ぜったいぜったいのおすすめ本 見っけ!

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909. ぜったいぜったいのおすすめ本 見っけ!

お名前: 湘南のおねえさん
投稿日: 2005/6/21(20:58)

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タイトルも作家も未知で、書店で衝動買いに近いかたちで手に入れた本ですが大当たりだったので紹介します。

Apple of my eye      Patrick Redmond 著 です。

1966年 イギリス生まれの彼は法律を学び法律事務所で働いていたようです。この本が3作目。いまは著作業に専念しているようです。1作目は邦訳が出ているようです。

物語は1950年代のイギリスに暮らす母子から始まります。貧困と偏見のなかで、母と息子の結びつきは堅く、息子は母の期待通り成績、容姿、態度、すべてにパーフェクトに育ちます。でも小さい町での母子家庭への目は厳しく、彼が心の中に何か黒いものを育てたとしても読者は彼の側に立ちながら読み進めるでしょう。
もう一組の母娘、こちらも厳しい運命に翻弄されています。
少年と少女の出会いはカタストロフィへの幕開けになってしまうのでしょうか。

日常の心の中を描いているというところは桐野夏生に似ています。幼い彼らには抗うことの出来ない運命の責任はどこにあるのだろう、と読むと著者はイギリスの階級社会を批判しているのかもしれません。とにかくページをめくらずにいられない本です。

さて、英語ですが、複雑な人間関係に心の中という内容にもかかわらず、やさしいのです。本当にうれしくなっちゃうくらい易しくて単語も易しい。教科書みたいな構文で関係代名詞で次々とつながっていく文はぐびりぐびりと読んでいけます。児童書やファンタジーでうそみたいな状況、たとえば急に姿が変わるとかへんな乗り物とか出てきたのを正確に読み取れず話がみえなくなっちゃうことが私はよくあるのですが、同じようなことで児童書をあまり調子よく読めないという方にはぜったいおすすめ。
こんなに読みやすい英語で内容もいい、というわけで、この作家のほかの2作品も早速注文します。それから、ペーパーバックで読みましたが文字の大きさも良く、老眼鏡なしでOKでした。


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