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亀井亮佑さん
東京大学医学部医学科4年生
筑波大附属駒場高校卒
SEGでは化学・物理を受講。
好きな食べ物は唐揚げ。寝ることが好き。

東京大学医学部医学科4年生の亀井亮佑さんに、お話を伺いました。医学部に入って、どんなことをしたいと考えているのでしょうか。また、中高時代に育んだ力についても伺いました。

大学入学後に決めた進路

今、医学部で毎日どんなことをしていますか。

東大は最初教養学部があって、2年目の後期から医学部での授業になるんですけど、3年目で基礎系の科目、4年目で臨床系の科目をやって、5・6年で実際に病院に行って科を回るということをします。僕は4年生なので、今は臨床の授業をひたすら受けています。

亀井さんは理IIから医学部に進まれたんですよね。おそらく大学入学時には医学部を希望していなかったということだと思いますが、どうしてそのような進路選択をしたのですか。

中学の頃に僕は理系かなって思って、高校になってそれを生物にしぼって、大学に入ってじゃあ分野をどうしようという感じだったんですね。
生物は、ここ50年くらい、学問としての進展のスピードがものすごく速いんです。僕が中高のときに勉強した受験範囲の生物は、今の生物学とものすごく離れちゃっていて、本当に遠いところにあるんですよ。どれくらい速いかというと、DNAの二重らせん構造の発見が1953年で、僕が産まれた頃に遺伝子を扱う画期的な技術ができて、2000年頃にヒトゲノムを読み終わって、もうあと何年かしたら1人のゲノムが$1000で読めるという話も聞きます。
僕はそういうことをよく分からずに、とりあえず生物やりたいなと思って漠然と大学に行きました。そういう意味で、東大の進振り制度(※)は、教養学部の最初の1年半の間に、学問としての生物学が現在どういう状態にあるのかというのを学べたので、良かったと思います。必修の授業だけというわけではなく、いくつか意欲的な学生対象のカリキュラムがあって、例えば研究室に1週間配属されるとか、毎週1回研究所に行くとか、そういうプログラムに参加したりしてたんです。そういう中で生物学の進みの流れみたいなものをなんとなく理解できたような気がします。
そこで、1つは研究っていうのは思ったよりも大変そうだなと思ったのと、もう1つは、次の時代は医学なのかなと思ったんです。まず後者から話をします。
※進振り:東大では、2年生までは「教養学部」です。進振りとは、2年夏学期までの成績を元に、3年からの進学先を決めることができる東大独自の制度のことです。

分子生物学(ミクロ)と医学(マクロ)のギャップを埋めていきたい

ここ50年、実質的には2、30年で、分子生物学という分野(生命現象を分子レベルで議論する還元主義的な分野)が一気に進展しました。一方で、それとは独立して古くから続く、医学という学問の流れがあって、こっちは原因はあまり考えずにアウトプットを重視する学問なんです。この病気ではこういう症状が出る、とか、こういう時はこの薬が効く、とか、そういったマクロなレベルの事実がものすごくたくさん蓄積されてきているんです。分子生物学も医学も、見ようとしている現象は同じです。ただそれをミクロな側から掘り進めるのが前者、マクロな側から掘り進めるのが後者なわけですが、ようやく両者が統合される時代になってきたような気がしています。
僕は、そのトンネルをつなげていくところをやっていきたいと思っているんですよ。
細胞の中には遺伝子が22000くらいあると言われていて、それくらいしか機能できるレパートリーがないわけですよね。でもそれがものすごく複雑に組み合わさることによって僕らの体はできている。それは本当に生物の魅力だと思うんです。1つの受精卵からうまく分裂して、機能が分かれて体ができてくるわけで、それは本当にすごいことだと思います。
でも、1個の遺伝子の形が分かって、こんな機能がありそうだということが分かったとしても、それが人間の個体レベルでどうなるかというのは簡単にはつながってこないんですね。だからまだ、細胞と個体の間にはすごく大きなギャップがあるね、というのはこの時代の生物学に関わるみんなの共通認識だと思うんです。

生物学の中に分子生物学と医学があって、それぞれで扱っている細胞レベルの話と人体レベルの話がなかなか結びついてこないというでしょうか。

そうですね。生物学全体の抱えている問題として、「こういう病気のときにこういう症状が出る」というのと、「そのとき細胞の中では何が起きていて、どうしたら解消できるか」というのがかけ離れているという感覚です。
僕は中高の頃から研究をやりたいと思っていて、大学の中でいろいろ見る中で、研究をすることでそういうギャップが埋められたらいいなと思うようになりました。そしてそのためにはマクロの側をしっかり知らなくちゃって思って、それには医学部しかないんだと思って医学部に来たんです。
話は戻りますが、医学部に来たもう1つの前者の方の理由は、研究が予想以上に大変そうだというのが分かって、それを支えるモチベーションが欲しかったんです。研究はロマンだし魅力的なんだけど、僕はもともと飽きっぽいので、細胞とにらめっこしてるのは途中でやる気がなくなってしまうかもしれないと思ったんです。でも医学部での研究というのは、実際に苦しんでいる患者さんのために行うわけで、それを治すために自分はやっているんだと思えば、辛いときにも支えになるのではないかと思ったんです。
サイエンスは好奇心だけでやるべきだということを言う人もいるかもしれませんが、僕にはなかなかそれは厳しいので、自分がやっていて正しいんだと思える分野をやることが、一生やっていくためには必要かなと思いました。

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医学部2号館本館まえで
後ろに見えるのは医学部2号館本館です。

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