聞き読み=LR=オーバーラッピングが可能になる条件

[掲示板: 〈過去ログ〉英語以外で多読を楽しむ掲示板 -- 最新メッセージID: 3292 // 時刻: 2024/6/2(09:20)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

893. 聞き読み=LR=オーバーラッピングが可能になる条件

お名前: 慈幻 http://mayavin.txt-nifty.com/labotadoku/
投稿日: 2005/5/16(23:01)

------------------------------

どうも慈幻です。

〉慈幻さん、こんにちは。
〉きっちり理論化したお返事、ありがとうございます。

いえ、理屈付けたくなるのは私の性分というか、業みたいなものですの
で…(苦笑)

〉〉突然、私が西語が読めるようになったのと似たような現象で、とても
〉〉興味深い報告です。

〉あ〜、慈幻さんも同じような経験を…。

そうです。私だけかと思ってたら、杏樹さんも同じような経験をされた
と聞いて、これも多読の効果の一つなのではないかと考えてます。後は、
何方か二言語以上で100万語読まれた方が、更に別の言語に挑戦された
場合に、この現象が起きるかどうか、気長に報告を待ちたいと思います。

〉〉〉とりあえずなぜかを考えてみました。
〉〉〉まず、プチ・ニコラは内容もイラストもフランスのエスプリとか独
〉〉〉特のユーモアを感じさせ、わからなくてもその雰囲気だけで気に入っ
〉〉〉てしまった、ということがあるかもしれません。やっぱり私はフラ
〉〉〉ンスが好き。

〉〉まず、"affective filter"が発生してないということが挙げられるで
〉〉しょう。

〉わかったような、わからないような。

"affective filter"とは、教育理論で使われる言葉で、「学習者の対象
言語に対する心理的障壁」のことです。学習しようとしている言語に対
して恐怖や不安を感じていると、極端な場合には、心理的抵抗感によっ
て、学習効果が全く現れないということもあるようです。

〉〉〉そして、フランス語はつづりを見れば発音がわかるので、脳内音読
〉〉〉がスムーズに進む。

〉〉次に、黙読するのに不自由ない程度には、文字と音が対応していると
〉〉いうことが挙げられます。

〉それは確かに大きな助けになっています。つづりで発音がわかる言葉は
〉ありがたいです。

私の場合、西語が顕著ですね。

〉〉英語多読の仏語多読へのフィードバック、学習理論で言う所の「般化」
〉〉が起こっていると考えるべきかと思われます。

〉「般化」というのはよくわかりませんが、そういう理論があるのですね。

「般化」とは、心理学の学習理論で提唱されている概念で、「ある刺激に
条件付けられた反応が、他の刺激に対しても反応すること。般化の程度は、
その刺激が似ていれば似ているほど高くなる」ことです。

〉もう一つ書き忘れていましたが、英語とフランス語の共通語彙が時々出
〉てきます。つづりがフランス語風になっていますが、英語のこの言葉、
〉というふうにわかることがあります。

ですから、英語多読で習得したスキルや知識がが仏語多読で役に立つとい
うことです(笑)

〉〉〉慈幻さんが言うところの「言語獲得装置」というもがあるかもしれま
〉〉〉せん。
〉〉〉仮説としては、まずおおまかな点がポツリ、ポツリとあって、大量イ
〉〉〉ンプットを続けるとその点が増えてきて、そのうち点と点を結ぶシナ
〉〉〉プスが発生して点と点とを結び始め、それが広がって理解度が上がっ
〉〉〉ていくのではないかという気がします。

〉〉上記のイメージは面白いですね。最初は部分的だった対応が、自己組織
〉〉化されることにより、相転移が起こり、飛躍的に理解度が向上するとい
〉〉うのは、理論的にも興味深いモデルではないかと。

〉すごい理論化…。なるほど。
〉今まで外国語の理解というとローラー作戦みたいに最初から順番に知ら
〉ない単語を調べて文章を一つずつ解釈して…ということになっていまし
〉たが、点を増やしていけばそのうちつながってわかるようになるんじゃ
〉ないかと思いました。ですから突然わかった、ということが起こるので
〉はないかと思いました。フランス語はそこまで「わかる」境地に飛躍し
〉ていませんが、最初は知っている単語が出てきても文章そのものがわか
〉らないということが多くて、結局何が書いてあるかわからない、という
〉状態だったのが、少し文章の認識力が上がってきたような気がします。

独語版漫画多読でも似たような経験があります。ただ、私も「飛躍的向上」
と言えるほど急激な理解度の向上は経験してませんので、もう少しゆっく
りした変化が普通なのかもしれません。

〉〉〉従来型の学習の考え方では、言葉はわかるか、わからないか、の
〉〉〉どちらかしかありません。「わかる」状態にならないと、全て
〉〉〉「わからない」に分類されます。そしてその「わかる」境地に達
〉〉〉するのはとっても大変なことです。
〉〉〉しかし多読をしてみると、なんとなく、ぼんやり、わかるような、
〉〉〉わからないような、という状態もアリだということがわかってき
〉〉〉ます。よく報告でもわかってくると霧が晴れたような、とか、ピ
〉〉〉ントが合ってきた、という表現を見ます。ではその霧がかかった、
〉〉〉ピントの合わない状態でも、その状態のままウロウロしていれば
〉〉〉いつかは晴れていくということです。その、霧の中をウロウロし
〉〉〉ている状態というのは意外と大切なのかもしれません。ウロウロ
〉〉〉しているうちに言語感覚が身についていくのかもしれません。

〉〉この、「分かる」でも「分からない」でもない中間状態が「鍵」か
〉〉もしれません。この状態で挫折せずに、「楽しく続けられる」方法
〉〉論が必要なのではないかと。

〉そうですね。わからないとおもしろくなくて投げ出してしまう確率が
〉高いですね。英語はまだレベルの低い本がたくさんありますから、
〉「わかっておもしろい」本で語数を重ねていくことができますが、そ
〉れ以外の言葉だと分からない時にどうするか、というのが課題になる
〉かもしれません。

正に、それが指摘したかったことです。

〉以前もまず音を用意して聞き読みすることから始めるということとを
〉提案したことがあります。自力で読むよりはやりやすいのではないか
〉と思うのですが。
[url:kb:254]

実は、

http://www.nhk.or.jp/daily/french/

で仏語でのNHK国際ニュースのスクリプトが、

http://www.nhk.or.jp/rj/index_e.html

で各国語でのNHK国際ニュースの音声が聞けます。

そして、スクリプトは西語・中国語・露語などもあるので、
試しに色々やってみました。

西語は発音がほぼそのままローマ字読みなので、非常に
簡単でした。

仏語もある程度発音規則は理解したので、まあ何とかやって
やれないことはありませんでした。

ただ、中国語や露語になると、文字と音との対応が全く予想
がつかないので、今何処を読んでるかすぐ分からなくなり、
読み聞き=LR=オーバーラッピングが成立しませんでした。

従って、ある程度発音規則を習得してから出ないと、そもそ
も読み聞きをしようにもできないのではないかと。

勿論、カラオケの画面みたいに、音に合わせて文字の色が変
わっていくような学習ソフトがあれば、全くのゼロからでも
可能なのかもしれませんが。

以上、用件のみですが、今回はこれで失礼します。


▲返答元

▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.