SSS多読通信第461号(2021/10/14)

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1788. SSS多読通信第461号(2021/10/14)

お名前: リリー・ローズ
投稿日: 2021/10/15(09:15)

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        SSS多読通信 第461号 (2021/10/14)
        ~読める本、読みたい本をお気楽に~
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【1】100万語通過報告 (9/13 ~10/13)
【2】今号のお薦め本「グラフィックノベル」     (リリー・ローズ)
【3】SSSコラム「YAのおすすめ」           (古川)
【4】SSSニュース          (SSS英語多読研究会)
【5】編集後記                 編集:リリー・ローズ
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【1】100万語通過報告 (9/13 ~10/13)
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 この期間の100万語通過報告はありませんでした。
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【2】今号のお薦め本「グラフィックノベル」     (リリー・ローズ)
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 Margaret AtwoodのThe Handmaid’s Taleのグラフィックノベルを見て赤と黒の
鮮烈なイラストに衝撃を受け、文字のみの原作とはまた別の魅力を感じました。
そこで今回は、イラストや色彩を伴った、読むだけでなく見る本、グラフィックノベルを
ご紹介したいと思います。
……………………………………………………………………………………………
■ The Hand Maid’s Tale      YL5.0~5.5  16,000語
……………………………………………………………………………………………
 カナダの作家Margaret AtwoodのThe Hand Maid’s Tale (1985年)
「侍女の物語」のグラフィックノベルです。原作は9万語超です。2019年に
ブッカー賞を受賞した、34年ぶりの続編「誓願」を読む前に、こちらを読むという
活用の仕方もいいでしょう。
真っ黒の背景に赤いガウンの侍女、この表紙だけで既に心がざわつきます。
近未来のアメリカでキリスト教原理主義支配の共和国が樹立される。そこでは
出産能力がある女性が名前も家族もすべて奪われ、情報も遮断されて、ただ生む
機械(侍女)として赤いガウンを着させられて一か所で生活している…グロテスクで
暗いディストピア小説ですが、イラストレーター、Renee Naultの美しいイラストが
最後まで読者を連れていってくれます。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/038553924X/sss-22]
……………………………………………………………………………………………
■ They Called Us Enemy         YL 4.0   13,653語
……………………………………………………………………………………………
 「スタートレック」で活躍した俳優ジョージ・タケイが日系人強制収容所で過ごした
体験を元に描かれたノンフィクション・グラフィックノベルです。グラフィックノベルで
出版したことで、若い世代を含むより多くの人が、当時の出来事、人種差別や偏見を
視覚的に直截に知ることができると思います。
Japanese Americanとして第二次世界大戦時に収容所に入ったのはタケイが
子どものころ。子どもの目から見た生活と、両親をはじめとする大人の苦悩や
抵抗…が描かれています。辛い経験を経てもタケイの父が “our democracy is
still the best in the world.”「それでもアメリカの民主主義が一番だ。」とジョージに
語るところは 胸が詰まります。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/1603094504/sss-22]
……………………………………………………………………………………………
■ Sabrina      YL4.0∼5.0  13,000語
……………………………………………………………………………………………
米国の漫画家Nick Dornasoによるグラフィックノベルです。恐ろしいほどに
「今」を描いたと絶賛され、グラフィックノベルとしては初めて2019年ブッカー賞
候補になった本です。
サブリナという女性の失踪事件が発端ですが、その詳細は語られず、失踪後
殺害されたらしいと殺人事件に置き換わります。ネット上に、被害者のサブリナや
殺人犯の個人情報が好奇心の餌食のごとくあふれかえり、瞬く間にその家族や
関係者にまで及んでいきます。被害者のサブリナの恋人は次第に心を病み、
サブリナの家族も疲弊し、じわじわと生活も心も蝕まれていきます。残酷な事件も
明るい芸能ニュースも、ネット上では全く同列にtrending nowに載り、拡散され、
匿名の攻撃や勝手な憶測や想像から加工されたフェイク情報になり、陰謀論まで
現れます。ドルナソのイラストはこれらの恐ろしい状況を最大限に表現しています。
モノトーンの暗い色調、無表情の顔(目がすべて点で表現されている)で、コマ割りは
単調な四角。でもこの単調な四角形がネット画面を示しているように思えます。肌が
粟立つほどの不安を感じながら一気読みしてしまう、おススメの1冊です。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/1783784903/sss-22]
……………………………………………………………………………………………
■ Nancy    YL3.5~4.0 9.200語
……………………………………………………………………………………………
 戦前から80年以上も続くご長寿マンガNancyの新生現代版です。2018年から
Olivia JaimesがNancyの作者になりました。新生Nancyはスマホ中毒で、
いつでも「いいね」を欲しがる現代っ子。頑固でめんどくさがり屋で食いしん坊…
読者のアバターでもあるところが共感を呼ぶのかもしれません。Nancyは
ちびまる子ちゃんをアメリカ人にした感じでしょうか。英語自体は日常会話なので
難しくないけれど、3~5コマの最後のオチでくすっと笑えないとちょっと悔しいです。
表紙がNancyのドアップ!迫力に負けて思わずポチってしまうでしょう!
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/1524853259/sss-22]
……………………………………………………………………………………………
■ This One Summer  YL3.5~4.0 8,130語
……………………………………………………………………………………………
カナダの作家Mariko Tamaki作、いとこのJillian Tamaki画のYAグラフィック
ノベル。コルデコットオナー賞受賞作。
毎年過ごしている浜辺の別荘での夏休み。でもこの夏は今までと違う…思春期に
さしかかったRoseは苛立ちや息苦しさを感じます。体の微妙な変化、母親の
かたくなな態度の裏にある秘密、両親の微妙な空気、雑貨屋の店員Duncへの淡い
感情…。紫色の濃淡のイラストが登場人物の心を巧みに描いています。
[url:https://www.amazon.co.jp/159643774X/sss-22]
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【3】SSSコラム 「YAのおすすめ」   (古川)
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 今、SEGの私の高2・3の多読クラスで、一番流行っている本を紹介します。
(1) A Good Girl's Guide to Murder (Holly Jackson) YL 5.5-6.5 101302語
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/1405293187/sss-22/]
(2) Good Girl, Bad Blood (Holly Jackson) YL 5.5-6.5 93107語
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/140529860X/sss-22/]
(3) As Good As Dead (Holly Jackson) YL 5.5-6.5 120000語
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/140529860X/sss-22/]
全3巻で、ストーリーは3巻目で終結します。
(第1巻)イギリスの片田舎に住む、高校3年生Pipは、学校の自由研究で、
その高校の男子高校生が女子高生を殺害し、自殺した事件をとりあげ、その
調査結果や考察をPodcastで配信する。調査過程で、この「殺人・自殺事件」の
警察の捜査結果とは全く異なる真相が分かってくる。
(第2巻)「殺人・自殺事件」の真相を発見したPipは、一躍有名人となる。飼
い犬を殺されたPipは、もう捜査には拘わらないと家族に宣言していたが、親友
から失踪した兄を探して欲しいと頼まれ、再び、Podcastを再開する。真相を
調べていくと、またまた、いろいろな人の知られたくない事実が分かっていく
とともに、過去の連続殺人事件とも関連していることがわかり、衝撃的な解決
となる。
(第3巻)「お前が失踪したら、誰が探すのか?」という脅迫がPipに迫る。しか
し、警察は今回も動かない。自力で犯人を探すが、犯人像に近づいたところで、
Pipは誘拐される。そして、「殺人・自殺事件」の発端も、この犯人が原因で
あったことが分かるが、無事、Pipは脱出することができるのか?
 予想をしばしば裏切るサスペンス・推理小説です。女子高生が主人公なので、
クラスの女子生徒は自ら主人公になった気分になりやすいようです。
 なお、暴力シーン、麻薬シーンがあるので、小中学生にはおすすめではあり
ませんのでご注意ください。
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【4】SSSニュース             (SSS英語多読研究会)
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多読授業見学を再開します                SEG多読教室
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 SEGは、コロナ対策で、多読授業見学をすべてお断りしておりましたが、緊急
事態宣言も解除され、現在は落ち着いた状況ですので、少人数(3名以下)の
グループ・個人に限り、多読授業見学を再開します。
 SEGの多読クラスの授業見学を希望される方は、
 [url:https://www.seg.co.jp/tadoku/kengaku.htm]
を読んで頂き、早めに申込みください。なお、感染状況が拡大する局面では、
許可をだせない場合、あるいは、一度だした許可を取り消す場合がありますこと
をあらかじめご了承ください。
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【5】編集後記                   (リリー・ローズ)
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 今年も4分の3が過ぎました。今年のこれまでに読んだ本で小説部門
イチオシはKazuo IshiguroのClara and the Sun、絵本部門は
Our Subway Babyです。 
Clara and the SunはAudibleで音声も楽しみました。いくつになっても
「読み聞かせ」してもらうとうれしいです。Our Subway BabyはNYの地下鉄で
赤ちゃんを見つけたゲイの実話です。その赤ちゃんは現在20歳になり、二人の
パパの子供として立派に成長しています。さわやかなイラストにつられてさらさら
読んでしまいますが、ラストは涙でした。養子を迅速に認めたJudge Cooperに
私は感動しました。日本だったら手続きやらなんやら…こんな奇跡は起こらない
だろうなあ。Judge Cooperの言葉、Where there is love, anything is possible.
心に沁みました。
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/0571364888/sss-22]
[url:https://www.amazon.co.jp/dp/0525427546/sss-22]
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          多読通信、次号もお楽しみに!
        今 週 も H a p p y R e a d i n g !
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