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卒業して分かった麻布のありがたさ

中高時代も将来の進路について考えていましたか。

いや、高校のときは大学に入ってから考えようと思ってまったく考えていませんでしたね。東大は教養課程があるしいいや、みたいな。現状がつまらないなら考えたかもしれないけど、現状がすごく楽しかったので、あまり先のことを考える必要がなかったように思います。
当時も麻布は好きだったんですが、麻布がすごいのは卒業して何年かたったくらいのときにありがたさが分かるレベルの環境があることだと思います。麻布って自由だ自由だって言われてるじゃないですか。最初はそういう、無法地帯っぽさがこの学校の良いところなのかなと思っていたんですよ。でもそうじゃなくて、麻布はやりたいことができるようになってるんですよ。例えば文化祭とかなんですけど、生徒のやりたいことを爆発させるベストな環境と時間があるんです。最近よく友達とかと「1年くらい自由にやれる時間がほしい……!」とかモラトリアム大好き大学生みたいな話をするんですが、まさに今自分たちが求めているものに一番近いのが麻布の環境だとふと気づく時があります。

自分のやりたいことを出せる場があるということですかね。

そうですね。やりたいことを最大限やらせてあげるためにわざと最低限を下げているんです。例えば麻布は勉強するのもしないのも本人に任せられています。その代わり、好きなこと見つけてそれに精を出して生涯の財産作れっていう意味での「自由」を与えられているんだと思います。
だから逆にいうとその「最低限」に甘んじてるだけだと麻布では大損です。
授業サボるなら何かやれ。特にやりたいことないなら勉強ガチでやれってことですね。中高時代ってどうしても「勉強しまくるやつはかっこわるい」「勉強しないで良い点取ったやつはかっこいい」みたいな風潮があるじゃないですか。今考えるともったいないなって思います。麻布は問題集みたいな課題はあまりなくて、大学のレポートみたいなのが多いんです。例えば、北方領土について参考文献コレとコレ読んで適当に書きなさい、という課題や、社会科で高1の1年間でなんでもいいからテーマを見つけて論文を書きなさい、とかです。まあ適当に書きなさいって言ったら大概みんな適当に書くんですけど(笑)、ちゃんとやれば絶対スケールの違う成果があるはずなんです。あまり適当に済ませるべきじゃないものがあまりに多くて、ちゃんと本気でやれば一生ものだし、そういうことを潤沢な時間を使ってできるのは人生でそれが最後なんですね。

先生が大人扱いしてくれるんですね。

こっちはちゃらんぽらんなんですけどね(笑)。本当に今考えると惜しいです。適当に済ますことがいかにダメかということがこの年齢になって分かりました。

SEGは、将来へと繋がる方向にレールを伸ばしてくれる

麻布で楽しく過ごしていたのにプラスして、さらにSEGに通いはじめたのはどうしてだったんですか?

友達が通っていたのがきっかけです。あと理系科目が苦手だったんです。変な話ですよね、今は物理学科にいるのに。SEGは通ってたときは授業の充実度が高くて新鮮で楽しかったです。それまで学校の授業でもわりと満足してたんですけど、やっぱりSEGは教えるプロじゃないですか。レベルが全然違うと思いました。教える内容というより教え方がすごくうまいな、これは通っていれば力が伸びるんだろうなって思っていて実際その通りになりました。物理の椿先生には感謝しています。
大学入ってから、家庭教師とか塾講師とか色々やった後、別の目線でSEGを見ると、また違ったような感想を抱きました。教育理念みたいなのが素晴らしいなと。教科書に書いてないからやらない、とかそういうんじゃないところ好感を持ちました。物理とか化学って、受験で勉強したらもう一生使わない人もいると思うんですけど、それってもったいないですよね。「せっかくかじったのに、一番面白いところやらないで終わっていいの?」って思います。でも、SEGは、例えば将来その勉強を独学でやりたいと思ったときに、それが可能な方向にレールを伸ばしてくれる感じがあって、それが他の受験塾と違うかなと思いました。

嬉しいことを言っていただいてありがとうございます。今、将来についてはどのように考えていますか?

この先は規定のレールに全力で乗っかってがんばって修行して研究者になりたいと思います(笑)。人類を代表して自然の未知に挑むその要員になるのが夢です。
あと、先生になりたいです。教授になるとかではなく、大学の物理を分かりやすく教えられる人になりたい。というのも物理学科入りたての頃は入りたてということを差し引いてもとても分かりやすいとは言えない講義がありました。授業は聞いても分からない、勉強しても効果がない、時間だけ過ぎる、という散々な感じでした。あの頃はすごく鬱でしたね。だからその経験をもって自分は物理を教えたいです(笑)。

分からないことは質問しよう!

それはぜひ授業を受けにいきたいです! あっでも大学レベルの物理か……(苦笑)。

最初にSEGで授業受けてからくれば大丈夫じゃないですか(笑)? あ、あとそういえば大学に入ってから授業ごとに「分からないことリスト」を作ってます。それを授業後先生に聞いて、全部つぶしていくんですね。なので分からなかったところを書いたものに、答をつけたものが、気づいたら勝手にたまっているんです。それを見ると何がわかったかはもちろん、「何が分からなかったか」も分かるんですよ。大抵人間ってわかったあとは、自分が何が分からなかったか忘れちゃうんですが、これのおかげで分からない側にいた頃の自分の気持ちを忘れないでいられます。先生になるために意図してやっていたわけではないんですが、ラッキーでした。こういうのを大事にしてこうと思います。あと勉強法としてもこれは最強だと思います。

確かに! それはすごい財産ですね! それは大学1年のときからやってるんですか?

一応高校の時からやってはいました。大学の時から分からないことがすごく増えたので、そこからちゃんとリストに残し始めました。質問の問題解決力は驚異ですね。なのでSEG生に何か1つ言えって言われたらこれを言います。「分からないことがあったら、聞け」

そもそも「どこから、どう聞いたらいいか」というのが分からないことが生徒は多いんですよね、きっと。

僕もそれは最初あって、自分も考えがよくまとまってないまま聞きにいくと、相手もよく分からないことを言い出すんですよ。で、別にこれが聞きたいわけじゃないと(笑)。お互い不幸じゃないですか、向こうは時間の無駄だし、こっちはよくわかんないし。だから聞く前には、自分の頭で理解できる範囲まで整理してから、聞きに行きます。相手が、自分が何が分からないのか一発でわかってくれるような聞き方をできるように日々努力が必要です。

でもそれはすごく力になりますね。

そうなんです。あとはこれだけ聞けばいいや、っていうところまで整理すると、それは実はほとんどわかってるんですよね。あとは知らない知識を埋めてくれっていうだけ。そこまでくると大体解決してることが多い気がします。とはいえ、整理できてなくても放置よりは確実に質問した方がいいです! 是非質問してください!

では最後に、これから中高に入学する生徒たちに伝えたいことはありますか?

勉強は人生において極めて大事です。でもやる気がでるまでは、無理にやらなくていいと思います(笑)。成績が悪いからとか、親に言われたからとかそういう理由だと絶対そんなにエンジンがかからないです。だから自分のために勉強する理由を見つけて、そのスイッチが早く入るようになんとかなってください。僕は割と最近でした。ちなみにスイッチ入るまでは意外とくだらない理由のほうがモチベーション上がることもあると思います。「次のテストで満点取ったら佐々木希と結婚できる」って思ってみるとか。

陳さんの「分からないことリスト」
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