1000万語と多読2年の報告です。

[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/5/12(11:27)]

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[報告] 3672. 1000万語と多読2年の報告です。

お名前: ポロン
投稿日: 2004/10/9(22:11)

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こんにちは。ポロンです。

台風で嵐の今日。みなさんのおうちは大丈夫だったでしょうか?

10月9日は、私にとって多読記念日。(^^)
2002年のこの日、Penguinのレベル0を読んで多読を始め、今日で2周年を
迎えることができました。
語数は、9月の終わりに1000万語を通過しました。
好きな本を読んでいたら自然に到達していた、という感じだったので、
1年前からすれば、ずいぶん肩の力が抜けたんだな、と思います。

1000万語読んだからといって、「ものすごいことになっていた」
ということはありません。(期待したみなさん、ごめんなさい!)
でも、今の気持ちはしあわせでいっぱい♪
読むことも聞くことも、生の英語をいっぱい楽しめるようになって、
こんな風になれた自分がうれしくてしかたありません!(^○^)

本を読めるようになっても、はたして英語力がついているのか?
自分でもよくわからない、という声をよく聞きます。私もそうでした。
でも、この2年間を振り返ってみると、確実に読む力、聞く力は
ついたと思います。
1年2ヶ月報告していなかったので長くなりますが、まとめて
報告させてください。

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■読むのが楽しくてしょうがない♪
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ここ半年くらいは、ミステリー系のPBを中心に読んでいます。
1ヶ月に4冊くらいのペースです。
少なくとも、本の選び方だけは日本語の本を選ぶのとさほど変わりが
なくなってきました。
PBを読み始めた頃は、1冊読むのに気合が入り、なるべく時間のある
ときを選ぶとか、読み終わったあとは疲れて児童書に手がのびるなど、
自然にパンダ読みになっていました。
今は、PBを(少なくとも気持ちだけは)続けざまにむさぼり読む、
という状態です。
読むのが楽しくて楽しくてたまりません♪
好きな本だけ読んでいたら、いつの間にかこうなっていました。

去年の2月にGrishamの「The Client」が読めたときも飛び上がるぐらい
うれしかったし、はじめてConnellyを読んだときも、「こんなミステリー
が読めるようになったんだ〜」と自分で自分をほめました。(笑)

でも、今の気持ちはそれ以上です。もっと深いところで喜びを
かみしめています。ちょっと言葉では言い表せません。
多読を始めたときには、よもや2年後に今のような読み方ができる
ようになっているなんて、思ってもみませんでした。
「ほんとにPB読めるようになるの?」っていう疑問さえあったんですから。(笑)

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■辞書をひきまくっても読めなかった
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我が家には、10年以上も前に買ったまま積んであるPBが何冊もあります。
その中の1冊に、ニューヨークタイムズのコラムニスト・Russell Baker
の自伝で「Growing Up」というのがあるんです。
ピューリッツァ賞受賞作です。

十数年前、英語を辞書ひきまくりで勉強していた時期があって、ニューヨーク
タイムズのコラムを読むなんて、とてつもない憧れでした。
名だたる新聞の署名入りコラムって難しくて、辞書をひいて訳語をつなげても、
全く意味不明の日本語になったものです。(笑)
そんなレベルで、名コラムニストと言われるこの人の自伝を読んでみようと
無謀にも思ったらしい。
でも、今本棚を見たら邦訳の文庫本も買ってあるのです。(笑)

やっぱり、読めなかったんです。

何百万語のときか忘れましたが、「Growing Up」を読んでみました。
イメージできます。情景がくっきり浮かびあがります。
ユーモアの中にペーソスがあって、味のある文章です。
今から思うと、なぜそのとき読めなかったのかが不思議なくらい、
簡潔でわかりやすい英語なのです。(レベル7くらい?)

読めなかったのに、いつの間にか読めるようになっていたんです。
そして、読めるようになったのは「辞書離れ」のおかげです。

短い文章に皮肉と逆説をたっぷりつめこんだ中から著者の主張を
読み取らなければならないコラムは、自伝よりはるかに手ごわいですが、
今なら全体の流れをつかみながら読むことができると思います。

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■まだ霧がかかっている。
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PBを読んでるからといって、日本語のように読めているかといえば、
そんなことは全くありません。(爆)
英語は、私にとっては外国語です。
どんな本を読んでいても、もやがかかっているような感じがあります。
知らない単語もいっぱいあります。
わからないところ、もちろんいっぱいあります。
レベル1ですら、外国語だと感じてしまいます。
1000万語読んでもこの程度です。

でも、作家の書いた原文そのままを味わえるというのは、なにものにも
代えがたい魅力です。
心の琴線にふれる言葉があって、それをストレートに受けとめられる
喜びがあるから、原書で読んでいます。
英語という言葉が大好きです。

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■生の英語リスニングを楽しめるようになった♪
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リスニングの力というのは、自分ではなかなか伸びが感じられない
ものですが、多読でリスニングも伸びたと思います。

多読前は、いわゆる英語教材しか聞いていませんでした。
耳のスタミナがないので長いものは聞けないし、スクリプトで確かめないと
聞いた気がしない。わからないところは飛ばせないので、生の英語なんて
ちっとも楽しめませんでした。

掲示板でBBCのBig Toeが話題になり始めた頃は、まだまだ聞けませんでした。
BBCにアクセスしてみるものの、朗読の1トラックが8分から10分。
ラジオ講座の短い会話分がせいいっぱいだった私には、そんな長いものは
すぐに集中力がとぎれて、ストーリーがつかめない。
スピードも速く感じました。
本も読まずに朗読だけでストーリーを追うなんて、私には無理でした。
まだまだだと落ち込みました。

でも、掲示板でのみなさんのお話が楽しくて、すべてわからなくても
Big Toeをともかく流したり、他のネットラジオも聞いてみるようになりました。
BBCやNPRなどなど。そのうち、お気に入りの番組もできました。
わかるところもあるのが楽しくて、聞きつづけました。

読んでおもしろかった本のオーディオ・ブックを買うようにもなりました。
一度読んだものは聞いてもよくわかるので、これはほんとうに楽しめました。
そのうち、読んだことのない児童書のオーディオ・ブックも聞くようになり、
レベル5〜6あたりの児童書ならストーリーを追えるようになりました。

半年前に関西から関東に引っ越してきました。
長年、憧れだったAFNを聞いてみました。
自宅では受信状態が悪く、雑音がかなり入るので、もっぱら
車を運転しているときに聞いています。

とうてい聞けないだろうと思っていたAFNが、聞けるところもあって
うれしかったー!
音楽の合間のおしゃべり、基地の人向けのお知らせ、スポットアナウンスメント。
あれ?けっこう聞けてるよ?ほんとかな?
Paul Harveyのニュース、最初は聞きづらかったのですが、癖に
慣れてからは語りがおもしろくなってきました。
でも、観客の笑い声が入るジョーク番組などは、なにがおもしろいのか
さっぱりわかりません。(爆)落ち込みます。
APネットワークニュース、よく聞き取れたと思うこともあります。
背景知識がないもの、あまりに速いものはついていけません。
でも、あのスピードとリズムが好きです。
まだまだこの程度のレベルですが、以前の私だったら、ネイティブ向けの
ものなんて聞けなかったし、ましてや楽しむなんてできませんでした。

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■コーンウェルのオーディオ・ブックにチャレンジ!
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児童書のオーディオ・ブックならかなり楽しめるようになった頃、
一般書ならどれくらい聞けるのか?と思い、Patricia Cornwellの
検屍官シリーズ「Body of Evidence」のunabridged版カセットを
買ってみました。

そもそも、一般書のオーディオ・ブックを耳だけで聞いて楽しめる人は、
よほどの英語の達人だろうと思っていました。
そんなことができるなんて憧れでもありました。

本は買わず、あらすじなども一切読まずにチャレンジしてみました。
殺人事件が起こり、現場の状況、被害者の人間関係など、作者から謎が
提示されます。カセット1本分聞いたところで、とりあえずどんな謎かは
わかりました。
でも、そんなに甘いはずがないじゃない?(笑)
どうせそのうち英語が難しくなって、わからなくなるだろうと思いました。
カセット3本聞いたところで、まだストーリーを追えていました。
あれ?もしかしていけるかもしれない、と不遜にも思いました。

わかるといっても、もちろん100%わかるなんてとんでもないです!
聞き方は多読の原則と全くいっしょ。わからないところは飛ばしてるんです。
とりあえず、あらすじがわかって楽しめればいい、という聞き方です。
科学捜査の難しい単語や難しい病名などもたくさん出てきました。
でも、聞くだけではスペルがわからないから、辞書もひけません。(笑)
ぼんやりと、こんなことを言ってるらしい、という理解で聞きつづけました。
また、ナレーターの声と語りが主人公ケイ・スカーペッタのイメージに
ぴったりで、聞いていてとても楽しめました。

それで、とうとうカセット9本、最後まで聞いてしまいました。
プロットもちゃんと追えました。いえ、細部はのがしていると思いますけど、
大筋のプロットはわかったと思います。
最大の謎が、ふたをあけてみたらどうってことないことだった…。

ここで大きな誤解を生むといけないので正直に白状します。(笑)
「Body of Evidence」のオーディオ・ブックは、発音がこれ以上ないくらい
クリアでスピードもゆっくりだったので、とても聞きやすかったのです。
(実は、聞いていてイライラするくらい遅かった:笑)
また、この作品は検屍官シリーズの中でも特に英語がやさしいんだと思います。
だから、聞いたといっても私にすごいリスニング力があるわけじゃありません。
聞くことは、本を読むことの数倍集中力が要りました。
私にとってはすごい「キリン聞き」だったんです。

どんなオーディオ・ブックでも聞いて内容がわかるのかと言われれば、
そんなことはとても無理です!(爆)
緻密な組み立てのプロットのミステリーなど、とうてい聞くだけでは
ついていけないと思います。

それでも、2年前コーンウェルのPBを読めるようになるのが遠い目標だった
私が、読めるようになったばかりか、オーディオ・ブックが聞けるようになる
なんて、夢にも思いませんでした。
PBをはじめて読めたときのようにうれしかったです。(^^)

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■多読とシャドーイングでリスニングが伸びた。
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リスニングが伸びたのは、多読とシャドーイングによるところが大きいです。
それプラス、多聴で音に触れつづけたからだと思います。

多読で読む力がついてくると、聞いていても下のようなことができる
ようになります。

1、聞こえてきたまま、英語の語順どおりに英語のまま理解できるようになる。
2、話されるスピード以上の速さで読めるようになると、聞くときも
  内容理解がともなって、スピードについていけるようになる。
3、わからないところを飛ばせるようになるので、耳がおいてきぼりに
  ならない。全体として何を言わんとしているのか、大意をつかめる
  ようになる。

あとは、音と文字が結びつけばいいだけです。
多聴でキャッチできる音が増えれば、聞きとれる範囲はぐっと
広がります。

シャドーイングでは、これまでに2回、大きな効果を感じたことが
ありました。

1、ひとつの素材を何度も繰り返しオーバーラッピングしたため、
  英語のリズム、イントネーションが体にたたきこまれた。
  英語の波に乗れるようになった。

2、苦手だったイギリス英語のシャドーイング(GRのJane Eyre)を
  3週間続けたら、イギリス英語がぐんと聞きやすくなっていた。

1のオーバーラッピングは多読前のことで、自己流のやり方でした。
今から思えば、テキストを見ながらのオーバーラッピングは音を
おろそかにしていたと思います。
でも、リズムとイントネーションはかなり体に染みつきました。
あまりに長くなるので、シャドーイングについてはいつか、シャドーイング
の広場に詳しく書きたいと思います。

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■リスニングの壁
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いくらネイティブ向けとはいえ、朗読は発音がクリアでスピードも
それほど速くありません。ニュースもしかり。
今聞けていない部分も、こういう英語はこのまま多読・多聴の幅を
広げていけば、ますます聞けるようになるだろうと思っています。
見通しは明るいです。

が、映画やドラマのことを思うと絶望的な気持ちにさえなってしまいます。
ニュース・朗読と映画・ドラマの間には、広くて深い溝を感じます。

ナレーション部分はよくわかります。
朗読テープと同じくらい聞きやすいです。
でも、セリフ部分で速いもの、音のくずれが激しいものはさっぱり聞けません。
DVDで英語字幕を出してみると、彼らはブレスなしで3センテンスくらい
平気でまくしたてている!あんなに速くてはかなわない……
映画やドラマのセリフが100%とは言いません、90%、いや、80%でいいから、
聞き取れるようになる日なんて、やってくるのでしょうか?
どんなドラマもフレンズくらいだとまだ希望が持てるのですが……。

でも、2年前を振り返ってみたら、聞こえてくる音の幅は確実に
広がっていると思います。
部分的にでも聞き取れる、わかるというのは、ほんとに楽しいです♪
今は聞けないところがあっても、
『今日はこのぐらいで勘弁しとったろ!』と思うことにしています。(笑)
 (↑間者猫さんの名言です^^)

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■1000万語読んで、自由になれた。
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報告を書くために、アウトプットに関してはどれくらいの力なのか
検証したかったのですが、数字が表すとおり読むことに片寄った2年
だったので、書く力、話す力についてはよくわかりません。
まだまだ水面下で英語がぶくぶくうずまいている状態で、あふれ出す
ところまではいっていません。
でも、たまに英語を書いてみると、(あくまで自分比ながら)以前より
ずっと英語が出てきやすくなっていると思います。
しゃべる方は、全然自信がありません。(大汗)

多読で英語の蓄積ができれば、そのあとは各自の目的、目標に合わせて、
さまざまなことをやっていけばいいと思います。
多読でしっかりした土台ができたあとは、辞書をひくのもいい、
音読するのもいい、精読するのもいい、文法だって必要かもしれない、
シャドーイングだって、自分なりの方法でやればいい。
書くこと、話すこともどんどんチャレンジすればいい。
何をやるのも自由です。
でも、何をやっても揺るがないだけの根拠と自信を、多読によって
身につけられたと思っています。
私は、1000万語読んで「こうあらねば」という束縛から開放され、
ほんとうに自由になれました。

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■本がそこにあるだけでしあわせ♪
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やりたいことはたくさんありますが、それでもこれから先、英語読書の
ない生活なんてぜったい考えられません。
多読で私の人生は変わりました。(笑)
もう、本がそこにあるだけでしあわせです!

これから、英語という言葉の大海原を、いよいよ泳いでいけるのだと
思うとわくわくします。
今、やっと準備運動が終わり、スタート地点に立てたところです。
でも、どれほど広い海でも、おぼれないだけの基礎体力はついたと思います。

こういう出合いをくださった酒井先生、ありがとうございました!
古川さん、まりあさん、マリコさん、ありがとうございました!
大阪、東京のオフ会で出会ったタドキストのみなさん、掲示板に参加
してらっしゃるみなさん、ありがとうございました!
大阪絵本の会のみなさん、ありがとう!

みなさんがいて、交流の喜びとたくさんの励ましとしあわせを
もらったからこそ、ここまでつづけてこられました。
うれしいです!
ほんとうにありがとうございます!!

これからも、ずっとずっと、よろしくお願いします!

あまりに長くなって恐縮なのですが、最後に、1000万語読んできた中で
最も心に残った本、作家に感謝をこめて、リストをあげておきたいと
思います。

Happy Reading!!! (^○^)/

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■大好きな本・作家
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◆GRベスト5
 ・Mary, Queen of Scotts (by Tim Vicary) OBW1
 ・Airport PGR5
 ・Les Miserables PGR6
 ・Great Expectations OBW5
 ・Jane Eyre OBW6
 
◆宝物の絵本
 ・Dawn (by Uri Shulevitz)
 ・Granpa (by John Burningham)
 ・ギルガメシュ王3部作 (by Ludmila Zeman)
   Gilgamesh the King
   The Revenge of Ishtar
   The Last Quest of Gilgamesh
 ・Time of Wonder (by Robert McCloskey)

◆いちばん好きな絵本作家
 ・Robert McCloskey

◆好きな児童書のシリーズ
 ・Oliver Pig, Amanda Pig シリーズ (by Jean Van Leeuwen)
 ・The Cobble Street Cousins シリーズ (by Cynthia Rylant)
 ・Catwings シリーズ (by Ursula K. Le Guin)
 ・Sarah, Plain and Tall シリーズ (by Patricia MacLachlan)
 ・Little House シリーズ (by Laura Ingalls Wilder)

◆感銘を受けた児童書ベスト10
 ・Owl at Home (by Arnold Lobel)
 ・Love That Dog (by Sharon Creech)
 ・Walk Two Moons (by Sharon Creech)
 ・The Velveteen Rabbit (by Margery Williams)
 ・Dustbin Baby (by Jacqueline Wilson)
 ・From the Mixed-up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler (by E. L. Konigsburg)
 ・Matilda (by Roald Dahl)
 ・Tom's Midnight Garden (by Philippa Pearce)
 ・A Traveller in Time (by Alison Uttley)
 ・His Dark Materials (ライラの冒険シリーズ)(by Philip Pullman)

◆大好きな児童文学作家
 ・Philippa Pearce
 ・Sharon Creech

◆PBに開眼した1冊
 ・The Poet (by Michael Connelly)
 
◆印象深い一般PB
 ・Gift from the Sea (by Anne Morrow Lindbergh)
 ・The Dead Zone (by Stephen King)
 ・Snow Falling on Cedars (by David Guterson)
 
◆これまで読んだ中で、別格で大好きな本・主人公
 ・Harry Bosch シリーズ (by Michael Connelly)


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