2004/01/15千葉大学先進科学教育センター主催講演会

[掲示板: SSS News -- 最新メッセージID: 1891 // 時刻: 2024/4/25(16:09)]

管理用 HELP LOGIN    :    :



上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

[報告] 65. 2004/01/15千葉大学先進科学教育センター主催講演会

お名前: マリコ@SSS
投稿日: 2004/1/16(17:18)

------------------------------

 1月15日、千葉大学弥生キャンパスで、千葉大の先進科学教育センター主催「多読で身につける新しい英語学習法」と題した講演会を行いました。

 課外活動として千葉大で多読が実現したのは、先進科学教育センターの
教授がSSS式多読のよさと効果を認めて、学内者の英語力をアップさせる
目的で多読採用を提案されたことがきっかけです。現在外国語センター
とも協力して、多読用の図書がそろえられ、来週から貸し出しが始まる
ことになっています。

 1月15日の講演会は、出席者約60名。おおよそのうちわけは、
大学教職員 3割、学生 6割、SSS関係者 1割でした。

 最初の10分間に出席者全員にペンギンEasy Starts を読んでもら
いました。やさしい本を読むことを体験してもらった後に、SSSの古川が
スライドを使ってSSS式多読についての講演をしました。それから
タドキストのはにまるさんと、たこ焼さんに実践者としての感想を
語ってもらい、古川・河手で全体の質疑応答へと移りました。

全体会終了後は個別に質問を受けました。個別の質問を求めた人が
多かったことから、SSS式多読にかなりの人が興味を示し、期待さ
れているという印象を受けました。

 多読用の本が学内で利用できるということは、書籍代を気にせず
気楽に100万語多読を始められるということです。一方、読み方
や、本の選択などアドバイスをする人がいないことで、おもしろく
なる前に中断してしまう可能性もあります。すばらしい環境を活用
し効果をあげていくためにも、これから千葉大で多読を始める方は、
いっしょに読む仲間を作ったり、掲示板でアドバイスを求めたりし
て、継続できるような工夫をして欲しいと思いました。

 千葉大学という国立の総合大学で、しかも一つの大きな部門で
SSS式多読が採用されたことは、今まで見向きもされなかった公
教育の場にSSS式多読が認知されるきっかけになるかもしれませ
ん。本日の千葉大での講演会はそういう可能性を秘めた意義のある
会であったと思います。


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

66. 千葉大学講演会の報告

お名前: 古川@SSS
投稿日: 2004/1/17(03:50)

------------------------------

古川@SSSです。
河手真理子さんと共に、「今日から100万語」の著者
として、1月15日に、千葉大に講演に行って来ました。
この講演については、先進科学センターの
花輪教授には大変お世話をおかけしました。

聴衆は、60名位だったでしょうか?
大きな教室だったので、割とすいている感じでした。

開始は、2時半からでしたが、2時前に、たこ焼きさんと
はにまるさんがきてくれたので、多読の実践者として一言づつ
話していただくことにしました。

講演の概要は次の通りです。

1 多読と精読の違い
2 まず、PGR0を読んでみよう
3 多読で言葉の意味がわかるとは?
  What are you wainting for?
4 多読でどんな本から読むのか
5 多読で読む本にはこんな面白い本がある
  という図書紹介
6 質疑応答

使ったパワーポイントの内容は以下にあります。
[url:http://www.seg.co.jp/sss/information/2004_01_chiba.files/frame.htm]

---------------------------------------------------------------------
黛さんが下記の様な記録をとって下さったので、それを以下に紹介します。
黛さん、ありがとうございました。

昨日(1月15日)に千葉大学先進科学教育センターと外国語センターの主催で行
われた多読の講演会のことを書かせていただきます。

<センター長挨拶>
講演の前に簡単なご挨拶がありました。その内容は

*近年、英語でのcommunication能力を重視するようになったが、その強化はな
 にも音声によるだけではなく、読むことからもできる。
*[読む」というと、これまでは細かく綿密に読むのが一般的だったので、苦痛
 で続かないことが多かった。そこをやさしく読む工夫をしたのがSSSの多
 読である、と紹介。
*外国語は第一言語と習得過程が違うはずであるから、外国語を習得するには
 ・英語を知る教師につく
 ・できるだけたくさん読む
 という2つのことが大事である。

#SSSでは、第二言語と第一言語の習得過程は基本的に同じであると 
 という仮説を提唱していますので、ここには見解の相違があります。

<古川さんの講演>
 「英語を本当に知る教師は案外少なく、しかし良い本はたくさんあるの
で・・・」と、センター長のご挨拶を受けた形で多読の話へと進みました。

内容は省略しますが、目安になる数字を入れながら、語法や文法なども自然に
身につくこと、誰にでも可能なことを説明されました。

<多読を実践している方の声>
2人の方が体験を話してくださいました。
*20代の女性
 多読歴9ヶ月半、240万語読了の方
 始めた動機:TOEICができなかった。
       listeningをやっていたが、音は聴けても意味がわからないこと
        を自覚した。
 最初は100万語をめざして読んだ。やや勉強やノルマ、というところもあ
 った。しかし、100万語達成後は多少わからなくても気にならなくなった
 し、楽しく読めている。結果としてTOEICの点数が70点アップした。

*30代の男性
 もうすぐ500万語に届く多読歴
 楽しく読んでいるうちに、自分が英語を話している夢を見るようになった。
 それも訳したりしている感じではなく、自然に話している。(現実にはそこま
 でいきませんが、と補足)
 多読は初期にお金がかかるので、学校に備えられているものを今のうちに利
 用して読むとよい、と学生向きにアドバイスされていました。

<会場での質疑応答>
残念ながら学生さんからの質問はなく、先生方からいくつか質問が出て、古川
さんとマリコさんが答えられました。

  > それでも、何人かの学生は残って熱心に質問していたので
  > 数名は始めてくれると思います。
ということなので、よかったですね。 
 
●レベルを上げるタイミングは?
 [答](YL0.1ずつ上げるのか、という問いだったので)
   0.1きざみで上げるわけではなく、現在読んでいるレベルがつまらなく感
 じた時がひとつの目安。
 違うレベルのものを混ぜながら読む(パンダ読み)や、ぜひ読みたい本があれ
 ばちょっと背伸びして読む(キリン読み)なども効果的。
 ただ、あまり無理をして急激にレベルを上げないことが大切。
 そのタイミングは自分の感覚で決めてよい。

●レベル0のGRを読んだが、あまりおもしろく感じられない。「つまらないと
思ったらやめる」というのが原則だというが、本が高いので、もったいなくて
やめられない。
 [答] 確かにレベル0にはそれほどおもしろいものはないが、そこを過ぎて
 レベル2くらいになると小学生用の児童書などおもしろいものがたくさんあ
 る。これらをたくさん読むとレベル5,6のものが読めるくらいの語彙が身
 につく。そしてこの辺まで来たら、レベルのことは忘れて読むことを楽しめ
 ばよい。

●お金がかかるので、続けにくい。
 [答] 新宿のブッククラブを利用する。SSSの書評を参考にする。
 図書館の英語の絵本を利用する。
 千葉大の外国語センターに入る本を利用する。特に初期のお金がかかるとこ
 ろを、ここを利用して済ませてしまえば、後は自分で本を買ってもそれほど
 お金はかからなくなる。 

以上が報告です。

[感想]

・このような多読の説明のとき、実際に読んでみる、というのは大事ですね。
 どんなものなのか、実感できてわかりやすくなります。
 同様に、多読を実践した方の生の声も効果がありそうです。そこまでの説明
 が生きた形で見えるので、インパクトが大きいと感じました。
 今年は時間の関係でできなかったのですが、来年度はぜひ私の大学でも、
 タドキストの方に来ていただくことを計画したいです。

・終了後、質問に残られた先生からは、授業の進め方、クラスのサイズ、学生
 の反応、本のそろえ方、費用の調達法などを聞かれました。少しは興味を持
 ってもらえればいいのですが・・・
 
 沖縄高専の新川先生にお目にかかり、多読する学校がもうひとつ増えてうれ
 しかったです。(新川先生は、翌日、SEGの高校生の多読クラスを見学
 され、また、ミルポワさん他のタドキストの皆さんと交流を深めました)

・わかる人にはよくわかり、わかりかけの人はなるほど、と思い、まだわからな
 い人は「ふーん、そうなのか」と頭のすみっこに残ったに違いありません。妙
 な言い方ですが、みんながちょっとずつ前進したのではないでしょうか。

・私の前の席の女子学生2人は熱心に読み、お互いに本の感想を述べあったり、
 かなり興味を持ったようでしたし、帰りに駐車場へ歩く途中、自転車置き場に
 いた男子学生2人が講演について話し合っているのも目撃しました。


タイトル一覧へ(返答順)(B)

タイトル一覧へ(日付順)


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.