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Stolen Focus : Why you can't pay attension and how to think deeply again | ||||||
Johann Hari | ||||||
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YL(平均) | 7.0 |
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お薦め度(平均) | ★★★★★ |
シリーズ名 | |
総語数 | 87,000語 (概算) |
その他詳細項目 | |
出版社/ , 種類/一般, ジャンル/Nonfiction:体・健康 , 自然科学, 総ページ/ページ, メディア/書籍:ISBN 9780593138526(059313852X), 言語/English, 価格/18.1 US$, サイズ/, 縦mm× 横mm 厚みmm 重さg, 装丁/ペーパーバック, 主対象年齢/ , 初版発行年/2022, 備考/Kindle版ASIN : B093G9TS91 |
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音源 | [音源情報はありません] |
邦訳 | [邦訳出版物情報はありません] |
映画・ビデオ化 | [映画・ビデオ化情報はありません] |
書評委員のお薦め度:★★★★★ 読みやすさレベル(YL):6.0 ~ 8.0 |
長い本を読めない、気が散るなどの症状に悩まされ、記者でもある著者は海岸に家を借り、ネット断食を試みます。でも、元の生活に戻ると、やっぱり元に戻ってしまう。注意力が減ったのはなぜか、そうすると人類はどうなるのかと考え始めます。
ネットは今のようにデザインされる必要はなかったが、一番儲かるようにして、つまりは人の注意を長く引き付けることで利益を最大化している。一人一人が頑張ればいいというのは迷信で、シリコン・バレーには心理学の最新結果をもとに人の注目を引くことを仕事にしている人がいる。基本は人を怒らせたり怖がらせるものを目につきやすくすることで、フェイクニュースが増えて、民主主義も危機に陥っている。 他にも、睡眠時間が減ったり、金銭の心配をすると注意力が落ちる。ただし、子どもの睡眠不足はどんよりするのではなく、多動になる。睡眠の研究者に人が十分に睡眠をとったらどうなるか聞くと、「経済が回らなくなる。人が起きている時間を長くし、生きている間により金を稼ぎ、金を使わないと困る」とあっさりと言われます。 環境汚染によるホルモン異常、食べ物(特に糖分の取り過ぎ)によるADHD様症状、危険にさらされたため、わざと一つのことに集中できなくし、「クマが出たらすぐわかるようにした」症例と、ネット以外の原因も。 アメリカ人が太り始めた時期、食べ物が変わり、歩き回ったりできない都市計画が進んだ。その中で一人一人の意識の持ちようだと言い続けずに都市計画を変えれば、すでにみんな痩せていたに違いない。しかも、ダイエットに失敗したのは自分が弱いせいだと落ち込まないですんだに違いない。今試すべきはそういったアプローチで、一人一人のデジタル・デトックスだけでは充分ではない。 誰が得をするか考えろというのが、以前読んだ推理小説の刑事さんの口癖でした。この著者はそこに常に忠実な人ですね。【柊】 |