THE LETTER FOR THE KINGで1300万語通過!

[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/11/1(09:08)]

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13280. THE LETTER FOR THE KINGで1300万語通過!

お名前: 杏樹
投稿日: 2015/11/5(01:49)

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いきなりですが、英語で1300万語通過したので報告します。

フランス語で290万語、中国語で900万語まで来ているので、順番に通過報告になるかな…と思っていたんですが、なぜか英語の報告が先に。まったく多読は何が起こるかわかりません。

英語は思い出したように何か目に留まった本があったら読む…という程度なので、語数報告よりも「本のこと何でも」の掲示板で読んだ本を報告してきました。
1200万語通過してからそちらで報告した本は…。

「プリデイン物語」全5巻プラス外伝
「ゲド戦記」全5巻プラス外伝

これだけ読んだらもう75万語。でもここで英語の本はぱたっと止まりました。
しかし、今年の春に突然手に取った本があります。

「Steps in Time」

フレッド・アステアの自伝です。いつか読みたいと思ってずっと置いていた本です。
フッド・アステアと言いますと…
「ミュージカル史上最高の名ダンサー」と言われ、1930〜1950年ごろに数々のミュージカル映画に出演し、軽やかでしゃれたステップ、アイデアに富んだ名場面で観客を魅了しました。
そのアステアの初期の代表作で、名コンビと言われたジンジャー・ロジャースと組んだ名作に「トップ・ハット」があります。これが舞台化されたというので見に行ったのですが…
…結果は「NG!!!」
でした。

何がNGって、内容をものすごく変えてしまっていたのです。ナンバーも増えたり入れ替えたり。
それで、結局「これはトップ・ハットじゃないー!」ということに。
そのため帰ってから映画の「トップ・ハット」のDVDを見ました。(当然持っている)。アメリカ版で英語字幕付きのやつです。でも聞き取りがあまりにもできなくてちょっとヘコみましたが…。それで、やっぱり映画版はいいなあ、アステアのステップは素晴らしいなあ、と思ったのです。

ということで、「トップ・ハット」の映画を見たら積読本の中からアステア自伝が読みたくなったのです。
そうしたら、今まで知らなかったアステアのことがいろいろ書いてあってとても興味深かったです。アステアは映画に出る前は姉のアデールと組んで舞台で踊っていましたが、舞台の時代のことがかなりの分量を占めていました。特に1920年代にイギリスに公演に行ったら、皇太子時代のエドワード8世(「王冠を賭けた恋」の人)始め王室の人たちに気に入られて、交流があった話が面白かったです。エドワードの弟に娘が生まれて、その夫人からアデールに「赤ちゃんを見に来てください」なんて手紙が来たことが紹介されています。この赤ちゃんというのがのちのエリザベス女王なのです。まさかこの時はこの赤ちゃんが王位を継ぐなんて誰も思わなかったでしょうね。

内容は少し難しく感じました。でも映画時代になると知っている作品が多いので面白い…はずなのですが、本人が書いているものですから、どうも淡々としています。名作、名場面の数々を思い出しながら「あれは素晴らしかった」とこちらが思っていても、本人は地道に映画作製に取り組んでいるだけで、しかも全く自画自賛をしない、こんな風に評価されたとかあまり書かないので…。
アステアは一度引退をしたことがあるのですが、悠々自適の生活を送っていているときに、ジーン・ケリーから連絡がありました。けがをしたので代わりに映画に出てほしいと頼まれたのです。そこで映画に復帰することになりました。…なんて話ももうちょっとドラマチックなはずなんですが。それもまたアステアらしいとえいばらしいのかもしれません。決して派手なスターではなく、職人芸のように磨き抜かれた技で勝負するところが。

ともかく、ここでまたしばらく英語の本はお休みになっていたのですが、先日いきなり読み始めた本が。
この間の多読会で紹介してもらった本で、私が気に入りそうな本だからと言ってすすめられて持って帰るとになってしまったのです。かなり分厚くてブロック状で、「大変そうだなあ」と思ってしばらく置いていました。でもフランス語で読んでいた「プチ・ニコラ」シリーズが手持ちを全部読んでしまって、次は何を読もうかと思っていたところ、やっぱり借りたからには読まなくては、と手に取ってみました。

それが

「The Letter for The King」
Tonke Dragt著

です。

中世ヨーロッパをイメージした架空の世界のお話です。でもファンタジーとは違って魔法や妖精などは出てきません。
Tiuriは16歳。騎士になるための最後の修行で、聖堂で仲間と共に夜明かしをすることになっていました。互いに口を聞くことは禁じられ、その夜を過ごしたら夜明けに騎士に叙任されるのです。
ところが、彼は外で助けを求める声を聞きます。禁を破って外に出てみると、僧侶の姿をした見知らぬ人がいました。そしてとても重要な緊急事態で、隣の国の王に手紙を届けなくてはならない、どうかこの手紙を届けてほしい、と頼まれたのです。
そうしてTiuriは騎士の叙任を放棄してその頼みを聞き入れて手紙を届けるために旅立ちます。

これがもう、本当にハラハラドキドキの連続で止まらないんですよ!
次々と危険が襲ってくるし、そこからどうやって抜け出すか、また意外な助けが現れたり、どうやって困難を乗り越えて隣の国の都までたどり着くか見届けるまではやめられない!地図が付いていますので、現在位置を確認しながら読んでいけます。

そして文章がやさしくて読みやすいです。プリデイン物語よりも、ゲド戦記よりも、そしてアステア自伝よりもずっと読みやすいです。
ですから、ある程度の語数を読んだけど、まだペーパーバックはハードルが高いな…と思う人にもおすすめできます。長い本を読む練習になると思います。

とにかくおもしろいので、星五つのおすすめ本です!!!

著者名が変わってるなと思って、よく見てみたら、原書はオランダでした。

16万語あるらしいので、これを読んだら思いがけず1300万語通過しちゃいました。
書評も登録してきました。ぜひたくさんの人に読んでほしいと思います。

それではHappy Reading!


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