ロマンス PB紹介 シリーズもの大目です。

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2915. ロマンス PB紹介 シリーズもの大目です。

お名前: 久子
投稿日: 2009/2/15(14:03)

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こんにちは 久子です。

前回からちょうど10冊読みました。今回は、合本や作家競作本が多かったので
お話は10以上あり、ずいぶん読んだなぁ〜 と感じました。(笑

幸いなのか、不幸なのかわかりませんが、行きつけの図書館には意外と
ロマンス本がそろっており、今回は半数が図書館本です。図書館の借用期間の
うちにPBが読めるようになった幸せを噛み締めつつ、自宅の未読の山の
成長速度がさらにアップするという問題を抱えることに..... (爆

◆A Christmas Kiss and Winter Wonderland (Signet Regency Romance)
Elizabeth Mansfield

おそらくもともとは別の本だった、A Christmas Kiss と Winter Wonderland を
再販するに当たって合本にしたようです。タイトルから分かるように、2作とも
クリスマス物です。
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◆A Christmas Kiss

Reginald Winder と James Everard は、友人の Geoffrey Carbery の家に滞在していました。
ところが、ホストの Geoffrey は、governess の Miss Evalyn Pennington を見かけると二人を
ほったらかし 彼女を追い回し始めました。所在無く、暖炉の前で ブランデーを飲む
二人の耳に、何かが落ちる音が聞こえてきました。落ちたものは、なんと Geoffrey で
Evalyn が付きまとう彼を追い払おうとして地図帳で殴ったことが原因でした。

このことが、Geoffrey の母親の知るところとなり、Evalyn は息子をたぶらかしたとして
紹介状なしで即刻首になってしまいます。Evalyn に同情した Reginald と James は
なんとか彼女にちゃんとした勤め先を紹介しようを知恵を絞った結果、いいことを
思いつきます。

このクリスマスにJames の父 the Earl of Gyllford は、地所にもどってパーティを
開くことになっています。そこには、叔母のLady Steeleも来ることになっており、
彼女に Evalyn を紹介すればきっと気に入るに違いない、そして いい勤め先を
紹介してもらえるだろう。

the Earl of Gyllford と Lady Steeleは、James からクリスマス パーティに若い女性を
招待したいと書かれた手紙を受け取ります。二人はJames が結婚する気になり、
紹介するためにお相手を連れてくると思い込んでしまいます。
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息子の意中の人にドンドン引かれていくことに、混乱するヒーローと、大事に
もてなしてくれるものの いつまでたっても新しい勤め先の話が出てこないことに
悩むヒロインの 勘違いによるすれ違いが中心です。そんなに意外性のある
物語ではありませんが、クリスマスものらしく 安心して楽しめるお話です。

ヒーロー、ヒロイン以外のカップルも誕生して、全体的にめでたしめでたし です。

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◆Winter Wonderland

19歳の Barnaby Traherne は、三人の兄たちに囲まれて育ちました。
長兄の the Earl of Shallcross は、20歳 すぐ上の兄 Harry も 10歳年上 のため、
いつまでも子ども扱いされています。 恥ずかしがり屋の Barnaby は、兄たちからの
借り物の服で行った初めての舞踏会で、美しい Miranda Pardew に酷い仕打ち
を受けます。

11年後、Lady Miranda Velacott は、夫が多額の負債を残して亡くなり無一文と
なりました。彼女は、義弟の情けにすがって生きるより、governess として
生活していくことを選びました。3人の男の子の governess を探している
Mrs. Terence Traherne の元へ向かうことにしました。

Honoria the Countess of Shallcross は、子供のように思っている Barnaby が
いつまでも独身でいることを案じて 一族が集まるクリスマス パーティーに
似合いの女性を招待し Barnaby を結婚させようと考えていました。

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クリスマス物らしく、特別に意地の悪い人物が出てくるわけでもなく、暖かな
雰囲気のお話です。
ヒーローが過去のヒロインの仕打ちに拘りすぎと思う方もいるかもしれませんが、
若いころの大打撃はなかなか忘れられないのが普通と思って特に気になりません
でした。

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◆All I Want for Christmas
Ann Roth

Tina は、両親を失ったあと近くに住むG.G.に引き取られ近所の人に見守られて
育ちました。大人になった今、近所の人の期待に応えるべく都会で仕事に
励んでます。今年の感謝祭に体調を崩したG.G.の看病のために休暇をとって
戻ってきました。

G.G.の家の向かいには、病気で妻を亡くし男手で4歳のMaggie を育てている
Ryan が引っ越してきていました。Maggieを第一に考えるRyanは、Maggieが
感謝祭が終われば都会に戻ってしまうTinaに懐いていくのを見て、
大好きな人との別れで娘が傷つくことを恐れ、Tinaと距離を置こうとします。

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Harlequin American Romance Series というシリーズのようです。
Harlequin には たくさんシリーズがあってそれぞれに特色があるようですが、
今ひとつ把握できていません。また国によってシリーズの名前も違うようです。
作家のAnn Roth は、日本で翻訳されているのでしょうか?

二人の間の障害は、ヒロインの仕事(彼女を育てた近所の人達の期待)
なのですが、この部分をどのように捕らえるかによって評価が分かれると
思います。キャリアを取るか、金持ちの男をとるか的な展開になってしまったので
個人的には好みではありませんでした。

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◆Unmasked
Nicola Cornick

1805年 4月 ロンドン
Nick Falconer は、英国軍人にして、スコットランドの侯爵家の跡継ぎです。
彼が家を訪ねてもなかなか会えない従兄弟の thr Earl of Rashleigh を 酒場で
待ち伏せしていました。一人席についた Mick は、娼婦と思しき女性に目を留め、
妻の Anna を無くして以来初めて強く引かれている自分に驚きました。

Molly と名乗ったその女性は、惹かれるようにNickのところに来ると、彼に
「人探しているの、あなた見ないな人を」と誘いともつかない言葉を口にしました。
彼女が入り口に目を向けた先に、 thr Earl of Rashleigh を見つけて驚きました。
すると Molly は、Rashleigh の元へ行ってしまいました。

Nick と目が会った Rashleigh は、店を飛び出して一目散に逃げ出しました。
Rashleigh を追いかけた Kick が目にしたものは、道に倒れている Rashleigh の
姿でした。彼の遺体の上には Glory Girls のカードが落ちていました。
Nickは、Glory Girls が Rashleigh 殺害の容疑者と考え 捕らえるために
Peacock Oak という静かな 町に向かいました。

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先が読めないストーリーで、胸が痛くなるシーン、ハラハラドキドキするシーンなど
盛りだくさんで、最後まで どーなるの?! と思いながら読みました。

Glory Girls は、ロビン・フッドの女性版と言われ、富めるものから奪い、
貧しき人に施す庶民のヒロインです。物語は、Glory Girlsの活躍、
ヒロインの Molly こと Mari のある重大な秘密、Mari の親友 Lady Hester の
愛の行方など かなり盛りだくさんですので、Nick と Mari のからみが
少々物足りなく感じる方たがいるかもしれません。

本作では、奴隷制度が重要なテーマになっています。後書きにイングランドで
奴隷貿易が違法となったのは、1807年とありますので、今から200年ちょっと前まで
合法とされていたことに驚きました。貿易の禁止なので国内での売買はOKだったの
でしょうか?

Nicola Cornick の本は初めてですが、ちょっとMary Balogh に似ているような
感じがします。ということは、すごく易しく読めるというわけではありません。
登場人物の心情が良く描かれており、読み応えあります。

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◆The Last Rake In London
Nicola Cornick

1908年 6月 ロンドン
Jack Kestrel は、病で体の弱った叔父を脅迫している Sally Bowes を捜していました。
とある集まりで魅力的な女性を見かけ、熱心に絵をみているその女性に声をかけ
話をしましたが、自分が名乗っても女性は名乗りません。会話の終わりに名前をと
問いかけると Sally Bowes と返ってきました。

Sally Bowes は父が文無しでなくなった後、クラブを経営して一家を支え妹二人の
面倒をみてきました。Sally は、メイドから Jack が、21歳のときに既婚婦人と
駆け落ちをし、その女性が死亡する という一大スキャンダルを引き起こしたこと
聞きます。

その翌日 Jackは、Sally の尻尾をつかもうと クラブを訪れました。

---
Harlequin Historical Series です。このシリーズは日本でも翻訳されているようですが、
この本はどうでしょうか? 2008/06出版なので、まだ これからかもしれませんね。
普通の?ロマンスPBと比べると2/3くらいの長さです。

表紙のヒーローが蝶ネクタイ姿なので? と思ったのですが、20世紀初頭のロンドンが
舞台でした。汽車や自動車も出てくるのが珍しかったです。

ネタバレとまではならないと思いますが、Sally は脅迫者ではありません。
誤解から始まった Jackとの仲がどのように進んでいくか? というお話です。
途中から Sallyの二人の妹、Jack の親族や友人など 一気に登場人物が
増えますので、登場人物を覚えるのが苦手な人はメモをとるなどした方が
良いと思います。

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◆It Happened One Night
10年ぶりに再会した男女の物語 というテーマで4人の作家が短編を寄せた本です。

◆The Fall of Rogue Gerrard
Stephanie Laurens
Ro こと Viscount Gerrard, Robert Gerrard は、冷たい雨を避けるために立ち寄った宿屋で
Miss Lydia Makepeace に再会します。Lydia が、妹の書いたラブレターが悪い男の手に
渡ったので、忍び込んで取り戻しに行くところでした。それを聞いた Ro は、常識的なLydiaが
そんなトンでもないことを計画しているのに驚き、子供のころのように 彼女を守ってやらねば
と思います。

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再会ものは、訳有りカップルということが多いのですが、この本は淡い恋心を抱いた
幼馴染のお話だったのが意外でした。遊び人のはずのヒーローが、ヒロインの
トンでも行動に振り回されて、いつのまにかヒロインのペースに巻き込まれていく
様子が面白かったです。

Stephanie Laurens の本は久し振りでしたが、以前に比べてすごく読みやすく
感じて驚きました。そんなに大好きな作家ではなかったのですが、このお話は
上手だなぁ と思いました。

◆Spellbound
Mary Balogh
Miss Nora Ryder は28才、昔は資産の令嬢でしたが今は生活のために働く身です。
現在の雇い主は金払いも悪いうえに横暴なため、新しい仕事を探すため兄の家に
向かうところでした。ところが彼女の乗る予定の馬車が事故にあい今日は出発できなく
なってしまいました。知りあいのいない村で、食事代すらない彼女に宿賃が払える
わけもなく途方にくれていました。

そんなとき、昔の知り合い Richard Kemp に再会し彼の部屋に泊まらせて
もらうことになります。

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ストーリーが進むにつれて二人の過去が次第に明らかになっていきますので、
あまり書いてしまうとネタばれになってしまいますので この辺にしたいと思います。
1つだけ、かって恋仲だった二人ですが、10年前のある出来事の後 今日まで会わず
互いを恨んで暮らしてきていました。

恨みつらみが激しくぶつかり合うお話になりそうな設定ですが、しっとりと手堅く
まとめられています。ストーリーも無理なく自然に流れ、回想シーンと現在の対比も
上手くて さすがBaloghと思います。ただ、他の彼女の作品と比べてぴか一という
ほどの出来ではないです。短編より長編の方が良い作家だと思います。

Balogh の原書ってどんな感じかな? と思っている人にはオススメです。

◆From This Moment On
Candice Hern
1814年 England ---
Captain Sam Pellow は、雨宿りをした宿屋で初恋の人 Willie と再会しました。

18歳の漁師 Sam と 16歳の鍛冶屋の娘で村一番の美人の Willie は将来を誓った
恋人同士でしたが、あるひ漁に出た Sam はそのまま戻って来ず みなは Sam は
死んだものと思っていました。 その後、Willie は いろいろあって村を出奔し
ロンドンで courtesan となります。

5年後の ある夜、Willie は死んだと思っていた Sam と再会します。村で自分を
待っていてくれると思っていた Willie の現在の状態を責め 二人は互いに心に
わだかまりを残したまま分かれます。その後何回か会う機会はありましたが、
今日までの10年間は会うこともなくすごしていました。

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「Merry Widows」シリーズのスピンオフです。Merry Widows のリーダー格、
シリーズのヒロインたちを励ましたり、アドバイスしたりと いい大人の女の Willie のお話。
Willie は、Merry Widows の中で、一番気になるキャラクターでしたが、残念ながら
シリーズのヒロインにはならなかったので、彼女の過去や将来が気にかかってました。
短編とはいえ、過去を後悔することはあるけれど、取り返しがつかないことを
良く分かっていて、過去を含めて全てが自分なのだと 誇りを持って生きている
Willie が良く描かれていて大満足です。

ヒーロー/ヒロインともに40歳代と落ち着いた大人ということがヒストリカルとしては
珍しいと思いました。ヒロインが過去ある女性であること、から引いてしまう方が
いるかもしれませんが、納得できるだけの理由があるので そこは気になりませんでした。

◆Only You
Jacquie D'Alessandro
夫を亡くし実家へ戻る道 Cassie (Cassandra, Countess Westmore ) は、
幼馴染のEthan のことを考えていました。Ethan は、Cassie 実家の子爵家の
厩番の息子でしたが、今ではこの近くで宿屋を営んでいます。Cassie は、
彼に一目会うため立ち寄ることにしました。

一方 Ethan は、忘れえぬ人が突然 自分の宿屋を訪れたことに驚きます。

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子爵令嬢と厩番の少年、圧倒的にヒーローが身分が低い場合お話の展開に
無理があることが多いのですが、この本にはそれがなく 自然に描かれていました。
Cassie 思う Ethan の気持ちが切々と描かれて胸が締め付けらます。

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◆Say You Love Me
Johanna Lindsey

Kelsey Langton は、いかがわしい店でせりにかけられようとしていました。
彼女は両親を相次いで亡くして一文無しになり、伯母の Elizabeth の元に
妹のJaneとともに身を寄せていました。伯母のもとで何とか暮らしていけると
安心していましたが、伯父が伯母に内緒で多額の借金を抱え、そのために
一家は住む家を失い路頭に迷う寸前であることを知ります。

一家の財政を救うには、適齢期の Kelsey が裕福な夫を見つけること。
でも、Kelsey は喪中でまだ社交界にもデビューしていませんし、有利な結婚が
できる当てもありません。かくなるうえは、Kelsey が裕福な貴族の愛人になって
お金を手に入れるしか方法はない と 追い詰められた伯父は言い出しました。
その後は、伯母への口止め、偽装工作と伯父のペースで話が進んで、
とうとう引き返せないところまで来てしまいました。

Lord Derek Malory は従兄弟のJeremy と友人の Percy と、立ち寄った店で
娘がせりにかけられているのを知ります。なかなか可憐な娘で、Jeremy は
セリに参加するから金を貸してくれと言い出す始末です。Derek は、最初のうちは
参加するつもりはありませんでしたが、悪名高い Lord Ashford がセリ落としそう
なのを知ると 思わず 25,000ポンドでセリ落としてしまいます。

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Malory 一族の長、Jasonの一人息子のDerek は私生児ですがheir です。
(どんな手を使ったのだろう?) 一作目のヒロイン Regina は、両親を失った後
Jasonに引き取られましたので、Derekとは兄弟同然に育ちました。Derekは、
これまでのこのシリーズのヒーローと異なりそんなに強引なところがありませんが、
本気で自分の愛人 Kelsey を愛してしまったことに気づくと、一直線に走る
ところは やっぱりMalory 一族だなぁ と思いました。

25,000ポンドって ピンとこないのですけど、ちょっとした車を買うくらいの
金額でしょうか?
住む家(召使も込み)を用意したり、専用の馬車、服飾全般 もDerek が
用意するのですから、実質は+25,000ポンド 以上必要、その後の経費も
それなりにかかると思われるので、Derek はお金持ちだー と改めて思いました。(^^ゞ

Malory Novels の5作目です。4作目まで翻訳されているので、この本も
そのうち翻訳されるかもしれません。本作では 多分これまで明らかになって
いなかった Derekの母親が誰か分かります。これまでのヒーロー/ヒロインが
あちこに登場するので、コレまでの作品を読んでいる方が楽しめると思います。

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◆A Loving Scoundrel
Johanna Lindsey

小さな女の子はロンドンの街角のごみの横で若い女性と雨をよけていました。
女の子は自分の名前も思い出せませんが、一緒にいる Miss Jane が
Danny lass と自分を呼ぶのは知っていました。 Miss Jane に、「お母さん?」と
問いかけると、お母さんじゃなくて Nurse と応えますが、Danny には Nurse が
何を意味するか分かりませんでしたが、知っているのが当然という感じ
だったので、聞き返しませんでした。

Danny の家が襲われたため、Miss Jane がDanny を守って逃げ出してきた
のですが、その時に重傷を負ったMiss Janeは路上で亡くなってしまいます。
自分の名前も家もわからないDanny に、街で暮らしているLucyが声をかけ
悪いやつに追われているなら男の子のかっををして私が暮らしているところに
行けば大丈夫、連れて行ってあげる。でも、私みたいな話し方をしないと
ダメだよ と言いました。

15年後

Jeremy Malory の友人のParcyが賭けで家に古く伝わる指輪を
Lord John Heddings にとられてしまいました。なんとか取り戻そうとしましたが、
Lord John Heddingsは取引に応じません。Jeremy と Parcyは、盗人を捕まえて
代わりに盗ませすことを思いつきました。ロンドンの宿屋で二人の部屋に
盗みに入った 少年を捉えた Jeremy は、少年が実は女性 しかもスゴイ美人で
あることに気がつきます。

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4作目まで、翻訳されている Malory Family の7作目です。本作品のヒーロー
Jeremy は、3作目のヒーロー James が若いころに付き合っていた女性との間に
産まれた私生児です。コレまでの話を読んでいなくても、ストーリーが分から
なくなるることはないと思いますが、これまでのヒーロー、ヒロインが入れ替わり、
立ち代り登場するので読んでいるほうが楽しめます。

White Blond に Violet eyes 身長6フィート近い美女の Dannyは、長年男の子と
して暮らしていたため、その行動や考え方は男性そのもの そのギャップが
面白いです。独身主義の Jeremyは最初からDannyにメロメロですが、かなり
抵抗します。

裏表紙の粗筋紹介には、約半分くらいまでの内容がかかれてますので、
ネタバレが嫌な人は読まない事をオススメします。
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◆Summer at Willow Lake
Susan Wiggs

現代 アメリカ
Olivia Bellamy は、旗ざおにぶら下がっていました。引っかかった旗を取ろうと
はしごをかけて上ったものの、はしごが倒れてしまい降りれなくなってしまったのです。
そんなとき、ハーレーに乗った男性が現れ、助けてくれました。その男性は、
Olivia の初恋の人で苦い思い出とともに分かれた Conner Davis でした。

Conner は、新しい依頼主のところへハーレーで向かっていました。閉鎖された
町のキャンプ地 Camp Kioga を所有するBellamy 一族のだれかが、キャンプの
再開させるための工事を依頼してきたのです。Camp Kioga についた Conner は、
旗ざおにぶら下がる女性を見つけて、無事におろしてやりました。 スタイルが
よく美人の彼女が、昔のgirlfriend Lloly であることに気づきました。

9年前の Olivia は、Lloy とみんなから呼ばれる 太目でめがねの ルックスいまいちな
女の子でした。祖父母が経営する Camp Kioga で、奨学生として参加していた
Conner Davis と知り合いました。両親の不仲や離婚の問題でのストレスから
過食に走る Lloy、過度なアルコール摂取が止められない父親がいる Conner 、
初対面の印象は最悪でしたが、少しずつ互いを知るうちに心を通わせていきます。

9年前に何かがあって惹かれあいながらも分かれてしまった二人のお話です。

---
Lakeshore Chronicles の1作目です。
このシリーズは、Susan Wiggs の現代物ロマンスのシリーズで、Willow Lake の
ほとりのAvalonという小さな田舎の町を舞台に親子の問題や関係、
アメリカ社会でも無視できない階級の差による問題、といった人間ドラマが
描かれます。

舞台となる Avalonには、都会のお金持ちが夏をすごすキャンプ地があり
Bellamy 一族が経営しています。毎年同じキャンプ地を訪れるのが普通なのか、
都会の子たちは、毎年来るうちに 地元の子供(大抵はキャンプ地で
仕事するために来ている)と知り合いになっていきます。子供たちの間では
友情や恋愛が育つのは当然のこと。

そして、大人になった今その二人の関係は という形ですので、子供時代から
現代までの出来事が回想シーンとして途中に織り込まれます。このため、
よく読まないと二人が何歳の時のことなのか? あれれ? ってなりやすいです。

少し地味な感じのお話ですが、丹念に描かれる人間模様は あまり現実離れ
することもなく 楽しめます。 Debbie Macomber の本と、ちょっと似た感じがしますが、
Debbie Macomber の本は1冊しか読んでいませんので、外しているかもしれません。

登場人物の説明 この先の巻の伏線など盛りだくさん、Olivia と Conner の
9年ぶりの再会のシーンからいきなり回想シーンになり、その後も時代が
行きつ戻りつしながら300Pくらいしないと最初のシーンの続きになりません。
しかも、主役二人以外のお話がかなりの部分を占めていて人間ドラマとしては
面白いのですが、二人のロマンスと思うとちょと物足りないです。
じっくりと Lakeshore Chronicles に出てくる人々の人間模様を楽しみながら
読む本です。

また、Bellamy 一族はそれぞれに問題を抱えているのですが、この中で
解決されるのは Olivia と Conner の問題だけで、その他は先の巻に持ち越されます。
この本を読んで気がついたのですが、2作目の The Winter Lodge を先に読むと
盛大にネタバレしてしまいます。ただ、Summer at Willow Lake は500P以上もあり
読むのが大変なので、いわゆるWomens Fiction はちょっとと思う人は、
少々分かりにくいことに目をつぶって ロマンス度の高い The Winter Lodge だけ
読んでもいいかもしれません。

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◆Dockside
Susan Wiggs

現代 アメリカ
シングルマザーのNina Romano は、娘の Sonnet が大学に進学し家を
離れるのを機会に新しい人生の一歩を踏み出そうとしていました。
子供のころからの夢 は、 Willow Lake Inn をいつか自分で切り盛りすること。
そんなある日、Nina は、 Willow Lake Inn を Greg Bellamy が購入して
オーナーになったことを知り反発を覚えます。

Greg は、キャリアを求めて ICC のあるオランダへ旅立った Sohie と離婚し、
コレまでの仕事中心の行き方を見直し 子供たちときちんと向き合っていける
仕事を と考え Willow Lake Inn を購入しました。Innの運営には Nina を
当てにして雇おうと考えていましたが、思いもよらぬ彼女の反発に驚きます。

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Lakeshore Chronicles の3作目です。1,2作目に本作の伏線が張られている
ため、いきなりこの本がから読まないようにしてください。

私は予備知識なしで、二作目の The Winter Lodge から読んでしまい???
になったり、1作目のネタバレに当たってしまいました。

Greg の娘 Daisy のお話がかなりの部分を占めているために、ロマンスと
思って読むと本筋のGreg と Nina の関係の進み方が遅い とか まどろっこしい と
感じるかもしれません。たがいに30代で子持ちの二人ですから、少しずつ進んで
いくのが自然なのですが、二人をめぐる周囲の人々の話もタップリ書かれて
いますので、Women's fiction といった趣です。

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◆Taming Natasha & Luring a Lady (Silhouette Special Releases)

以前 Harlequin の Silhouette シリーズで出版されたものが合本として
再販された本のようです。人気がある本は、再販されることがあるのでしょう。

◆Taming Natasha
Nora Roberts

Natasha Stanislaski は、バージニアの小さな町でおもちゃ屋を経営しています。
ある日、小さな女子と両親が店に買い物に来ました。その女の子 Freddie が、
人形を選んでいるあいだに、父親が Natasha を食事に誘いました。妻子持ち
なのになんてこと! と思ったNatasha ですが 怒りを押し隠して すげなく断りました。

Dr. Spence Kimball は、妻を亡くしたあと 娘のFreddie を男で一つで育てています。
この町に引っ越してきたばかりの彼は、妹のNinaとFreddie の3人で おもちゃ屋を
訪れます。そこで、妻を亡くして以来始めて 気になる女性に出会い、さっそく
食事に誘いますが つれなく断られてしまいます。

ある晩、Natasha は大学の音楽の夜間講座に出かけたとろ、なんと新任の講師は
Spence でした。思いがけないところで再会した二人は、Freddie を間に
挟んで少しずつ親しくなっていきます。

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Nora Roberts の The Stanislaski の1作目、「月が微笑む夜に」 という邦題で、
以前ハーレクイン社から出版されましたが現在は古書での取り扱いになっていると
思います。1990年代の出版ですので、時代背景もそのころと思います。

ウクライナからの移民の Natasha と、何不自由なく育った Spence は育った環境も
考え方もまったく異なります。これと、二人の過去の出来事が二人の間の障害と
なって 紆余曲折が というのか基本のストーリーです。

アメリカン ドリーム のイメージから、夢をもって何でもかなう国というイメージが
ありますが、それぞれの育った環境により、超えられそうで超えられない壁と
いうものがあり そこの部分がロマンスの障害ということが多いように感じます。
階級の差が歴然としていた昔とかわらず、建前としてはないように振舞いながらも
旧態然と残っている のが実際のところなのかもしれません。

初めての Nora Roberts です。long words は多くないように感じますが、非常に
読みやすいとまでは言えないと思います。比較的短いお話なので、豪快に飛ばして
読むと少々分かりにくいところが出てくるでしょう。

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◆Luring a Lady
Nora Roberts

離婚の痛手から逃げるようにヨーロッパで暮らしていた Sydney は、祖父の
病状が悪化した知らせを受けて New York へ戻ってきます。ところが、祖父は
直ぐに亡くなり、祖父の会社を相続たばかりです。

Mikhail Stanislaski は、Sohoのアパートについて住民たちが長年補修の要請を
しても対応しないことを訴える為に、社長室に押しかけてきました。社長の
Sydney Hayward の勘違いから部屋へ通されることになります。

アパートの情況について訴える Mikhail に、報告書によれば問題はないはずだと
返事をした Sydney ですが、一心に情況を訴える Mikhail の様子をみて実際に
自分の目で確かめることにしました。

Sydney が目にしたのは、長年手を入れていないために かなり荒れた状態に
なったアパートの姿でした。大工をしているという Mikhail に、Sydney は補修工事を
発注することにしたことから二人の交流が始まります。

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Nora Roberts の The Stanislaski の2作目、「レディを誘惑」 という邦題で、
以前ハーレクイン社から出版されましたが現在は古書での取り扱いになっていると
思います。1作目Taming Natasha から4年くらいたったという設定です。

この本もウクライナからの移民の Mikhail と New York の社交界に出入りする
Sydney という身分違いものです。1作目にも書かれていますが、Mikhail は
木彫の芸術家として社交界に少し名が知られて います。でも、Sydney の
母親は娘の相手として相応しいと考えていません。
現代ものですが、ヒストリカル とこのあたりはあまり変わらないなぁ と感じました。
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なぜか図書館にあるロマンスは Harlequin のものが多く、今回は 4作品を
読みました。特色としては、語数が少ない(6〜7万語くらい)ことがあげられ
ます。語彙が格別易しいといった印象は有りませんでした。
本来は売り切りですが、とても人気があった本や、作家の人気が高くなる
などすると 再販されることがあるようです。

Harlequin は、毎月毎月シリーズごとに何冊か出版されますので、よほどの
ファンでもないと何を買ってよいのか分からないでしょう。再販本なら
簡単に日本のAmazonなどで購入できますし、面白い本にあたる確率が高い
と思います。

ロマンスは男女が出合って 紆余曲折が会って 最後にはめでたしめでたし というのが
基本プロットの本ですから、その中でどれだけオリジナリティを出すかが
作家の腕の見せ所になります。(不倫、略奪愛、同性愛は原則NGです。)

また、Harlequin は、各シリーズごとにそれぞれ他に こまごまとしたお約束が
ある本なのでさらに縛りが厳しくなります。そのなかで、たいへん人気のある本や
人気作家の本というのは、規定の範囲の中での思いがけない展開や細かな
心情描写といった点が読者の心を掴んでいるケースが多いと思います。

ですから評判の良い本ほど、冗長さがないことが多く ガンガン飛ばして読んでしまうと
二人が出会って いろいろあったけど 最後はめでたしめでたし の粗筋しか
分からなかった となりやすいです。ロマンスは粗筋だけわかってもあまり楽しく
ありませんので、初めてのPBに Harlequin を選ばない方が無難と思います。
語数が10万語くらいあるロマンスだと、面白い本でも少し冗長性がでてきますし
場面展開も少しゆっくりになるので 飛ばして読んでも飛ばしすぎることが
少なくなると思います。

ストーリー展開が単純でスルスル読める本もありますが、得てしてそういった本は
読んでも面白くないことが多いので、ロマンスが取り立て好きでない人は 逆に
読みにくいと思います。もし、そういう本に当たってしまった場合は、サクッと投げた方が
よいです。また、ロマンスには様々なジャンルがあり面白さもピンきりなので
それだけをもって ロマンスってつまらない って思わないでいただけると嬉しいです。

ではでは 最後まで、お読みいただきありがとうございます。


▼返答


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