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田宗秀隆さん
東京大学医学部医学科6年生
開成高校卒
SEGでは数学・物理を受講。
趣味はフットサル。中高ではサッカー部でした。2月の国家試験に合格できたら来年からは研修医として働きます。

東京大学医学部医学科6年生の田宗秀隆さんに、お話を伺いました。医学部ではどんな経験をされたのでしょうか。そして将来の道とは……?

物理から生命科学へのシフト

田宗さんは理Iから医学部に進まれたんですよね。おそらく大学入学時には医学部を希望していなかったということだと思いますが、どうしてそのような進路選択をしたのですか。

SEGに物理チューターとして勤務を始めたのが大学1年生の夏なんですけれど、その頃は理Iから、理学部物理学科に進もうと思っていました。でも、理学部物理学科に在籍しているチューターの先輩がすごすぎて、自分が理学部物理学科で研究者としてやっていけるのか不安になったんです。
あと、私の学年から大学1年生のときに生命科学が必修になったんですね。大学受験のときは物理・化学受験だったので、生命科学って高校生のときには詳しく勉強したことがなかったんですけど、勉強してみたらすごく面白いと思ったんです。それで生命科学の研究をしたくなって、秋冬学期に生命科学のオムニバスの講義※を受けたのですが、その中で一番感銘を受けた廣川先生が、調べてみたら医学部長だったので、「こういう研究は医学部でやってるんだな」と思ったのが、医学部に進学しようと思った一つのきっかけです。
結局、SEGの物理チューターの先輩で、理IIIから医学部に進んだ方や、理学部物理学科の方にお話を聞いたりして色々と考えた結果、最終的に医学部に決めました。生命科学の分野の研究をしたくて医学部に行ったんです。
※ひとつの科目を様々な分野で活躍する数名の講師が交代で行うリレー式の講義のこと。

感銘をうけた医学部長の授業はどんな内容だったのですか。

医学部長は解剖学の先生で、その授業は細胞骨格の生物物理に関する内容でした。あまり耳慣れないかと思うんですが、生物物理っていう分野がこの世の中にあって、細胞の中の動きを物理的に解明するっていう仕事なんですね。私はそのときまで全くそういう分野があることを知らなかったのですが、生物のなかでも数学や物理できれいに説明できる現象が結構あるということを知って、おおこれは面白いなと。やっぱり物理が好きなので、興味を持ったんだと思います。
そういうことをきっかけに、医学部という選択肢が出てきました。生命科学のほうが、物理に比べると広大な未知の分野が広がっていて、それが面白く感じたんですね。研究においても、物理だと本当に天才じゃないと大発見は難しそうに思えたんですけど、生命科学はわかっていないことがたくさんあったので、これは自分でも張り合えるんじゃないかな(笑)、と思いました。面白そうなことだらけ、わからないことだらけ、で。

医学部に進んでから、やりたかった研究はできましたか。

さっき解剖学という話をしましたが、東大では解剖学講座のなかに神経細胞生物学教室という研究室があります。教授は廣川先生の弟子でもある、岡部先生という方なんですが、そこで研究もちょこちょこと学びながら医学部の通常カリキュラムをやっていました。

この研究はオプションなんですか?

はい、通常のカリキュラムには含まれていない、オプションの位置づけです。MD研究者(※)プログラムというのがあって、我々がそのプログラムの1期生なんですね。とにかく前例が無いことだったので、実際の細かいプログラムの内容は自分達が作るというか、作りながらプログラムに乗っかっていくという感じでした。
※医師免許を持ったうえで研究をする人をMD(Medical Doctor)研究者という。
参考:http://www.ut-mdres.umin.jp/

それは大変だったでしょうね!

教員は大変だったと思います。学生達はみんな楽しく好き勝手にやっていました(笑)。結構自由にやらせてもらえました。大学院生とかに比べると実験にかけられる時間も短かったので、なかなか結果を出すのは難しかったですけど、研究っていうのはこういうものだっていうのが、わかったような、わかっていないような……(笑)。

研究とはどういうものなんですか?(笑)

中学生・高校生が経験するのは、決まっている答えがあってそれを解いていくということが多いと思うんですが、研究というのは、わからないことに対して挑んでいるから、実験のほとんど、大体9割以上は失敗なんです。人によっては99.9%失敗ともいいますね。
本当にひとにぎり、たまたま成功する実験があって、そういう研究成果のみが教科書に残っていくということだけはわかりました。

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