ひたすらシェイクスピア

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2080. ひたすらシェイクスピア

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/22(01:18)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉杏樹さん、もう少し教えて下さい。

…終わらない…。

〉さまざまな演出の可能性を探ることに大きな意味があることは僕も認めます。ケルト風のマクベスやリア王などを期待しています。その上で、もう少し教えていただきたいのです。

そういえば「ケルト色」の舞台って見たことないような。

〉安土桃山風の衣装や舞台装置というのは、シェイクスピアと同時代の日本ということですね。古典劇に近い雰囲気で、日本語での上演に伴いやすい違和感も少なくできます。時代を超えた表現の例になるのでしょうか。

あまり具体的なセットではありませんでした。印象的なのは大きな仁王像が数体置いてある場面でした。あとは割合抽象的な空間が多かったです。マクベス夫人がチェロを弾いたりしてました。
蜷川幸雄は一時和風の演出を好んでいたようです。和風の「リア王」もありましたし、佐渡の能舞台をイメージしたセットを作って「テンペスト」をやったこともあります。

〉シェイクスピアのイタリアものを英語や日本語で上演した例で、ラテン色を消しても成功した例は、どのくらいあるのでしょうか? (翻案は別ですよ。)

ラテン系の演目とはどんなものを想定していますか?
むしろあまりラテン系を感じるような芝居は少ないように思いますが…。
シェイクスピアの芝居は現在では詳しい時代考証に基づいた衣装やリアルで具体的なセットを作るよりも、自由な発想でどこの国ともどこの時代とも言えないような衣装やセットで演じることが多いです。そういうところが時代や国の設定に縛られない自由な上演方法ができる、という意味です。

〉リア王に権力者の老害を読み取ることはできるし、現代風の翻案では成功例もあるようですが、翻訳の範囲内で現代風の衣装や舞台装置という例はどのくらいあるのでしょうか。ロシア語版の映画は良くできてきましたが、現代風ではなかったです。

上で述べましたように、シェイクスピアは具体的な時代設定を定めないで上演することが多く、はっきりと「現代に移した」コンセプトではなく単に衣装が現代風だった、と言うだけのことが多いです。ですからチラシやポスターでもわざわざ「現代に移して上演」とかいうことは書きません。
リア王なら全くセットのない舞台で、衣装も飾り気のないシンプルなもので上演したのを見たことがあります。だからこそいっそう「あほなおっちゃん」ぶりが際立って感じられました。

宝塚でやった「ロミオトジュリエット'99」も、特に現代という設定に移した上演を目指したわけではありませんが、衣装がほとんど現代的でした。ロミオはタイツではなくシャツにズボン。ジュリエットはお嬢さま風の白いドレスですが、ひざ丈。ジュリエットの母親はロングドレスですが、現代のカクテルドレスのような細いシルエットでしたし、マーキューシオは迷彩服で、ケンカにはやる若者のイメージを表していました。
藤原竜也の「ロミオとジュリエット」は金網やフェンスを使ったセットで現代風でした。最近ではタイツ姿のロミオって見ませんね。

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの来日公演「オセロー」は、オセローが将軍であることからか、現代の軍隊の基地のような雰囲気でした。衣装も完全に現代ものもでした。登場人物はカーキ色の軍服を着てました。その中で違和感を感じさせないギリギリのところで「オセロー」を成り立たせていました。
そのあたりは俳優の力量も大きいです。演技に説得力があれば舞台に引き込まれて納得できてしまいます。

これが喜劇になるとますます奔放な演出が行われ、「なんでもあり」の状態になります。「夏の夜の夢」ではアセンスの若者たち、妖精の世界、村芝居の人たち、とイメージを分けるためにそれぞれ違うコンセプトの衣装を用意することもあります。

〉A Midsummer Night's Dream のミュージカル版、僕が観たのは、すぎやまこういちさんの作曲による上演でした。劇の途中で緞帳をおろさず、街の中も森の中も同じ舞台装置に手作業で細工するだけという方法で、最終幕の劇中劇も省略せずに行なっていました。

すぎやまこういちですか。ドラクエの…。そんなのがあったのなら見てみたかったです。

それではこのへんで…。


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