Re: お三方へ

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2632. Re: お三方へ

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/6/3(08:03)

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主観の新茶さん、お待たせしました。

英単語を理解するとき、
僕がいつも考える手がかりの優先順位をまず示させて下さい。

1. 文章の前後関係
2. 辞書的な知識
3. 語源

この優先順位について、
「卵が先か? ニワトリが先か?」などと考えたこともありますが、
最終的に前後関係の方が重要だと考えるようになりました。
辞書的な意味や用法にそぐわない使い方がされるばあいもあるし、
辞書の記述も、
(まともな辞書であれば)
沢山の用例の文脈を検討した結果として書かれているからです。
誰でも文章の前後関係に注意して多読を続けていれば、
英英辞典と同じ様な理解に達すると思うようになったのです。

ただし、
英語文化圏で編纂された英英辞典は、
彼らにとって自明なことが省略されていたりします。
日本で編纂された英和辞典は、
日本語を通して英語を理解しようとしたために生じた間違いが散見されます。

それで、
多読を始める前に獲得した辞書的な知識より、
文章の前後関係を優先すべきだと考えるようになったのです。

さらに、
多読をするときは、
言葉よりも内容に注目する方が、
すらすら読めて、
したがって多くの用例に触れることができ、
結果的に単語の正確な知識も得られるようなのです。
比率としては、
内容への関心が8割以上、
言葉への関心が2割以下が良いと思っています。
文章の前後関係より辞書的な知識を優先されるかたなら、
言葉に関する話題は5パーセントぐらいで良いかもしれないとさえ思います。

語源を下位にまわしているのは、
その単語の過去を無視して使われることもあるからです。

今回話題にしている "have" についても、
そういう位置づけでご理解ねがいたいです。

ご指摘のとおり、
"have" はもともと英語の中で使われてきた単語です。
そして、
"have been" などで使われる "have" と、
"I have a dream" などで使われる "have" と、
両方の用例が、
アングロサクソン語の時代からあったそうです。
辞書ではこの二つを別々の項目として扱っているので、
辞書的な知識に囚われていると、
これが別れたままで、
"have" という単語の全体像が見えません。
片方だけに注目するなら、
所有を示す例も昔からありました。

所有を示していることが分かる様な文脈で "have" を使えば、
伝えたいことを表現するための必要条件は満たせると思いますが、
あまり強い表現とは言えない、
つまり十分条件は満たしていないので、
話し言葉では "have got" を使うことが多いのだと、
僕は思っています。

エスペラントは英語より歴史が短いので、
優先順位も違っているかもしれません。
例えば "esperant" は "hoping" に相当する単語ですが、
この末尾に "-o" を付けると "esperanto"
つまり "someone who is hoping" の意味になるはずです。
これがなぜこの言語全体の名称として使われるようになったかは、
別な説明が必要かもしれないですね。

それでは、
Happy reading!


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