世界史クラブ : カトリーヌ・ド・メディシス

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1456. 世界史クラブ : カトリーヌ・ド・メディシス

お名前: 柊
投稿日: 2010/8/10(09:08)

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 イタリアのメディチ家の出身で、フランス王妃で、三人のフランス王の母として権力を握った女性。数々の政敵を毒殺したとして有名だが、真相は不明。16世紀、メディチ家本家の最後の一人。
 なんだかこの人には初めて読んだときから取り憑かれるものがあって、妙に好きです。こういうのを萌えというのか? カトリーヌさんと呼んで、お友だち気分。

Medici Trilogy by Jean Plaidy

Madame Serpent [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000013082 ]
 生まれたときに叔父レオ10世がローマ法王だったカトリーヌ。母はフランス王女でお産で死に、父、メディチ本家の跡取りもすぐに死んだので、メディチ家全体の相続人となる。もう一人の叔父のローマ法王クレメント7世がフランス王の次男との結婚を決めた。
 メディチ家を嫌う人々による内乱。修道院で軟禁状態の日々。従兄のイッポリトとの恋。
 数々の不幸を乗り越えてフランス入りするカトリーヌでしたが、夫はすでに年上のディアヌの魅力に取り憑かれていました。
 なんだかこう、今いちスムーズに進まない本なんですよね。ストーリーがぶつぶつととぎれていて、延々プロローグを読んでいる感じで本題に入った気がしない。まあ、カトリーヌさんの人生では、実際にこの辺はプロローグですけど。
 以下The Italian Woman [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000013893 ]、Queen Jezebel [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000013896 ]と続きます。そっちは政治的な争いに参戦して、毒まで使ってフランスを支配しようとする、スリリングな展開になっています。
 権力を握り、人に愛されなくてもいいからおそれられることに満足するカトリーヌさん。ここまで徹底していると幸せだったのかなと思います。ただ、最近の研究ではもっと違う人物だったという見方も出てきているんですよね。

The Confession of Catherine de Medici by C.W.Gortner [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000018356 ]
The Devil’s Queen by Jeanne Kalogridis [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000015856 ]
 それがこの2冊。Leonie Frieda [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000016523 ]という人の伝記が元になっているんですが、伝記が読めないので小説を読んでいる段階。愛する夫を守ろう、愛する息子を守ろうと奮闘するも、運命に逆らえない姿が共通する。伝記をちら見したら、カトリーヌの欠点は、息子を愛さなかったところではなく、愛しすぎたところにあるという一文が目に入りました。

The Duchessina by Carolyn Meyer [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000013022 ]
 なんとなく、Madame Serpentをrewriteしたような始まり方をする。Madame Serpentと同じく夫の死で終わるし。大人向けではないですが、不妊治療とか出てくるから、中学生には早いのかな。高校生ぐらい?
 一貫した筋があって、小説としてのできはMadame Serpentより上かも。カトリーヌの一人称です。
 修道院で聖母マリアに備えるものを作るといって、布何メートルにつき何だかの祈りいくつ、バラの刺繍一つにつき何だかの祈りいくつとかって決めて、祈りだけを捧げたのに、お祭りの日になると本当にお供えの豪華な刺繍入りのマントができている。それのからくりを早熟なカトリーヌは看破するわけですが、そういう修道院の裏側とかも面白かった。
 修道院によってひたすら着心地の悪さを追求したり、逆に快適さを禁じなかったり、違うみたいでしたし。枢機卿だった叔父さんがクレメント7世になったり、結構キリスト教の話が面白かったです。

Mon Histoire Catherine de Medici by Catherine de Lasa [url:http://www.amazon.fr/Catherine-Médicis-princesse-italienne-1530-1533/dp/2070623866/ref=sr_1_6?ie=UTF8&s=books&qid=1281398594&sr=8-6 ]
 Royal Diariesの一部を翻訳したり、フランスに関係のある人の少女時代を書いた小説を追加したりしてあるシリーズです。
 フランス語なのでまだ読めていませんが、魅力的です。フランス語版は、ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌとか、モーツァルトの妻コンスタンスとかあるんですよね。


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