Re: 英語の出し方

[掲示板: 〈過去ログ〉英語のことなんでも -- 最新メッセージID: 2495 // 時刻: 2024/4/25(05:49)]

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2357. Re: 英語の出し方

お名前: ドラちゃん http://dorataoku.blog37.fc2.com/
投稿日: 2010/6/19(04:42)

------------------------------

 Kenyさん、こんばんは。ドラです。ご無沙汰しています。

 この件ですが、どこまで書くべきか、考えがまとまらなかったので、
コメントするのが遅くなりました。

 ちょうどこの下に、久しぶりにこちらの掲示板に書いたコメントがあり
ますが、これをちょっと読んでいただければ分かるように、ここ二年ほど、
私は『お前は英文専攻の学生か?!』と自分でも突っ込みたくなるほど、
言語としての英語を勉強しています。Kenyさんがここで話したい話は、
そちらの方面ではないというのは分かるので…それでちょっとどういう話
の仕方をするかを考えざるを得なかったという事です。
 
 
 ちなみに、Kenyさんと同じような事を考える人達はいるようで、たとえば、
さかいせんせーが、たしか2年ほど前から『多読的 speaking と writing 』
に関する試みをしようとしています。どんな感じにやろうとしているかなど、
詳細は私もよくは知りません。ただ、そういうやり方でどの程度の成果が
上がるかに関しては、私には大きな疑問があります。多読と同様に、軽い
タッチを保って、参加者のモチベーションを傷つけない、という効果は、
やりようによっては出るかもしれませんが…
 
 
 さて、本題に入ると…

 まず、多読を単に『本を読む事』だけではなく、英語学習の一環と捉えて
いるようなタイプのタドキストの人達から、時折こういった感想を聞く事が
あります。それは…

  『読んで意味が分かる語彙と、自分が話したり書いたり
   する時に使える語彙っていうのは、脳の中のしまわれ方
   が違う感じがする』と。

 これは、私自身も常々同様に感じます。

 考えてみれば、日本語でもそうですが、色々な本や文章を読むと、私たちは
普段自分では使ったりはしないけれど、たくさんの理解可能な語彙を持って
いる事に気付きます。もちろん、そうした本を読んだ直後には、いつの間にか、
そうした言葉を自分でも使っていたりもします。

 私の場合、英語である事柄・気持ちを相手に伝えたい、と思った時に、
すぐに英語が出て来る時もありますが、込み入った話だと、なかなかどういう
言い方をすればいいか思いつかない時があります。しばらく考えていれば、
いい表現が降りてくる時もありますが、私が考え込んでしまうケースというの
はだいたい込み入った話だったりするので、パソコンを使っている事もあり、
すぐに書ける部分から書いていって、その後全体を構成しながらまとめていき
ます。それでも、決め手となる部分・オチの部分などは、なかなかいい言い方
が出てこなかったりもするので、そういう時は休憩したり、しばらく時間を
おきます。

 日によって、英語脳の調子がいい日もあれば悪い日もあって、調子が悪い日は
何か自分の感覚にピタっとはまる言い方はほとんど出てこなかったりします。
その反面、ものすごく自分を誉めてやりたくなるような秀逸な(自画自賛ですね(笑))
表現が降りてくる時も、たまにはあります。

 そうですね、たとえば、どんな本でも読んだ覚えがないような、でも、その
局面にはとてもピッタリで読んだ人にちょっとしたフィーリングを湧き起こさず
にはいられないだろうな、と思うような言い回しが、どこから出て来るのか、
降りて来るような時もあります。しかし、その全てを覚えていて、また、機会が
あったら使い回せるかというと、それは話が別だったりもします。というのは、
その時は閃いても、同じ閃きが別の機会でも起こるかどうかは別問題だからです。
それに、日常的に書き物をしていると、自分が書いた表現全てを覚えているなん
て事にはなかなかなりませんからね。
 
 
 ちょっと、話が長くなりました。

 つまるところ何が言いたいかというと…英語的にしっくりくる表現というのは、
それなりの語数を読んできたタドキストなら閃く事もあるでしょう。ただ、自分
が読んで意味が分かる語彙・表現と、自分が書いたり話したりする時に使える
表現は、脳の中でのしまわれ方が違うので、自分がある表現を使うのに適切な
状況・文脈の中で、その表現を思いつく事で、一旦脳の中からその表現が取り
出され、再び別の(自分の言葉として使えるような)場所にしまい直されるという
事が起こる、と考えると、分かりやすいと思います。

 ただ、一旦しまい直されたからといって、それがいつでも使える自分の言葉に
なるかどうかは、また話が別ですよね。人間の脳ってのは、一度で全てを覚えら
れるほど自由自在には出来ていないので。ですから、自分の writing なり
speaking なりを豊かなものにしていきたいと思うのだったら、繰り返し繰り返し
何回もその表現を使っては脳にしまい直す事で、自分の頭に焼き付けていく必要が
ある、と私は考えています。

 言い方を変えると、これはたとえば、多読において、たくさんの英語を読む事で、
色々な語彙や表現の Usage が、使われる状況・文脈と共に脳に焼き付けられて
いくのと同じ事です。
 
 
 あと、特にお伝えしておきたい事があるのですが…

 まず、『どう書こうか』と自分が考え込んでしまった時は特に、日本語特有の
言い回しに影響を受けがちなので、注意が必要です。

 これは、なぜそうなるかというと、主に『何かを伝えよう・表現しよう』と
思った時に頭の中が主観的になっていたりする、という事や、『そんな言い方・
言い回しは英語には存在しない』という事が書いている人それぞれで分かって
いなかったりするせいです。

 私の場合は特に、深く考えてから書き物をする事が多いので、こうした日本語
でしか意味をなさないような言い回しの影響を受けないようになるまで、その
問題を意識して取り組み始めてから一年以上掛かりました。その間、『日本人が
陥りやすい誤り』のパターンを知るために、他人が書いた英文を添削したり、その
かたわらで自分でも色々な文章を書いて、やっとそうしたものが出てこなくなり
ました。

 人によっては、これが問題となりにくい人も多いと私は思っています。speaking や
writing をする時に、どういう風に言いたい事を練りだしてくるか、その頭の使い
方は人それぞれですから。ただ、そういうクセがある人は、なかなか治りにくい
可能性があるので、そういう人は要注意だと思います。
 
 
 次に、これは意外なほど、世間で言われていない事なんですが、日本語と英語
では『文脈の建て方が大きく異なる』という点です。

 たとえば、英語だと、Why am I writing this? Because 〜 といった言い方を
します。でも、日本語で『なぜ私はこれを書いているのでしょう?なぜなら〜』
といった言い回しがされているのは主に訳書で、私たちは日常的にこういう言い方
をしたりはしません。

 なぜ私がこの点に着目しているかというと、こうした言い回しは話の進め方・
組み立て方の問題(それを『文脈の建て方』と言っています)であり、各々の
センテンスに内在する thought を的確・適切に表現する事とは別次元の問題
だからです。

 たとえば、英語で全てを書き下せない場合、確かに、日本語で言いたい事を
まとめてから、英語に直していく、というのも一つの有効な手段だと思います。
私も、多読を始めるだいぶ前に、英語のメールを仕事で書くようになった頃、
同じ事をしていました。それから半年ほど経ったら、直接英語で書けるように
なりましたけどね。ただ、そうしたやり方だと、なかなか『英語らしく響く文章に
なって来ない』理由としてこんな事もある、という事をお伝えしておきたかった、
という事です。
 
 
 結局、Kenyさんの聞きたかった様な話の内容にはなっていませんが、なぜ
そうならざるを得ないのか、という点に関しては説明をしたつもりです。
ご理解いただけるといいのですけれど…

 それでは、Happy Writing で♪


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2360. ありがとうございます。

お名前: Keny http://w-nest.blogspot.com/
投稿日: 2010/6/21(10:42)

------------------------------

こんにちはドラちゃん。
ご無沙汰です。

"ドラちゃん"さんは[url:kb:2357]で書きました:
〉 Kenyさん、こんばんは。ドラです。ご無沙汰しています。

〉 この件ですが、どこまで書くべきか、考えがまとまらなかったので、
〉コメントするのが遅くなりました。

申し訳ない。
私自身が漠然としか問題を捉えていないのです。

〉 ちょうどこの下に、久しぶりにこちらの掲示板に書いたコメントがあり
〉ますが、これをちょっと読んでいただければ分かるように、ここ二年ほど、
〉私は『お前は英文専攻の学生か?!』と自分でも突っ込みたくなるほど、
〉言語としての英語を勉強しています。Kenyさんがここで話したい話は、
〉そちらの方面ではないというのは分かるので…それでちょっとどういう話
〉の仕方をするかを考えざるを得なかったという事です。

私は逆に言語を道具としか見れません。
なので、使えればOK。
でも、言語としての英語のお話は楽しく拝見しています。
自分と違う考えの人のお話は面白いです。

〉 ちなみに、Kenyさんと同じような事を考える人達はいるようで、たとえば、
〉さかいせんせーが、たしか2年ほど前から『多読的 speaking と writing 』
〉に関する試みをしようとしています。どんな感じにやろうとしているかなど、
〉詳細は私もよくは知りません。ただ、そういうやり方でどの程度の成果が
〉上がるかに関しては、私には大きな疑問があります。多読と同様に、軽い
〉タッチを保って、参加者のモチベーションを傷つけない、という効果は、
〉やりようによっては出るかもしれませんが…

「こども式…」と呼ばれているものでしょうか?
酒井先生のWEBでの活動は拝見しました。
まだ、多読ほどの成果は得られいないようですね。
きちんと教育システムとして確立されると嬉しいです。

〉 さて、本題に入ると…

〉 まず、多読を単に『本を読む事』だけではなく、英語学習の一環と捉えて
〉いるようなタイプのタドキストの人達から、時折こういった感想を聞く事が
〉あります。それは…

〉  『読んで意味が分かる語彙と、自分が話したり書いたり
〉   する時に使える語彙っていうのは、脳の中のしまわれ方
〉   が違う感じがする』と。

〉 これは、私自身も常々同様に感じます。

〉 考えてみれば、日本語でもそうですが、色々な本や文章を読むと、私たちは
〉普段自分では使ったりはしないけれど、たくさんの理解可能な語彙を持って
〉いる事に気付きます。もちろん、そうした本を読んだ直後には、いつの間にか、
〉そうした言葉を自分でも使っていたりもします。

〉 私の場合、英語である事柄・気持ちを相手に伝えたい、と思った時に、
〉すぐに英語が出て来る時もありますが、込み入った話だと、なかなかどういう
〉言い方をすればいいか思いつかない時があります。しばらく考えていれば、
〉いい表現が降りてくる時もありますが、私が考え込んでしまうケースというの
〉はだいたい込み入った話だったりするので、パソコンを使っている事もあり、
〉すぐに書ける部分から書いていって、その後全体を構成しながらまとめていき
〉ます。それでも、決め手となる部分・オチの部分などは、なかなかいい言い方
〉が出てこなかったりもするので、そういう時は休憩したり、しばらく時間を
〉おきます。

〉 日によって、英語脳の調子がいい日もあれば悪い日もあって、調子が悪い日は
〉何か自分の感覚にピタっとはまる言い方はほとんど出てこなかったりします。
〉その反面、ものすごく自分を誉めてやりたくなるような秀逸な(自画自賛ですね(笑))
〉表現が降りてくる時も、たまにはあります。

〉 そうですね、たとえば、どんな本でも読んだ覚えがないような、でも、その
〉局面にはとてもピッタリで読んだ人にちょっとしたフィーリングを湧き起こさず
〉にはいられないだろうな、と思うような言い回しが、どこから出て来るのか、
〉降りて来るような時もあります。しかし、その全てを覚えていて、また、機会が
〉あったら使い回せるかというと、それは話が別だったりもします。というのは、
〉その時は閃いても、同じ閃きが別の機会でも起こるかどうかは別問題だからです。
〉それに、日常的に書き物をしていると、自分が書いた表現全てを覚えているなん
〉て事にはなかなかなりませんからね。

私、表現あんまり気にしてません。
言いたいことを過不足無く伝えられたらそれで十分と思っているので…。
(・_・;)

〉 ちょっと、話が長くなりました。

〉 つまるところ何が言いたいかというと…英語的にしっくりくる表現というのは、
〉それなりの語数を読んできたタドキストなら閃く事もあるでしょう。ただ、自分
〉が読んで意味が分かる語彙・表現と、自分が書いたり話したりする時に使える
〉表現は、脳の中でのしまわれ方が違うので、自分がある表現を使うのに適切な
〉状況・文脈の中で、その表現を思いつく事で、一旦脳の中からその表現が取り
〉出され、再び別の(自分の言葉として使えるような)場所にしまい直されるという
〉事が起こる、と考えると、分かりやすいと思います。

〉 ただ、一旦しまい直されたからといって、それがいつでも使える自分の言葉に
〉なるかどうかは、また話が別ですよね。人間の脳ってのは、一度で全てを覚えら
〉れるほど自由自在には出来ていないので。ですから、自分の writing なり
〉speaking なりを豊かなものにしていきたいと思うのだったら、繰り返し繰り返し
〉何回もその表現を使っては脳にしまい直す事で、自分の頭に焼き付けていく必要が
〉ある、と私は考えています。

〉 言い方を変えると、これはたとえば、多読において、たくさんの英語を読む事で、
〉色々な語彙や表現の Usage が、使われる状況・文脈と共に脳に焼き付けられて
〉いくのと同じ事です。
〉 
〉 
〉 あと、特にお伝えしておきたい事があるのですが…

〉 まず、『どう書こうか』と自分が考え込んでしまった時は特に、日本語特有の
〉言い回しに影響を受けがちなので、注意が必要です。

〉 これは、なぜそうなるかというと、主に『何かを伝えよう・表現しよう』と
〉思った時に頭の中が主観的になっていたりする、という事や、『そんな言い方・
〉言い回しは英語には存在しない』という事が書いている人それぞれで分かって
〉いなかったりするせいです。

〉 私の場合は特に、深く考えてから書き物をする事が多いので、こうした日本語
〉でしか意味をなさないような言い回しの影響を受けないようになるまで、その
〉問題を意識して取り組み始めてから一年以上掛かりました。その間、『日本人が
〉陥りやすい誤り』のパターンを知るために、他人が書いた英文を添削したり、その
〉かたわらで自分でも色々な文章を書いて、やっとそうしたものが出てこなくなり
〉ました。

〉 人によっては、これが問題となりにくい人も多いと私は思っています。speaking や
〉writing をする時に、どういう風に言いたい事を練りだしてくるか、その頭の使い
〉方は人それぞれですから。ただ、そういうクセがある人は、なかなか治りにくい
〉可能性があるので、そういう人は要注意だと思います。

〉 次に、これは意外なほど、世間で言われていない事なんですが、日本語と英語
〉では『文脈の建て方が大きく異なる』という点です。

〉 たとえば、英語だと、Why am I writing this? Because 〜 といった言い方を
〉します。でも、日本語で『なぜ私はこれを書いているのでしょう?なぜなら〜』
〉といった言い回しがされているのは主に訳書で、私たちは日常的にこういう言い方
〉をしたりはしません。

〉 なぜ私がこの点に着目しているかというと、こうした言い回しは話の進め方・
〉組み立て方の問題(それを『文脈の建て方』と言っています)であり、各々の
〉センテンスに内在する thought を的確・適切に表現する事とは別次元の問題
〉だからです。

〉 たとえば、英語で全てを書き下せない場合、確かに、日本語で言いたい事を
〉まとめてから、英語に直していく、というのも一つの有効な手段だと思います。
〉私も、多読を始めるだいぶ前に、英語のメールを仕事で書くようになった頃、
〉同じ事をしていました。それから半年ほど経ったら、直接英語で書けるように
〉なりましたけどね。ただ、そうしたやり方だと、なかなか『英語らしく響く文章に
〉なって来ない』理由としてこんな事もある、という事をお伝えしておきたかった、
〉という事です。

良いこと聞いた!
半年くらいで直接英語で書けるようになったんですか。
φ(..)メモメモ

〉 結局、Kenyさんの聞きたかった様な話の内容にはなっていませんが、なぜ
〉そうならざるを得ないのか、という点に関しては説明をしたつもりです。
〉ご理解いただけるといいのですけれど…

〉 それでは、Happy Writing で♪

とっても有益なアイデアを沢山ありがとうございました。
さっそくやってみます。


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2364. 意外な箇所に反応が…

お名前: ドラちゃん http://dorataoku.blog37.fc2.com/
投稿日: 2010/6/22(12:48)

------------------------------

 Kenyさん、こんにちは。ドラです。
 意外なところに反応されたので、ちょっと驚きました。

〉〉 この件ですが、どこまで書くべきか、考えがまとまらなかったので、
〉〉コメントするのが遅くなりました。
〉申し訳ない。
〉私自身が漠然としか問題を捉えていないのです。

 いや、いいんじゃないでしょうか? 最初は漠然としていても、誰かが
こうやって反応してくれて、少しずつ自分の考えが明瞭になってくる部分
があれば、ね。

〉〉 ちょうどこの下に、久しぶりにこちらの掲示板に書いたコメントがあり
〉〉ますが、これをちょっと読んでいただければ分かるように、ここ二年ほど、
〉〉私は『お前は英文専攻の学生か?!』と自分でも突っ込みたくなるほど、
〉〉言語としての英語を勉強しています。Kenyさんがここで話したい話は、
〉〉そちらの方面ではないというのは分かるので…それでちょっとどういう話
〉〉の仕方をするかを考えざるを得なかったという事です。
〉私は逆に言語を道具としか見れません。
〉なので、使えればOK。
〉でも、言語としての英語のお話は楽しく拝見しています。
〉自分と違う考えの人のお話は面白いです。

 なるほど。

 書く事と話す事、Kenyさんがどちらの方向に進みたいのかも分かって
いませんし、どの程度微妙な・複雑な事まで伝えられるようになりたい
のかも分かっていませんが、『相手に伝わればいい』というレベルで
あっても、それなりには苦労するとは思います。

 私はここ一年以上ずっと、英語母語話者の人達と交際している若い人達が、
メールにどんな書き方をしたらいいのか分からなくて、『こういう事が言い
たいのですが、こんな風に書いたら通じますか?』といった類の質問して
いるのを見ています。彼女らの英文は、文法誤りはそれはヒドいものなん
ですが、それでも『これなら通じるだろうな…』と思う事も多いんです。
というのは、さすがに交際しているだけのことはあって、言葉の usage が
その局面に見合った使い方になっているから、なんですね。

 でも、その反面で考えてしまうのは、そうした内容は比較的素直な気持ち
を表しているから通じるのであって、より微妙な内容・より込み入った内容
を表したい時には、言葉の usage の確からしさと共に、文法的な正確さも
ある程度確保していかないと難しいだろうな、と思うのです。

 もちろん、これはKenyさんが『そこまでは求めていない』という事でした
ら、関係ないことなんですけれどね。

〉〉 ちなみに、Kenyさんと同じような事を考える人達はいるようで、たとえば、
〉〉さかいせんせーが、たしか2年ほど前から『多読的 speaking と writing 』
〉〉に関する試みをしようとしています。どんな感じにやろうとしているかなど、
〉〉詳細は私もよくは知りません。ただ、そういうやり方でどの程度の成果が
〉〉上がるかに関しては、私には大きな疑問があります。多読と同様に、軽い
〉〉タッチを保って、参加者のモチベーションを傷つけない、という効果は、
〉〉やりようによっては出るかもしれませんが…
〉「こども式…」と呼ばれているものでしょうか?
〉酒井先生のWEBでの活動は拝見しました。
〉まだ、多読ほどの成果は得られいないようですね。
〉きちんと教育システムとして確立されると嬉しいです。

 そうですね。

 私が思うに難しいのは、『自分が書いたもの・言ったことに含まれる誤りや
不自然さに対する気づき』をどうするか?という点で、でも、これをクリア
しないと、多くの人にある程度以上の成果を出せるようにするのは難しいと
思います。

 たとえば、母語話者の子供の場合、誤った言い回し・不自然な言葉の使い方
などは親や学校の先生・周りの大人達が、明確に指摘して直させたり、あるいは、
自然な会話の中で直していきます。たとえば…

子供:"I ate up all of the apple."
母親:"You ate the whole apple? That's great, honey."

# この会話例は、以前にアメリカ人の
# 友人と文法についてメール越しに
# 話していた時に彼女が書いてくれた
# ものですが…(汗)

 しかし、多くの英語母語話者は、Grammar Nazi と呼ばれている様な、
『頼まれてもいないのに、他人の文法誤りを指摘しまくる様な』一部の例外
を除いて、母語話者でない友人に対して、その誤りや不自然な言葉の用法を
指摘するのを非常に嫌っている印象があります。その相手を embarrass する
事に繋がる、という意識があるのでしょうね。

〉〉 たとえば、英語で全てを書き下せない場合、確かに、日本語で言いたい事を
〉〉まとめてから、英語に直していく、というのも一つの有効な手段だと思います。
〉〉私も、多読を始めるだいぶ前に、英語のメールを仕事で書くようになった頃、
〉〉同じ事をしていました。それから半年ほど経ったら、直接英語で書けるように
〉〉なりましたけどね。ただ、そうしたやり方だと、なかなか『英語らしく響く文章に
〉〉なって来ない』理由としてこんな事もある、という事をお伝えしておきたかった、
〉〉という事です。

〉良いこと聞いた!
〉半年くらいで直接英語で書けるようになったんですか。
〉φ(..)メモメモ

 あれっ?ちょっと思わぬ所に反応されちゃったなぁ…

 この『日本語でまとめてから』というのは、あくまで、どうしても自分が言い
たい事が込み入ってしまっていて、ひもとけなくて困っているのだが、どうしても
伝えたいことがある様な場合にはこういう事も助けにはなる、ということで
書いたんですが、でも、私はこういうやり方をお勧めはしません。

 以前に、Kenyさんとは、『対訳の様なものを使って、日本語脳と英語脳を同時に
使うと、具合が悪くなることがある』というお話をしたことがありましたね。
それで、その時にKenyさんにも同様の経験があった、というお話を聞いた覚えが
あります。

 実は、この『日本語→英語翻訳』的なやり方をすると、逐語訳であろうが、意訳
であろうが、あれと同じ事が起こります。私自身、英文添削をしている間に、自分
を実験台にして期間をおいて何回か実験してみたのですが、日本語を先に書いても、
英文を先に書いても、やはり、英語脳の具合が悪くなるんですよ。つまり、それを
すると、その後、しばらく(程度にも依るが、1〜3週間くらいか)頭がとても重たく
なって、英語の閃きが悪くなります。その間は本を読んでいても、面白さが半減
する感じです。

 その頃は、私も相当自虐的に、半ば『訓練だと思って』何回もそれを繰り返して
みたのですが、ここ数ヶ月はむしろ、日本語脳が干渉しない様に英語脳を使う方向
でやっています。その方が、やはり健やかな感じがしますからね。

 なので、その自虐的経験で、私の英語脳が打たれ強くなったかどうかは、私も、
実は結論が出ていません。そのうち、また機会があったら試してみると思います
けれどね。今は、せっかく毒気が抜けているので、しばらく健やかに育てることで、
どの程度成果が上がりやすくなるかを試したい時期ですから。
 
 
 Kenyさんもせっかく100万語通過したことですので、(あっ!遅ればせながら、
100万語通過おめでとうございます♪(汗々))、アブナイ事は回避して、これからも
うまくご自分の英語脳を育てていただければ、と思います。


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