最近読んだPB(その4)です。

[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/5/19(12:03)]

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220. 最近読んだPB(その4)です。

お名前: れな
投稿日: 2004/8/23(20:22)

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皆様こんにちは。れなです。
今日まで夏休みでした。本ばっかり読んでましたー。
  
 
さて、このごろこの広場に新規投稿がないなー、とふと思って見てみたら、

「ええと、じゅんさんで、その前が間者猫さんで、その前が・・・ああっ、次は私だったー」

別に順番が決まってるわけじゃないですけど(笑)。
 
 
ご活躍中のお二人はもちろん、新たな皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
だってその方が気楽だしー(爆)。

前回は滅多にない異分野大盤振る舞いをしてしまった私ですが、反動で今回は
またもや趣味に走っています(笑)。暑い夏でしたし、やる気がなくてー。
冊数も少ないです。語数はそれなりになるのかな。

1.ファンタジー系

今回、ファンタジー読んでないです(爆)。それは別の方面で趣味に走っていたから。
っていうかハリポタは読んだ(1巻と5巻。間は日本語でしか読んでないです)んですが、
ご紹介するまでもないですしねー。

ご報告だけしておくと、ハリポタはどの巻も私にとってはLV7で、それは5巻でも
変わりませんでした。「大体わかる分、わからない部分にこだわってしまって読むのが
遅くなる」という結構つきあいにくいレベル(笑)。読むの大変でした。

5巻については、長すぎるっていうのもあったかな。もうちょっと整理して短くするか、
いっそ2冊にして、区切りをつけられるようにしてもらえると楽なんだけどなー、と
思っちゃいました。あ、私はこの長さの洋書を読むのは初めてじゃありません(笑)。
長くても気にならない本もあるんですよー、本当ですー。
 
 
2.SF

というわけで、今回はこれです。やっぱり夏はSFよねー、と思って読み始めました。
タドキストの広場のバナナさんへのお返事に書いてしまいましたので、すでに
皆様ご存じかも(笑)。
こちらの掲示板では何故か少数派? SFファンの皆様、大変お待たせ致しました。
私、れな、いよいよ参戦です(笑)。あ、やっぱり私なんか待ってないですかー?
日本語では結構読んでる方かと思うんだけどなー。もともとの翻訳点数の関係で、
読んできた数はファンタジーよりも多いはず。まあ、読んでるのはそれでもやっぱり
ファンタジー系SFが多いんですけれど(汗)。

というわけで、のっけからこれです(笑)。

Marion Zimmer Bradley
"A World Divided"
関連書籍:「ダーコーヴァ年代記」シリーズ(創元推理文庫・復刊交渉中?)

私と同世代のSF・ファンタジーファンの方なら、「ああ、あれ」と思う方も多いのでは
ないでしょうか。創元SFの赤い背表紙のシリーズ。人気もあったし順調に翻訳されて
いたのに、何故かいきなり刊行が中止されてしまった、異文化遭遇SFの傑作シリーズです。
私は日本語版をずーっと楽しみに読んでいて、刊行されなくなったって知らなくて、
新刊の刊行をずっと待っていたものです(泣)。だって、次巻予告だって出てたしー。

で、今回のこの本ですが、初期の3作を1冊にまとめた廉価版です。
チェックするのが面倒でそのまま買ったので、読んでみるまでどの話なのかわかって
なくて、結局全部、翻訳で読んだお話でした。でも、かなり忘れていたので問題なし(笑)。
入っているのは以下の3編です。

"Star of Danger":「はるかなる地球帝国」 62000 LV7 ★★★★★
地球で育った赤毛の少年ラリーは、父の転勤に伴って、遙か辺境の惑星ダーコーヴァへ
赴くことになった。そこは、4つの月と光の弱い太陽を持つ、地球とは全く異なった
文化を持つ惑星。それまで聞いたこともなかったはずのその星に奇妙にひかれるものを
感じ、現地語を学んだり本を探したりと万全の準備をして降り立ったラリーは、
最初の日に宇宙港の近くで1人の少年と出会う。彼を地元民と見なし、ダーコーヴァ語で
話しかけてきた少年。彼は、ラリーと同じ赤い色の髪をしていた。

ラッキーなことに、最初に収録されていたこのお話は、私がこのシリーズにはまる
きっかけとなった、大好きなお話でした。ということで最初からのめりこみまくり(笑)。
少年2人の文化の違いを超えた友情と、それぞれの誇りの持ち方が印象的な、
上質のジュブナイル小説。文章もとても読みやすいです。

"The Bloody Sun":「宿命の赤き太陽」 117000 LV8 ★★★★★
ダーコーヴァの地球人孤児院で育ち、少年時代に父の祖父母に引き取られて地球に
移り住んだジェフ・カーウィンは、地球の環境にも人々にもなじむことができず、
ずっとダーコーヴァに帰ることを夢見ていた。だが、地球帝国の技術要員の1人として、
ダーコーヴァに戻った彼に、孤児院の事務員は冷たく告げる。「あなたの記録は
こちらにはありません。別の惑星とお間違いなのではないですか?」

と、これだけ書くと、ルーツ探しかスパイものか何かのようですね(笑)。
自分探しっていうのはあるかな。とりあえずこのお話は「超能力者もの」。でもって、
やっぱり、「異文化遭遇もの」。
陰謀ありロマンスありの波瀾万丈のお話。こちらは大人向けです。

"The Winds of Darkover":「炎の神シャーラ」 49000 LV8 ★★★★
ダーコーヴァに勤務して5年。それまで大過なく人生を送ってきたダン・バロンは、
ある時から何故か、きわめて明瞭な白昼夢に悩まされるようになる。その夢が原因で
それまでの職を追われることになった彼は、趣味を買われてダーコーヴァの奥地に
送り込まれることになるが……。
一方、ダーコーヴァの山間の地に居城を構えるストーン一族の少女メリッタは、
盗賊集団に城を落とされ、決死の逃避行を試みる。彼女の兄ストーンは、盲目に
生まれついた強力なテレパスだった。

読んでる時間はこの話が一番長かった気が(笑)。
前2作とは違って、こちらはダーコーヴァ人からの視点もあるので、その分、
読むのはちょっと大変でした。やはり、地球人視点の方がわかりやすいです。
 
 
こんな感じでしたが、このシリーズ、正直言って私には、ハリポタよりずーっと
読みやすかったです(笑)。単に趣味の問題?
知らない方には世界観や語彙の問題があるかと思いますので、レベルは高めに設定しま
したが、翻訳版を読んだことのある方にはレベル6か7。楽勝だと思います。
さあ、あなたもあのとき悔しい思いをさせられた未翻訳分を読んでみませんか?(笑)。
今なら出版社がどんどんオムニバス版を出しているので、大変お買い得ですよー。
というわけで私もこれから地道に読んでいくつもりです。楽しみー。

James P. Hogan
"The Giants Novels" LV10 ★★★★★
そして、もう1冊はこれです。こちらも3話で1冊のお徳用。
真剣な(?)SFファンの方にも認めていただけるはずの、SF基本図書のひとつ。
ホーガンの「星を継ぐ者」3部作です。実際には、すごく時間がたってから
続きが出版されてるんですが、これは最初の3部作をまとめた本。
このシリーズも、日本語で何度も読んでいました。ただ、こちらはさすがに
ハイレベルでしたねー。最初のページを開いたときにはちょっとめまいが(笑)。
本当に続きもので、1冊ごとにご紹介すると前の巻のネタバレをせずにはすまされ
ないので、まとめてのご紹介です。

"Inherit the Stars":「星を継ぐ者」 71000
"The Gentle Giants of Ganymede":「ガニメデの優しい巨人」 79000
"Giant's Star":「巨人たちの星」 112000
日本語版は創元推理文庫。こちらはいつでも手に入ります(笑)。

21世紀中盤、国際的な融和を果たし、宇宙進出を始めた人類は、月で宇宙服を着た
死体を発見する。月の基地のどこにも記録のない、あるはずのない死体。
驚くべきことに、それは5万年前からそこにあった、けれども間違いなく地球人類の
死体だった。
かつて宇宙進出を果たした人類が存在した? しかし、地球上のどこにも、それらしき
形跡は残されていない。そして、調査を続けるうちに、科学者達はさらなる謎に
直面することになる。

あうううう、ネタバレせずには書けないー(汗)。
まあ、そういうお話です。1巻目は謎が謎を呼ぶ導入編。2巻目は接近遭遇編。
3巻目はスパイもの(笑)。どれも理系バリバリのお話ですが、ホーガンはとっても
ユーモアのある人物描写をする人で、私は大好きなんですよね。巨人達がとにかく
大好きー。

この3部作は、70年代末から80年代初頭にかけて書かれた作品です。
だから、設定には古いところが色々。で、その中で今回一番、「うわー、時代が
違うー」と思ったのは、ソ連があるままの未来とかそういうことではなく、主人公
たちがとにかく煙草を吸いまくる、ということでした(笑)。航空機の中でも、
宇宙基地でも、異星人の前でも遠慮なく吸う。考えてみれば昔はそうだったんです
けれど、なんだか隔世の感が(笑)。
 
 
という感じで、「夏はSF」でした。
ダーコーヴァについては山のように発注したので、ぼちぼち読んでいくつもりです。
ところで、SFはやっぱり慣れないと厳しいですねー。
最初のPBとして期待して手にとったら私でも玉砕かも(笑)。あ、ダーコーヴァは
読めたと思います。でも、ホーガンについては、こうやって「何度も読んでる」本で
なかったら無理だったかなって思います。納得力を総動員しても、ちょーっと厳しすぎ?
そういえば、以前にウィリスの"To Say Nothing of the Dog"を読んだ時にもすごい
苦労をしたんでした。爆笑SFで楽しかったんですが(笑)。

まあ、とりあえず、これで練習できたので、後は気が向いたら何でも読んでみます。
一応、目をつけてる本もあるので、またそのうちにー。
来年の夏だったりして。

 
3.一般向けPB

あんまり頑張ってないです(笑)。暑いと頑張れません。
一時ストックがつきかかっていたんですが、このところちょっと増やしたので、
涼しくなったらまたやってみます。あ、でも、「秋はファンタジー」かも(笑)。

David Hunt
"Trick of Light" 121000 LV8 ★★★★
関連書籍:「魔術師の物語」(新潮文庫)

アマゾンコムまで行ってユーズドで買ったいわくつきの1冊(笑)。
以前、1作目の「魔術師の物語」だけが翻訳されて続きが出なかった、写真家ケイ・
ファロウのシリーズ2作目です。1作目はかなりきわどい(?)内容の本で、
でも何故か気に入って、ぜひ先が読みたいと思っていたのでした。
ええとー、2作ともはっきりきっぱり18禁(色々な意味で)なので、ご注意ください。

ケイの師であり、卓越した報道写真家であったマディが、出先で強盗に襲われて
死亡した。老齢にあってもはや写真を撮ることも少なくなっていたマディだが、
最近は古い友人を訪ねて街に出ることも多かったのだという。最初は単に不運な
巡り合わせと思えた事件だったが、師のカメラに残されたフィルムを現像したケイ
は、そこに写された謎の光景に何らかの理由があったのではとの疑念を抱く。
暗い部屋の汚れたガラス越しに写された、一組の男女の写真。おそらくマディは、その
写真のために殺されたのだ。しかし、一体何故? 誰が?
謎を追うケイはやがて、とある団体の存在を知る。彼らは、ある特殊な銃のコレクター
達であった。

とまあ、今回はそういう感じのお話でした。
正直言って、1巻目の方が面白かったです(笑)。ちょーっと今回、いきすぎの
感じが……。でも、読みたかったので満足です。2巻目があるってわかってて
読めないのは、結構ストレスだった模様。
それに、文章はやっぱり好きな雰囲気でした。くっきりとした残像を残すような、
シンプルで印象的な語り口。英語であることを意識させない系列の本。
ハードボイルド系かなー。
 
 
J.D.Robb(Nora Roberts)
"Vengeance in Death" 100000 LV8 ★★★★
関連書籍:「この悪夢が消えるまで」他(ヴィレッジブックス)

前回ご紹介した「イヴ&ローク」シリーズ続刊、試してみました(笑)。
今回の巻の方が面白かったです。ってことは単に前の巻がハズレ?
文章はやっぱり読みやすいですねー。気楽に読めます。
といっても今回の巻はまた結構血なまぐさくてー。でもって、真面目なミステリファン
には「ちょっと待てー」というような………。
いえ、いいんです。ロマンス小説だから(爆)。
深く考えたら読めないけど、さっくり読むには面白いです。
 
 
Barbara Cartland
"Running Away to Love" 33000 LV6 ★★★★
関連書籍:バーバラ・カートランド・ロマンス(サンリオ・もう刊行されてません)

Raquelさんにいただいた、憧れの「バーバラ・カートランド・ロマンスの原書」(笑)。
Raquelさーん、読みましたー。ありがとうございましたー。

父を戦争で亡くし、母も亡くなって、母を食いものした継父と暮らすイヴァーナ。
母の遺産を食いつぶした継父はある日、老年の金持ち貴族に彼女を売り渡そうとする。
書斎の会話を漏れ聞いた彼女は、なんとかその手を逃れるため、職業紹介所を
訪れるが・・・。

で、紹介された仕事が「スパイ」(爆)。
いえ、いいんです。大丈夫。ちゃんと清純可憐な、いつものバーバラ・カートランドです。
18禁を期待されるむきにはおすすめできませんが、いつ読んでも安心の
ヒストリカル・ロマンス。入手困難なのが惜しまれます。

このお話は日本語でも未読でしたが、私の場合、日本語版を呆れられるほどたくさん
読んでいるので、よく使われる会話とかはもうそのまんま日本語で頭の中に流れちゃう
感じでした(笑)。もともと、文章がきびきびと短くて、単語も簡単なものが多い
気がします。時代物なので、その辺がどうかなっていうのはありますが、
全体としてみればとても読みやすかったです。

 
 
4.日本語の本

前回はすっとばした日本語の本です。両方合わせて、めぼしいものをちょっとだけ。

「クラウド・コレクター」
「すぐそこの遠い場所」(クラフト・エヴィング商会/ちくま文庫)
 架空の国「アゾット」についてのお話と、事典。言葉や記憶についてのファンタジーかな。
 素敵なほら話で、こういう本を英語でも楽しめるようになったらすごいと思ったり。

「No.1レディーズ探偵社、本日開業」(アレグザンダー・マコール・スミス/ヴィレッジブックス)
 ボツワナを舞台にした不思議な味わいのミステリー。とりあえず、ルイボスティー飲んで
 みました。木の皮の味がするー。

「ボタニカル・ライフ」(いとうせいこう/新潮文庫)
 私はベランダーです。

「朝霧」(北村薫/創元推理文庫)
 文庫化されたので久しぶりに読みました。こういう雰囲気、いいですよね。

「ささら さや」(加納朋子/幻冬舎文庫)
 こんな「ふんわりさん」が存在していいのか? という。

「永遠の森:博物館惑星」(菅浩江/早川文庫)
 ずーっと文庫待ちをしていた作品。最後がちょっと何だかな、でしたけど。

「本がなくても生きてはいける」(岸本葉子/講談社文庫)
「なんといふ空」(最相葉月/中公文庫)
「シドニー! 1・2」(村上春樹/新潮文庫)
 これらは、ハリポタ5巻を読んでいる間に、家以外の場所で読んでました。
 お互い影響し合わない本をってことで。「シドニー!」を読んだ後でアテネ
 オリンピックを見ると、色々と考えさせられることが多いです。
 
 
はい、こんなところでしたー。
今回はまた「全然知らない、1冊も読んでない」と口々に言われそうですねー。
あ、一応ハリポタ入ってるからそれはないか(笑)。
皆様、好きな本を好きなように読みましょうねー。
ではでは、楽しい読書を。
おつきあいありがとうございました。


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