700万語通過です

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[報告] 3629. 700万語通過です

お名前: みゅう
投稿日: 2004/10/6(22:39)

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みゅうです。700万語の通過報告です。

10月6日、Around the World in Eighty Daysで700万語を通過しましたので、600万語通過以降に読んだ本を簡単にご紹介したいと思います。

一般PBをメインに読むようになり一冊あたりの総語数が多いので、100万語で読むことのできる冊数というのは本当に少なくなってきました。現在はMemoirs of a Geishaを読み始めていますがこれだけで18万語はありますし、他に読みたいものの語数をたしていくと次の100万語も(読む期間自体は3ヶ月超でこれまでと同じはずですが)あっというまのように思えます。SheldonとGrishamを柱に今回からはConnellyとArcherが加わってきましたが、他にMaCammonのSpeaks the Nightbirdも早めに読みたいので、スケジュール管理が大変!一年ちょっと前にSheldonのThe Sky is Fallingを読んでいたころにはこういう状況というのは想像もできませんでした。

ただTOEICみたいな点数で図ることのできる英語力がどれくらいついたか、というのはよくわかりませんね。TOEIC一年くらい受けてないし・・・・。あれはやっぱり精神的につらいのです。

以下、読んだ本のご報告です。
YL(読みやすさレベル)順に並べています。()内の数字は総語数。

YL: 3-
Peanuts 2000(11500)
ご存知スヌーピーやチャーリー・ブラウンが登場するコミックです。作者シュルツ氏の絶筆となる2000年2月まで、1999年1月1日以降のサンデー版を含む全てのストリップが収録されています。単語も英文も平易なのですが、3-4コマで簡潔するオチを理解するには少々慣れが必要と感じました。シュルツ氏はよほど野球がお好きだったのか、野球ネタがたくさんでてきて楽しい限りなのですが、「ライトはどんなやつでも守れる」「ライトは一番ヘタなやつが守備するんだ」なんてことが書いてありまして、「そんなのひどーい」と思ってしまいました・・・・。イチローだって阪神の檜山選手だってライトを守ってるけど、そんなにヘタじゃないぞー、と心の中で叫んじゃいましたね。右方向に打球を飛ばすのは結構難しいらしいので、子供の草野球じゃライトには球がほとんど飛んでこないんでしょうか。。。。

YL: 5-
Fever 1793(62000)
アメリカ・フィラデルフィアで1793年に黄熱病が大流行した史実をベースにしたフィクション。主人公の少女は幼いころに父と死に別れているのですが、母が喫茶店を経営しており、当時の政治経済の中枢であるフィラデルフィアの好立地でこのような商売をしているというのは、女と年寄りだけの家庭としてはかなりの強みのようです。主人公の置かれる過酷な状況は読んでいる途中でとてもつらくなってしまうのですが、結局はこの喫茶店のおかげでいろんな困難を打破できるんですね。本の主旨とは離れていると思いますが、自立できる環境を持つというのは大事なのだとふと感じました。児童書なので読みやすいですですが、かなり読みごたえがあります。ノンフィクションが好きだけど一般書は無理、という方はぜひどうぞ。

Geisha of Gion(80000)
みゅうは実はその昔(といっても5年くらい前ですが)能を習っていました。といってももともとはピアノと書道を14年、師事していたピアノの先生が年をとってお弟子さんをとるのをやめてしまったり書道の先生が「能の謡曲も結構いいもんだよ〜」などとおっしゃるので、そこから能を習い始めて7・8年くらい続いたでしょうか。ということで能は実は私の中でさほど大きいものではないのですが、その能の先生は本書に述べられている祇園甲部や京舞井上流に極めて近い、ほとんど依存しているという関係にあったので、本書を読んで特に新しくわかったことということもありませんでした。一般的な感覚からずれすぎていて不快だとか、逆に何が重要なんだかわからないという感想を持つ方がいっぱいいるとは思いますが、どこのテリトリーでも特有のルールとか規範があってそれが一般的感覚とずれているというのはままあることですので、特にこの著者個人が非常識だとかいって責める気は起こらないです。ただなんというか、嘘が書いてあるとまでは言いませんが、結構都合の良いところだけ見せてるなー、という感想は持ちましたね。稽古をしていて感じたどうしようもな
い稽古のしにくさやその他の問題点は、本書に登場する偉い師匠たちに起因する部分がかなりあると思っているのですが、著者は花柳界のたとえばお茶屋とか置屋に古臭さがあるというようなことはいちおう認めていますが、これらのシステムの上にたつ芸事の先生たちの問題までは決して踏み込んでいません。「歌舞伎や能のプロは子供のころから訓練されている」ということ自体は間違っていないのですが、本書が出版されたイギリスにおいても当地の伝統芸能であるピアノやバレエの英才教育を子供のころから受けている例が多いはずです。彼らがこの一文を読んでどう感じるかとも思いますし、また日本でも実はピアノを習っている子の方が能を習っている子供より圧倒的に多いんですよね。能の稽古場で小さな子供は本当に一人もいませんでした。これはまったく奇異なことに私の目にはうつり、最後までなじめなかったのです。

また本書はもともとはGolden氏の著作”Memoirs of a Geisha”に対する反論の書として出版されているはずですが、Golden氏の本とは時代がずれている(一部重なっているところもありますが)ため、年代の古い"Memoirs・・・"と著者の現役時代とで祇園を取り巻く法的にも異なっている環境を説明してくれないと反論としていまひとつ説得力がないとも感じました。著者は繰り返し「舞妓・芸妓をしているときちんとした良い縁談に恵まれる」ことを述べていますが、一方で家庭と経済力のある男性にパトロンになってもらっている例も多く聞かれるという現実もあるわけですし。

いろいろありますが、英文はとても平易で京都の花柳界の仕組みを理解する上ではわかりやすい本とも思います。個人的には置屋「岩崎」の内部の人たちの動向がおもしろく、世間で騒がれたToshioさんをはじめとする著名人のお座敷の様子は意外にもあまり興味を引くものではありませんでした。

YL: 7-
Howl's Moving Castle(82000)
読みにくいと感じたのは私だけなのでしょうか?。Harry Potterではわりと普通に見える学校生活というのがあるのですが、ここではすべてが普通ではないような気がします・・・。読めるところはすごく面白いのに、理解度が低くて残念!映画見たら、再読します。

YL: 8-
Master of the Game(Sheldon)(197000)
だいぶ昔「超訳」で読んでいるのですが、細かいところは見事に忘れていたので原書も楽しく読むことができました。全部面白いのですが、特に最初の南アフリカの話が一番好きです。やはりSyeldonは飛びぬけて読みやすいです。書評では登録当初はレベル9あたりで登録されているようで、そのためにYLがかなり高めになっているのですが、実際にはYL:8台あたりではないかと感じました。

The Black Echo(Connelly)(137000)
Sheldonは時間の流れがかなり飛んでいてスピーディー、かつ心理描写などほとんどなく事実がどんどん進んでいくのとはかなり対照的に、この本はほんの数日間をじっくり、主人公の心の動きがこれでもかというほど細かく書かれているように思います。こういったタイプの本はまったく初めてなのですがすっかり気に入ってしまい、Boschのシリーズを数冊、他にスタンドアロンのBlood WorkやThe Poetも買い込んでしまいました。間者猫さんのホームページを拝見するとThe Poetは読みにくいようなので、次は800万語通過までにBlood Workかなー、と予定を立てております。600-700万語で読んだ本の中では一番手ごわかったです。

The Partner(Grisham)(134000)
Grishamを読むのはこれで4冊目です。PenguinのGRもあるようですが書評での人気はいまひとつで読む前は少し不安だったのですが、思いのほか楽しめました。莫大な金額を弁護士事務所から持ち逃げした主人公が南米で見つかるところから始まりますが、その後にものすごい事件が立て続けに起こる・・・というような展開というわけではありません。しかしどうやって死亡した既成事実を作り上げて逃亡したのか、持ち逃げした金はどうなっているのか、といった「いったいどうなっているの?」という読者の全てが疑問に思うような要素が
少しずつ告白されてくる話の流れについつい引き込まれてしまうのです。そして最後に大どんでん返しが待っています。このあたりは賛否が分かれるかな?本書もけっこう読みやすかったです。

Kane & Abel(Archer)(195870)
面白い、の一言です。そしてとても読みやすい。さすがにSheldonほどには読みやすくはないですが、Grishamよりは読みやすかったです。初めて読むArcherなので、読みやすいのか読みにくいのかさっぱりわからないまま手に取ったのですが、あまりの読みやすさに驚いてしまいました。

内容についてですが、主人公の一人が少年期を過ごす第1次大戦あたりのころポーランドという国家は地図上にはなく、実際にはロシア・プロシア・オーストリアの3国分割統治の時代です。この分割状態は作曲家のショパンとか詩人のミッケヴィッツの時代、すなわち19世紀前半からずっと続いているはずなので、ショパンやミッケヴィッツは独立ポーランドのアイデンティティーの象徴としてとても大事にされているのですね。本書の中にもミッケヴィッツの名前がちょこっと出てきます。で、第1次大戦のころには占領国である3国がが互いに戦争を始めてしまい、ポーランド人同士も敵味方に分かれて争うことになる・・・・ということは知識としては知っていたのですが、そのために、どういう状況であるとか結果になるかということをよくわかっていなかったとこの本を読んでいる途中に気づいたのです。ショパンはみんなが知っている有名人ですが、チェロや歌曲のためのほんの少しの室内楽を書いたほかは、ほとんどピアノの曲ばかり作ったかなり特殊な作曲家です。私はピアノしか弾けないので、子供のころショパンの曲をお稽古でたくさん弾かされました。けれどもポーランドにもピアノ以外の楽器を演奏する人もたくさんいるはずなので、ポーランドという国がピアノ部門しかないコンクールやショパンの楽譜の研究・出版に大変なお金と人手をつぎこんでいるのはいったいどういうことかと子供心にたいそう奇妙に思えたのですね。主人公がアメリカに移民するまでを読み終えて、自分は想像力に欠け、認識が甘かったのだととても反省しました。ちなみに本書では上述のような政治背景は書かれていないので、念頭に置いて本書を読むと、兵隊が去ったあとに別の兵隊がやってきて・・・・、という状況が理解し易いのではと思います。

Around the World in Eighty Days(65000)
PenguinのPGR5で読んでとても面白かったので、いつか原書で読もうと思っていた一冊。ただしVerneの原書はフランス語でさすがに読めないので、ここで読んだのはPenguin Popular Classicsの英訳版です。なんといってもMr.Foggの前向きさとツボを得たお金の使い方がかっこよく、世のお金持ちの皆さんにはぜひぜひ見習っていただきたいものです。「シンガポールを過ぎて香港まではイギリスの領土、その先の中国と日本・アメリカではイギリスの法に守ってもらえない」というくだりにヴィクトリア時代の大英帝国のものすごさを痛感しました。植民地支配にはいろいろ問題もあるので単純に関心できる話でもありませんが、こういう安心感のもとで当時のイギリス人は世界を渡り歩いていたんですね。アメリカを汽車で縦断するところで理解度がいまひとつでした。

以上であります。次は800万語通過の時に・・・。


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