Re: ご助言ありがとうございます。

[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/12/3(03:03)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

[喜] 10156. Re: ご助言ありがとうございます。

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2007/11/29(15:02)

------------------------------

Ryotasanさん、オレンジさん、こんにちは。 まりあ@SSSです。

 読速について、少し補足させて下さい。
 
 ミステリやロマンス本ペーパーバックなど、日本語の新聞・雑誌を読む
 感覚でつるつると読めることが目標です。
  *児童書のレベル5・6位には大変文芸的・感動的な本もあり、じっくり
   噛みしめて読むべき本もあります。絵本もたっぷり絵を眺めて楽しむ
   ものですし、読速の例外とすべき本があります。

 ところで、日本語の読速にも個人差があります。赤川次郎や内田康夫の
 文庫本を読むのに、1時間の人も3時間の人もいます。理解度のために
 時間が違うと思えませんから、趣味の問題だと思います。
 ちなみに私は250頁くらいの文庫本でも3時間くらいでゆっくり読むのが
 楽しいです。

 こうした日本語での個人差をふまえて、英語の読速を考える必要が
 あると思っています。
 どの位の速度で読めば良いか?については、ようは「日本語で読むときと
 同じ感覚で」、という表現が抽象的には正確かと思いますが、これは
 つるつる読めるようになって初めて、「ああ、今日本語と同じように
 読めていたな」と実感出来ることなので、多読を始めたばかりの
 段階では数字で示す必要があります。 

〉読んでいる文章が難しいと、どうしても遅くなります。分速100語未満のばあい、十中八九難しすぎます。分速150語ぐらいならその人に最適、200語ならもっと難しい本を読んでも良い、というのが多読経験が豊富な人の感じている目安です。

 250頁くらいの文庫本を2.5時間くらいで読むのが普通かと思い
 ますが、そういう人には上記の数字で良いでしょう。日本語でも
 人よりゆっくり読んでいる人の場合、分速80未満なら難しすぎる本を
 読んでいる可能性あり、120〜130で快適、180語ならレベルアップを
 考える、と読み替えて良いと思います。

 それから、いいにくいんですが、年齢的なこともあります。 
 日常の雑談で、「え〜と、え〜と、あの人、なんていったっけ?
 そうだ松島菜々子」なんて、いいたい言葉がすぐ出てこない年齢に
 なると、英語の読速は落ちると思います。

 単語テストをしてみるとわかるのですが、正解率だけで判定する
 テストで測ると、多読を始めた55歳以来どんどん単語数が増えている
 結果が出るのに、解答時間x正解率で測るテストでは、60歳を超えて
 がくんと成績が下がり、昔の点数には到底及びません。
 当然文章を読む速度も落ちているに違いないと思います。

 またフォントの大きいものは早く読めても、通常のペーパーバックの
 小さい文字だと、分速を200語以上に上げると極端に目が疲れて、
 翌日頭痛がしたりします。

 ですから、Ryotasanさんの上げられた数値は、日本語を平均的速度で
 読んでいる、中年までの人にとっての指標だと思います。
 日本語でも遅い人、60代以上の人は読み替えて下さい。
 ただし、どんな人にとっても分速80語以下、というと翻訳しながら
 読んでいる、あるいは文法的に解説しながら読んでいる可能性を否定
 出来ません。もっとやさしい本をたくさん読みましょう。 

〉それから、語彙制限本をつまらないと感じる人の中には、レベル2ぐらいの中途半端に簡単な本から始めている人が多いです。このぐらいの多読教材は絵も少ないけれど、細かい描写はまだ少ないので、単語は分かるけれどスイスイツルツル読めるほど簡単ではないのです。日本語訳を介して英単語を勉強してきた人のばあい、このあたりから始めると単語を日本語に訳す習慣を払拭するのが難しいと思います。それでも、本当にツルツルと読めるなら John Doe や White Death の様な本はそれなりに楽しめるような気がします。

 これも、多読を始めたときの英語力のより個人差があるので、公開の
 掲示板で書くのは難しいところです。
 読書相談で、個別にお話した経験から申し上げますと、東大進学を
 目指す有名進学校出身者に、GR(語彙制限本)レベル6までほとんど
 知らない単語がなかった、100万語読み終えても「飛ばし読み」を経験
 しなかった、といわれたことがあります。
 とてもつまらなくて、100万語を超えて児童書を読むようになって初めて、
 知らない単語にたくさん出会い、ストーリーの中で、知らない単語の
 意味がわかってくる楽しさを知ったそうです。
 
 「読めると思ってもいなかった英語の本が読める!」というのが
 読む楽しさになりますから、多読前の語彙レベルが高いとGRはあまり
 楽しくないかと思います。

 それにひき替え、ネイティブの子ども向けに書かれたI Can Read Book
 などの学習用レベル別絵本などは、やさしくても受験向け単語集には
 出てこない日常生活用語がたくさん出てきますし、知っているつもりの
 単語も、単語集で覚えた訳語と違った意味で使われたりすることが
 あるのにも気づきやすく、GRよりずっと楽しく読めるという人も多い
 です。

 また、英語力や語彙レベルとは無関係に、GRのストーリーには偏りも
 あるので、ファンタジックなものやコミカルなものが好きな方には
 面白いタイトルが限られるかも知れません。

 一般的には、学校で習った英語の範囲で読みやすいのはGRなので、
 多読を始める場合の基本にしていますが、もしつまらないと感じる
 場合は、英米ネイティブ用の児童書にも手を伸ばしてみて下さい。

 また、オレンジさんのようなお悩みを抱えていらしたら、東京の方なら
 読書相談会、地方の方でしたら各地の講演会などにご都合をつけて、
 個別に多読経験者のアドバイスを受けられることをお薦めします。
 多読が楽しくて仕方ない人たちと、本の話題で盛り上がることは、
 とってもよいモチベーションアップになりますよ("-")

Happy Reading!
 


▲返答元

▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.