総括するとミもフタもないかも

[掲示板: 〈過去ログ〉PBの掲示板(ネタバレ可) -- 最新メッセージID: 1182 // 時刻: 2024/4/29(19:43)]

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152. 総括するとミもフタもないかも

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/8/29(00:33)

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成雄さんの自作プロット、すごいですねえ。
最近細かい落穂拾いみたいなレスばかりですが、私が「メメント」を総括してしまうとミもフタもない結果になるからです。でもここらで総括してしまおうかと。
私は映画や舞台を見た時は「最初の印象」が判断のポイントです。どんなに何度も見たりマニアックにつついたりしても、最初に感じたことは絶対根底に残しておきます。

ということで、「メメント」はやはり初見の衝撃が一番の見所ポイントだと思います。記憶障害の主人公と一緒に「さっき何をしていたか」「今までの経過はどうなってるのか」ということがわからないまま映画は進んでいきます。そして犯人を探す過程を遡っている…と思ったら意外などんでん返しが!!

これが私の「メメント」の根幹です。
犯人を探しているのだと思っていたらすでにレニーは「ジョン・G」を殺していた!そしてファーストシーンで殺された犯人だと思っていたテディは、レニーが自分で「犯人探しの迷宮」を作り上げてターゲットに設定した人物だった。
本当に衝撃でしたよ、この種明かしは。
DVDで時系列に見られるようにしておいたのは、監督のお遊び、もしくは「時系列に並べてもちゃんとつながってるんだよ」「インチキしてないよ」という証明のためにすぎないのでは。私はDVD見られませんけど、時系列に見ても面白くない、という発言がありましたので。やはり遡って最後に真実に達した時の衝撃が一番描きたかったのではないかと思います。

Kianさんとオーストラリア君はどうしてもテディが信用できないようですが、テディがうそをついているなら最後のどんでん返しはどんでん返しではなくなってしまいます。前にも書きましたが、「奴のウソを信じるな」をレニーとともに信じて映画を見てきたことが最後に覆される、その意外性がこの映画の面白さだと思うんです。
私はテディが「いい人」だとは全く思っていません。しかし映画の中でどんでん返しの種明かしをしてみせる役割を負っているのはテディです。だから私はテディの告白は真実でなくては意味がないと思います。
そしてテディを「ジョン・G」に仕立て上げたのはレニー自身だった。レニーは自分とジミーの写真を焼き捨て、テディの写真に「奴のウソを信じるな」と書いた時、「俺にはジョン・Gが必要だ」「あんたに俺のジョン・Gになってもらう」って言ってたと思います。「メメント」で切り取って見せられた時間は、レニーがテディを「自分で」ターゲットに仕立て上げてそれを追っていく過程でもあったのです。
Kianさんは何度も見すぎて、この映画を最初に見て受ける衝撃を忘れてしまっているのでは。

私は「メメント」はどんでん返しの衝撃が重要な映画だと思っておりますので、あとは本当に見る人それぞれの解釈でいいと思います。それがいろいろな解釈ができるからこれだけ盛り上がるんでしょう。
ナタリーはジミーを愛していなかった説もなるほどと思わせるものがありました。
真犯人の「ジョン・G」はまだ捕まってない、という説は面白いですが、私的には上記の「どんでん返し」が弱くなるので採用したくない気分です。

さて…
成雄さんはナタリーについて物語を作りすぎているように思います。ナタリーがレニーに出会って人生が変わったか否か…この映画はナタリーの人生を描く映画ではありません。主人公はレニーです。レニーにとってナタリーはどんな存在であったか、は大切ですが、ナタリー自身がどんな人生を送っているのか、何を考えているのか、そこまで解釈するのは「個人的趣味」の世界だと思います。


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160. Re: 総括するとミもフタもないかも

お名前: Kian
投稿日: 2003/8/29(15:38)

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こんにちは、杏樹さん。やけくそモードのKianです。

〉成雄さんの自作プロット、すごいですねえ。
〉最近細かい落穂拾いみたいなレスばかりですが、私が「メメント」を総括してしまうとミもフタもない結果になるからです。でもここらで総括してしまおうかと。

えらいっ!私はもう、自分では総括しません。
人の書き込みに乗っかるの。

〉私は映画や舞台を見た時は「最初の印象」が判断のポイントです。どんなに何度も見たりマニアックにつついたりしても、最初に感じたことは絶対根底に残しておきます。

うん、うん。

〉ということで、「メメント」はやはり初見の衝撃が一番の見所ポイントだと思います。記憶障害の主人公と一緒に「さっき何をしていたか」「今までの経過はどうなってるのか」ということがわからないまま映画は進んでいきます。そして犯人を探す過程を遡っている…と思ったら意外などんでん返しが!!

!!!!!でしたね。

〉これが私の「メメント」の根幹です。

みんなそうだと思いますよ。もちろん私も同じです。

〉犯人を探しているのだと思っていたらすでにレニーは「ジョン・G」を殺していた!そしてファーストシーンで殺された犯人だと思っていたテディは、レニーが自分で「犯人探しの迷宮」を作り上げてターゲットに設定した人物だった。
〉本当に衝撃でしたよ、この種明かしは。
〉DVDで時系列に見られるようにしておいたのは、監督のお遊び、もしくは「時系列に並べてもちゃんとつながってるんだよ」「インチキしてないよ」という証明のためにすぎないのでは。私はDVD見られませんけど、時系列に見ても面白くない、という発言がありましたので。やはり遡って最後に真実に達した時の衝撃が一番描きたかったのではないかと思います。

そうですよ。最後にびっくりさせたかった。これですよね。
時間がもどる、は、びっくりさせるためのテクニックに過ぎないと思います。

〉Kianさんとオーストラリア君はどうしてもテディが信用できないようですが、テディがうそをついているなら最後のどんでん返しはどんでん返しではなくなってしまいます。

ここなんですよね。私はテディがうそをついていても最後のどんでん返しがどんでん返しでなくなる、とは思いません。

>前にも書きましたが、「奴のウソを信じるな」をレニーとともに信じて映画を見てきたことが最後に覆される、その意外性がこの映画の面白さだと思うんです。
〉私はテディが「いい人」だとは全く思っていません。しかし映画の中でどんでん返しの種明かしをしてみせる役割を負っているのはテディです。だから私はテディの告白は真実でなくては意味がないと思います。

私は映画の中でどんでん返しの種明かしをしてみせる役割を負っているは
レニーだと思ってます。だから、テディの告白の真実性は問題ではない
と思ってるんです。
杏樹さんも上で「レニーが自分で「犯人探しの迷宮」を作り上げて
ターゲットに設定した」って書いてますよね。
私はまさにここがポイントだと思ってるので、その原因になった「テディの
告白」の信憑性は見る人それぞれが考えればいいことで、真実でなければ
どんでん返しの意味はない、とは思わないだけです。

〉そしてテディを「ジョン・G」に仕立て上げたのはレニー自身だった。レニーは自分とジミーの写真を焼き捨て、テディの写真に「奴のウソを信じるな」と書いた時、「俺にはジョン・Gが必要だ」「あんたに俺のジョン・Gになってもらう」って言ってたと思います。「メメント」で切り取って見せられた時間は、レニーがテディを「自分で」ターゲットに仕立て上げてそれを追っていく過程でもあったのです。
〉Kianさんは何度も見すぎて、この映画を最初に見て受ける衝撃を忘れてしまっているのでは。

いえ、忘れてませんよ。私はまさにその衝撃をいまだに引きずってるんです。

テディは自分が語ったことで、レニーにDON'T BELIEVE HIS LIES.と
書かせてしまった。「それを書いた時のレニーの心境」がとても衝撃的
だったと思います。私たち見る方は、レニーがそんな意図をもって
メモしたとは、これっぽっちも思わずに、最後まで映画を見てましたよね。
それが一番の衝撃だと思います。
レニーは奥さんの死の復讐のために、一途に犯人を探している、と
私たちは信じていました。でも、最後にそうじゃなかったことが分かる。
「レニーが」でっち上げをしていた。
なぜか?テディが「レニーが聞きたくない話を語ったから」
これで十分だと私は思うんです。その内容が真実であれどうであれ、それは、私たちが想像して楽しむ部分だと思います。
杏樹さんは「真実」だと思う。私はbullshitだと思う。
どっちともOKだと思います。どっちにも取ってもらえるように
ノーランが作ったんだと思います。
う〜ん、私は杏樹さんみたいに説明が上手にできないのが、もどかしい。
しかも、読み返してみたらおなじこと繰り返してるし。(疲労にて推敲不可能。笑)

ついでに#143も読んでいただけるとありがたいです。
あれに気がついた時に「テディが語ったことは真実かそうでないか」は
関係ない、と確信しましたから。
だから杏樹さんは真実だと思う。わたしは違うと思う。両方OKだと思いました。

〉私は「メメント」はどんでん返しの衝撃が重要な映画だと思っておりますので、あとは本当に見る人それぞれの解釈でいいと思います。それがいろいろな解釈ができるからこれだけ盛り上がるんでしょう。

そうですね。全く同意。
杏樹さんと私の「最後の衝撃」の範囲が違うんですよね〜。
でもまあ、それでもいいと思うし。

〉ナタリーはジミーを愛していなかった説もなるほどと思わせるものがありました。

でしょ?今までなんで気づかなかった?って自分で思いました。

〉真犯人の「ジョン・G」はまだ捕まってない、という説は面白いですが、私的には上記の「どんでん返し」が弱くなるので採用したくない気分です。

あれ?これってテディが言っていたことが真実かどうかの重要な決め手じゃないの?
これにそれほどこだわってない(ように見える)ってことは、あれ?
杏樹さんのこだわりの範囲が分からなくなってきた〜〜〜。


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164. Re: 総括するとミもフタもないかも

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/8/31(23:24)

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Kianさん、こんんちは。

〉私は映画の中でどんでん返しの種明かしをしてみせる役割を負っているは
〉レニーだと思ってます。だから、テディの告白の真実性は問題ではない
〉と思ってるんです。
〉杏樹さんも上で「レニーが自分で「犯人探しの迷宮」を作り上げて
〉ターゲットに設定した」って書いてますよね。
〉私はまさにここがポイントだと思ってるので、その原因になった「テディの
〉告白」の信憑性は見る人それぞれが考えればいいことで、真実でなければ
〉どんでん返しの意味はない、とは思わないだけです。

私はどうしてもテディがえんえんとしゃべっているのを聞いて「ええっ!?」の連続でしたから、そちらも重要に思えるんです。

整理しますと
・レニーはすでにジョン・Gを探して復讐を遂げていた。
・テディは刑事で、レニーに捜査資料を渡し、ジョン・G探しに協力した。
・しかしレニーは復讐を遂げたことを忘れてしまった。
・そして自分で捜査資料の一部を破棄して新たにジョン・G探しを始めてしまった。
・サミーの話はレニーがどんどん脚色して面白く作り上げ、サミーの奥さんの話はレニーの奥さんのことだった。

これが真実ではないなら、テディは何のためにこんな話をレニーにしたんでしょう?10分後には忘れてしまうんですよ。本当のことだから、忘れてしまうと知っていてもレニーに語って聞かせてやったのでは。それにこの内容は、やはり観客に衝撃を与える「どんでん返し」だったと思います。少なくとも私には「すでに復讐を遂げていた」というのは大きな衝撃でした。「やられた!」って思いました。記憶障害だから、そういうこともありうる…なんで気がつかなかったんだー!って。

〉〉真犯人の「ジョン・G」はまだ捕まってない、という説は面白いですが、私的には上記の「どんでん返し」が弱くなるので採用したくない気分です。

〉あれ?これってテディが言っていたことが真実かどうかの重要な決め手じゃないの?
〉これにそれほどこだわってない(ように見える)ってことは、あれ?
〉杏樹さんのこだわりの範囲が分からなくなってきた〜〜〜。

Kianさんが何に戸惑っているのかよくわからないんですけれど。
「面白い」けれど「採用したくない」と言ってるんですが、おかしいですか?


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