徹夜で読んだ! When Red is Black

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3169. 徹夜で読んだ! When Red is Black

お名前: 柊
投稿日: 2014/10/10(08:23)

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Qui Xiaolong投稿第二弾です。

Chief Inspector ChenにNew Worldという大企業らしいところのCEOのGuが詩の翻訳を頼んできます。古い上海の町並みを再現して、住宅を高く売って、さらに外国人観光客も見込もうという再開発プロジェクト。その核になるのが、古い上海のいいイメージです。というわけで、古き良き上海を詠った漢詩の英訳を、詩人でもあるチェンに頼みたい、と。しかも、金額がびっくり。50ページ訳すだけで、チェンの給料30年分です。チェンはParty cadreとしての体面を保つには給料だけでは足りない、でも、口利きはしたくない、母親が最近体をこわして入院して雇い主が医療費を払わない、と、お金のいること続き。詩の翻訳なら問題はない。何かさらに言われたら後で考えよう、と飛びつきます。

その頃、事件が起き、上司はチェンに連絡を取ろうとしていました。殺されたのは毛沢東の紅衛兵→投獄→有名詩人との恋愛→死別→当時のことを暴露した小説と書く→軟禁→解放という女性。女性の名字はYin、有名詩人の男性はYangと陰陽そろったカップル。今さら、暴露されて誰が困る? でも、住んでいるのは上海特有の共有台所、共有庭、共有井戸という住宅。内部に動機のある人はいないが、外部の人は入れない。密室???

チェンは相棒の警官ユーに事件を任せ、上司には休暇だと言って内職に励みます。ところが、グーからはエアコンが届く、Little Secretary(最近の上海のはやり。Little Mistressが実情だとも、秘書兼愛人みたいな女性)として使ってくれとWhite Cloudという女子大生が派遣される、彼女は三食作ったり買ってきたりしてくれて、使い走りもしてくれて、母親のお見舞いも行ってくれる、と何だか接待責め。

一方ユーは、平警官の給料は少ない。妻は息子を一流大学に入れたいと言ってレストランで働いている、先日仕事を辞めた同僚は事業を始めて小金持ちになった、上司が政治的な横槍を入れてきて刑事の仕事に意義が見いだせない、とこちらも困っています。

さらにはユーの妻Peiquinも優秀な学生だった頃に文化大革命が起り、僻地に送られたけれども、それさえなければ自分の人生はもっと良かったのではないか、先日の同窓会では彼女の宿題を写していたような出来損ないがメルセデス・ベンツで現われた、とこちらも人生の意義を見失っている。Peiquinは読書によって教養を深め、今では高校生の息子の宿題も見てやっているほどの人なので、余計にそう思うのです。

そこへユーからYinの事件を聞く。YangはPeiquinのアイドルだった。Yin程度の物書きが、Yangのことを利用して小説を売ったのが許せない。でも、とにかく事件には興味があるし、とチェンのコネ(Writer's Assosiationの客員。それでなくとも警察幹部)を頼りにYinの本を借りてきて、何か手がかりがないか読んでみる。

誰も彼もが文化大革命の傷跡を引きずって生きています。チェンも儒学者の父が死んだのはそのせいだと思っているし、父が同僚を売る文章を書くように言われ、孔子のThere are things a man can do, things a man cannot do.と言って断わったことも覚えています。

犯人は誰のなのかもそうですが、White Cloud(雲は漢詩では移り変わりやすい恋心などを意味するらしい)がチェンに親切にしてくれるのはグーの頼みだけなのか、何だか誘われている気がするのは気のせいなのか、グーに頼まれたらチェンは断れるのか、YinはYangを愛していたのか、それとも人が言うように利用しただけなのか、などなど、読みどころ満載です。

先が気になって、あと少し読んだら寝ようとやっているうちに、夜が明けていました。一昨日ですが、まだ疲れが取れません。英語の本は未だにペース配分がわからなくて危険です。

欲を言えばYangの詩がもっとわかりやすかったら良かったです。情景も、感情もわからなかった。Red Mandarin Dressの最後の詩はわかりやすかったのですが。

ただ、最後に仕事の終わったWhite Cloudがチェンが盗み聞きしているのも知らず、彼の悪口を言っているシーンは面白かったです。Prigy, Bookish, he loves only himselfなどなど。でも、チェンのお母さんの持っているお経の本の中にはWhite Cloudの入学写真か何かがきちんと入っているのだった。Red Mandarin Dressよりは前の巻ですが、今後2人がどうなるのかも楽しみ。


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