耳から入るシェイクスピア

気長に多読を続ければシェイクスピアの戯曲も原文で楽しく読めるようになるという意見を別の掲示板に書きました。

勿論、多読だけでもそれは可能だと僕は思っておりますが、並行して英語の韻文やシェイクスピアのリズムを耳から味わうことで、楽しさは増え、準備期間もいくらか短縮できると思います。それで、将来シェイクスピアを英語の原文で読んでみたいという人にお勧めの音源をいくつか紹介します。

1. 韻文の物語に慣れる

シェイクスピアの戯曲は、台詞の殆どが詩、というか韻文です。舞台での上演を想定して書かれたことは間違いないですが、非常に簡素な舞台装置を背景に上演されたので、物語詩 (叙事詩) に近いです。(現在でも朗読形式で上演されることはあります。) その感覚をつかむには、物語詩に慣れることも効果的です。そして、英語の物語詩の内で最も文章が簡単なのは、Dr. Seuss の作品群です。

Dr. Seuss の CD は何種類かあり、僕よりも詳しい方がこの掲示板の常連さんの中には何人もいらっしゃると思います。Seuss のばあいは絵も重要なので、できれば絵本を見ながら聴いた方が分かりやすいし、楽しいと思います。発音に自信のあるかたは音読するのも良いでしょう。

2. シェイクスピア劇の挿入歌、シェイクスピア時代の歌

400年前の音楽に興味を持ち、研究し、演奏する人たちが、日本や英国やオランダなどにいます。CDも何種類かあります。"Greensleeves" など、知名度の高い曲も入っています。

歌と演奏: Deller Consort
CDの題名: Shakespeare Songs
最も入手しやすいCDです。

歌と演奏: Ensemble Alba Musica Kyo
CDの題名: Music of Shakespeare
ASIN: B0000067SE
日本人演奏家の集団によるシェイクスピア時代の曲集です。個人的にお気に入りなんですが、廃盤なので入手は難しいかもしれません。

3. シェイクスピア戯曲の台詞やソネットに曲をつけたCD

これは紛れもなくシェイクスピアの文章を歌にした作品群ですが、歌になっている分、聞きやすいと思います。

歌: クレオ・レーン
CDの題名: シェイクスピア・ジャズ [Shakespeare: And All That Jazz]
純粋にジャズ・ソングのCDとして聞いても楽しめます。英語の発音はブリティッシュです。

4. シェイクスピア作品の朗読CDや映画のDVD

これは水準も高いので、多読の経験を積んでからの本が良いでしょう。DVDについては僕より詳しいかたも沢山いるので、お薦めの映画を紹介して下さると、助かります。