翻訳業界の問題なのでしょう

[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/5/9(17:36)]

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10465. 翻訳業界の問題なのでしょう

お名前: KYO
投稿日: 2004/2/25(17:36)

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優香さん、ちんげん斉さん

それだけ低レベルの翻訳がはびこっているところが、翻訳業界のものすごい問題
だと思います。

優香さんが困ってらっしゃる翻訳書の場合は、出版翻訳ですね。出版翻訳だとやりたい人
がたくさんいて「無料でもいい、お金を出してでもやりたい」という分野もあります。
コンピュータの分野だとどうなんでしょう、そんなにひどいんですか? 
アマもどきの人にやらせてさらにお金を節約してるんでしょうか。
ちゃんと仕事をする中堅の翻訳者でも、出版の分野では、3ヶ月で500枚の原稿を仕上げて
、印税30万に満たない仕事なんて普通です。
出版翻訳を目指す人の第1の条件:翻訳業で生計を立てる必要がない人ってぐらいですから。

ちんげん斎さんのほうは、これは実務翻訳の分野ですが、
そして個々のフリーランスの翻訳者ではこの問題はあまり解決できないんですね。
エージェントレベルの話になってきます。クライアントさんも災難ですが、
翻訳者側もちゃんと仕事をしてこのレベル!!みたいな低賃金にあえいでます。
すごい買い叩きをされて翻訳なんか、仕事にしてられるか、バカバカしいと、仕事を始めてもやめる人も多いです。
だって原稿用紙1枚訳して¥1000もらえない仕事なんかやってたら、一日に稼げる日銭が1万円〜1万5千円、
切れ目なく仕事がくるわけでないから、ぜいぜい20日稼動として20万から25万、
ボーナスとかないし、税金引かれて社会保険も全部自腹で、かなりの低所得者層になります。

社内で翻訳を処理している会社の場合は、その会社の責任になると思います。
そういうところで翻訳が何かもわからず無理やりさせられてる人がいるんですよね。
そういう方々はプロの翻訳家という範疇に入るのかどうか、その方たちの翻訳が一般に流布しているんですかね。
今は高いお金を払ってエージェントさん経由で外注することができなくなってるんです。
あ、もちろん、立派に仕事をこなされている方も多数存在すると思いますが。

ちゃんとした翻訳者とのコンタクトをお求めなら、とりあえず翻訳フォーラムをのぞいてみてください。http://www.fhonyaku.jp/bbs/

ただの英語屋さんは、社内翻訳では何とか通用する場合もあると思いますが、
フリーランスの翻訳者は、現場の方が驚かれるようなレベルの知識があって始めて
フリーになれるんですけど。たぶん、そういう方に頼めるクライアントさんが減ってるんでしょう。

少なくとも私が知っている翻訳者(たぶん一握りなんでしょうね)はすごい仕事を
ちゃんちゃんとやっている人ばかりなので、クライアントサイドの方々の不満を聞くと
どこでどう、そんなことになるんだと思います。う〜ん、謎です。

そして個々の翻訳者はすごく力の弱い存在なので、組合とかもないし、
自分の仕事をちゃんとする以外には、世にひどい翻訳がはびこっても
クライアントさんの不満を解消のしようがないんです。ごめんなさい。


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10466. Re: 翻訳業界の問題なのでしょう

お名前: 久子
投稿日: 2004/2/25(20:01)

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KYOさん こんばんは

一部にだけ反応です
〉コンピュータの分野だとどうなんでしょう、そんなにひどいんですか? 
〉アマもどきの人にやらせてさらにお金を節約してるんでしょうか。
〉ちゃんと仕事をする中堅の翻訳者でも、出版の分野では、3ヶ月で500枚の原稿を仕上げて
〉、印税30万に満たない仕事なんて普通です。
コンピュータ業界では、500枚の翻訳に3ヶ月もかけられないと思います。
最新技術の翻訳の場合、出版されるころには最新ではなくなってしまいますし
速く出せば出すほど売れる可能性が高くなります。

最初に翻訳出版されてくる技術書では理解できない日本語に出くわくことがよく
ありました。このところ最新技術書をあまり読まないのと、原文のほうを読むこと
が多いので最近の傾向についてはちょっと疎くなっています。
とにかくスピードが命なので、まず翻訳ソフトを使って全体を訳し その後で意味が
通じなさそうなところを手直ししているのでは? と疑っています。
本当のところは知りませんが....

また、翻訳に対する対価がとても低いとは聞いていましたが、これほどとは知りません
でした。世間的に翻訳に対する評価/認識が低いのも問題ですね。


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10468. Re: 翻訳業界の問題なのでしょう

お名前: 杏樹
投稿日: 2004/2/26(00:33)

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KYOさん

勝手にレスしてすみません。人の話を聞いてカキコミした張本人です。またまた人の話でレスしちゃいます。

〉それだけ低レベルの翻訳がはびこっているところが、翻訳業界のものすごい問題
〉だと思います。

これはア○クの月刊誌でも問題だという記事を読んだことがあります。

〉優香さんが困ってらっしゃる翻訳書の場合は、出版翻訳ですね。出版翻訳だとやりたい人
〉がたくさんいて「無料でもいい、お金を出してでもやりたい」という分野もあります。
〉コンピュータの分野だとどうなんでしょう、そんなにひどいんですか?

優香さんは出版ではなくマシン操作や開発関係のマニュアルのことを言っています。
久子さんが「テクニカルライティング」のことを書いていますが、まさしくそれが問題なのではないでしょうか。単なる英文翻訳ではなく、マシン操作の実際やテクニカルライティングの技法を知らないと、正確な訳ができないのでは。プロの翻訳家はそれだけ大変な努力をしているのかもしれませんが、いくら英語力を磨いても、自分がよく知らない仕事に関する翻訳はできないでしょう?「テクニカルライティング翻訳」というジャンルが確立していないから、とりあえず英語の「翻訳」ができる人に頼むことになるからではないでしょうか。
 
〉アマもどきの人にやらせてさらにお金を節約してるんでしょうか。
〉ちゃんと仕事をする中堅の翻訳者でも、出版の分野では、3ヶ月で500枚の原稿を仕上げて
〉、印税30万に満たない仕事なんて普通です。
〉出版翻訳を目指す人の第1の条件:翻訳業で生計を立てる必要がない人ってぐらいですから。

卵が先か、鶏が先か、ということになってしまいますが、翻訳業界には「その程度」の仕事しか出来ない人も多いのではないでしょうか。酒井先生の「快読100万語!」の本にも訳文の例があります。なんとなく日本語の文章にはなってますが、原文と照らしあわせると、語順や解釈が微妙にズレてるんです。
外国の小説が苦手、という人の中には翻訳が苦手、という人がいます。翻訳の文章が読みにくいから。多読で原書を読めるようになって、外国の小説を読むようになった人とか。

結局クライアントも翻訳の仕事に対する評価ができないのが問題だと思います。翻訳された文章を見て、それがいい文章なのかそうでないか判断して、いい翻訳にはそれに見合った報酬を支払う、という意識が欠けていると思います。特に出版翻訳、文芸翻訳の場合、KYOさんの言う「行間を読み取る」ような深い洞察力や日本語表現力が必要なのに、「英語がわかればできるんでしょ」ぐらいの認識しかない人が多いのでしょう。学校教育で「英文和訳」中心の勉強をしてきたことで、「英文和訳」をするのが翻訳だと思ってる人が多いでしょう。翻訳がどういうことかよくわからないクライアントが悪いのか、レベルの低い翻訳者が悪いのか、やっぱり両方悪いのか。

とりあえず書き逃げ…


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10471. Re: 英語屋さん翻訳家の淘汰される日

お名前: ちんげん斎
投稿日: 2004/2/26(02:59)

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えーっと、たぶんここから、
第一線でがんばっておられる方にはとても厳しいことを書きます。

耐えられない人は読まないで下さい。
デリケートな人は読むなよ。
2回も書いたからな。文句云っても知らんぞ。知らんからな。

翻訳の話でしたよね。

機械操作のマニュアルや開発がらみのスクリプトの翻訳が使用に耐えないのは、わたしから見て主観的な事実です。

ひどい翻訳がはびこっています。
確かに英語を日本語に翻訳するのは、自分で理解するよりずっと高度なスキルが必要です。

でも、これらは文学的な書物と違って比較的簡単なというか明確な英文で書かれています。
専門的な分野では、英語はともかく中身については翻訳家より利用者の方がずっと詳しいのですから、ほんとはマニュアル程度ならユーザレベルで読めることが望ましいと思います。(そう、翻訳に頼らず自分で読めよ)

物事の進歩は、一世代前では想像もできなかったくらい急展開です。
翻訳されるのを待っていて許されるのは、少なくとも自然科学の分野ではあり得ないないでしょう。(だから翻訳される前に自分で読めよ)

ハリポタの翻訳版が、英語版に遅れて数ヶ月遅れて出版されるのが許されるなんてことは、コンピュータや遺伝子関係などホットな分野では信じられない悠長さです。

医療機器の話になりますが、日本以外の例えばアジアの国々では、
プロのツールとして欧米の製品を使用する人達は、
マニュアルは英語で書いてある当然で、
操作説明に外人がやってくるのは当たり前という世界です。
日本より遅れていると皆さんが思っている国々では、
実はこういったことが普通に行われています。
(日本では、日本人の中からそういう人を養成します。当然時間と費用が発生しますので、この負担は結局ユーザーさんが製品価格の中から支払うことになります)

インドでもパキスタンでも中国でも、プロ向けならば、わざわざその国の人向けにパンフレットや操作マニュアルや学術文献などを翻訳する必要などないのだ。(台湾のポールさんは政府に提出するために中国語のパンフレットが必要なんだと力説してました。日本でも必須なので、わしみたいな業者達がつくっているです)

英語の使用者としては、教育者側にせめて、
1.英語の使用マニュアルが苦労せず読めること。
2.海外からインターナショナルな講師が取扱説明にきても英語で説明を受けて理解できること。
程度の英語力を、できれば高校卒レベル、少なくとも大学卒レベルで身につけることを希望します。(少なくともマニュアルが読める程度の英語は教えてやれよ。現状では、それすらとても期待できんぞ。大丈夫かニッポン)

韓国やシンガポールやフィリピンやインドでは、世界最新鋭の装置を買ったとして母国語のマニュアルや操作説明などあり得ないです。

一般ユーザーレベルでそれくらいの力が有れば、機械の操作マニュアル程度の簡単な英文であれば、翻訳してもらうより、自分で読んだほうがストレートに理解できるので中途半端な翻訳家は自然と淘汰されるでしょう。

わしみたいに海外で開発された製品を、日本のユーザー向けに手厚くサポートして高く売って生活をしている人間も淘汰されるじゃろうけど、それも仕方なかろうて。

そういうベースがあってこそ、一語の読み違いで数億円の違いがでてくる契約書や法的解釈が必要なデリケートな文書とか出版翻訳に付いては、本当に努力をした翻訳家の方々が、それ相当の対価を受け取って正確に翻訳するという価値が生まれるのだと思います。(操作マニュアルの翻訳程度に、翻訳の難しさを知っていたとしてもわしなら1語20円も払えんわい。)

じつは普通の生徒をそういうレベルに導いてくれよというのが、わたくしちんげん斎から英語教育に関わっている人達への希望です。
そうしてこそ本当に努力している翻訳家の人達の値打ちも理解されると思うのです。

別の掲示板のお話になりますが、高専で多読をカリキュラムとして取り入れたというお話は、英語屋さんによる英語屋さんのための英語ではなく、自分でマニュアルや専門書が読む利用者の英語として、とても期待してしまうのです。
 


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10472. 翻訳者がいらなくなる日

お名前: KYO
投稿日: 2004/2/26(06:20)

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久子さん、杏樹さん、ちんげん斎さん

本当に高度な仕事以外ができる翻訳者以外の、「泡沫」翻訳者とでもいえばいいのか、
その人たちの淘汰はすでに進行中だと思います。
久子さんも書いてらっしゃいましたが、
翻訳支援ソフトに原文をかけて前編集と後編集をするような形での翻訳は広まっていて、
機械にかけられない難度の高い仕事しか発注されないようになってきています。

そして、私はごく少数の例外を除いて、翻訳者がいらなくなる日を夢見て、多読を人に勧めています。

よい翻訳をするには非常に高度な力が要りますが、そういう翻訳者が1人いるより、
多読が広まって自分で英文の内容が読みとれる人が100人いるほうがいいと私は思うんです。
だからちんげん斎さんの意見にはまったく賛成です。

英語教師の自分は、翻訳者の自分が失職することを願って、せっせと多読を勧めています。
自分は翻訳者としては泡沫翻訳者以外の何者でもありません。

そもそも、翻訳者の市場って、出版が千人、実務が1万人ぐらいなので、
淘汰が進んでもさほど大きな問題にはならないんではないかしら。
翻訳者の方々からは石投げられそう……。


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