総括するとミもフタもないかも

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152. 総括するとミもフタもないかも

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/8/29(00:33)

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成雄さんの自作プロット、すごいですねえ。
最近細かい落穂拾いみたいなレスばかりですが、私が「メメント」を総括してしまうとミもフタもない結果になるからです。でもここらで総括してしまおうかと。
私は映画や舞台を見た時は「最初の印象」が判断のポイントです。どんなに何度も見たりマニアックにつついたりしても、最初に感じたことは絶対根底に残しておきます。

ということで、「メメント」はやはり初見の衝撃が一番の見所ポイントだと思います。記憶障害の主人公と一緒に「さっき何をしていたか」「今までの経過はどうなってるのか」ということがわからないまま映画は進んでいきます。そして犯人を探す過程を遡っている…と思ったら意外などんでん返しが!!

これが私の「メメント」の根幹です。
犯人を探しているのだと思っていたらすでにレニーは「ジョン・G」を殺していた!そしてファーストシーンで殺された犯人だと思っていたテディは、レニーが自分で「犯人探しの迷宮」を作り上げてターゲットに設定した人物だった。
本当に衝撃でしたよ、この種明かしは。
DVDで時系列に見られるようにしておいたのは、監督のお遊び、もしくは「時系列に並べてもちゃんとつながってるんだよ」「インチキしてないよ」という証明のためにすぎないのでは。私はDVD見られませんけど、時系列に見ても面白くない、という発言がありましたので。やはり遡って最後に真実に達した時の衝撃が一番描きたかったのではないかと思います。

Kianさんとオーストラリア君はどうしてもテディが信用できないようですが、テディがうそをついているなら最後のどんでん返しはどんでん返しではなくなってしまいます。前にも書きましたが、「奴のウソを信じるな」をレニーとともに信じて映画を見てきたことが最後に覆される、その意外性がこの映画の面白さだと思うんです。
私はテディが「いい人」だとは全く思っていません。しかし映画の中でどんでん返しの種明かしをしてみせる役割を負っているのはテディです。だから私はテディの告白は真実でなくては意味がないと思います。
そしてテディを「ジョン・G」に仕立て上げたのはレニー自身だった。レニーは自分とジミーの写真を焼き捨て、テディの写真に「奴のウソを信じるな」と書いた時、「俺にはジョン・Gが必要だ」「あんたに俺のジョン・Gになってもらう」って言ってたと思います。「メメント」で切り取って見せられた時間は、レニーがテディを「自分で」ターゲットに仕立て上げてそれを追っていく過程でもあったのです。
Kianさんは何度も見すぎて、この映画を最初に見て受ける衝撃を忘れてしまっているのでは。

私は「メメント」はどんでん返しの衝撃が重要な映画だと思っておりますので、あとは本当に見る人それぞれの解釈でいいと思います。それがいろいろな解釈ができるからこれだけ盛り上がるんでしょう。
ナタリーはジミーを愛していなかった説もなるほどと思わせるものがありました。
真犯人の「ジョン・G」はまだ捕まってない、という説は面白いですが、私的には上記の「どんでん返し」が弱くなるので採用したくない気分です。

さて…
成雄さんはナタリーについて物語を作りすぎているように思います。ナタリーがレニーに出会って人生が変わったか否か…この映画はナタリーの人生を描く映画ではありません。主人公はレニーです。レニーにとってナタリーはどんな存在であったか、は大切ですが、ナタリー自身がどんな人生を送っているのか、何を考えているのか、そこまで解釈するのは「個人的趣味」の世界だと思います。


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