SSS多読通信第413号(2017/9/14)

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1682. SSS多読通信第413号(2017/9/14)

お名前: リリー・ローズ
投稿日: 2017/9/15(09:04)

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        SSS多読通信 第413号 (2017/9/14)

         ~読める本、読みたい本をお気楽に~

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【1】100万語通過報告 (8/10-9/10)
【2】今号のお薦め本  「多読学会で出会った本」特集 (リリー・ローズ)
【3】SSSコラム 「YLと語数のページを更新しました」     (古川)
【4】SSSニュース             (SSS英語多読研究会)
【5】編集後記                  編集:リリー・ローズ
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【1】100万語通過報告 (8/10-9/10)
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この期間の100万語通過報告はありませんでした。
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【2】今号のお薦め本 「多読学会で出会った本」特集 (リリー・ローズ)
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8月初めに4日間にわたり、日本多読学会・第4回国際多読教育学会が
同時開催されました。
Graded Readersの作家の生の声を聞いたり、出版社ブースで新シリーズを
見つけたり、最新研究発表を聞く以外にも得るものがたくさんありました。
GRの著者が、語彙、文法、語数、紙数など様々な制約を受けながらも、
読者が理解しやすいように、そして楽しく読めるように、多大な苦労と工夫を
していることがわかりました。今回はその時に見つけた本を数冊ご紹介します。
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■ Egghead       YL 2.6-2.8     7,200語
……………………………………………………………………………………………
ELI ReadersはYoung, Teen, Young Adultの3年齢層向けがあります。
これはTeen向けレベルです。今年の多読本Winnerの一冊に選ばれ、
著者のMichael Lacey Freeman氏自身が壇上で受賞しました。
この本の副題はA true story of bullying and friendshipです。
作者のいじめられた体験を元に書かれていて、巻末に作者の幼い頃の
写真や解説も載っています。

Michaelは、学校でEgghead(デカ頭)とあだ名をつけられ、仲間外れにされ、
辛い日々を送っていますが、心の中で作り出した架空の友人Andrewや両親、
近所の人などに支えられ、次第に自分自身に自信を持っていく成長の物語です。
思わず壇上の作者をEgghead?と見てしまいましたが、とても素敵な方でした。
賞を受け取る時のshyな表情に少年時代を垣間見た気がしました。
[url:https://www.englishbooks.jp/catalog/product_info.php/teen-eli-readers-egghead-p-38210]

このシリーズでは他にDear Diary ~A Collection of the World’s Best Diaries~も
おススメです。様々な分野で活躍した人の日記をベースに、各人の人となりを
見開き1ページほどで紹介しています。定番のAnne Frankはもとより
Bob Dylan, Andy Warhol, Virginia Woolf, Charles Darwinなど興味深い
ラインナップです。実在する人物だけでなく、Bridget Jones’s Diaryと
Diary of a Wimpy Kidも紹介されていて、この本を読んだら思わず日記を
書きたくなると思います。タイプライターのフォントが日記らしくて、時空を
超えて人々が身近に感じられます。
[url:https://www.englishbooks.jp/catalog/product_info.php?cPath=124_24_4942_4949_7953_4951&products_id=32555]

……………………………………………………………………………………………
■ The Cold War         YL 3.5    1,310語
……………………………………………………………………………………………
World History Readersは、世界の歴史をテーマ別に扱った全60冊の
シリーズで、Foundations Reading LibrariesやPage Turnersなど
私たちにもお馴染みの人気シリーズを監修したRob Waring氏が編集して
います。学会でRob Waring氏本人がこのシリーズを出すまでの苦労と
工夫を熱く語っていました。工夫の一つは巻末についている年表です。
使用できる語彙に制限があるため、文章を練るのも大変な苦労があったそうです。

この本は冷戦について。1番上のLevel 6ですが、文字も大きく、写真や
図版も豊富でとても読みやすいです。ソ連とアメリカの対立構図、原爆投下、
宇宙開発戦争、ベルリンの壁、中国の存在など、歴史のうねりと世界の
つながりがわかりやすく書かれています。まるで池上彰が英語で説明して
くれているみたいです。断片的な知識の総復習が英語でできて、大人にも
十分有益だと思います。
[url:https://www.englishbooks.jp/catalog/product_info.php/world-history-readers-4%ef%bc%9athe-cold-war-with-audio-p-41401]

……………………………………………………………………………………………
■ Culture Shock in Japan     YL 2.0-2.5 7,610語
……………………………………………………………………………………………
マクミラン・ランゲージハウスから出版されているRead Smart Readersの
1冊です。作者のAndy Boon氏本人の制作裏話を聞きました。
日本に来た外国人がどんなことに戸惑ったり驚いたりするのかをユーモア
たっぷりに描いています。Boon氏自身が体験したことと友人、知人から
たくさん事例を収集したそうです。数々の泣き笑いの失敗談は全部本当の
ことで、特にお花のプレゼントをしようとして仏花を買ってしまった失敗談は
複数あったとか!
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/B019WSKPDC/sss-22]

Homestay in the UK(英国ホームステイ日記)を書いた時には、勇んで
多彩な人物を登場させたものの、編集者からたった一人に削られてがっかり
したと話していました。GRの作者には、普通の作家とは違った別の苦労が
あるのだなあと思いました。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/B00H37RH68/sss-22]

私がAndy Boon氏のプレゼンを聞こうと教室に入ろうとした時に、
会場関係者のTシャツを着た男性が「このプレゼンをする奴は
とってもいい奴だぜ!Good choice!」と案内してくれました。
なんとその人がBoon氏本人!Boon氏は学会会場となった東洋学園大学の
先生なので、裏方の仕事をしながらプレゼンもしていたのですね。こんな
Boon氏のユーモアが本にも表れている気がします。

読者が選択してストーリーが進み、結末が8種類あるAtama-ii Booksにも
Boon氏の書いたものが数冊あります。ぜひそちらも読んでみてください。
例えばBrainstormは、読者が科学者で自分の開発した技術が人々を救うのか、
はたまた世界を破壊してしまうのか…読んでいるあなた次第というお話です。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/B018KFYR7S/sss-22]

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■ The Watchers      YL 1.4-1.6 2,726語
……………………………………………………………………………………………
作者のJennifer Bassett氏は学会の招待スピーカーでした。
Oxford Bookworms Libraryの総編集者をされていた人で、多数のオリジナル本、
簡約本を書いています。彼女の本と知らずに読んでいるものがたくさんあると
思います。Bassett氏は、自身の書いたものを必ず音読してreadableか
チェックするそうです。今度OBWを読むときはぜひ作者名を見てください。
そしてちょっと音読してreadabilityのチェックをしてみてください(笑)。

OBW以外にもたくさん著作があり、Garnet社から出版されている
Garnet Oracle Readersにもあります。このThe Watchersは、ギリシャに
遊びに来た若者3人が古い遺跡の探検をして、恐ろしい目に遭う…どころか
恐ろしい結末を迎えてしまうお話です。タイトルのThe Watchersとは
何なのか、それは読んでのお楽しみ!
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/B00MBWDTXA/sss-22]

作者は異なりますが、このGarnet Oracle Readersの中で私のイチオシは、
Life Linesです。コンピューターで手相を占う仕事に携わる女性が主人公。
手相をコンピューターで分析すれば未来もわかるかも、と大勢の人の生命線を
調べていくうちに、気になることを発見します。先が気になって、恐ろしい結末に
向けて一気に読んでしまうでしょう。このシリーズは、結末がほとんど
カタストロフなので、「イヤミス」ならぬ「イヤGR」と呼ぼうかしら。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/B00MBRF3CU/sss-22]

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■ Hidden Figures (Young Readers’ Edition)  YL 5.0 34,791語
……………………………………………………………………………………………
番外編
9月29日公開予定の映画「ドリーム」の原作のYoung Readers’ Editionです。
1960年代初頭、NASAの前身の施設で働いていた黒人女性3人が主人公です。
黒人差別に女性差別…想像を絶する過酷な状況にいながら一つ一つ壁を取り払い、
困難に立ち向かっていく彼女たちの姿は圧巻です。アメリカの宇宙開発は、
このような知られざる人々に支えられていたのですね。Computersが
compute(計算する)する人々を意味していた時代のtrue storyです。
一足先に映画も見ましたが、彼女たちの不屈の精神力、行動力に圧倒されました。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/0062662376/sss-22]

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【4】SSSコラム   YLと語数のページを更新しました     (古川)
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 国際多読学会で、最近出版されたGR(英語学習用段階別読本)、LR(英米児童
用段階別読本)のYLや語数(word count)を早く知りたいという声が多数寄せら
れたので、
[url:https://www.seg.co.jp/sss/YL/index.html]
のページを更新し、ブックガイド第4版発行後の主なシリーズのYLと語数の
表を公開することにしました。
2014年4月以前に出版された本の情報は、シリーズ名が著者名で
A-F, G-M, N-Q, R-Z をクリックすると探すことができます。
また、下部の表で最新の語数、YLを調べることができます。
シリーズごとの情報だけでなく、今回、LGBTのお勧めリストも加えました。
今後、日本もの、歴史小説、推理小説、ホラーのお勧めなども、随時、増やして
いきたいと思っています。
個人・教室・企業・学校等で、独自に作ったリストも提供していただければ、
表に付け加えていきたいと思っています。(今回は、Wao Corportaionさんから
JY Frist Readersのデータを提供していただきました。)
1冊1冊を人間が読んで判定するYomiyasusa Level (YL)は、つける個人によって
差が出るという欠点はありますが、読んだ人の実感にもとづいているので、大きく
外れることがありません。また、語数をそれぞれの教室が数えるのは大変です。
なお、[url:https://www.seg.co.jp/sss/YL/index.html]のページの
Mid-Continent Public Library(Juvenile Series)では、児童書のシリーズが
何巻まで出ているか、どの本が何巻かを知ることができます。
 また、Renaissance Bookfinder では、多くの児童書の総語数を調べることが
できます。
 ERF GR listには、国際多読学会が提供するGRの語数のリストがあります。
Fantastic Fiction で、一般書も含めたシリーズのリストを調べることができます。
そして、SSS Book Review では、みなさんが作った書評や語数をみることが
できます。
 みなさんの協力で、さらに幅広い情報を共有できることを願っています。

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【4】 SSSニュース             (SSS英語多読研究会)
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■ 多読関連講演会・セミナー
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9/23 読書の楽しみを伝える多読指導  古川昭夫 新宿区(東京)

多読指導をこれから始める方、多読指導をスキルアップしたい方を対象に、
初期の多読指導で大切なこと、気をつけないといけないことを教えます。

詳しくは、[url:https://www.seg.co.jp/sss/seminar/]をご参照ください。

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【5】編集後記  (リリー・ローズ)
この夏ニューカレドニアに行きました。ニューカレドニアの学校は、2か月の
夏休み(日本の冬の時期)、そして7週間学校に行ったら2週間のお休みが
あります。もちろん夏休みの宿題はありません。ふだんは朝早くから夕方まで
授業が詰まっていますが、水曜日の午後は授業が無く、先生もさっさと
帰れるんですって!日本の学校よりのんびりした生活が送れそうでちょっぴり
羨ましくなりました。
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          多読通信、次号もお楽しみに!
        今 週 も H a p p y R e a d i n g !

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