さい。
>1. 文章の前後関係
>2. 辞書的な知識
>3. 語源
>この優先順位について、
>「卵が先か? ニワトリが先か?」などと考えたこともありますが、
>最終的に前後関係の方が重要だと考えるようになりました。
>辞書的な意味や用法にそぐわない使い方がされるばあいもあるし、
>辞書の記述も、(まともな辞書であれば)沢山の用例の文脈を検討した結果として書かれているからです。
>誰でも文章の前後関係に注意して多読を続けていれば、
>英英辞典と同じ様な理解に達すると思うようになったのです。

(新茶)
〉〉(1)文脈(文書の前後関係は,こう言い換えていいのでしょうか?) Ryotasanさんも,途中で使っておられます。

(Ryotasanさん)
〉文脈に加えて、
〉本の挿絵や、
〉話し手の声の調子、
〉顔の表情、
〉まわりの状況なども含めたかったので、
〉前後関係と表現しました。
〉条件付きで、
〉文脈と理解されても結構です。

◎ここで質問とは、次のことです。
 Ryotasanさんは、「文章」の前後関係と言っています。
 私には、文章という言葉は、書かれたものとしか、受け取れませんでした。
 1番目に、話し手の声の調子、顔の表情が、どうして、文章に含まれるのでしょうか。
 つぎに、「まわりの状況」と書かれると、わかった気になりましたが、じつは、「まわり」とは、何を言うのか、はっきりしません。どういう意味でしょうか。
 「まわりの状況」の前後関係とは、何を意味するのでしょうか。
 3番目に、本の挿絵は、作者が描いていない場合が、ほとんどだと思います。挿絵の描き手が、その文章を正確に理解している、または曲解していないと、どうしていえるのでしょうか。
 文章と言えば、書いたものを意味し、Ryotasanさんの言われる上記3点は、通常、言葉の意味として、包含されないと思われますが、どうなのでしょうか。
 私は、「文章の前後関係」と述べている限り、かつて人が言葉に発したものを含め、書かれたものを意味すると理解するのが自然であると理解していましたので、「文章の前後関係」のうち、「文章」を「文書」と言い換えて、「文書の前後関係」とまで言い切る理解をしています。
 この部分は、今回の論議の本質的部分ではありませんでした。
 私は、通常の日本語なら人並み程度に理解できると思いますが、Ryotasanさんが、もし言葉を独自に特殊に定義している場合には、それをあらかじめ簡単に記載していただければ、本質の論議ではない、当面必要のない事項は、省けると思います。
 この第1の質問は、今回お聞きしたことの主要点ではありませんが、前提事項ですので、質問させていただきました。

第2 OEDへの質問

(Ryotasanさん)
〉文脈が大事だと思うのは、
〉自分自身の多読経験と、
〉OED (Oxford English Dictionary) を使ってみた経験によります。

〉OED は全部で20巻あり、
〉一つの単語の歴史を、
〉何頁にも渡って示してあります。
〉そして、
〉ほかのどんな英語辞書より例文が多いのです。
〉その例文は、
〉辞書編纂のために作文されたものではなく、
〉実際に使われていた例文です。
〉出典も示してあります。

〉これを見て分かるのは、
〉OED の編纂者も、
〉沢山の用例にあたり、
〉その単語が使われている文脈を検討した結果に基づいて、
〉単語の意味や用法を説明していることです。
〉単語の過去を知りたければ、
〉過去についての文献より、
〉過去の文献にあたる方が望ましいです。
〉引用の基になる資料を見て、
〉あっと驚く様なこともあります。
〉文脈を無視して引用されていることもありますから。

◎ここで質問とは、次のことです。
 1番目に、Ryotasanさんは、OEDを通読されたのでしょうか。
2番目に、OEDは、Ryotasanさんの経験上、どのような本の多読をされた結果、単語の過去を知る際に、OEDが、どういう点で有効だと判断されたのでしょうか。
 
第3 なぜに、明治期以降に輸入され定着した制度等を表す日本語から英語を考えることについて、明治時代に書かれた邦語の資料をできるだけ参照することが、成功の秘訣なのか。

(新茶)
〉〉私は,第(4)に,日本語から,厳密には,日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語から,英語を考え,その一環として,その語源,辞書的意味,等を考えるという方法があると思います。
〉〉つまり,長い文脈を意味する,制度等から,所有という意味を英語で考えてみようと思った,と理解しているのですが。
〉〉これは,英語の文章,つまりTEXTそのものの文脈ではないが,広い意味での文脈か。

(Ryotasanさん)
〉成功の秘訣は、
〉できる限り明治時代に書かれた資料を参照することでしょうね。
〉できる限り。
〉それでは、
〉Happy reading!

◎質問の趣旨を述べると、次のようになります。
 私は、英単語を理解する方法として、第4番目として、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」から,「英語」を考え,「その一環として,その語源,辞書的意味等を考える」という方法がある、と主張したわけです。
 つまり、4番目の方法があるのではないか、と素人ながら、提案したのです。
 4番目の方法として独立して、数えるべきかどうかは、お答えを待ちます。
 しかし、それよりも、私が、何度考えて、時間を費やしても、わからなかったのは、なぜに、上記の日本語を考えるに当たって、明治期の邦文を読むと、英単語がわかるのかと言うことです。
 私が、邦語から英語を考えると提案したのに対し、Ryotasanさんは、明治期の資料を参照すべきであると言われているのですから、論理上、まさか、明治期の英文を参照するというわけでは、あり得ないでしょう。
 そうだとすると、制度、システム、思想を表す「日本語」から「英語」を理解するのに、なぜに、明治期の日本語=邦文の資料をできる限り参照するのかは、理解できないのです。
 これが、質問の主要点です。

 お手数かもしれませんが、非常に気になったし、理解に苦しんだので、ご質問しました。

 (修正について)
 昨夜22:40の投稿に付き、5分間ほどで、句読点その他を、ほんの少し修正しました。
 内容に変更は、ありません。

                                                       以  上


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2676. Re: Ryotasanさんへ、質問

お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/13(14:53)

------------------------------

主観の新茶さんは[url:kb:2674]で書きました:

〉 Ryotasanさん,今晩は。
〉 新茶です。
〉 3点ほど、ご質問したいことがあります。
〉 わかりやすいように、◎が質問を表します。
〉 項目は、3つです。
〉 ()内は、どちらが意見を述べたかを表します。

新茶さん、
お元気そうでなによりです。
しばらくこの掲示板に書き込まないでいたら、
ログインできなくなってしまいました。
自宅で使っている機械のハードディスクを掃除したときにパスワードを忘れてしまったのかもしれません。
それで新しく "Ry0tasan" で登録し直しました。
自分で言うのも変ですが、
"Ryotasan" と同一人物です。

〉第1 「文章の前後関係」の意味について
〉 2632からも、一部転用。

〉(Ryotasanさん)
〉>英単語を理解するとき、
〉>僕がいつも考える手がかりの優先順位をまず示させて下さい。
〉>1. 文章の前後関係
〉>2. 辞書的な知識
〉>3. 語源
〉>この優先順位について、
〉>「卵が先か? ニワトリが先か?」などと考えたこともありますが、
〉>最終的に前後関係の方が重要だと考えるようになりました。
〉>辞書的な意味や用法にそぐわない使い方がされるばあいもあるし、
〉>辞書の記述も、(まともな辞書であれば)沢山の用例の文脈を検討した結果として書かれているからです。
〉>誰でも文章の前後関係に注意して多読を続けていれば、
〉>英英辞典と同じ様な理解に達すると思うようになったのです。

〉(新茶)
〉〉〉(1)文脈(文書の前後関係は,こう言い換えていいのでしょうか?) Ryotasanさんも,途中で使っておられます。

〉(Ryotasanさん)
〉〉文脈に加えて、
〉〉本の挿絵や、
〉〉話し手の声の調子、
〉〉顔の表情、
〉〉まわりの状況なども含めたかったので、
〉〉前後関係と表現しました。
〉〉条件付きで、
〉〉文脈と理解されても結構です。

〉◎ここで質問とは、次のことです。
〉 Ryotasanさんは、「文章」の前後関係と言っています。
〉 私には、文章という言葉は、書かれたものとしか、受け取れませんでした。

英単語を理解するときに心がけていることの優先順位という前提で書き始めたことなので、
会話や演説など音声によるやりとりも、
できれば除外したくなかったのです。
ここで強調したかったのは、
sentence を超える大きな話の流れと言うぐらいの意味で、
「文章」と表現しました。
あまり上等な表現とは言えないかもしれませんね。

〉 1番目に、話し手の声の調子、顔の表情が、どうして、文章に含まれるのでしょうか。

日本語については保留にしておきますが、
英語では、
書き言葉の文章にも、
書き手の息づかいは存在すると僕は考えています。

〉 つぎに、「まわりの状況」と書かれると、わかった気になりましたが、じつは、「まわり」とは、何を言うのか、はっきりしません。どういう意味でしょうか。
〉 「まわりの状況」の前後関係とは、何を意味するのでしょうか。

書籍なら文字の配列、
手書きなら筆跡なども含みます。
話の流れはまっすぐ進まないこともあります。
あっちへ行ったり、
こっちへ行ったり、
広がるように展開することもあります。
ですから前後関係がまわりの状況と同じでも構わないばあいもあるという意味で、
書きました。

〉 3番目に、本の挿絵は、作者が描いていない場合が、ほとんどだと思います。挿絵の描き手が、その文章を正確に理解している、または曲解していないと、どうしていえるのでしょうか。

このスレッドの出発点となった The Little Prince は、
原作者が絵も描いています。
この掲示板で話題になる絵本も、
文章と挿絵を同じ人が担当している例は多いです。

別な人が絵を描いているばあいについても、
この掲示板で話題になっている絵本のほとんどで、
作家と画家が事前に相談し、
物語の文脈にふさわしい絵を選び、
文脈にふさわしく配置してあると僕は判断しています。

いささか専門的になりますが、
具体例も示しますね。

Mark Twain が Adventures of Huckleberry Finn を出版したとき、
Kemble という絵描きの挿絵に細かい注文をつけて、
書き直させた例があります。
これは手紙が専門書に引用されているのを読んだことがあります。

Randall Jarrell という詩人が出版社から依頼されて童話を書いたとき、
Maurice Sendak さんが挿絵を担当し、
言外の意味まで読み取って絶妙の挿絵を描き、
どうしてそこまで分かるんだと Jarrell が驚いたという話を、
専門書の中で読んだことがあります。

そういった経験に基づいてさまざまな絵本を読み、
定評のある絵本の出版社なら、
事前にそういう打ち合わせをするものだと判断するようになったというわけです。

勿論、
例外があることは認めます。
安い値段で売られている Disney の絵本などで、
そういった配慮がなされていない商品はみたことがあります。

〉 文章と言えば、書いたものを意味し、Ryotasanさんの言われる上記3点は、通常、言葉の意味として、包含されないと思われますが、どうなのでしょうか。
〉 私は、「文章の前後関係」と述べている限り、かつて人が言葉に発したものを含め、書かれたものを意味すると理解するのが自然であると理解していましたので、「文章の前後関係」のうち、「文章」を「文書」と言い換えて、「文書の前後関係」とまで言い切る理解をしています。

20世紀の中頃までに発表された英文のほとんどは、
音読や朗読を想定して書かれたと僕は考えています。
20世紀後半以降に発表された英文には音読に向かないものもありますが、
それでもどこかで書き手のほのかな息づかいは感じられると思っています。

〉 この部分は、今回の論議の本質的部分ではありませんでした。
〉 私は、通常の日本語なら人並み程度に理解できると思いますが、Ryotasanさんが、もし言葉を独自に特殊に定義している場合には、それをあらかじめ簡単に記載していただければ、本質の論議ではない、当面必要のない事項は、省けると思います。

英語を理解する上では重要な議論かもしれません。

〉 この第1の質問は、今回お聞きしたことの主要点ではありませんが、前提事項ですので、質問させていただきました。

〉第2 OEDへの質問

〉(Ryotasanさん)
〉〉文脈が大事だと思うのは、
〉〉自分自身の多読経験と、
〉〉OED (Oxford English Dictionary) を使ってみた経験によります。

〉〉OED は全部で20巻あり、
〉〉一つの単語の歴史を、
〉〉何頁にも渡って示してあります。
〉〉そして、
〉〉ほかのどんな英語辞書より例文が多いのです。
〉〉その例文は、
〉〉辞書編纂のために作文されたものではなく、
〉〉実際に使われていた例文です。
〉〉出典も示してあります。

〉〉これを見て分かるのは、
〉〉OED の編纂者も、
〉〉沢山の用例にあたり、
〉〉その単語が使われている文脈を検討した結果に基づいて、
〉〉単語の意味や用法を説明していることです。
〉〉単語の過去を知りたければ、
〉〉過去についての文献より、
〉〉過去の文献にあたる方が望ましいです。
〉〉引用の基になる資料を見て、
〉〉あっと驚く様なこともあります。
〉〉文脈を無視して引用されていることもありますから。

〉◎ここで質問とは、次のことです。
〉 1番目に、Ryotasanさんは、OEDを通読されたのでしょうか。

いいえ、
20巻全部を通読してはいません。
それでも非常に長い前書きを通読し、
15年に渡って利用しており、
この辞書全体にどういう傾向があるかは分かっているつもりです。

〉 2番目に、OEDは、Ryotasanさんの経験上、どのような本の多読をされた結果、単語の過去を知る際に、OEDが、どういう点で有効だと判断されたのでしょうか。

古い方では、
15世紀の英語で書かれた Thomas Malory を800頁、
The Age of Chaucer, vol. 1 of The Pelican Guide to English Literature という本に載っていた作品全部、
Shakespeare の戯曲を十数本、
John Milton の作品を500頁ぐらい、
Swift の Gulliver's Travels と、
Fielding の Tom Jones と、
Franklin の自伝、
これで18世紀後半まで来ましたね。
19世紀と20世紀はもっと多いですが、
省略させて下さい。
自慢しているわけではなく、
客観的な事実として受け止めて下されば幸いです。
多読の方法でいい加減に読んでいることも申し添えておきます。

〉 
〉第3 なぜに、明治期以降に輸入され定着した制度等を表す日本語から英語を考えることについて、明治時代に書かれた邦語の資料をできるだけ参照することが、成功の秘訣なのか。

〉(新茶)
〉〉〉私は,第(4)に,日本語から,厳密には,日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語から,英語を考え,その一環として,その語源,辞書的意味,等を考えるという方法があると思います。
〉〉〉つまり,長い文脈を意味する,制度等から,所有という意味を英語で考えてみようと思った,と理解しているのですが。
〉〉〉これは,英語の文章,つまりTEXTそのものの文脈ではないが,広い意味での文脈か。

〉(Ryotasanさん)
〉〉成功の秘訣は、
〉〉できる限り明治時代に書かれた資料を参照することでしょうね。
〉〉できる限り。
〉〉それでは、
〉〉Happy reading!

〉◎質問の趣旨を述べると、次のようになります。
〉 私は、英単語を理解する方法として、第4番目として、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」から,「英語」を考え,「その一環として,その語源,辞書的意味等を考える」という方法がある、と主張したわけです。
〉 つまり、4番目の方法があるのではないか、と素人ながら、提案したのです。
〉 4番目の方法として独立して、数えるべきかどうかは、お答えを待ちます。
〉 しかし、それよりも、私が、何度考えて、時間を費やしても、わからなかったのは、なぜに、上記の日本語を考えるに当たって、明治期の邦文を読むと、英単語がわかるのかと言うことです。
〉 私が、邦語から英語を考えると提案したのに対し、Ryotasanさんは、明治期の資料を参照すべきであると言われているのですから、論理上、まさか、明治期の英文を参照するというわけでは、あり得ないでしょう。
〉 そうだとすると、制度、システム、思想を表す「日本語」から「英語」を理解するのに、なぜに、明治期の日本語=邦文の資料をできる限り参照するのかは、理解できないのです。
〉 これが、質問の主要点です。

もともと日本になかった西洋の思想が盛んに翻訳されたのは明治時代です。
それまでの日本語ではなじみのなかった概念を日本語で表現するために、
古い漢語を掘り出してきたり、
漢字を組み合わせて新しい訳語を作ったりしたと聞いています。
この時期に日本語の語彙も大きく変化したようです。
大正と昭和の時代に西洋から輸入された概念も、
そういう明治時代の日本語の上に積み重ねる形で発展してきたと僕は考えています。
これも直線的に継承されてきたわけではありませんから、
その過程での変化というか、
歪曲もあると思っています。

〉 お手数かもしれませんが、非常に気になったし、理解に苦しんだので、ご質問しました。

〉 (修正について)
〉 昨夜22:40の投稿に付き、5分間ほどで、句読点その他を、ほんの少し修正しました。
〉 内容に変更は、ありません。

〉                                                        以  上

分かりにくいことがありましたら、
質問してくださいね。
すぐにお答えできないこともありますが、
いずれ近いうちにお答えするつもりです。
(もう一つの質問にも。)


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2677. Re: Ryotasanさんへ、質問

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/13(18:03)

------------------------------

Ry0tasanさんへ,こんにちは。

主観の新茶です。

パソコンのトラブルがありましたか。
大変でしたね。
私は、パソコンが得意ではないので、もう1回登録しようとしたら、時間がかかったと思います。
このパソコンは、VISTA、仕事場は、XPです。
自分の知っている機能のみ、ボタンを押していると思われます。

お忙しいところ、早速、詳しいお返事をありがとうございます。
第1,第2の点は、良く読解し、後ほどお答えしたいと思います。

が、第3の点のご解答は、一読して、質問の趣旨とは、全く関係がないと思われます。

〉〉第3 なぜに、明治期以降に輸入され定着した制度等を表す日本語から英語を考えることについて、明治時代に書かれた邦語の資料をできるだけ参照することが、成功の秘訣なのか。

〉〉(新茶)
〉〉〉〉私は,第(4)に,日本語から,厳密には,日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語から,英語を考え,その一環として,その語源,辞書的意味,等を考えるという方法があると思います。
〉〉〉〉つまり,長い文脈を意味する,制度等から,所有という意味を英語で考えてみようと思った,と理解しているのですが。
〉〉〉〉これは,英語の文章,つまりTEXTそのものの文脈ではないが,広い意味での文脈か。

〉〉(Ryotasanさん)
〉〉〉成功の秘訣は、
〉〉〉できる限り明治時代に書かれた資料を参照することでしょうね。
〉〉〉できる限り。
〉〉〉それでは、
〉〉〉Happy reading!

〉〉◎質問の趣旨を述べると、次のようになります。
〉〉 私は、英単語を理解する方法として、第4番目として、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」から,「英語」を考え,「その一環として,その語源,辞書的意味等を考える」という方法がある、と主張したわけです。
〉〉 つまり、4番目の方法があるのではないか、と素人ながら、提案したのです。
〉〉 4番目の方法として独立して、数えるべきかどうかは、お答えを待ちます。
〉〉 しかし、それよりも、私が、何度考えて、時間を費やしても、わからなかったのは、なぜに、上記の日本語を考えるに当たって、明治期の邦文を読むと、英単語がわかるのかと言うことです。
〉〉 私が、邦語から英語を考えると提案したのに対し、Ryotasanさんは、明治期の資料を参照すべきであると言われているのですから、論理上、まさか、明治期の英文を参照するというわけでは、あり得ないでしょう。
〉〉 そうだとすると、制度、システム、思想を表す「日本語」から「英語」を理解するのに、なぜに、明治期の日本語=邦文の資料をできる限り参照するのかは、理解できないのです。
〉〉 これが、質問の主要点です。

〉もともと日本になかった西洋の思想が盛んに翻訳されたのは明治時代です。
〉それまでの日本語ではなじみのなかった概念を日本語で表現するために、
〉古い漢語を掘り出してきたり、
〉漢字を組み合わせて新しい訳語を作ったりしたと聞いています。
〉この時期に日本語の語彙も大きく変化したようです。
〉大正と昭和の時代に西洋から輸入された概念も、
〉そういう明治時代の日本語の上に積み重ねる形で発展してきたと僕は考えています。
〉これも直線的に継承されてきたわけではありませんから、
〉その過程での変化というか、
〉歪曲もあると思っています。

〉分かりにくいことがありましたら、
〉質問してくださいね。
〉すぐにお答えできないこともありますが、
〉いずれ近いうちにお答えするつもりです。
〉(もう一つの質問にも。)

上記のご解答は、はばかりながら、私も、お答えいただかなくても、承知していることと思っています。
 制度、システム、思想を表す「日本語」から「英語」を理解するのに、なぜに、明治期の日本語=邦文の資料をできる限り参照するのかが、わからないので、具体例を示していただくと、助かります。
この点は、第2点にも関連し、非常に大事なことだと思われます。

                                                                  以  上


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2678. こちらこそ分からないようですが . . .

お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/13(20:34)

------------------------------

新茶さん、
どうやら僕は、
最初からご質問の趣旨が理解できていないようです。

西洋の思想や制度を輸入したつもりでも、
日本に入ってきた時点で誤解されたか、
その後の時代に日本で変質し、
もとの英語とのあいだに断絶があると感じたことが何度もあるのです。
日本語で所有のことを考えても、
もともとそういう意味のない "have" のことは分かりません。

あるいは「民主主義」という四字熟語についていくら考えても、
"democracy" という英単語の意味は分からないはずです。
英和辞典の不正確な記述を見て同じだと思い込んでいても、
実際にあらわしている概念は違いますから。

過去に遡らなければ、
提案されている第4の方法の成果は期待できないと思ったのです。

いかがでしょうか?
新茶さんの方からも、
なにか具体例をお願いします。


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2679. 追加

お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/13(21:37)

------------------------------

要するに「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」とおっしゃるのが、
具体的にどういう日本語なのか、
僕には分からないのです。

ある概念が輸入された時点かそれ以降に変質し、
似て非なるものになっているかどうか、
もとの英語の本当に同じなのかを判断するのは、
多くの日本人にとって非常に難しい行為だと思います。

でも、
具体例を挙げて下されば、
個別には判断できるかもしれません。


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2680. Re: 追加

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/13(23:56)

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  Ry0tasanさんへ。新茶です。

  前から申し上げているように、私は、約30年英語などの語学をしていないので、英語はできません。
  しかしながら、方法論ですから、兵は拙速ながら、迅速を尊ぶのごとく、蛮勇を奮って、申し上げます。

  私は、結論として、原則として、明治期の和書を読むのは、不必要だと思います。
  場合によっては、貴重な人生を無駄にする有害な行為だと思います。
  逆に、できるだけ、現代の専門書、概説書、啓蒙書を読むのがよいのです。
  日進月歩の分野もあるから、20世紀の書物は、もはや読む価値を喪失しているものもあります。
  定評のある専門書は、制度、システム、思想について、明治以来の歴史、または、西洋で起こった歴史を、概略ながらでも、説明しているはずです。
  その記述を含め、今の本で、充分、和語と、英語を含む外国語の対応がわかるはずです。
  そして、そこから、英語というものを考えれば足りると思います。

  逆に、誰も読む相手にしなくなったはずの、制度等に関する明治の本を読む意味は、原則として、あり得ないと思います。
  ここで明治の本というのは、もちろん、明治の専門書、概説書等を意味します。
  例外として、語彙を創造し思想を展開した、概説書の範疇に入らない福沢諭吉の一定の本を想定できますが、彼の本も、本来、簿記の本などは、専門書に属します。前者は、思索するための古典の意味で、読むに値し、後者は、読むに値しません。
  

  今の本は、もちろん語源の説明までは、していないのが普通です。
  しかし、たとえば、経済学economicsなら、古代ギリシャ語のoikosとnomosの複合語であることは、たいていの教科書に書いてあるでしょうし、financeの本であるならば、riskという言葉の起源が、ラテン語経由の言葉であり、riskare riskoなどから由来した言葉で、地中海の島々の間の岩の間を通り抜けることを意味することも、近頃の教科書は、冒頭に記載するようになっています。
  最近の専門書、概説書、基本書、教科書のたぐいは、ますます、英語との関連、語源を重視するに至っていると認識しています。

  明治の本を読んでも、いつ、その日本語が使われ出したかくらいが、たかだか、その読書理由になるのではないでしょうか。  

  ここで、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」というのは、私が専門の仕事とする社会科学のほんの一分野のみならず、社会科学一般、そして、自然科学一般、さらに人文科学のうち、科学としての心理学などの一定分野の「日本語のほとんど全て」であり、その用語は、当該分野では、有機的に関連しているはずです。

  明治期以降の制度、システム、思想等を表す言葉で、民間に流布している言葉は、ほとんどすべて、専門用語が、庶民の言葉になったものと理解しています。
  
  

  英語など語学はできないが、あえて述べると、有機的に関連しているとは、たとえば、「所有」と「占有」は、同時期に訳された、有機的に関連する言葉だと思います。
  所有は、2610で述べていますが、「domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。」と書いているように、domeだと思います。名詞ですから、dominationでしょうか。実際は、ローマ法由来のフランス語でしょうが、フランス語はわからないが、ドイツ語で言うEigentumだと思われます。占有は、2588で述べているpossessであり、ローマ法由来のpossesioではないかと思います。検証、追試に関しては、前に紹介した、最近の本「ローマ物権法」をご覧ください。
 所有の原語は、明治の歴史から見て、haveではないはずです。
 そのことと、haveが、元来、所有の意味をも含むかは、別個のことです。

〉ある概念が輸入された時点かそれ以降に変質し、
〉似て非なるものになっているかどうか、
〉もとの英語の本当に同じなのかを判断するのは、
〉多くの日本人にとって非常に難しい行為だと思います。
 

  私の認識では、輸入された概念が、変質したり、似て非なるものになったことは、そんなにたくさんあると思えないし、第1に、それは、当該日本語から当該英語を割り出すことと、何ら関係がありません。
  

  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
  しかし、それは、ここで論議していることと、全く別です。
  それは、概念の相対性によるものであり、国際商業や医学のようにrigidなものから、土地制度,民主主義のように、flexibleなものまであるでしょう。
  そんな概念の相対性を言い出したら、きりがありません。
  
  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的興味が湧けば足りると思われます。
  次に、古代ギリシャ民主主義に関する古典を和文で読んだり、もっとも最近の民主主義に関する専門書を読んだり、また、この分野では、古典的な名著もあるから、それを読むでしょう。

  しかし、Ry0tasanさんは、明治期以後に輸入し定着した制度、システム、思想等に関する和語から英語を考えるにあったって、一般的に、明治期の和書をできるだけ読むのが成功の秘訣とまで述べておられるのですから、私は、その意味を、かなり熟考しました。

  もし、今後、Ry0tasanさんが、自らの想定と違っていたとか、趣旨の誤解だったとか、想定外だったとか言われると、ちょっとガクッときますが、その可能性もあるし、Ry0tasanさんの想定を教えてくださいね。

                           以   上
  
  

  

  


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2682. Re: 追加

お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp
投稿日: 2008/7/14(00:09)

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"主観の新茶"さんは こんばんは。

古川です。
前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
無視して頂いてもかまいません。

〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

そのほか
 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
訳でしょう。
数学用語なら、
rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
本来の意味でしょう。

このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
思います。

それでは。


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2683. Re: 追加

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/14(00:56)

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古川@SSS"さん、ryOtasanさん、こんばんは。
今夜は、遅いので、これで終わりますが、以下、述べます。

〉古川です。
〉前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
〉無視して頂いてもかまいません。

〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

〉そのほか
〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉訳でしょう。
〉数学用語なら、
〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

〉 freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
〉本来の意味でしょう。

〉このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
〉まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
〉思います。

〉それでは。

以下述べること。
調べていませんが、おそらく、freedom of press は 出版の自由 と 報道の自由 の双方が、原語として、あり得ると思います。
その場合、出版の自由(freedom of press)などと記載するのが、良心的です。
つまり、日本語訳の次に、本来想定している英語を記載することです。

概して、訳語は、本来どれが正しいか、争いもあります。

訳語がいい加減でよいとは、決して言いませんが、問題は、その次に、定義する内容です。
近代用語、現代用語を述べたときには、必ず、次に定義を述べることが求められるのです。
定義なしに使用されると、誤解の原因になります。

日本語が、本来の英語の原語と違うだろうというのは、私も、感じることがあります。
しかし、その日本語は、ある英語に1対1で対応していることがわかれば、その日本語に対応する英語が、わかります。
対応する英語がわかれば、その次に進めます。

なお、私は、訳語が不当だと言われているものについても、その訳語が、そんなに不当であり、ただちに変更を迫られているとは、あまり感じない方です。
そういう議論があるということを、きちんと把握しておけば足りると思います。
しかし、定義の方は、間違っているかどうか、過不足ないかどうか、きちんと吟味しなければならないのです。

そして、その英語を、今度は、日本語に訳する場合に、場合に応じて、複数の日本語と対応させることとは、また、全く別個の次元のことです。

なお、英単語を1個の日本語訳で覚え、場面に応じ、別の言葉を思いつかないなどという現象が仮にあるとすれば、本来は、論外であり、その現象の確率がどのくらいの人数であるかを考えるべきだと思います。

                            それでは、また


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2685. Re: 追加

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/7/15(18:14)

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古川先生、主観の新茶さん、こんばんは!
部分反応です。

〉数学用語なら、
〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

数学やっている人はみんなそうおっしゃいますねえ。私が思うに、翻訳した人はピタゴラス学派の気持ちになって訳したんじゃないでしょうか。

割り切れる数には道理がある。割り切れない数は道理がないからあってはならないというような気分じゃないでしょうか。

単なる推測です。わたしはギリシャ古典のことも数学史のことも無知です。


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2686. Re: 全くの雑談

お名前: こるも
投稿日: 2008/7/15(23:17)

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極楽とんぼさん、古川先生、主観の新茶さん、こんばんは
すみません。
全くの雑談です。

〉数学やっている人はみんなそうおっしゃいますねえ。私が思うに、翻訳した人はピタゴラス学派の気持ちになって訳したんじゃないでしょうか。

関係ないですが、ピタゴラスイッチって、すごいですよね。

極楽とんぼさんの文章って、面白いですねー。
軽妙で、味がある。
ちょっと哀愁もあったりして。

いや、それだけ言いたかったんです。
ひそかなファンより。


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2690. Re: 全くの雑談

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/7/18(11:51)

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こるもさん、はじめまして!こんなところでお会いするなんてびっくりです!

〉関係ないですが、ピタゴラスイッチって、すごいですよね。
ピタゴラスイッチにはとてもお世話になっています。うちは2歳児がいるのですが、NHK教育テレビに育ててもらっているようなもんです。好き嫌いがあって、かぶりものがでてくる番組には興味が持てないらしく、そういうときなど、わたしもうちのひともおおわらわになっちゃうのですが、短いピタゴラスイッチのコーナーになると、テレビ画面に集中してくれます。短くていいから、もっと頻繁に流してくれないかなって思っています。DVDも発売されているようですが、長時間の視聴には耐えられないと思うので、そこまでは手が出ません。植えの8歳児と5歳児はビー玉があると、ときどきピタゴラスイッチごっこをして遊んでいます。

〉極楽とんぼさんの文章って、面白いですねー。
〉軽妙で、味がある。
〉ちょっと哀愁もあったりして。
ありがとうございます!最近、たいした量じゃないでしょうけど、自分のキャパぎりぎりの仕事が降ってきたので、多読と掲示板カキコはしばらく休業だなあと思っていたのですが、掲示板の方はなんだかんだとついカキコしてしまいます。ちょっと中毒状態?多読の方は思ったとおり、子供に読み聞かせしているだけで、休業に近いですけど。

〉いや、それだけ言いたかったんです。
〉ひそかなファンより。
以前、どこかでどなたかが評しておられたと記憶しますが、掲示板上のこるもさんは本当に神出鬼没ですねえ。こんなところではじめましてになるとは思いませんでした。一つこれをご縁におつきあいのほどよろしくお願い申し上げます。ここは本の話題の掲示板なのでこの辺で。ハッピーリーディング!


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2687. Re: 追加

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/17(18:50)

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  古川さん,こんにちは。
 主観の新茶です。

1 古川さんは,江戸末期も含め明治時代に輸入された言葉は,どのくらいの数があるか,知っていますか。
 それを書いた文献は,ありますか。
 知っていたら,教えてください。

 限られた一専門分野のみでも,数千はあると思います。
 全体では,ものすごい数ですね。

 私は,漢文に出てこない用語,漢文に出てきても用法は異なる用語は,明治時代に訳された言葉であると推定できると思いますから,そういう方法で,過去の文献を調べなくても,輸入概念かどうかは,概括的に理解できると思います。
 漢文を実際に読まなくても,江戸時代になかった概念かどうかは,日本及び西洋の歴史等を勉強していれば,一般の人にも,わかると思います。

 社会科学の明治本は、小説と違って、古本屋にも、あまりないと思うが、話題になったことがありません。

私は,そのような輸入概念を網羅的に考えていますから,余り,1つの単語に拘泥することはありません。
 むしろ,概念の定義,内容,概念と概念との結びつきにおける1つの制度等の説明の文章,何ページかに渡る説明などが,論者によってどう異なるかの方が,遙かに重要な意義を有すると思っています。

 また,一般に,遊びの記述は除外し,まじめに論ずるときには,必ず,言われなくても,定義,内容,理由,自分の説の出典,反対する説の概要,その理由,出典等を記載しなければならないと思っています。

 もとより今回は,急いで述べられたのですから,今から説明していただければ結構です。
 
"古川@SSS"さんは[url:kb:2682]で書きました:
〉"主観の新茶"さんは こんばんは。

〉古川です。
〉前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
〉無視して頂いてもかまいません。

〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

以下,私も,あらかじめ,自分の意見を述べておきます。

2 民主政体の定義,民主政体の訳が正しい理由,その出典について,説明してください。
 そうでないと,知らない人には,どちらが正しいのか,わかりません。
 この段階では,古川さんの言うことの方が正しいと,理由もわからず,盲目的に信用してしまう人が出てくる危険があります。

 デモクラシーは,まず,政治学の分野で使用される言語ですが,日本では,古くから,そして,最近でも,定評ある教科書は,デモクラシーの訳として,民主主義を使用しています。
この点は,本の種類も豊富なので,出典を挙げませんが,もし疑問があれば,大型書店でご覧ください。
 デモクラシーというカタカナ語は,最初で説明されますが,普通の専門書の本の全編に使用されるのは,民主主義という言葉であり,民主政体という言葉は,使用していません。

 なお,デモクラシーとして,民主制,民主政,民主主義などと言い換え,その後に,一般的に,民主主義という用語のみで説明している教科書もありますから,デモクラシーという言葉が,一義的に,民主主義と訳すものではないことは,これでもわかりますし,およそ,民主主義という言葉だけから,内容を想像するのではなく,まず,第1に,民主主義の定義,内容を知るというのが,常道です。
 民主政体と訳した教科書は、見た限りでは、見あたりませんでした。
 

 政治学の教科書には,一般に,必ず古代ギリシャ,特にアテネの直接民主政治について詳しく説明が割かれていますが,それは,一般常識としても,必要でしょう。
 民主主義は,教科書によっても,若干定義が異なりますが,したがって,まず,民主主義の定義について異なった認識をしていないかを確認する必要があります。
 専門家は,一般的に,同じ概念を共有しています。
 たとえば,「民主主義とは,統治者と非統治者との同一性を意味し,現在では,直接民主制のみならず,間接民主制を含む」というような定義は,通常,専門家,実務家同士なら,何も見ないで,すらすらと口に出てくるはずです。
 このような定義が確認できるのなら、暗黙知として、お互いに、アテネのことなどもわかっているなという確認ができます。

 「同一性」という言葉は,もっと定義しようと思えばできますが,その後は,具体的な民主主義の制度,内容を議論するのが普通です。
  現代では,民主主義の具体的内容は,租税民主主義のようなものから,それこそたくさんありますから,全部列挙しろといわれたら,実務家でも,すぐにすらすらと全部列挙できないかもしれませんが,具体的に,ある民主主義の具体的内容について問われれば,滔々と述べることができるでしょう。

 しかし,民主主義のような議論は,普通,実務家の間では,正直なところ,もし議論をふっかけたら,「何,青臭いこといってるの。」となるはずですから,私は,今回,このようなことを述べているのは,ある意味では,恥ずかしいのです。
 実務家は,誰でも,若きころの昔は,嫌になるほど,民主主義について,本を読んだり,議論し合ったでしょう。

 民主主義という言葉は,憲法や,経済学でも,使用されています。
 経済学では、「民主政体」という言葉が、発展途上国の経済を論ずる際に、出てきます。

 それ以外、わかりません。

 「政治学会」「憲法学会」「経済の各学会」で,民主主義という言葉が不正確であるという議論がなされているのでしょうか。
 古川さんは,ご存じですか。

 訳語が間違っているというのなら,これらの学会に問うてみたら,どうでしょう。

 実務家は,一般に,デモクラシーの生成発展の具体的内容の詳細を知りこそすれ,訳語が間違っているというような議論をするということは,私は,聞いたことがありません。
 
 なお,インターネットに,民主主義と民主政体の訳語の正否の議論が書いてありましたので,これを掲載します。

  [url:http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%B1%BC%E7%BC%E7%B5%C1?kid=24436&mode=edit]

 
 該当部分を抜き出すと,「訳語について。「民主」とは元来は「たみのあるじ」で、つまりは支配者、君主のことだった。が、ここでは「民が主である」の意で用いられている。「主義」はprincipleの翻訳語として作られた言葉である。principleは原理や原則、行動基準のことで、例えば「principle of Democracy」だと「民主主義の原則」になる。ただし、こんにち「主義」を辞書で引くと、主義主張としての用法の他に、「特定の制度・体制または態度(広辞苑)」という意味も書かれている。従って「デモクラシーとは民主政体のことだから民主主義と訳すのはおかしい」という主張はあまり正確ではないと言える((「正確」にしようとすると、「principleの訳語として主義という言葉を作ったのだから、あるprincipleに基づいて作られた制度のことまで主義と呼ぶのはおかしい」というような、よく分からない主張になる気がしますが))。
*参考図書
-「現代政治学の名著」 佐々木毅 編/中公新書918

これを見ると,私は,知らなかったが,「民主政体」と訳さない限りは,訳語が間違っていると主張する人が、相当数、いるのだと思います。

 私も、この論者の発想で、良いと思いますが。

 この文の参考文献は,元東大総長の佐々木毅さんの中公新書になっています。
 参照ページが書いてないという、不親切な引用です。
 私は,佐々木さんともあろう人が,こういう誤訳の議論を,この本でするとは思えません。
 私は,この本を読んでいません。
 ただし,この中公新書を,ぱらぱら見たところ,民主主義で用語を統一していることは,間違いありません。
 もし,この中公新書を読んだ方がいたら,教えてください。

〉そのほか
〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉訳でしょう。

3 「合衆国」は,外務省を始め,内閣で,統一した用語と定めて,使用しています。
 「衆」を使う理由は,わかりませんが,古川さんは,わかりますか。
合衆国の「衆」は,どういう意味なのでしょうか。
 最初,訳した人は,どういうつもりで,「州」を使用しなかったのでしょうか。
 その辺を探ってみる必要があります。
 外務省等は,その根拠を必ず持っているはずです。
 批判するときには,相手の根拠を調べる必要があります。
 何か根拠があるはずです。
 外務省等にクレームをつけてみたら,どうでしょうか。
 国家が,「合衆国」が訳の正解であるといっているのですから。

 一介の実務家にすぎない私に,誤訳だと言われてもネ。
 はい,そうです,とは,なりません。
 それを決めている人たちに,もの申すべきです。
 改革は,良いことです。
 
4 どころで,SSSで議論されていますが、verbを動詞と訳したのは,何故なのですか。
 私は,わかりません。
 古川さん,知っていたら,教えてください。
 SSSでは,一般に,verbに「動詞」の訳は,不正確であるという理解ではないでしょうか,
 その理由は,verbは,動作動詞と状態動詞があるのに,動詞の「動」は,動作を意味するだけだから,状態名詞の存在を無視する不当な訳であるというものです。
 しかし,私は,次のような仮説も考えているので,そうであるならば,訳は,不当ではありません。
「動」は,「はたらき」という意味の漢字です(白川静「字統」の動と働の項目参照)。
 「働く」の「働」は,国字であり,本来の働くは,「動く」なのです。
 「はたらく」の「動」は,白川さんの説明に依拠すると,「農奴が実際に農耕する」という意味の象形文字であるが,心の働きというような目に見えない意味にも拡大されてきました。
 昔の漢文を読む限り,動は,働の意味で使用されているように思っています。
 昔の人は,この動という言葉の本来の意味を知っていたのではないでしょうか。
 戦後の教育では,動の意味が,単純化されているのではないでしょうか。

 この「動」の「働き」を,どういう意味で使うか。
 英語の場合,動詞は,主語に具体的な内容を与えるはたらきをするとか,主語を具体的に規定するはたらきをするとか,あるいは,目的語との関連ではたらきを考えるとか,そんな意味で,「動詞」と使用しているのではないかと,思っていました。
 初期の英文法書には,なぜ,verbの訳語が,「動詞」なのか,書いてないのでしょうか。
 とにかく,方法論としては,今の時点で,自分の知識で想像するのではなく,きちんと出典を示し,なぜ「動詞」と訳されてきたか,何故不当かを説明しなければならないと思います。
 動詞の訳が不当であるという論者が,はじめから,私のような問題意識にきちんと答えていてくれていれば,信用に値しますが,そうでなければ,せいぜい一個の仮説としてしか、取り扱えません。

〉数学用語なら、
〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

5 この点については,極楽トンボさんと同じ感想を持っていました。
 数学の学会では,どうなっていますか。
 訳に,批判的ですか。
 これは,誰かが,出版物,新聞等にも,この訳でなければならないと決めていますか。
 国語審議会等でも,「有理数」で良いと言っているのでしょうか。
 
 「有」も,やや,わかりにくいですね。
 「可能である。存在する」という意味なのでしょうか。
 それなら,「有比2数」「無比2数」などと訳して,言ったらどうでしょうか。

freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
〉本来の意味でしょう。

〉このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
〉まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
〉思います。
〉それでは。

6 これについては,ガリレオ・ガリレイなど有名な例から,余り知られていない無名な例まで,歴史上のいろいろな苦難を思い出す必要があります。

 最初は,「思想の自由」が侵害され,それがやっと確保されると,「表現の自由」が侵害され,それが確保されると,次に,活版技術に伴う「表現の自由」の一環としての「出版の自由」が問題となり,そのころは,まだ,マスメディアが重要ではありませんでしたが,大衆文化の興隆と民主主義の発展と共に,「知る権利」が重要となり,第4権力であるマスメディアの出現による「報道の自由」が重要となり,さらに,「報道の自由」の前提として,「取材の自由」という概念が出てきます。

 これらの説明の仕方は,精粗いろいろ言い方がありますが,このくらいなら,専門家は,物を見なくても,説明できるでしょう。

 表現の自由の派生概念は,結社,集会の自由など,ほかにもあります。
 これが,日本の憲法19条の「思想の自由」や21条の「表現の自由」に結びついているのですね。
 現憲法の英訳は,「表現の自由」が「freedom of press」であって,「報道の自由」は,解釈上,表現の自由の一内容ということに落ち着いていますね。

 古川さんは,この点をわかっていると思います。
 そうなると,本来の意味が,「報道の自由」だと説明するのは,どうしてでしょうか。

 「press」の使われ方からでしょうか。
 すると,「表現」の自由は,「expression」と訳すべきだったということでしょうか。

 諸外国の憲法の表現は,どうなっているのでしょうか。
 何故,日本は,「press」と訳してしまったのでしょうか。
 私は,知りません。
 その辺は,教えてください。

  憲法の英訳が、ところどころ不正確であると主張する人がいるという議論は,もちろん知っています。
 しかし,私は,現憲法のこの点の英訳が間違っているという反対説があったのは,正直言うと,思い出せません。
 これが話題になったことは,ありません。

 よろしくお願いします。
 
                                         ハッピー・リーディング


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[う〜む] 2688. Re: 追加

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2008/7/17(19:14)

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主観の新茶さん、こんにちは。 まりあ@SSSです。

  SSS掲示板は、英語を身につけたい、英語の本を読める
  ようになりたい人達が、情報交換をするための場です。

  ご質問は特にこの掲示板参加者に共通の関心があるとも
  思えませんし、当然ご存じと思いますが、古川さんは
  数学がご専門ですから、特にこのご質問に適切な解答者
  でもありません。

  SSSでは、書き込みに対して誰からも反応がないのは
  寂しい思いをされるだろう、という思いやりから、
  返答のない書き込みには誰かがちょっとお返事を書いたり
  する風習があります。

  古川さんも、そうした思いでちょっと何か書こう、と
  応答されたと思います。

  これ以上の追求はお控え頂けると幸いです。 

  

〉  古川さん,こんにちは。
〉 主観の新茶です。

〉1 古川さんは,江戸末期も含め明治時代に輸入された言葉は,どのくらいの数があるか,知っていますか。
〉 それを書いた文献は,ありますか。
〉 知っていたら,教えてください。

〉 限られた一専門分野のみでも,数千はあると思います。
〉 全体では,ものすごい数ですね。

〉 私は,漢文に出てこない用語,漢文に出てきても用法は異なる用語は,明治時代に訳された言葉であると推定できると思いますから,そういう方法で,過去の文献を調べなくても,輸入概念かどうかは,概括的に理解できると思います。
〉 漢文を実際に読まなくても,江戸時代になかった概念かどうかは,日本及び西洋の歴史等を勉強していれば,一般の人にも,わかると思います。

〉 社会科学の明治本は、小説と違って、古本屋にも、あまりないと思うが、話題になったことがありません。

〉 私は,そのような輸入概念を網羅的に考えていますから,余り,1つの単語に拘泥することはありません。
〉 むしろ,概念の定義,内容,概念と概念との結びつきにおける1つの制度等の説明の文章,何ページかに渡る説明などが,論者によってどう異なるかの方が,遙かに重要な意義を有すると思っています。

〉 また,一般に,遊びの記述は除外し,まじめに論ずるときには,必ず,言われなくても,定義,内容,理由,自分の説の出典,反対する説の概要,その理由,出典等を記載しなければならないと思っています。

〉 もとより今回は,急いで述べられたのですから,今から説明していただければ結構です。
〉 
〉"古川@SSS"さんは[url:kb:2682]で書きました:
〉〉"主観の新茶"さんは こんばんは。

〉〉古川です。
〉〉前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
〉〉無視して頂いてもかまいません。

〉〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

〉〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

〉 以下,私も,あらかじめ,自分の意見を述べておきます。

〉2 民主政体の定義,民主政体の訳が正しい理由,その出典について,説明してください。
〉 そうでないと,知らない人には,どちらが正しいのか,わかりません。
〉 この段階では,古川さんの言うことの方が正しいと,理由もわからず,盲目的に信用してしまう人が出てくる危険があります。

〉 デモクラシーは,まず,政治学の分野で使用される言語ですが,日本では,古くから,そして,最近でも,定評ある教科書は,デモクラシーの訳として,民主主義を使用しています。
〉 この点は,本の種類も豊富なので,出典を挙げませんが,もし疑問があれば,大型書店でご覧ください。
〉 デモクラシーというカタカナ語は,最初で説明されますが,普通の専門書の本の全編に使用されるのは,民主主義という言葉であり,民主政体という言葉は,使用していません。

〉 なお,デモクラシーとして,民主制,民主政,民主主義などと言い換え,その後に,一般的に,民主主義という用語のみで説明している教科書もありますから,デモクラシーという言葉が,一義的に,民主主義と訳すものではないことは,これでもわかりますし,およそ,民主主義という言葉だけから,内容を想像するのではなく,まず,第1に,民主主義の定義,内容を知るというのが,常道です。
〉 民主政体と訳した教科書は、見た限りでは、見あたりませんでした。
〉 

〉 政治学の教科書には,一般に,必ず古代ギリシャ,特にアテネの直接民主政治について詳しく説明が割かれていますが,それは,一般常識としても,必要でしょう。
〉 民主主義は,教科書によっても,若干定義が異なりますが,したがって,まず,民主主義の定義について異なった認識をしていないかを確認する必要があります。
〉 専門家は,一般的に,同じ概念を共有しています。
〉 たとえば,「民主主義とは,統治者と非統治者との同一性を意味し,現在では,直接民主制のみならず,間接民主制を含む」というような定義は,通常,専門家,実務家同士なら,何も見ないで,すらすらと口に出てくるはずです。
〉 このような定義が確認できるのなら、暗黙知として、お互いに、アテネのことなどもわかっているなという確認ができます。

〉 「同一性」という言葉は,もっと定義しようと思えばできますが,その後は,具体的な民主主義の制度,内容を議論するのが普通です。
〉  現代では,民主主義の具体的内容は,租税民主主義のようなものから,それこそたくさんありますから,全部列挙しろといわれたら,実務家でも,すぐにすらすらと全部列挙できないかもしれませんが,具体的に,ある民主主義の具体的内容について問われれば,滔々と述べることができるでしょう。

〉 しかし,民主主義のような議論は,普通,実務家の間では,正直なところ,もし議論をふっかけたら,「何,青臭いこといってるの。」となるはずですから,私は,今回,このようなことを述べているのは,ある意味では,恥ずかしいのです。
〉 実務家は,誰でも,若きころの昔は,嫌になるほど,民主主義について,本を読んだり,議論し合ったでしょう。

〉 民主主義という言葉は,憲法や,経済学でも,使用されています。
〉 経済学では、「民主政体」という言葉が、発展途上国の経済を論ずる際に、出てきます。

〉 それ以外、わかりません。

〉 「政治学会」「憲法学会」「経済の各学会」で,民主主義という言葉が不正確であるという議論がなされているのでしょうか。
〉 古川さんは,ご存じですか。

〉 訳語が間違っているというのなら,これらの学会に問うてみたら,どうでしょう。

〉 実務家は,一般に,デモクラシーの生成発展の具体的内容の詳細を知りこそすれ,訳語が間違っているというような議論をするということは,私は,聞いたことがありません。
〉 
〉 なお,インターネットに,民主主義と民主政体の訳語の正否の議論が書いてありましたので,これを掲載します。

〉  [url:http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%B1%BC%E7%BC%E7%B5%C1?kid=24436&mode=edit]

〉 
〉 該当部分を抜き出すと,「訳語について。「民主」とは元来は「たみのあるじ」で、つまりは支配者、君主のことだった。が、ここでは「民が主である」の意で用いられている。「主義」はprincipleの翻訳語として作られた言葉である。principleは原理や原則、行動基準のことで、例えば「principle of Democracy」だと「民主主義の原則」になる。ただし、こんにち「主義」を辞書で引くと、主義主張としての用法の他に、「特定の制度・体制または態度(広辞苑)」という意味も書かれている。従って「デモクラシーとは民主政体のことだから民主主義と訳すのはおかしい」という主張はあまり正確ではないと言える((「正確」にしようとすると、「principleの訳語として主義という言葉を作ったのだから、あるprincipleに基づいて作られた制度のことまで主義と呼ぶのはおかしい」というような、よく分からない主張になる気がしますが))。
〉*参考図書
〉-「現代政治学の名著」 佐々木毅 編/中公新書918

〉 これを見ると,私は,知らなかったが,「民主政体」と訳さない限りは,訳語が間違っていると主張する人が、相当数、いるのだと思います。

〉 私も、この論者の発想で、良いと思いますが。

〉 この文の参考文献は,元東大総長の佐々木毅さんの中公新書になっています。
〉 参照ページが書いてないという、不親切な引用です。
〉 私は,佐々木さんともあろう人が,こういう誤訳の議論を,この本でするとは思えません。
〉 私は,この本を読んでいません。
〉 ただし,この中公新書を,ぱらぱら見たところ,民主主義で用語を統一していることは,間違いありません。
〉 もし,この中公新書を読んだ方がいたら,教えてください。

〉〉そのほか
〉〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉〉訳でしょう。

〉3 「合衆国」は,外務省を始め,内閣で,統一した用語と定めて,使用しています。
〉 「衆」を使う理由は,わかりませんが,古川さんは,わかりますか。
〉 合衆国の「衆」は,どういう意味なのでしょうか。
〉 最初,訳した人は,どういうつもりで,「州」を使用しなかったのでしょうか。
〉 その辺を探ってみる必要があります。
〉 外務省等は,その根拠を必ず持っているはずです。
〉 批判するときには,相手の根拠を調べる必要があります。
〉 何か根拠があるはずです。
〉 外務省等にクレームをつけてみたら,どうでしょうか。
〉 国家が,「合衆国」が訳の正解であるといっているのですから。

〉 一介の実務家にすぎない私に,誤訳だと言われてもネ。
〉 はい,そうです,とは,なりません。
〉 それを決めている人たちに,もの申すべきです。
〉 改革は,良いことです。
〉 
〉4 どころで,SSSで議論されていますが、verbを動詞と訳したのは,何故なのですか。
〉 私は,わかりません。
〉 古川さん,知っていたら,教えてください。
〉 SSSでは,一般に,verbに「動詞」の訳は,不正確であるという理解ではないでしょうか,
〉 その理由は,verbは,動作動詞と状態動詞があるのに,動詞の「動」は,動作を意味するだけだから,状態名詞の存在を無視する不当な訳であるというものです。
〉 しかし,私は,次のような仮説も考えているので,そうであるならば,訳は,不当ではありません。
〉 「動」は,「はたらき」という意味の漢字です(白川静「字統」の動と働の項目参照)。
〉 「働く」の「働」は,国字であり,本来の働くは,「動く」なのです。
〉 「はたらく」の「動」は,白川さんの説明に依拠すると,「農奴が実際に農耕する」という意味の象形文字であるが,心の働きというような目に見えない意味にも拡大されてきました。
〉 昔の漢文を読む限り,動は,働の意味で使用されているように思っています。
〉 昔の人は,この動という言葉の本来の意味を知っていたのではないでしょうか。
〉 戦後の教育では,動の意味が,単純化されているのではないでしょうか。

〉 この「動」の「働き」を,どういう意味で使うか。
〉 英語の場合,動詞は,主語に具体的な内容を与えるはたらきをするとか,主語を具体的に規定するはたらきをするとか,あるいは,目的語との関連ではたらきを考えるとか,そんな意味で,「動詞」と使用しているのではないかと,思っていました。
〉 初期の英文法書には,なぜ,verbの訳語が,「動詞」なのか,書いてないのでしょうか。
〉 とにかく,方法論としては,今の時点で,自分の知識で想像するのではなく,きちんと出典を示し,なぜ「動詞」と訳されてきたか,何故不当かを説明しなければならないと思います。
〉 動詞の訳が不当であるという論者が,はじめから,私のような問題意識にきちんと答えていてくれていれば,信用に値しますが,そうでなければ,せいぜい一個の仮説としてしか、取り扱えません。

〉〉数学用語なら、
〉〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

〉5 この点については,極楽トンボさんと同じ感想を持っていました。
〉 数学の学会では,どうなっていますか。
〉 訳に,批判的ですか。
〉 これは,誰かが,出版物,新聞等にも,この訳でなければならないと決めていますか。
〉 国語審議会等でも,「有理数」で良いと言っているのでしょうか。
〉 
〉 「有」も,やや,わかりにくいですね。
〉 「可能である。存在する」という意味なのでしょうか。
〉 それなら,「有比2数」「無比2数」などと訳して,言ったらどうでしょうか。

〉 freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
〉〉本来の意味でしょう。

〉〉このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
〉〉まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
〉〉思います。
〉〉それでは。

〉6 これについては,ガリレオ・ガリレイなど有名な例から,余り知られていない無名な例まで,歴史上のいろいろな苦難を思い出す必要があります。

〉 最初は,「思想の自由」が侵害され,それがやっと確保されると,「表現の自由」が侵害され,それが確保されると,次に,活版技術に伴う「表現の自由」の一環としての「出版の自由」が問題となり,そのころは,まだ,マスメディアが重要ではありませんでしたが,大衆文化の興隆と民主主義の発展と共に,「知る権利」が重要となり,第4権力であるマスメディアの出現による「報道の自由」が重要となり,さらに,「報道の自由」の前提として,「取材の自由」という概念が出てきます。

〉 これらの説明の仕方は,精粗いろいろ言い方がありますが,このくらいなら,専門家は,物を見なくても,説明できるでしょう。

〉 表現の自由の派生概念は,結社,集会の自由など,ほかにもあります。
〉 これが,日本の憲法19条の「思想の自由」や21条の「表現の自由」に結びついているのですね。
〉 現憲法の英訳は,「表現の自由」が「freedom of press」であって,「報道の自由」は,解釈上,表現の自由の一内容ということに落ち着いていますね。

〉 古川さんは,この点をわかっていると思います。
〉 そうなると,本来の意味が,「報道の自由」だと説明するのは,どうしてでしょうか。

〉 「press」の使われ方からでしょうか。
〉 すると,「表現」の自由は,「expression」と訳すべきだったということでしょうか。

〉 諸外国の憲法の表現は,どうなっているのでしょうか。
〉 何故,日本は,「press」と訳してしまったのでしょうか。
〉 私は,知りません。
〉 その辺は,教えてください。

〉  憲法の英訳が、ところどころ不正確であると主張する人がいるという議論は,もちろん知っています。
〉  しかし,私は,現憲法のこの点の英訳が間違っているという反対説があったのは,正直言うと,思い出せません。
〉 これが話題になったことは,ありません。

〉 よろしくお願いします。
〉 
〉                                          ハッピー・リーディング


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2689. ここは、本の掲示板なんですけど。。。

お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp
投稿日: 2008/7/18(00:04)

------------------------------

"主観の新茶"さんは[url:kb:2687]で書きました:
〉  古川さん,こんにちは。
〉 主観の新茶です。

〉1 古川さんは,江戸末期も含め明治時代に輸入された言葉は,どのくらいの数があるか,知っていますか。
〉 それを書いた文献は,ありますか。
〉 知っていたら,教えてください。

残念ながら知りません。

af〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

ss〉 以下,私も,あらかじめ,自分の意見を述べておきます。

ss〉2 民主政体の定義,民主政体の訳が正しい理由,その出典について,説明してください。
ss〉 そうでないと,知らない人には,どちらが正しいのか,わかりません。
ss〉 この段階では,古川さんの言うことの方が正しいと,理由もわからず,盲目的に信用してしまう人が出てくる危険があります。

関心があれば、ご自分で調べればいかがでしょうか?
掲示板のすべての発言について、論拠や出典を述べる義務が
投稿者にあるとは思えません。

英英の辞書をひかれてみましたか?

例えば、OALDには、
democracy
a system of government in which all the people
of a country can vote to elect their represntatives.

とあります。

democracy はこのような system のことです。

〉 デモクラシーは,まず,政治学の分野で使用される言語ですが,日本では,古くから,そして,最近でも,定評ある教科書は,デモクラシーの訳として,民主主義を使用しています。

それが誤解を招く訳だというのが私の主張です。
demcocracy は ismではないですから。
もちろん、共産主義、資本主義というのも 共産主義体制、
資本主義体制という意味でも使われますが、日本語の語感では、
主義というのは 主義主張 のイメージが強く システム
というイメージはあまりないと思います。

〉〉そのほか
〉〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉〉訳でしょう。
〉3 「合衆国」は,外務省を始め,内閣で,統一した用語と定めて,使用しています。
〉 「衆」を使う理由は,わかりませんが,古川さんは,わかりますか。
〉 合衆国の「衆」は,どういう意味なのでしょうか。

いきさつも理由も知りませんが、民衆の「衆」であることは
あきらかですね。

〉4 どころで,SSSで議論されていますが、verbを動詞と訳したのは,何故なのですか。
〉 私は,わかりません。

私は言語学の専門家でないのでしりませんね。

〉 とにかく,方法論としては,今の時点で,自分の知識で想像するのではなく,きちんと出典を示し,なぜ「動詞」と訳されてきたか,何故不当かを説明しなければならないと思います。

不当なんて誰がいっているのですか?、
verb と 動詞 では、ことばからうけるイメージが違う
といっているだけだと思います。

この掲示板は訳語に関して議論する場ではなく、本の紹介や
本の内容についてディスカッションする場所ですので、
このへんで切り上げたいと思います。

それでは、みなさん、Happy Reading!


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2684. 少し分かってきました

お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/14(09:12)

------------------------------

主観の新茶さんは[url:kb:2680]で書きました:

〉  Ry0tasanさんへ。新茶です。

〉  前から申し上げているように、私は、約30年英語などの語学をしていないので、英語はできません。
〉  しかしながら、方法論ですから、兵は拙速ながら、迅速を尊ぶのごとく、蛮勇を奮って、申し上げます。

〉  私は、結論として、原則として、明治期の和書を読むのは、不必要だと思います。
〉  場合によっては、貴重な人生を無駄にする有害な行為だと思います。
〉  逆に、できるだけ、現代の専門書、概説書、啓蒙書を読むのがよいのです。
〉  日進月歩の分野もあるから、20世紀の書物は、もはや読む価値を喪失しているものもあります。
〉  定評のある専門書は、制度、システム、思想について、明治以来の歴史、または、西洋で起こった歴史を、概略ながらでも、説明しているはずです。
〉  その記述を含め、今の本で、充分、和語と、英語を含む外国語の対応がわかるはずです。
〉  そして、そこから、英語というものを考えれば足りると思います。

新茶さんが「はず」という表現を使って想定してらっしゃることを、
より多くの洋書とつきあわせてみれば、
符合しない点が沢山あることに気づいて驚くでしょう。

明治時代の和書に興味がないのであれば、
明治期に輸入された日本語を通して英語を理解する様な試みも、
おやめになった方が良いです。
英語は英語を通した方が理解しやすいですから。

〉  逆に、誰も読む相手にしなくなったはずの、制度等に関する明治の本を読む意味は、原則として、あり得ないと思います。
〉  ここで明治の本というのは、もちろん、明治の専門書、概説書等を意味します。
〉  例外として、語彙を創造し思想を展開した、概説書の範疇に入らない福沢諭吉の一定の本を想定できますが、彼の本も、本来、簿記の本などは、専門書に属します。前者は、思索するための古典の意味で、読むに値し、後者は、読むに値しません。
〉  

そうですね。
僕は前者を想定していました。

〉  今の本は、もちろん語源の説明までは、していないのが普通です。
〉  しかし、たとえば、経済学economicsなら、古代ギリシャ語のoikosとnomosの複合語であることは、たいていの教科書に書いてあるでしょうし、financeの本であるならば、riskという言葉の起源が、ラテン語経由の言葉であり、riskare riskoなどから由来した言葉で、地中海の島々の間の岩の間を通り抜けることを意味することも、近頃の教科書は、冒頭に記載するようになっています。
〉  最近の専門書、概説書、基本書、教科書のたぐいは、ますます、英語との関連、語源を重視するに至っていると認識しています。

ここで新茶さんが出してらっしゃる例は、
どれもギリシャ語やラテン語の単語についてですね。
英語から見て借用語にあたる用語の知識が増えることで、
欧州大陸の学者や思想家と話が通じやすくなる効果は期待できます。
英語の基本的な部分は別ですが。

〉  明治の本を読んでも、いつ、その日本語が使われ出したかくらいが、たかだか、その読書理由になるのではないでしょうか。

そうですね。
その程度でご不満なら、
日本語から出発して英語への理解を深める様な試みは、
おやめになった方が良いでしょう。

〉  ここで、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」というのは、私が専門の仕事とする社会科学のほんの一分野のみならず、社会科学一般、そして、自然科学一般、さらに人文科学のうち、科学としての心理学などの一定分野の「日本語のほとんど全て」であり、その用語は、当該分野では、有機的に関連しているはずです。

その分野で使われている日本語の範囲では、
有機的に関連しています。
英語とはずれていることが多いので、
ご注意ください。

〉  明治期以降の制度、システム、思想等を表す言葉で、民間に流布している言葉は、ほとんどすべて、専門用語が、庶民の言葉になったものと理解しています。
〉  
そうですね。
日本語の範囲では機能しています。

〉  英語など語学はできないが、あえて述べると、有機的に関連しているとは、たとえば、「所有」と「占有」は、同時期に訳された、有機的に関連する言葉だと思います。
〉  所有は、2610で述べていますが、「domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。」と書いているように、domeだと思います。名詞ですから、dominationでしょうか。実際は、ローマ法由来のフランス語でしょうが、フランス語はわからないが、ドイツ語で言うEigentumだと思われます。占有は、2588で述べているpossessであり、ローマ法由来のpossesioではないかと思います。検証、追試に関しては、前に紹介した、最近の本「ローマ物権法」をご覧ください。
〉 所有の原語は、明治の歴史から見て、haveではないはずです。
〉 そのことと、haveが、元来、所有の意味をも含むかは、別個のことです。

所有と "have" と混同しない方が良いという姿勢を僕は一貫させてきたつもりです。
所有と "domestic" について考えることで、
欧州大陸の語彙についての理解は深まるかも知れません。

〉〉ある概念が輸入された時点かそれ以降に変質し、
〉〉似て非なるものになっているかどうか、
〉〉もとの英語の本当に同じなのかを判断するのは、
〉〉多くの日本人にとって非常に難しい行為だと思います。
〉 

〉  私の認識では、輸入された概念が、変質したり、似て非なるものになったことは、そんなにたくさんあると思えないし、第1に、それは、当該日本語から当該英語を割り出すことと、何ら関係がありません。
〉  

おっしゃっていることはそんなに簡単じゃないと思いますが、
具体例は下の方で出しますね。

〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉  しかし、それは、ここで論議していることと、全く別です。

はい。
これは別のことです。
僕は言葉に対する誤解についてのみ話をしているのであり、
選挙制度の中身や実態のことではありません。

〉  それは、概念の相対性によるものであり、国際商業や医学のようにrigidなものから、土地制度,民主主義のように、flexibleなものまであるでしょう。
〉  そんな概念の相対性を言い出したら、きりがありません。
〉  
〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的興味が湧けば足りると思われます。
〉  次に、古代ギリシャ民主主義に関する古典を和文で読んだり、もっとも最近の民主主義に関する専門書を読んだり、また、この分野では、古典的な名著もあるから、それを読むでしょう。

語源がお好きな新茶さんにしては、
おっしゃることが矛盾していませんか?
欧米の知識人が理解している democracy は、
ギリシャ語の語源に近く、
主義ではないのです。
1対1で対応しないこと、
ずれていることに気づかなければ、
英文をいくら読んでも分からない状況に陥ります。

〉  しかし、Ry0tasanさんは、明治期以後に輸入し定着した制度、システム、思想等に関する和語から英語を考えるにあったって、一般的に、明治期の和書をできるだけ読むのが成功の秘訣とまで述べておられるのですから、私は、その意味を、かなり熟考しました。

〉  もし、今後、Ry0tasanさんが、自らの想定と違っていたとか、趣旨の誤解だったとか、想定外だったとか言われると、ちょっとガクッときますが、その可能性もあるし、Ry0tasanさんの想定を教えてくださいね。

正直に申し上げれば、
もともとのご提案自体に無理というか、
矛盾があるように思えるのです。

明治時代の和書については、
福沢諭吉が啓蒙のために書いた本だけでも、
実践してみれば、
英語と日本語との齟齬や乖離に気づくかもしれないと期待していました。

最後に、
定義の例を出しておきますね。
英語の "democracy" を定義した例として有名なのは、
"the government of the people, by the people, for the people" です。
これを「民主主義」という四字熟語に置き換えたら、
話が混乱しませんか?

とりいそぎ。


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3052. Re: 少しも分かっていないと思うけれども

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2010/11/3(02:19)

------------------------------

"Ry0tasan"さんは[url:kb:2684]で書きました:
〉主観の新茶さんは[url:kb:2680]で書きました:

〉〉  Ry0tasanさんへ。新茶です。

〉〉  前から申し上げているように、私は、約30年英語などの語学をしていないので、英語はできません。
〉〉  しかしながら、方法論ですから、兵は拙速ながら、迅速を尊ぶのごとく、蛮勇を奮って、申し上げます。

〉〉  私は、結論として、原則として、明治期の和書を読むのは、不必要だと思います。
〉〉  場合によっては、貴重な人生を無駄にする有害な行為だと思います。
〉〉  逆に、できるだけ、現代の専門書、概説書、啓蒙書を読むのがよいのです。
〉〉  日進月歩の分野もあるから、20世紀の書物は、もはや読む価値を喪失しているものもあります。
〉〉  定評のある専門書は、制度、システム、思想について、明治以来の歴史、または、西洋で起こった歴史を、概略ながらでも、説明しているはずです。
〉〉  その記述を含め、今の本で、充分、和語と、英語を含む外国語の対応がわかるはずです。
〉〉  そして、そこから、英語というものを考えれば足りると思います。

〉新茶さんが「はず」という表現を使って想定してらっしゃることを、
〉より多くの洋書とつきあわせてみれば、
〉符合しない点が沢山あることに気づいて驚くでしょう。

何を訳のわからぬことを言っているのやら。

私が「はず」と言っているのは,すべての書物を読んだわけではないから,そ
う言ったまで。
謙遜の言葉です。
誰も,すべての専門書を読めないでしょう?

一冊も,社会科学のまともな本を読んでいない人から,こんな侮辱を言われるとは。

一冊も読んでいないことは,その後のやりとりで,明確にわかりました。

何と何を付き合わせるのかしら。

何が符合しないのですか。

一つでも,例を言ってみたら。

〉明治時代の和書に興味がないのであれば、
〉明治期に輸入された日本語を通して英語を理解する様な試みも、
〉おやめになった方が良いです。

〉英語は英語を通した方が理解しやすいですから。

意味不明。
あなたには,私の言っている意味は,理解できていない。
それなのに,こんなことが書けるという,傲慢さ。
どこに由来するのだろう。

〉〉  逆に、誰も読む相手にしなくなったはずの、制度等に関する明治の本を読む意味は、原則として、あり得ないと思います。
〉〉  ここで明治の本というのは、もちろん、明治の専門書、概説書等を意味します。
〉〉  例外として、語彙を創造し思想を展開した、概説書の範疇に入らない福沢諭吉の一定の本を想定できますが、彼の本も、本来、簿記の本などは、専門書に属します。前者は、思索するための古典の意味で、読むに値し、後者は、読むに値しません。
〉〉  

〉そうですね。
〉僕は前者を想定していました。

当然,前者は有益という話を前提としているでしょう。
それを誤解していたのですか?

ここを読んで,あなたは,私の全文を読んでから返答を書いているのではないことがわかった。
何という不遜,不誠実。

それに,あなたは,わたしより,前者=岩波文庫収録のような明治の古典を読んでいないでしょう。
それは,あなたの話から,わかります。
それなのに,この文章。

〉〉  今の本は、もちろん語源の説明までは、していないのが普通です。
〉〉  しかし、たとえば、経済学economicsなら、古代ギリシャ語のoikosとnomosの複合語であることは、たいていの教科書に書いてあるでしょうし、financeの本であるならば、riskという言葉の起源が、ラテン語経由の言葉であり、riskare riskoなどから由来した言葉で、地中海の島々の間の岩の間を通り抜けることを意味することも、近頃の教科書は、冒頭に記載するようになっています。
〉〉  最近の専門書、概説書、基本書、教科書のたぐいは、ますます、英語との関連、語源を重視するに至っていると認識しています。

〉ここで新茶さんが出してらっしゃる例は、
〉どれもギリシャ語やラテン語の単語についてですね。
〉英語から見て借用語にあたる用語の知識が増えることで、
〉欧州大陸の学者や思想家と話が通じやすくなる効果は期待できます。
〉英語の基本的な部分は別ですが。

ここは,根本的に,頭がおかしい。
「英語からみて借用語」と言いますか?
借用語も英語です。
「英語の中における借用語」ならわかりますよ。
あなたの発言は,いつも,微妙に,ずれているのです。

「欧州大陸の」という言い方も,どこか,おかしい。

最大におかしいのは,英語を話す人を含め,
ヨーロッパの各言語を操る人のうち,思想家は,共通の思想を有することを前提としていないことです。

「欧州大陸の学者や思想家と話が通じやすくなる効果は期待できます」という内容が,不自然。言葉が練れていない。
そもそも,欧州の思想家とは,英語を操る人も含むでしょう。

それに,「英語の基本的部分」て,何のつもりですか?
古英語のことですか?

ゲルマン人がイギリスに渡ったときに話していた言葉が,「英語の基本的部分」と読めますがね。

だいたい,そういうことは,きちんと説明すべきですよ。

古英語ではないというとしたら,そういう態度自体,おかしいと思いますよ。
短い言葉で,きちんと相手に説明していないのだから。

今回の話に,外来語ではない英語本来の言葉=古英語を持ち出すことが,そもそも,おかしい。
「英語の基本的部分」を理解することは,私が持ち出した問題とは,両立する問題であって,対立させる問題ではないのですよ。
それがわからないのか。

〉〉  明治の本を読んでも、いつ、その日本語が使われ出したかくらいが、たかだか、その読書理由になるのではないでしょうか。

〉そうですね。
〉その程度でご不満なら、
〉日本語から出発して英語への理解を深める様な試みは、
〉おやめになった方が良いでしょう。

ここが,最大の点。
よく言えるね。
何様なのか。
偉そうに。

私の人生は,日本語から出発して,英語を理解し,物事を処理してきたものですから,あなたの主張は,私を否定したものです。

正確に言えば,私の人生は,日本語を使用して思想することから,英語を始め主として欧米の思想を考慮しながら,物事を処理してきたものです。

私の全人生を否定するような主張には,反駁します。

あなたこそ,英語を出発として,物事を理解する様な試みは,おやめになった方が良いでしょう。

〉〉  ここで、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」というのは、私が専門の仕事とする社会科学のほんの一分野のみならず、社会科学一般、そして、自然科学一般、さらに人文科学のうち、科学としての心理学などの一定分野の「日本語のほとんど全て」であり、その用語は、当該分野では、有機的に関連しているはずです。

〉その分野で使われている日本語の範囲では、
〉有機的に関連しています。
〉英語とはずれていることが多いので、
〉ご注意ください。

〉〉  明治期以降の制度、システム、思想等を表す言葉で、民間に流布している言葉は、ほとんどすべて、専門用語が、庶民の言葉になったものと理解しています。
〉〉  
〉そうですね。
〉日本語の範囲では機能しています。

〉〉  英語など語学はできないが、あえて述べると、有機的に関連しているとは、たとえば、「所有」と「占有」は、同時期に訳された、有機的に関連する言葉だと思います。
〉〉  所有は、2610で述べていますが、「domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。」と書いているように、domeだと思います。名詞ですから、dominationでしょうか。実際は、ローマ法由来のフランス語でしょうが、フランス語はわからないが、ドイツ語で言うEigentumだと思われます。占有は、2588で述べているpossessであり、ローマ法由来のpossesioではないかと思います。検証、追試に関しては、前に紹介した、最近の本「ローマ物権法」をご覧ください。
〉〉 所有の原語は、明治の歴史から見て、haveではないはずです。
〉〉 そのことと、haveが、元来、所有の意味をも含むかは、別個のことです。

〉所有と "have" と混同しない方が良いという姿勢を僕は一貫させてきたつもりです。
〉所有と "domestic" について考えることで、
〉欧州大陸の語彙についての理解は深まるかも知れません。

〉〉〉ある概念が輸入された時点かそれ以降に変質し、
〉〉〉似て非なるものになっているかどうか、
〉〉〉もとの英語の本当に同じなのかを判断するのは、
〉〉〉多くの日本人にとって非常に難しい行為だと思います。
〉〉 

〉〉  私の認識では、輸入された概念が、変質したり、似て非なるものになったことは、そんなにたくさんあると思えないし、第1に、それは、当該日本語から当該英語を割り出すことと、何ら関係がありません。
〉〉  

〉おっしゃっていることはそんなに簡単じゃないと思いますが、
〉具体例は下の方で出しますね。

そんなに簡単じゃないという結論はわかったが,理由は,最後まで書いてない。
何じゃ,これ。

〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉  しかし、それは、ここで論議していることと、全く別です。

〉はい。
〉これは別のことです。
〉僕は言葉に対する誤解についてのみ話をしているのであり、
〉選挙制度の中身や実態のことではありません。

ほう。どうも,democracyとは,選挙制度のことだと考えているようですね。
おそらく,古代ギリシアの民衆が直接選挙で代表者を選出したことを考えているようですね。
これが,そもそも,間違いです。

民主主義の定義として,法学部の政治学や憲法などをまじめに学んだ学生が,誰でも共通に述べる定義がありますが,それを知っていますか?
私は,あなたが知っているとは思えません。

知らずに論ずるのは,私には,暴虎馮河としか思えません。

私は,もう,あなたに,教える気すらありませんが。

〉〉  それは、概念の相対性によるものであり、国際商業や医学のようにrigidなものから、土地制度,民主主義のように、flexibleなものまであるでしょう。
〉〉  そんな概念の相対性を言い出したら、きりがありません。
〉〉  
〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的興味が湧けば足りると思われます。
〉〉  次に、古代ギリシャ民主主義に関する古典を和文で読んだり、もっとも最近の民主主義に関する専門書を読んだり、また、この分野では、古典的な名著もあるから、それを読むでしょう。

〉語源がお好きな新茶さんにしては、
〉おっしゃることが矛盾していませんか?

矛盾しているとは思いません。
どこが矛盾しているのか。
意味不明な論難。

〉欧米の知識人が理解している democracy は、
〉ギリシャ語の語源に近く、
〉主義ではないのです。

あのね。主義という日本語を理解していないと思いますよ。
民主主義の主義とは,どういう意味なのか,専門書を読んだことがありますか?

〉1対1で対応しないこと、
〉ずれていることに気づかなければ、
〉英文をいくら読んでも分からない状況に陥ります。

ここで1対1の対応を持ち出すことは,無意味,無関係です。
私には,少なくとも,意味不明。
何がどうずれているのやら。

英文をいくら読んでも,政治的・経済的・法律的・社会的・文化的・科学的・科学史的等の総合的知見の欠如から,わからないのは,あなたの方では?

〉〉  しかし、Ry0tasanさんは、明治期以後に輸入し定着した制度、システム、思想等に関する和語から英語を考えるにあったって、一般的に、明治期の和書をできるだけ読むのが成功の秘訣とまで述べておられるのですから、私は、その意味を、かなり熟考しました。

〉〉  もし、今後、Ry0tasanさんが、自らの想定と違っていたとか、趣旨の誤解だったとか、想定外だったとか言われると、ちょっとガクッときますが、その可能性もあるし、Ry0tasanさんの想定を教えてくださいね。

〉正直に申し上げれば、
〉もともとのご提案自体に無理というか、
〉矛盾があるように思えるのです。

〉明治時代の和書については、
〉福沢諭吉が啓蒙のために書いた本だけでも、
〉実践してみれば、
〉英語と日本語との齟齬や乖離に気づくかもしれないと期待していました。

〉最後に、
〉定義の例を出しておきますね。
〉英語の "democracy" を定義した例として有名なのは、
〉"the government of the people, by the people, for the people" です。
〉これを「民主主義」という四字熟語に置き換えたら、
〉話が混乱しませんか?

どうして話が混乱するのですか?
混乱しませんがね。
どうして混乱するのか,皆さん,わかりますかね。
私には,わかりません。
こういう訳のわからぬ論述は,あなたの常とするところ。

だいたい,定義の意味がわかっていない。
これは,リンカーンが演説で述べたものでしょう。

有名なものでも,まず,出典を述べるのが常識。かつ礼儀。

くだんの英語は,いまでは,民主主義を説明する場合の標語とさえなっているものでしょう
これは,せいぜい標語であり,定義ではない。

社会科学の基本を理解していない。
定義とは何か,ということがわかっていない。

先ほどの英文が,どうして定義でないのか,わからないのではないですか?

〉とりいそぎ。


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3053. Re: こちらこそ分からないようですが . . .

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2010/11/3(00:42)

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"Ry0tasan"さんは[url:kb:2678]で書きました:
〉新茶さん、
〉どうやら僕は、
〉最初からご質問の趣旨が理解できていないようです。

理解できていないのに,よく,これまで返答が書けましたね。

〉西洋の思想や制度を輸入したつもりでも、
〉日本に入ってきた時点で誤解されたか、
〉その後の時代に日本で変質し、
〉もとの英語とのあいだに断絶があると感じたことが何度もあるのです。

ほう。わかったような口をきく。

〉日本語で所有のことを考えても、
〉もともとそういう意味のない "have" のことは分かりません。

この論述は間違いです。

日本語で所有のことを書いた専門書を読むと,haveのこともわかります。

あなたは,所有のことを日本語で考えるとは,ただ自分のいままでの知識で考えているだけのことを意味しているのでしょう。
それは,そもそも,日本語でさえ,所有の意味を考えたことになりません。

所有というのは,基本的には,法律的な意味ですが,あなたは,考えたことがあるのですか?
ないと思いますよ。

それに,haveは,元来,所有の意味です。
haveに元来所有の意味がないというあなたの説明は,間違っています。
正しいというのなら,そういう学説を示してください。

〉あるいは「民主主義」という四字熟語についていくら考えても、
〉"democracy" という英単語の意味は分からないはずです。
〉英和辞典の不正確な記述を見て同じだと思い込んでいても、
〉実際にあらわしている概念は違いますから。

そもそも,あなたが,民主主義が何かがわかっていないことは,その後の説明でわかりました。

「いくら考える」とは,どういう意味ですか?
何も読まないで,ただ,考えるということですか?

専門書を読んで考えれば,日本語で民主主義を考えて,十分,democracyがわかりますよ。

そもそも,あなたの学問に対する発想が,ずれている。

民主主義を理解するのに,英和辞典を使うことはありません。
辞典を使うなんて,安直なことはしません。
どうして,辞典を持ち出すのか?
何を考えているのやら。

〉過去に遡らなければ、
〉提案されている第4の方法の成果は期待できないと思ったのです。

〉いかがでしょうか?
〉新茶さんの方からも、
〉なにか具体例をお願いします。


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2611. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/5/24(10:12)

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〉Ryotasanさん、こるもさん、こんにちは

主観の新茶さん、お待たせしました。

〉  Escを隣の半角と押し間違えて、これまで書いた長文を一瞬にして、ダメにしてしまった。2回も。はじめから、やり直し。以下、全部書き直して、短文。

怒らせてしまったのであれば、
おわびします。

〉〉最後に、
〉〉英単語について色々と考えてらっしゃるようですが、
〉〉辞書的な知識は一旦忘れて、
〉〉英単語が使われている文脈を重視して多読を続ければ、
〉〉もっと色々なことが分かるでしょう。
〉〉たとえば yellow が黄色より広い範囲をあらわす単語で、
〉〉gold や light-brown や cream-white も含んでいることなども、
〉〉気づくでしょう。

〉 yellowの色の概念の範囲を、いつ、どのようなきっかけで理解したか、教えていただけませんか。

長くなりますが、
おつきあいください。

子どものとき、
自分たちは「黄色人種」だと聞かされて、
違和感を覚えました。
日本語のネイティブ・スピーカーとして、
自分たちの肌の色が黄色だとは思えなかったのです。

中学へ入った頃には、
そういうことを考えなくなっていました。
英語の "yellow" を「黄色」と訳して点数がもらえるなら、
それで構わないと考えるようになっていました。

高校を卒業し、
手探りで英語の多読を始めてから、
英語はなるべく訳さないように努めていたので、
yellow と黄色の違いはしばらく意識していませんでした。

それでも、
"girl with yellow hair" という表現に出会えば、
前後関係で金髪のことだと分かるし、
"yellow metal" という表現に出会えば、
それが人々を動かしているという文脈に照らして、
砂金かなにかだろうと見当をつけていました。

多読を始めて9年目、
大学院へ再入学して、
All the King's Men という政治小説を授業で読んでいて、
皮膚の色をあらわす文脈で "yellow" という単語に再開し、
やはりこれは黄色ではないと意識するようになりました。

〉 オズの魔法使いを読んでいるときには、金銀複本位性の寓話だとみなす限りは、論理的に、yellowは、goldを含まないとおかしいのはわかりましたが、一般的用法としても含むのかは、疑問を留保していました。これで、疑問を留保しなくてすみます。

はい。
そのことをお気づきになったのは素晴らしいです。

〉 なお、私は、辞書を引いているように見えるかもしれませんが、2004年に接辞語を網羅的に引いた以外は、ほとんど引いたことがありません。

はい。
おそらく辞書は引いてらっしゃらないだろう思っていました。
それでも、
語彙に関する主観の新茶さんのお考え自体が、
かつて辞書を引いたか、
それに類する教材を通して築かれたような印象を受けたので、
あえて「辞書的」という表現を使いました。

〉〉あるいは、
〉〉have という単語自体には所有の意味が無いことなども、
〉〉意外に早く気づくと思います。

〉  するってぇと、habit habitanceは、同じ語源だから、定住という意味は、ないね。単に住んでいるというだけ。

僕が申し上げたかったのは、
"have" という単語自体に「持つ」という意味も、
「持っている」という意味もないということです。
この "have" という単語自体が示しているのは、
特定の物や人と繋がりがあるということだけです。
そこで特定されている物や人が所有可能な人や物である状況においてのみ、
文全体として所有を示すことができます。

繋がりがある状態や存在を示す単語ですから、
"habit" や "habitance" といとこ同士であるのも自然です。

〉>Roald Dahl の「The Minpins」。
〉>森に住む「The Minpins」というこびとたち。
〉>そのMinpinsが、小鳥の背中に乗って空を飛んでいるのを見て、
〉>主人公のLittle Billy(人間の子)が、言います。
〉>"Is that a special tame bird ?"

〉>なるほど、こんな時に使うのね、と思いました。

〉  これは、まだ読んでいません。
〉  こんなときって、どんなとき? やや隔靴掻痒の感あり。
〉  tamedになっていないのは、こびとたちは、小鳥と、自然に慣れ親しんだのであって、飼い慣らしたのではない、ということなのでしょうか。

ご名答!!
そのとおりです。

〉  tameとtamedは、語感が、明らかに違うはずであり、ここで、後者を使用すると、主従の関係を意味すると考えるのだが。

もともと人間とは仲良くしない "wild" な野生動物を捕まえ、
時間をかけて飼いならせば "tamed" でしょうね。

〉  昨日と今日読んだ、「ゲゲゲの女房」(今年3月11日初版)、政治と秋刀魚(今年4月21日初版)に引っかけながら、いろいろ書いたが、全部消えたので、それらは、省略します。

〉                         それでは、また

僕も自分の書いた文章を誤って消してしまうことはあります。
時間をかければ思い出せることは多いですが。

これからもよろしくお願いします。


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2615. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/24(14:36)

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 Ryotasanさん こんにちは

 主観の新茶です。

 私のパソコンは、Escと半角が隣同士だから、間違えて押すと、一瞬にして全部消えるのです。消えた後、元に戻らないのですかね。パソコンは、よく使えない。ワープロとエクセルの一部くらい。

 わざと消したのでありません。
 怒ってなどいないので、誤解されると困ります。

 それよりも、こるもさんが調べた内容と、私の推論、ご面倒でも、お答え願えないでしょうか。

                 まずは、取り急ぎ。


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