Re: 最近読んだPB(その5)です。

[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/5/18(15:52)]

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534. Re: 最近読んだPB(その5)です。

お名前: 杏樹
投稿日: 2004/12/30(23:30)

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れなさん、こんにちは。

〉皆様こんにちは。れなです。ちょっとごぶさたしておりましたー。
〉はじめましての方もたくさんいらっしゃるのでしょうか(汗)。
〉PBの広場が統合されて、どうしようかなとちょっと考えていたのですが、
〉今までのスタイルだとこちらの掲示板にはそぐわないかなと思いますので、
〉一応、今回を最終回とさせていただきますね。今まで応援ありがとうございましたー。

「そぐわない」なんて、そんなー。
でもこれからも本の紹介はしてくれるんですよね。
最初のころのPBの広場は投稿が少なくて寂しかったので、れなさんががんばって読みごたえのある投稿にするためにこういうスタイルになったということでしょうか。

〉その代わりと言っては何ですが、サイト始めてみました。
〉http://tokirena.fc2web.com/ です。
〉全然多読サイトじゃないですし、まだ中身もあんまりないですが、
〉本が好きな方はどうぞ遊びにいらしてください。

〉しばらく前に、1000万語を通過しました。4年半くらいです。
〉そう、私は、ある意味、こちらに集う皆さんよりずっとゆっくり読んできたのでした。
〉そして、最近、「PBで1000万語」もクリアしたようです。ええと、一応
〉レベル7以上限定。これだとハリポタやライラは入ってしまうんですけどね(笑)。
〉私はレベル6までの本は40万語前後しか読んでいません。だからこの数字。
〉そのうちもう少し頑張ります。
〉でも、そうです。それでも読めるようにはなるんですねー(笑)。読み方は、
〉やはり日本語での読書に近づいていく感じ。あまり脳みそに負荷がかからなくなって
〉きたかなと思います。

れなさん、年数も語数も私の倍以上…。れなさんが読んでる本がまだまだ読めなくてもしかたありませんね。その代わり私もそれぐらい読めば、れなさんが紹介してくれる本を読めるようになるかなーという希望が持てます。

〉では、最後のPB紹介。今回はちゃんとファンタジー読みました(笑)。

わーい♪

〉1.ファンタジー・SF

〉「秋はファンタジーよね」ということで、色々読みました。ファンタジーファンの
〉方にとっては、目玉はこの辺かなあ。

〉David & Leigh Eddings
〉"The Elder Gods" LV8 133000
〉その他の翻訳作品:「ベルガリアード物語」他(早川文庫)

〉ユーモアあふれる筆致で壮大な異世界ファンタジーを描く、人気作家エディングスの
〉新シリーズ第1巻です。日本語未翻訳作品。この秋にPBになりました。
〉あくまで個性的な登場人物達が大活躍する、大爆笑の1冊です。以前に読んだ、
〉"Belgarath the Sorcerer"などよりはこちらの方が読みやすかったですね。
〉会話がやっぱり秀逸。神様もとっても人間的ですし、相変わらずのエディングスでした。

「ベルガリアード」はキャラがおもしろくて、笑える部分も多かったので、これも面白そうですね。しかも未翻訳だなんて!
 
〉お次はファンタジー上級者向けの1冊。

〉Greg Keyes
〉"The Briar King" LV8 193000
〉その他の翻訳作品:「水の都の王女」他(早川文庫)

紹介を見るとすごーく読みたくなりました。「ファンタジー上級者向け」などといわれるとますます挑戦したくなるような…。
 
〉そして、「難しい」と評判の高いこの本、試してみました(笑)。

〉Ursula K. Le Guin
〉"A Wizard of Earthsea" LV7 67000
〉翻訳版:「影との戦い」(岩波書店)

〉竜が住み、魔法使い達が存在する異世界アースシー。
〉数多くの優れた魔法使いを生み出してきたというゴント島に生まれた少年ゲドは、
〉持って生まれた才能を認められて大魔法使いオジオンの弟子となり、
〉やがて世界最高の学校であるローク島の「学院」に学ぶことになる。だが、
〉優れた才能を持ち、やがては当代最高の魔法使いに数えられるだろうと認められる
〉彼の中には、消すことの出来ない影が存在していた・・・・・。

〉ええとー、正直言って、英文自体は「指輪」よりずっと簡単だと思います。
〉でも、そのままがーっと飛ばして読める本ではないし、語られる言葉の意味を
〉ちゃんとわかっていないと、何が何だかわからない。そういう意味では、
〉楽しんで読むために求められるレベルは高いです。それが「指輪より難しい」
〉ことの理由になるのかも。なるほどなー、って思いました。

〉でも私、この本は日本語訳が好きだったような(爆)。冒頭に掲げられた
〉「エアの創造」、あれって、私には日本語の方がずっと印象的です。
〉意味は同じでも、心に響く部分が違う。本当は、英語で読んで受ける印象の方が、
〉作者の考えには近いのでしょうけれどもね。

ゲドの原書は初挑戦だったんですか。
私は多読前に辞書引き読みで完敗…。
言葉よりも内容やメッセージが受け止めることができるかどうかが問題なんですね。なんとなくわかるような…。言葉は指輪よりやさしくて、内容が難しい、とということですか。
リベンジして未読の5巻と外伝を読むのがユメですが、そういうことならもっと早く読めるかもしれないという希望が湧きました。

〉あと、今回はSFはこれ1冊だけですが、こちらも試してみました。

〉Ray Bradbury
〉"The Martian Chronicles" LV7 63000
〉翻訳版:「火星年代記」(早川文庫)

〉1999年の1月は、ロケット・サマーと呼ばれた。
〉人類初の有人宇宙船が、火星に向けて飛び立ったのだ。偉大なるロケットの熱は
〉街に暖かい風をもたらし、ひとときの夏を生んだ。人類の憧れを集めて火星に
〉降り立った乗組員達。しかし、そこには、彼らを認め、歓迎してくれる人々は
〉どこにもいなかった。
〉火星には火星人が住んでいた。古く美しい文明を築いた、穏やかな人々。
〉だが彼らと地球人の出会いは、お互いに不幸をしかもたらさなかった……。

〉なんていうのかな、その文章を読むことによって生じる「場」のようなもの力が
〉とても強い文章でした。強力なイメージの磁場というか、何というか。
〉それにとらえられてしまえば、意味がわかっていようがいまいが、ひきこまれて
〉そのまま読んでしまうことになるのではないかと思います。少なくとも、
〉私はそんな感じでした。でも、そういうのって、はまれるかどうかで明暗分かれちゃう
〉ってことでしょうか。

むかーし、翻訳で読みました。最近はSFにはすっかり興味を失っていますが、ブラッドベリはおもしろそうですね。「場」「磁場」…原書ってどんな文章なんだろう、って思います。

〉ええとそれから、ロマンス小説も今回これだけ。

〉Kay Hooper
〉"The Wizard of Seattle" LV7 108000

〉シアトルに住む魔法使いリチャード・マーリンの元に、ある嵐の夜、一人の少女が
〉現れた。彼女の名はセリーナ。自らの中に育ちつつある魔力を御しきれず、
〉必死の思いで師匠を求めて旅をしてきたのだ。すがるような眼をしたやせ細った少女を
〉彼はその場で弟子に迎え、表向きは叔父と姪として彼女と暮らすようになる。
〉しかしそれは、彼の属する魔法使い社会の絶対の掟を破る行為だった。
〉9年後、美しく力強く成長したセリーナと彼の間には微妙な緊張が生じるようになり、
〉機を同じくして、他の魔法使いたちに彼のしていたことが発覚。彼は、長老達から
〉セリーナの力を奪い、普通の人間に変えるよう命じられてしまう。
〉彼女の力を奪うことは、彼女そのものを壊すこと。どうしてもそれを受容できない彼は、
〉掟そのものを変えるため、セリーナとともに、はるかな過去、崩壊直前のアトランティス
〉へと、時間を超えた旅に出ることを決意する。だがそこには、彼らの想像を超えた過酷な
〉社会が存在していた……。

〉なんとなく、こんなふうに書くとすごく大変な本のようですが、ロマンス小説です。
〉表紙の画像しか見ていなかったので、届いた本を裏返してびっくり。
〉抜書きの頁を読んで更にびっくり。そうかこういう本だったのかー、と。
〉本格ファンタジーとは全然違う、ある意味ご都合主義のエンターテイメント。さくさく読めて、
〉面白かったです。真面目につっこむとつっこみどころ満載、でしょうねー。ちょっと待て、
〉いいのかそれで本当に? みたいな(笑)。

ロマンス小説も興味があるのですが、まだ手が出ません。突っ込みどころ満載のファンタジーもどきエンタテイメントというのもおもしろそう…。


〉  
〉そして最後に、やはりこの方の作品を。

〉Paul Auster
〉"Oracle Night" LV8 73000
〉その他の翻訳作品:「偶然の音楽」他(新潮社)

〉重病に倒れ、奇跡の生還を果たした作家のシドニーは、退院後、少しずつ少しずつ
〉自らを取り巻く世界を再構築していた。ある日、リハビリを兼ねた散歩の途中、
〉偶然入った文房具屋で、彼はポルトガル製の青いノートに出会う。それは、彼に
〉久しぶりに物語を書こうという意志と力を与えるが……。

〉本屋で「呼ばれ」て買った本です。
〉これまでも何度か見ていたはずなのに、その日に限って呼ばれたのは、
〉やはり何かあるものなのでしょう。確かに、「呼ばれた」理由はわかるなって
〉いう感じの本でした。タイミングもいい。さすがに外しません私(笑)。

〉この本は4層構造になっています。外から2層目が中心となる物語。主人公シドニーが
〉自分に起こっている出来事を1982年のリアルタイムで物語っている部分。
〉その外から、現在のシドニー(2002年?)が脚注をつけていて、それが1層目ですね。
〉これがねー、フォントが小さくて大変(笑)。でも、同時に読んでいかないと損をします。
〉だってただの脚注じゃなくて、1層目だから。
〉3層目はシドニーが青いノートに書いていく物語。4層目はその物語の主人公ニック
〉が読む、有名作家の埋もれていた原稿(これのタイトルが"Oracle Night")です。
〉物語はこの4つの物語の上を自在に走っていく感じ。違和感のない、流れるような展開でした。

〉オースターを読むのは2冊目。1冊目は80年代に書かれた作品でしたので、
〉この本とは20年近い開きがあるわけですね。確かに、底に流れるものも、文章も同じだ
〉けれど、ずいぶん趣きは違っていました。前の本が峻厳な山に湧き出る清冽な水の流れで
〉あったとすれば、こちらは、同じように透き通ってはいるけれど、もっと人里に近い、
〉緩やかな土地をさらさら流れる小さな川、という感じでしょうか。どちらがいいとかいう
〉ことではなく、ただ、違う。もう少し、間を埋める作品を読んでみようと思っています。

「呼ばれる」っていいですね。それが当たると特に。

次々と未翻訳本を発掘して読んでいるのがうらやましいです。
そう言う本はどうやって見つけるんでしょう?
私は特に一般PBに読みたい本がなくて、児童書にはまったまま抜けられないんですが、れなさんの報告を読むともっとレベルの高い本が読めるようになりたいなーと思います。紹介がどれもうまくてどれも読みたくなるんですよ。私にはまだまだ無理ですが、地道に語数を積み重ねていつかは…と思います。

それではよいお年を。


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