John Grisham 全巻制覇報告

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[報告] 751. John Grisham 全巻制覇報告

お名前: 間者猫 http://www.k2.dion.ne.jp/~spycat
投稿日: 2006/7/24(22:41)

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 しばらく前に全巻制覇したのですが、
書こうと言う気が起こらなかったので延び延びに。
結論から言えば、全部読まなくてもよかったと思います。
特に”The Brethren”以降はイマイチ。
グリシャムは映画化された作品だけで十分ではないでしょうか。
 私は、グリシャムの弱者の視点に立ち、
法は正義を現わすものだという姿勢が好きなのですが、
最近の作品はその姿勢が感じられません。残念です。
 コナリーやルへインには揺るぎない正義の姿勢が感じられるのですが。

以下レビューです。皆様の参考になれば幸いです。

■”A Time to Kill” ★★★☆☆ Level9 183000
結構読みにくかったし、あまり乗っていかなかったです。
人種差別の色濃く残る南部を舞台に
娘をレイプされたCarl Lee(黒人)が犯人(白人)を打ち殺してしまい、
裁判にかけられるという話なのですが、
裁判の展開の面白さというよりも南部の風土に重点をおいた作品でした。(2005.03.26)

■The Firm ★★★★★ Level8 148000
よく分らなかった所もありますが面白かったです。最初から最後まで眼が離せません。
特に最後の100ページは手に汗握る展開、ドキドキしました。
読み手に余韻を残させる終わり方、グリシャムは本当にうまいですね。
先に読んだ”The Street Lawyer”よりも読みやすく感じました。(2004.01.08)

■The Pelican Brief ★★★★★ Level8 107000
政・官・財の癒着を一人の法学生とジャーナリストが暴いていく、
なかなかスリリングな展開。面白かったです。結構好きな話です。
最初の2人の判事が殺害される所は結構エグかったです。
”The Street Lawyer”、”The Firm”よりも少し難しく感じました。(2004.01.17)

■The Client ★★★★★ level7 140000
面白かったです。分らない単語も多いですが、
人物描写・風景描写が細かく描かれていて、とてもイメージしやすいです。
もっとマフィアが前面に出てくるのかと思いきや、
実は、Mark&Regggie vs FBIなのです。
マフィアは”刺身の褄”みたいなもんです。
とにかくストーリーが分厚いんです(本も分厚いですが)。
1パラグラフ分らなくても、長いので、読んでいるうちに大体分かりました。
最後の終わらせ方も本当にいいです。
全速力で走った後に軽いジョギングをしているような終わらせ方。うまいです。
あと登場人物が多いので、人物リストを作るべきだったかなあと思います。
300ページ近くまで誰が誰だかよく分らなかったです
(最後の方では大体掴めてましたが)。
とにかく今は、”グリシャム読めた”ということで満足しています。(2003.08.21)

■The Chamber ★★★☆☆ Level9 211000
死を覚悟したサムと生き長らえさせたいアダムとの葛藤、
サムの娘リーの生き様など死について家族について考えさせられる。
祖父サムの生き様を知ることにより自分自身が何者なのか、
アダムの自分探しの物語のような気がします。
ところで、印字が全体的に真中によっていて結構読みにくかったです。
文章自体は読みにくくはなかったですが。(2004.05.21)

■The Rainmaker ★★★★★ Level8 176000
200ページぐらいまで、よく分からなかったですが、読みやすく面白かったです。
法廷闘争に入るまでは、結構ゆっくりした流れでしたが、自分としてはいい感じで読めました。
法廷闘争からは本当に一気読みです。600ページの長さを感じさせない1册。
この作品で”alone”と”lonely”の違いを捉えたような気がします。(2004.03.13)

■The Runaway Jury ★★★★★ Level9 167000
いやあ面白かったです。読後唸ってしまいました。
Marleeっちゅう女はホンマたいした女ですわ、天才や。
300ページぐらいまで”よー分からんなあ。それに語彙がちょっと難しいなあ。”
”投げるタイミングを逸したかなあ?”などと思いながら読んでましたが、
そこからは結構忙しかったです。
登場人物も多く誰が誰だか良く分からなかったですが、だんだん気にならなくなりました。
NicholasとMarlee、Fitchの3人だけ押さえておけば大丈夫。(2004.08.03)

■The Partner ★★★★★ Level8 134000
登場人物も多く、話ややこしかったですが、読みにくくはなかったです。
最後の最後で・・・大・ドン・デン返し! 参った。ボーゼン。
読後唸ってしまいました。グリシャムもこんな大仕掛けをするんですね。
どこかに布石あったんかな? 見逃してたら悔しいです。
参った、参った。ホンマにやられた。”とにかく読んでみて!”としか言えない。(2004.06.15)

■The Street Lawyer ★★★☆☆ Level8 107000
読み始めは”グリシャムにしては粗いなあ。
イマイチやなあ”なんて思いましたが、
30章以降グリシャムらしさで一気に読ませてくれました。
最後ちょっと、じ〜んときました。
社会的弱者に対する眼差しが優しいよね、グリシャムは。
あとがきでも述べてますが、これまで感心のなかった
ホームレス問題を取り上げ、
より社会と関わろうとしている意欲を感じました。
単語(法律用語?)が難しかったですが、文章自体は読みやすかったです。
これって矛盾してるかなあ?(2003.12.30) 

■The Teastament ★★★★☆ Level8
結末が悲しすぎます・・・。
でも終わらせ方は本当にうまいです。
じーんときました。
タイトルの”The Testament”も読み終わってみれば
重い意味だったんだなあと納得。
スリリングな展開はないですがいい作品でした。(2005.08.26)

■The Brethren ★★★☆☆ Level9
”300ページぐらいまで全然面白くないなあ”と思いましたが、
残り100ページちょいはまあまあでした。適当に読んでいたので
最後はドカン!と落としたんでしょうが、
私は”はあっ?!(マジャコング風)”って感じでした。
この本は再読の方が面白いと思います。(2005.11.11)

■A Painted House ★★★★☆ Level7 127000
読みやすかったです。
”結構いろんな事があるもんだなあ”と思いながら読みました。
グリシャムは描写が本当に細かくて、読んでいて眼に浮かんできます。
長い事が苦にならない方でしたらレベル6が読めれば
かなり楽に読めるのではないかと思います。
レベル9になっていますが、個人的にはレベル7ぐらいだと思います。(2003.12.21)

■Skipping Christmas ★★★☆☆ Level7 46000
結構読みやすかったです。
この話ってディケンズのクリスマスキャロルを
モチーフにしてるんだろうなあと思いました。(2004.12.23)

■The Summons ★★★☆☆ Level7 87000
あまり評判が良くなかったので期待していなかったのですが、まあまあでした。
結構読みやすかったです。
ハラハラドキドキ感はほとんどなく淡々と描かれています。
最後ちょっと山があったのですが、ちょっと消化不良。
先に”The Runaway Jury”を読んでおくとニヤッと笑えます。
次作の”The King of Trots”と併せて読むといいらしいので、次が楽しみです。(2004.10.02)

■The King of Torts ★★★☆☆ Level8 114000
”The Summons”のアマゾンでのレビューが最後まで尾を引いてしまいました。
”The Summons”とは全然ちゃうやん(怒)。
どちらかと言えば”The Rainmaker”じゃないかな?
グリシャムも歳をとってきて、”だんだん目線が親父になってきたなあ”という印象を受けました。
(2004.11.08)

■Bleachers ★★★☆☆ Level7 44000
とても読みやすく感じました。たまにはこういう話もいいかも。
過去のいざこざの折り合いをつけて新しい1歩を踏みだしていく。
分かっちゃいるけどじーんときました。
でも一番のお気に入りは、87年決勝、Neely率いるSpartanがコーチ不在の中、
31ー0から奇跡の逆転劇を演じるラジオ放送です。
こちらもラジオを聞いている気分にされてくれます。(2004.07.19)

■The Last Juror ★★☆☆☆ Level9
最後はそれなりにまとめてきましたけど。
もうちょっとスリリングな展開がほしかったです。
読んでいてだらだら長く感じました。(2006.01.18)

■The Broker ★★★☆☆ Level8
前作よりは面白かった。
主人公の描き方が、最初は”合州国大統領に次ぐ実力者”だったはずなのに、
どうもそのキレがなくイタリアで語学の勉強なぞ。
この辺はほとんど必要ないですね。
CIAの監視下に置かれているとはいえ、もうちょっとなんか画策するでしょう。
監視の一瞬の隙をついて、逃げ出したあとは、そこそこ面白かったです。
Joel Backmanの人物描写が60歳とはとうてい思えず、
読んでいて、恐いもの知らずの若い弁護士って感じがしました。(2006.06.30)


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