「死」について考えたくなったときに。

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217. 「死」について考えたくなったときに。

お名前: みちる http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3112/
投稿日: 2003/11/26(16:52)

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ふっと、こういうことを考えてしまうことってありませんか?

☆Rebecca Brown「The Gifts of the Body」レベル6、SSS書評あり。
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S101923&bfile=bookdata]
エイズ患者のケアワーカーを主人公とした連作短編集。
病気相手だとどうしようもない無力さ、やりきれなさも幾分感じるのですが、
死に近い場所にいる人達の、それだからこその「生きる歓び」が、じんわりと
伝わってきます。

☆Danielle Steel「His Bright Light」
[url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0552546542/sss-22]
レベルは7-8くらい。語数は121000語くらいです。
若年性躁鬱病で自殺した息子について書いたノンフィクション。柳田邦男さん
の「犠牲」が印象的だったので、似たような作品かなと読んでみました。
息子が生まれてからの行動をおいながら、何ができたのか、何ができなかったのか、
何をしてあげたか、何をしてあげられなかったかが、かなり感傷的な文章で
かかれています。息子を思う気持ちも、強く伝わってくるのですが、よくありたい
と思いながらも、そうはできない息子の日記がとても切なく伝わってきました。

☆Orson Scott Card「Treasure Box」
[url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/006109398X/sss-22]
レベルは7-8くらい。語数は111000語くらいです。
Quentinが11才の時、姉のLizzyが交通事故にあって脳死状態に陥り、両親は生命維持
装置を切ることに決めた。激しく抵抗するQuentinに姉の声が聞こえてきた。そして、
姉を思いながら姉のいない世界を空しく思いつつも大きくなって、金持ちになった
Quentinは、姉と似たところのある女性Madeleineと出会い、結婚する・・・。
物語自体は、「死を考える」というようなものではないのですが、大人になっても
姉の死を引きずるQuentinの様子にはいろいろ考えさせられます。
姉の好きだった本を読みつづけるQuentinの描写はとても切ないです。

☆Jacqueline Wilson「The Cat Mummy」レベル3、SSS書評あり。
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S100686&bfile=bookdata]
子供向けの「死について書かれたいい作品」は、かなり少ないように思います。
(英語では読んでいないのですがゴルデルの作品とかウルフ・スタルクの作品
などに、そういうのがあるくらいしかおもいうかばず・・・。)
「死」が隠され遠くなっていきている今だからこそ、「死」についてしっかり
かかれた子供向けの本は必要なのではないかなと思います。
切ない物語ではありますが、主人公のまわりの人がみんな優しくて、さびしい
気持ちを抱えながらも、あったかい気持ちになれる名作だと思います。

☆David Almond「Kit's Wilderness」
[url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0440416051/sss-22]
レベルは5-6くらいかな。読み途中なのですがあげさせてくださいね。
(和書でも読んでいますので。)
David Almondは「夜の空気」を書く作家です。闇にひかれる心を持った少年たち。
古い炭坑の街で少年たちは<死>のゲームを行う。炭坑の中に閉じこめられて死んで
しまった少年たちのことを思いながら・・・。
闇にひかれる心は、同時に光を求めているのかもしれないと思わせる作品です。
直接「死」はでてこないのですが、「闇」あるいは「死」を求めてしまう少年たちの
姿から、いろいろ感じるところがあります。


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