モニター仮説

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2267. モニター仮説

お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/21(09:23)

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お待たせしました。
先週は土曜日まで仕事が入っており、
日曜日は家族で遠出をしていたので、
なかなか投稿できませんでした。

でも Krashen 教授の著書は何冊か手にすることができたので、
参照しながらお答えします。

意識的な学習を通して覚えた言葉の知識は、
正しい言葉づかいや文章を推敲・編集するときのモニターとしてしか機能しないという意味のことを、
Krashen 教授は何度か言っています。

これに対する反論は、
誰でも単語の知識を文法規則にあてはめて話したり書いたりしているはずというものです。
たしかに、
日本の人が英語を話したり書いたりするばあい、
そういう風にやっている人が大部分かもしれません。
これだと分速300語に達することはないでしょう。

ただし、
子どもが直感的に喋るばあい、
文法規則や辞書的な知識を組み合わせて喋ったりはしていないと思います。

されに、
モニター機能を使いすぎると、
却って output が難しくなるとも、
Krashen 教授は言っています。
これも個人的に思い当たる例を知っています。
英文法や英文学について専門的な知識があるけれど、
決して英語では喋らないという先生は、
90年代まで日本には沢山いらっしゃいました。
無意識に身につけた英語の勘に対して、
意識的に学んだ知識が多すぎたのかもしれません。

一方、
意識的に学んだ知識を使わずに喋ったり書いたりすれば、
ときどき言い間違いや書き間違いをすることもあります。
これは僕たちが日本語を使うときにもあることです。

流暢さをもたらす勘と、
意識的に制御する知識とを、
上手に組み合わせる使い手もいますが、
そういう理想的な使い方のことを Krashen 教授がごく簡単にしか触れていないことに不満を感じる人もいるようです。
この点は今後の課題とすべきでしょう。

この仮説に対して個人的に考えているのは、
無意識に獲得した勘にもとづくモニター機能もありうることです。
文法的に説明はできないけれど、
その表現には何となく不自然さを感じるとか、
まじめな文章の中でそういう表現に出会ったことがないと感じることがあります。


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▼返答


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