SSS多読通信 第333号(2013/5/23)

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1482. SSS多読通信 第333号(2013/5/23)

お名前: リリー・ローズ
投稿日: 2013/5/23(23:19)

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        SSS多読通信 第333号 (2013/5/23)

        〜読める本、読みたい本をお気楽に〜

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【1】100万語通過報告 (5/4-5/20)       
【2】今号のお薦め本 「少年本特集」      (リリー・ローズ)
【3】SSSコラム「多読といっても理解度も大事!」  (古川)
【4】SSSニュース               (SSS英語多読研究会)
【5】編集後記                   編集:リリー・ローズ

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【1】100万語通過報告 (5/4-5/20)
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この期間の100万語通過報告はありませんでした。
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【2】今号のお薦め本 「少年本特集」 (リリー・ローズ)
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今回ご紹介するのは、「少年」が主人公のペーパーバックです。
「少年」であることはなかなか大変なようです。実は「少年」という存在は明るく単純なのだと
思っていました。少年や元少年の皆さま、ホントごめんなさい!私のような勘違いをしている人
たちにぜひ読んでもらいたいと、繊細で傷つきやすい少年が主人公の本を一挙ご紹介いたします。
葛藤や苦悩を乗り越え成長していく少年たちをご覧ください! 
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■ Love That Dog YL3.4 総語数:3,709語
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「詩なんか女の子の書くものだもん。そんなの書くのは嫌だ。」と言っていた少年Jackが、素敵
な先生Miss Stretchberryの見事な指導(はたまた誘導?)のもと、次第に詩を書き、自分を表
現する力をつけていく。
少年って自己を表現することがうまくできずに様々な思いを心の中にごちゃ混ぜにため込んで
しまうものなのでしょうか。少年の成長にも目を見張るし、詩の力にも驚きます。単語で形を作
って(犬とかリンゴとか)詩にしてしまった作品などは必見。Miss Stretchberryが朗読してく
れた有名な詩が巻末に載っているのもとてもうれしい1冊です。詩はちょっと…という人もこの
本を読むと変わるかも!
[url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000003046]
……………………………………………………………………………………………
■ Homecoming YL2.5-3.0 総語数:6,000語
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“War Horse”の作者、Michael Morpurgoの作品。一人の少年が50年ぶりにやっと帰郷する話で
すが、50年間帰れなかった、その理由に物語があるのです。
少年はMrs Pettigrewという風変わりな婦人と知り合い、家族ぐるみ楽しいおつきあいをします。
ところが少年たちの住む小さな海辺の村に原発建設の話が舞い込み、村を二分する話し合いが続
き、とうとう建設されてしまいます。反対派にいた少年家族とMrs Pettigrewは? そして原発
はどうなったでしょうか。
原発関係者との話し合いの席上彼女が発する言葉すべてが胸に突き刺さります。例え
ば、”Machines are not perfect. Science is not perfect. Mistakes can easily be made.
Accidents can happen. I am sure you understand this. For me the place where you would
build your atomic power station is home.”
少年本ですが青春本ではありません。美しいパステルカラーのイラストの絵本のような装丁がな
お一層やりきれなさを強めます。2006年初版なのでもちろん3.11以前に書かれた本です。
[url:http://www.amazon.co.jp/dp/140634107X/sss-22]
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■ A Monster Calls YL6.0 総語数:33,314語
……………………………………………………………………………………………
13歳の少年Conorが主人公。彼の父は家を出ていき、母は重い病気で苦しんでいる。そのため
嫌いな祖母と一緒に住まなければいけない。学校ではいじめにあっている。この閉塞感、孤独の
うちにあるConorが、庭のイチイの木と相対して、苦しみながらも自分自身を直視して自分の本
当の“物語”(気持ち)を語るまでの重いおはなし。
邦訳『怪物はささやく』は、2012年読書感想文中学校課題図書にもなった児童書ですが、大人
にも読んでほしい哲学書のような深いテーマを持った本。書き留めておきたくなる表現が満載で
す。例えば ”There is not always a good guy. Nor is there always a bad one. Most people
are somewhere in between.” “You do not write your life with words, the monster said. You
write it with actions. What you think is not important. It is only important what you do.”
白黒のイラストがストーリーに素晴らしい陰影を与えています。Siobhan Dowd原案をPatrick
Nessが作品にしました。
[url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000022475]
……………………………………………………………………………………………
■ Shift YL6.0 総語数:58,401語
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高校を卒業したWinとChrisが大学に入るまでの間アメリカ横断の自転車旅行に出かける。そ
の旅の途中でWinが失踪。Chrisは訳が分からずいらだつが、彼を探す過程で次第にWinのこ
とも彼や自たちを取り巻く大人たちのことも理解していく。ふたりとも友人や親から精神的
に独り立ちしていくプロセスを経て、新しい自分自身になっていく。
少年から青年へ、大人へと成長していく姿が、現在と過去を行き来しながら描かれています。
正統派青春小説と言えるでしょう。自転車好きの人にもお勧め!
[url:http://www.amazon.co.jp/dp/1442408529/sss-22]
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■ The Lock Artist YL7.0 総語数:123,909語
……………………………………………………………………………………………
2012年このミス大賞海外部門1位に選ばれたことでミステリーに分類されているが、一人の少
年の成長物語、青春物語と言った方がしっくりくる1冊。幼少の頃のある体験が元で声を失った
Michaelが、抗えない周囲の状況からどんな鍵でも開けてしまう金庫破りになっていく。
開錠シーンはこちらが汗をかきそうなほど息が詰まる。Ameliaという少女を守るために犯罪者
になってしまうのだが、ふたりの強く惹かれあう姿にも胸が苦しくなる。
現在からと過去からの2本の時系列が交互に語られる構造なので、最初は少し読みづらいかも
しれません。そこをちょっと我慢して読んでみてください。見事にその時系列が出合います!
息が詰まったり、胸がキュンとしたり忙しい本(笑)ですが、元ナイーブな少年、金庫の開錠
に興味ある方などなどぜひどうぞ!
[url:http://www.amazon.co.jp/dp/0752883313/sss-22]
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■ the perks of being a wallflower YL7.0 総語数:62,376語
……………………………………………………………………………………………
2012年秋に映画化された青春小説。日本には来なかったみたいです。タイトルのwallflowerは
壁の花、パーティなんかで片隅にじっとしている独りぼっちの人のこと。Charlieというハンド
ルネームを使い、見知らぬ人にあてた手紙という形で自分の日常をつづる書簡小説です。
Charlieは親友が自殺をしてしまって友達がいない状態で高校生になる。親や兄、姉にも心が開
けず、唯一Michaelが7歳の時に事故死したヘレンおばさんにだけ近しい気持ちを持つ。傷つき
やすく今にも壊れそうなCharlieは、それでも魅力的な先輩、SamやPatrickと知り合い、高校
生活の経験を重ねていく。
恋も友情も親子の関係も兄弟との絆も不器用ながら少しずつCharlieに染み込んでいくのが、た
どたどしい手紙から徐々に読者に伝わっていく。ヘレンおばさんとの関係が明かされ、心に深い
傷を負ったCharlieだが、最後の手紙では強くなったCharlieに希望が感じられて思わず涙…。
国語の先生が課外で読んでらっしゃいと彼に与える本(The Catcher in the Rye、The Great Gatsby、
Waldenなど)を見るとこちらも読みたくなるかも。
[url:http://www.amazon.co.jp/dp/1847394078/sss-22]
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【3】コラム「多読といっても理解度も大事!」    (古川)  
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 多読というと、「分からないところは飛ばす!」ということが強調されがち
ですが、一番重要なことは、「つまらなくなったら止める」、「難しかったら
止める」ことだと思います。
 最近、小学生にも多読がかなり流行ってきて、多読をしている小学生の数も
少数とはいえ、増えてきました。
 でも、多読をしている小学生や中学生の中には、「分からないところは飛ば
す」に文字通り従って、挿絵や雰囲気だけで英文を「理解」し、あとは、想像
力で補って、もとの話とはまったく別の話を作ったり、細部をまったく飛ばし
て読んだつもりになっているお子さんも少なからずいるようです。
 著者の意図をくみとって、それに、共感したり、反発したりして、読むのが
やっぱり読書の王道だと思います。
 100%理解にこだわる必要は全くありませんが、やはり、70%位の理解
度が無いと、本を楽しむこともできないし、英語が脳に残ることも少なくなっ
てしまいます。
 英語の力をつけるには、やはり、自分がよく分かるレベルの本を読むのがも
っとも大事です。
 多読指導をしている方は、「レベル下げ」を指導する指導力をつけてもらい
たいと思いますし、多読を楽しんでいるみなさんには、自発的に「レベル下げ」
をする気楽な気分をもってもらいたいと思います。

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【4】SSSニュース             (SSS英語多読研究会)
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ORT著者Hunt、Brychta氏初来日! 東京と神戸で講演会
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日本多読学会では、創立10周年記念事業として、ORTの著者とイラストレ
ータ、 Roderick Hunt 氏・Alex Brychta 氏の講演会を、東京および神戸で開
催します。中学生以上ならどなたでも参加できます。お早めに!
6月16日 日曜日 2時〜4時30分 会場:新宿 SEG 
6月22日 土曜日 2時〜4時30分 会場:神戸 神戸国際大学
お申込みは、[url:http://jera-tadoku.jp/kouenkai.html] へ
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多読学会新人セミナー
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6月29日(土) 福岡 福岡女学院中高
8月24日(日) 静岡 常葉大学静岡キャンパス
詳しくは、
[url:http://www.seg.co.jp/sss/seminar/index.html]
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多読学会年会
8/3-4 武蔵野大学有明キャンパスにて予定
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【5】編集後記                    (リリー・ローズ)
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 数か月前にガラパゴス携帯からスマートホンに変えました。その途端に読書量ががたんと減
りました。今までは1駅でも寸暇を惜しんで電車の中で読んでいたのに、気が付くとスマホを
開けているのです。今調べなくてもよいのにググったり、フェイスブックやアプリで遊んでし
まったり…。ちょっと反省している私です。みなさんはどうですか?
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          多読通信、次号もお楽しみに!
        今 週 も H a p p y R e a d i n g !

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多読通信に関するみなさまのご意見・感想などをお待ちしております。
・掲示板への投稿
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-event&c=e&id=2108]
・多読通信アンケートフォーム
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※アンケートフォームでいただいた質問に対するお返事を掲示板上で行う
場合があります。ご了承ください。
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※このメールマガジンは『まぐまぐ!』 [url:http://www.mag2.com/] を利用して
発行しています。配信申込・中止・アドレス変更はこちらへ
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