親子の縁

[掲示板: 〈過去ログ〉PBの掲示板(ネタバレ可) -- 最新メッセージID: 1182 // 時刻: 2024/5/16(21:41)]

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269. 親子の縁

お名前: ジアス
投稿日: 2003/10/31(01:55)

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 MOMA親爺さん、はじめまして。
 ジアスといいます。はるかかなた、北海道からレスつけさせていただきます。

 あまりにも私のツボにはまったので、、、、
 Matildaの兄やMiss Honeyにも感ずるところはあるのですが、私が初読で感じた
メッセージを同じように読んだ方がいた、というのが感激でして。
 それは、、、、、

〉『親子といえども、切らなくてはいけないと思ったらスパッと縁を切っても
〉いいんだよ。それで君が救われるのなら。』

 よく、不良少年が「生んでくれって言った覚えはねえよ!」なんて毒づいたり
しますが、子供が親を選べない、というのは動かせない事実です。それを、どうし
ようもない親なら子供の側から捨ててもいいよ、と言っているこのMatildaのメッ
セージは、2児の父である私にとって、親として常に意識すべきポイントだと
思っています。
 私にとっては、子供が大きくなっても親を敬ってもらえるような何かを与えら
れるか、それが勝負だ、という感覚があるのです。単なる年功序列で、親が子供に
敬われるのは当然だ、という価値観にはちょっと賛成できません。
 親が敬われるには、生んだ、育てたも大事ですけど、いかに育てたか、が一番
問われると思っています。

〉現実に親子の縁を切れる子供なんて、あるいは切らなければならない状況なん
〉てそうはないでしょう。いや親子の関係でなくてもいいんです。これは象徴で
〉すから。自分を取り込み、呪縛するどんなものでもいい。子供ながらにして、
〉もうすでにあきらめている関係性。一見絶望的なしがらみ。

 親子の縁もそうなんですけど、会社と社員という関係にしたって同じメッセージを
読みとっていいと思うのです。
 社員に敬われるだけの哲学、やりがいのある仕事を、会社は提供できるのか?
また、そういう環境にない社員はそんな会社を捨てて自立できるのか?

〉しかしこの本から読みとれる(かもしれない)究極のメッセージがどれだけ
〉子供を楽にするか。特にある種の境遇にいて、逃れられない子供達にとって。
〉そこがダールの言いたかったことではないかと思うのです。
〉この本ではその希望の象徴としてマチルダが造形されたのかな。クールな
〉ダールだから、こちらも思い切りクールに考えてみたい。

 私が上に書いたことはある意味非常にクールな考え方だと思います。
しかしそんなクールなことを考えても、本当はウェットな関係でいられるのが幸せだ、
という価値観が私には読みとれます。
 MatildaはDahlの晩年の作品です。本当の幸せってな〜に?というメッセージを、
この本から読む人それぞれに違う受け取り方をするとは思います。

〉こんな本がこの先いくつもあるかと思うと、多読はやめられません。
〉「マチルダ」いつか子供が読んでくれないかと切に切に願います。

 映画の結末はまた少し違いますし、私も娘たちにはいつかMatildaを、邦訳でも
いいから読ませたいと思っています。
 その時に娘たちがどんな感想を持つか、ある意味それは親である私のリトマス試験紙
なんです(笑)
 人の親になってから児童書を読むという経験は、子供の立場と親の立場と両方を
行ったり来たりしながらで2倍楽しめると思います。
 これからも、どうぞいろんな感想を聞かせてください。

 Happy Reading!
 


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273. Re: 親子の縁+SSSの縁

お名前: MOMA親爺
投稿日: 2003/11/1(00:45)

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ジアスさんこんばんわ、初めまして。
いつも書き込み拝見しています。レスどうもありがとうございました。
なんだか、ほっとします。

〉 あまりにも私のツボにはまったので、、、、
〉メッセージを同じように読んだ方がいた、というのが感激でして。

私の方こそ、同じような方がいらしゃったのがうれしいです。
それにしてもマチルダってすごいストーリーだと思います。

〉どうしようもない親なら子供の側から捨ててもいいよ、と言っているこのMatildaのメッ
〉セージは、2児の父である私にとって、親として常に意識すべきポイントだと
〉思っています。

こわいメッセージですが、やはりそうなのだと思います。

〉単なる年功序列で、親が子供に敬われるのは当然だ、という価値観にはちょっと賛成できません。
〉 親が敬われるには、生んだ、育てたも大事ですけど、いかに育てたか、が一番
〉問われると思っています。

これはいつも思うことです。我が家の場合子供が大きくなってくると「育てる」という
感じが次第に「ヒント」を与えるという感じに変わってきています。
うまく感じを受け取ってくれればいい・・と思いながら、見ております。

〉 私が上に書いたことはある意味非常にクールな考え方だと思います。
〉しかしそんなクールなことを考えても、本当はウェットな関係でいられるのが幸せだ、
〉という価値観が私には読みとれます。

もちろん、私もそう思います。

〉 映画の結末はまた少し違いますし、私も娘たちにはいつかMatildaを、邦訳でも
〉いいから読ませたいと思っています。
〉 その時に娘たちがどんな感想を持つか、ある意味それは親である私のリトマス試験紙
〉なんです(笑)

お〜、こわいこわい(笑)。でも子供もいずれ親になる日がくるだろうし、
その時少しでもこんな物語があったことを思い出してくれればいい・・と思います。

〉 人の親になってから児童書を読むという経験は、子供の立場と親の立場と両方を
〉行ったり来たりしながらで2倍楽しめると思います。

これは、はたと膝を打ちます。ほんとにそうなんですよ。児童書を読む
自分の視線には2種類あるんですね。自分自身の楽しみと、子供の視線で
この物語をどう捉えるんだろう・・てね。

この子供の視線というのが実に難しくて、ほとんど無理なんです。
私も昔「子供」をやっていたにも拘わらず、感覚がずれている。
同じ本を読んで、面白がり方が違うというのは、実に新鮮です。

たまに面白さを共有できることもありますが、それも一興です。

ではでは
Happy Reading!


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