サリンジャーに挑む(1):ばれレベル・・・限りなくゼロに近い

[掲示板: 〈過去ログ〉PBの掲示板(ネタバレ可) -- 最新メッセージID: 1182 // 時刻: 2024/5/7(15:27)]

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[バレ] 821. サリンジャーに挑む(1):ばれレベル・・・限りなくゼロに近い

お名前: MOMA親爺
投稿日: 2006/10/21(09:34)

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ずーっと若い頃「ライ麦畑でつかまえて」を読んだことはありましたが、余り印象に残って
なく、ただ名前だけ「有名な作家ですわな」と記憶に残っている、そんなサリンジャーを
今回読んでみました。文庫本「短編小説のアメリカ 52講 こんなにおもしろいアメリカン・
ショート・ストーリーズ秘史 」という本を読んでいて、ショート・ストーリーズなら時間的
にも読めるかもと思ったからです。(これはやはり大いなる間違いであったなあ、ショート・
ストーリーは一期一会の真剣勝負のようで、すれ違うと何があったのかわからないうちに
あっという間に終わってしまう。ははは)

その大いなる勘違いが楽しかったので、感想文を書いてみます。久しぶりのおおいなる衝撃
です。こんな経験は初めてであり、ちょっと感動しました。

かの文庫本は東京出張の飛行機の中で読みましたので、到着後浜松町の駅ビル本屋に早速行き、
いろいろ捜しているうちに目にとまったのが「Nine stories」でした。どっかの文庫本に「ナイ
ン ストーリーズ」ってあったよなとは思いましたが、雰囲気も中身も全く知らずに購入しま
した。薄かったのが一番の理由。

9つの短編のアンソロジーです。題名が凝っているのね。なんのこっちゃらという題名です。

(1) A Perfect Day for Bananafish
(2) Uncle Wiggily in Connecticut
(3) Just Before the War with the Eskimos
(4) The Laughing Man
(5) Down at the Dinghy
(6) For Esm? - with Love and Squalor
(7) Pretty Mouth and Green My Eyes
(8) De Daumier-Smith's Blue Period
(9) Teddy

最初の5つを読みました。昨晩は6つめを読んでいるうちに寝てしまいました。

感想その一:ひゃー、難しい!題名にすがろうと思っても・・・なんなのこれ!

MOMA親爺的難易度分類。
(1)が7、(2)が9、(3)が5、(4)が7、(5)が10くらいかな。
(2)は話の内容が暗いし、どうもやりきれないし、第一難しくて楽しめなかった。ひたすら
「早く終われよ〜〜」と祈ってました。
(5)はこれが難しい。良い雰囲気(そう)なのに、「ごめん、わからん」という感じ。なんとかぎ
りぎり読めるんだけど、まったくの平行線でして、あっちに行きたいのに、行けないという感じ。
本当に難しかった。
(4)は難しいんだけど、小説としては楽しめました。面白かった。好きな話・・とぎりぎり言え
ます。むかし、どこかでこんな内容の短編を読んだことがある・・そんな話だから、いきなり
でも入って行けたのかもしれません。
(3)は、これはですね。いってもいいですか? やさしかった。すんなり読めました。かなりdetail
まで味わえたと思います。面白かった。とりあえず小説として完結しているし、浮遊感が少な
い。

で、(1)です。これはね、衝撃を受けました。一読目は、とても読みにくい小説だったんです。
でも最期に驚きの場面があり、すぐにもう一度読み返してしまったんですね。(なんせ19p
しかない)。なんだか必死に謎解きをしているようなMOMA親爺でした。だんだん面白くなっ
てきました。英語は難しいので、わからないところはわからないのですが、そのうち自分の
イメージがすっかりできあがってしまいました。4回くらい読み返してしまいましたもの。
なぜ、なぜ、なぜ・・にそれぞれ自分なりの理由付けなんかもしちゃうんです。たとえば
「バナナフィッシュってなんだったんだろう?」とか。とにかくこの小説だけは、はまりま
した。これだけで感想文が5枚くらい書けそうなくらい。とにかくイメージがふくらむ小説
でした。楽しい小説では全くないんだけどね。

で、やってはいけないことを私はしてしまったのね。これはとても後悔しています。
このことを含めて、続きはこんどまた・・・。

MOMA親爺


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[バレ] 822. Re: サリンジャーに挑む(1):ばれレベル・・・限りなくゼロに近い

お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2006/10/22(20:11)

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MOMA親爺さん、こんばんは!
大分オフ会、またまた盛会だったようで、おめでとうございます。

〉ずーっと若い頃「ライ麦畑でつかまえて」を読んだことはありましたが、余り印象に残って
〉なく、ただ名前だけ「有名な作家ですわな」と記憶に残っている、そんなサリンジャーを
〉今回読んでみました。文庫本「短編小説のアメリカ 52講 こんなにおもしろいアメリカン・
〉ショート・ストーリーズ秘史 」という本を読んでいて、ショート・ストーリーズなら時間的
〉にも読めるかもと思ったからです。(これはやはり大いなる間違いであったなあ、ショート・
〉ストーリーは一期一会の真剣勝負のようで、すれ違うと何があったのかわからないうちに
〉あっという間に終わってしまう。ははは)

なるほど! 
概して短編はむずかしいのではないだろうか?
設定とか、背景とか、登場人物とか、説明をはぶいている場合も多いし・・・

〉その大いなる勘違いが楽しかったので、感想文を書いてみます。久しぶりのおおいなる衝撃
〉です。こんな経験は初めてであり、ちょっと感動しました。

〉かの文庫本は東京出張の飛行機の中で読みましたので、到着後浜松町の駅ビル本屋に早速行き、
〉いろいろ捜しているうちに目にとまったのが「Nine stories」でした。どっかの文庫本に「ナイ
〉ン ストーリーズ」ってあったよなとは思いましたが、雰囲気も中身も全く知らずに購入しま
〉した。薄かったのが一番の理由。

〉9つの短編のアンソロジーです。題名が凝っているのね。なんのこっちゃらという題名です。

〉(1) A Perfect Day for Bananafish
〉(2) Uncle Wiggily in Connecticut
〉(3) Just Before the War with the Eskimos
〉(4) The Laughing Man
〉(5) Down at the Dinghy
〉(6) For Esm? - with Love and Squalor
〉(7) Pretty Mouth and Green My Eyes
〉(8) De Daumier-Smith's Blue Period
〉(9) Teddy

〉最初の5つを読みました。昨晩は6つめを読んでいるうちに寝てしまいました。

〉感想その一:ひゃー、難しい!題名にすがろうと思っても・・・なんなのこれ!

〉MOMA親爺的難易度分類。
〉(1)が7、(2)が9、(3)が5、(4)が7、(5)が10くらいかな。
〉(2)は話の内容が暗いし、どうもやりきれないし、第一難しくて楽しめなかった。ひたすら
〉「早く終われよ〜〜」と祈ってました。
〉(5)はこれが難しい。良い雰囲気(そう)なのに、「ごめん、わからん」という感じ。なんとかぎ
〉りぎり読めるんだけど、まったくの平行線でして、あっちに行きたいのに、行けないという感じ。
〉本当に難しかった。
〉(4)は難しいんだけど、小説としては楽しめました。面白かった。好きな話・・とぎりぎり言え
〉ます。むかし、どこかでこんな内容の短編を読んだことがある・・そんな話だから、いきなり
〉でも入って行けたのかもしれません。
〉(3)は、これはですね。いってもいいですか? やさしかった。すんなり読めました。かなりdetail
〉まで味わえたと思います。面白かった。とりあえず小説として完結しているし、浮遊感が少な
〉い。

〉で、(1)です。これはね、衝撃を受けました。一読目は、とても読みにくい小説だったんです。
〉でも最期に驚きの場面があり、すぐにもう一度読み返してしまったんですね。(なんせ19p
〉しかない)。なんだか必死に謎解きをしているようなMOMA親爺でした。だんだん面白くなっ
〉てきました。英語は難しいので、わからないところはわからないのですが、そのうち自分の
〉イメージがすっかりできあがってしまいました。4回くらい読み返してしまいましたもの。
〉なぜ、なぜ、なぜ・・にそれぞれ自分なりの理由付けなんかもしちゃうんです。たとえば
〉「バナナフィッシュってなんだったんだろう?」とか。とにかくこの小説だけは、はまりま
〉した。これだけで感想文が5枚くらい書けそうなくらい。とにかくイメージがふくらむ小説
〉でした。楽しい小説では全くないんだけどね。

間者猫さんといい、MOMA親爺さんといい、実はこういうアプローチが
英文学の本道だとぼくは思います。フツーは辞書引きながら、
先生が参考書に挙げた批評家の意見を意識しながら読むんですからね。

バナナフィッシュを4回続けて読み返すなんて・・・
すごい!

〉で、やってはいけないことを私はしてしまったのね。これはとても後悔しています。
〉このことを含めて、続きはこんどまた・・・。

ふふ・・・、どんな「やってはいけないこと」なのか・・・
楽しみ!


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823. Re: サリンジャーに挑む(1):ばれレベル・・・限りなくゼロに近い

お名前: MOMA親爺
投稿日: 2006/10/22(23:34)

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酒井@快読100万語先生、こんばんは。
 
〉MOMA親爺さん、こんばんは!
〉大分オフ会、またまた盛会だったようで、おめでとうございます。

  新人さんが増えて、楽しかったですよ。

〉なるほど! 
〉概して短編はむずかしいのではないだろうか?
〉設定とか、背景とか、登場人物とか、説明をはぶいている場合も多いし・・・

  そうですね。その説明の省かれかたが、難しさの原因ですよね。一番難しいと思ったのは
  突然登場する人物の「年齢」でした。会話だけで登場する人物、あるいは電話の相手、
  しゃべる言葉から相手の年齢を推し量るのが難しいです。日本語だとすぐにわかる年齢が、
  なかなか見えてこない場合、こちらはそれなりの年齢を想定しながら物語を読みすすめるのですが、
  それはそれでframe workが出来てしまい、物語として成立してしまうのですね。
  「あれれ、そうだったの」と後で思うこと数回。

  長編だと、いつの間にかわかるようになっている部分が短編だと全く書いていないですからね。

〉間者猫さんといい、MOMA親爺さんといい、実はこういうアプローチが
〉英文学の本道だとぼくは思います。フツーは辞書引きながら、
〉先生が参考書に挙げた批評家の意見を意識しながら読むんですからね。

  おー私は英文学をやっちゃってるわけですか。穴があったら入りたい(笑)。
  辞書は相変わらず一回も引いていません。批評家の意見ですか・・。
  多読をやっているんだから、そんなものなしで行きたいではないですか。
  自分でフレームを作る楽しみというのもスリリングですよ。もちろん、大いなる
  勘違いの産物である可能性が大だけど、一旦人の意見を聞いちゃうと、ものすごく
  影響されそうで、とりあえず、今回は許してね・・・というところ。

〉バナナフィッシュを4回続けて読み返すなんて・・・
〉すごい!

  今日で5回読んじゃいました。この小説いいです。なんでそう思うんだろう?
  自分でもわかりませんが、いろんな読み方が可能なようで、そこが楽しいです。

〉〉で、やってはいけないことを私はしてしまったのね。これはとても後悔しています。
〉〉このことを含めて、続きはこんどまた・・・。

〉ふふ・・・、どんな「やってはいけないこと」なのか・・・
〉楽しみ!

  でしょ?いまはうまくまとまらないので、また書きます。とても独りよがりなので、
  わかりにくいかもしれませんので、少し日を置いて書いてみます。

 


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[喜] 824. Re: サリンジャーに挑む(1):ばれレベル・・・限りなくゼロに近い

お名前: マリコ@SSS http://www.kawate-painclinic.com
投稿日: 2006/11/4(23:46)

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"MOMAさま、こんばんは。マリコです。

〉その大いなる勘違いが楽しかったので、感想文を書いてみます。久しぶりのおおいなる衝撃
〉です。こんな経験は初めてであり、ちょっと感動しました。

MOMA親爺さんの、難しいけど、楽しんで読み解いている姿を思い浮かべて、ニヤニヤしちゃいました。
すごいですね。こんな本に挑戦なさるなんて。
短編は難しいですよね。
PBのように一章とばしちゃうという荒技ができないですものね。

挑戦状をつきつけられたMOMA親爺、サリンジャーに白い手袋を投げるの巻
って感じですね。

〉で、(1)です。これはね、衝撃を受けました。一読目は、とても読みにくい小説だったんです。
〉でも最期に驚きの場面があり、すぐにもう一度読み返してしまったんですね。(なんせ19p
〉しかない)。なんだか必死に謎解きをしているようなMOMA親爺でした。だんだん面白くなっ
〉てきました。英語は難しいので、わからないところはわからないのですが、そのうち自分の
〉イメージがすっかりできあがってしまいました。4回くらい読み返してしまいましたもの。
〉なぜ、なぜ、なぜ・・にそれぞれ自分なりの理由付けなんかもしちゃうんです。たとえば
〉「バナナフィッシュってなんだったんだろう?」とか。とにかくこの小説だけは、はまりま
〉した。これだけで感想文が5枚くらい書けそうなくらい。とにかくイメージがふくらむ小説
〉でした。楽しい小説では全くないんだけどね。

とってもおもしろい感想文です。
わたしは子供の頃、一番いやだったのが「読書感想文」。
こういうふうにすごく楽しんで(格闘?して)読んだ本なら、感想がさらさらとでてきますね。
なんだか、わたしも読んでみたい気分になってきました。
難しいんでしょうね・・・

サリンジャーからサリガタシー


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825. Re: サリンジャーに挑む(1):ばれレベル・・・限りなくゼロに近い

お名前: MOMA親爺
投稿日: 2006/11/5(12:48)

------------------------------

マリコさん、こんにちは!

〉MOMA親爺さんの、難しいけど、楽しんで読み解いている姿を思い浮かべて、ニヤニヤしちゃいました。

  私には英語が難しいけど、この掲示板でPB読もうという方なら、そうでもないという方
  は多いかもしれませんよ。
  文章そのものはスルスルよめる場合でも「で結局何が言いたいの?」という小説ってある
  でしょう?そんな小説かもしれません。

〉すごいですね。こんな本に挑戦なさるなんて。
〉短編は難しいですよね。
〉PBのように一章とばしちゃうという荒技ができないですものね。
〉挑戦状をつきつけられたMOMA親爺、サリンジャーに白い手袋を投げるの巻
〉って感じですね。

  挑戦というつもりではないんですよ。「こんな本」っていわれるけど、単なる小説といえば
  小説なんですよ。正直サリンジャーってよく知らないのよ私。学生時代の流行作家くらいしか
  イメージなかったし。「ライ麦畑」もあまり好きじゃなかったし。

〉とってもおもしろい感想文です。
〉わたしは子供の頃、一番いやだったのが「読書感想文」。
〉こういうふうにすごく楽しんで(格闘?して)読んだ本なら、感想がさらさらとでてきますね。
〉なんだか、わたしも読んでみたい気分になってきました。
〉難しいんでしょうね・・・

  本当の感想文書いたんだけど、これはこのままでは出せないなー。長すぎるし、独りよがり。
  サリンジャーって結構研究されているみたいだから、そんな人たちからみたら、本当に小学生
  の駄文だろうしな。事実上「Nine stories」しか読んでないし、実はこれ以上読む気はない。
  これ一作で十分ですわ。バナナフィシュはほとんど処女作に近いみたいですが、これ以外の
  本を読むと、印象が変わりそうでイヤなんです。

  18〜9ページだから、立ち読みも可能です。読むのは若干難しいけど、内容は最後以外は
  むしろわかりやすいかも。問題は解釈かも。「で結局何が言いたいの?」になる可能性は
  大きいかもしれない。そうでないかもしれない。一つ言えることは、もし読まれるなら絶対
  に日本語の「ナイン・ストーリーズ」を読む前にしてね。これ読んじゃうと、多読の面白み
  がめちゃ下がります。そういう意味では多読向きでした・・私には。

  ではでは。


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