未知言語に「○○語が面白いほど身につく本」

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1422. 未知言語に「○○語が面白いほど身につく本」

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/5/7(00:47)

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みなさま、こんにちは。

英語以外の多読をしようとすると、まず困るのはやさしい素材集め。特にORTレベルのものがあるとありがたいのですが、そういったものは英語以外ではなかなか見つかりません。
そこで未知言語の取っ掛かりに次善の策としておすすめしたいのが「CD付き ○○語が面白いほど身につく本」(中経出版)です。

この本についてるCDの特徴はまず「日本語→外国語」の順番であること。ですからテキストを見なくても「ながら学習」で聞き流しても意味がわかるようになることです。特に「日本語が先」というのが重要です。語学教材で外国語が先、というのもあります。しかしわからない外国語を聞いてから日本語を聞いても頭に残りません。残るのは日本語だけです。まず日本語で「これから何と言うか」と把握してから外国語を聞くと、外国語が「わかった」状態で耳に残ります。さらに「日本語が後」だと「和訳」のクセがついてしまいます。「日本語が先」だと日本語を外国語に変換する回路ができる→言いたいことを外国語で言うとどうなるか、がわかるので、その方が役に立ちます。
これについては、私が今までに実際「日本語が先」の教材と「日本語が後」の教材両方を聞いた経験がありますので、それを比較しても「日本語が先」の教材の方が役に立つことは確かです。

さて、私が最初にこの教材を使ったのは多読前で「インドネシア語が面白いほど身につく本」でした。そして先日旧ソ連領の国へ行くため即席で簡単なロシア語を覚えて行きたいと思い、このシリーズを思い出して使うことにしました。その経過でどれだけ効果があったか記してみます。
私はロシア語は全く未知言語です。文字もわかりません。以前モンゴルへ行った時、モンゴル語がロシア文字を使っているので覚えようとしましたが全然覚えられませんでした。
まず通勤時にひたすらCDを聞きました。乗り換えや徒歩の時はテキストを開くことができませんし、電車でも満員で開きにくいことがあります。ですから最初はあまりテキストを見ないでひたすら聞いていました。そうしたらそのうち日本語を聞くと次はロシア語でどういうか、というのがたま〜にわかるようになってきます。例えば「〜してください」という言葉が続くと同じ言葉が繰り返されるので、「これはこういう意味だ」というのがわかってきます。このテキストは旅行会話や日常会話をひたすら並べただけで、文法だの新出単語だのの記述はほとんどありません。それぞれのフレーズが独立しているので、最初の方がわからないと次へ進めない、と言うことがありません。どこでも耳に残った言葉を覚えられたらオッケーです。

そうしていくつかのフレーズが耳に残るようになって来たころCDを聞きながらテキストを見てみました。そうしたら覚えたフレーズと文字が結びつくようになってきました。私が最初に認識できるようになったロシア語は「パジャーロスタ」でした。「してください」という文章の時に必ず出てくるので、英語のPleaseに当たる言葉だな、ということがわかってきました。そして文字を確認すると、「ジャ」の音が見たこともない妙な文字で、特に印象に残りました。そのほかの文字もラテン文字(ローマ字)とは少し違うのですが、何度か見ていると「パジャーロスタ」の文字ひとまとまりで判別できるようになりました。このようにフレーズを覚えてから文字で確認する、というのを何度か繰り返すうちに認識できる文字が増えてきました。そうすると、文字と言葉がセットになってわかってくるようになりました。
さらに、この本では本文とは別に文法を簡単に解説しているページがあります。ある程度言葉が頭に残るようになってから文法の解説を読んでみました。そうしたらわからないところも多いのですが、「そうか」と思って読める部分がありました。

これは従来の外国語の勉強とは全く逆です。特に未知の文字の場合、まず文字を覚えます。そして初歩の文法に基づいた例文を学びます。そうして例文にのっとった文章を覚える、と言うのを積み重ねて行きます。
しかし私がやったのは、文字も文法もなしに「日本語→ロシア語」のCDをひたすら聞き、覚えた言葉に関して文字を確認し、簡単な文章をいくつか覚えた時点で文法を確認する、という方法です。そしてこの方法で充分効果を確認できました。別にロシア語がスラスラわかるようになったわけではありませんが、重要なのは勉強をする労力をほとんど使っていないことです。しかもこの方法は定着率が良かったのです。
モンゴルへ行ったときにロシア文字を覚えようとしたときは、アルファベット表をにらめっこして、順番に唱えるように一生懸命覚えようとしました。でも全然覚えられませんでした。覚える端から忘れる、と言う感じでした。しかし今回ロシア語をこの方式でやってみて、実際に現地へ行って見たら文字がかなりわかるんです。すらすらとはいきませんが、ロシア語特有の、今まで見たことのなかった文字でもちゃんと覚えていて判別ができるんです。現地へこの本を持っていきましたが、ほとんど開かないで判別できました。自分でも定着率がずいぶんいいなと思いました。

ひょっとすると「がんばって覚える」方式と言うのは労力ばかり大きくて、とても非効率なのではないでしょうか…?労力を使わないで楽にやったほうが定着率がいいのかも…?
と、いうことで、未知言語に挑戦するときはこの「○○語が面白いほど身につく本」のように「日本語が先」のCDをテキストを見ないでひたすら聞く、というのを1ヶ月なり2ヶ月なりやってみることをおすすめします。そしてフレーズが頭に残るようになってきてから文字を確認したり文法の説明を読んでみるんです。それで理解できなかったらほっておいて、さらにCDを聞き続ける。気が向いたらテキストを見る、という方法で。

と、思ってこのシリーズ他の言語の本を見てみました。そうしたら言葉によってずいぶん本の内容が違うようです。インドネシア語とロシア語はなぜか内容がとてもよく似ていて、ひたすら会話を並べるだけで(しかも旅行会話中心)、普通のテキストのようにレッスンに分かれて文法の最初から説明して例文を示して…ということが全くありませんでした。ですからどこでも聞いてフレーズを覚えたらそれでよし、という内容でした。
二つの本がそうだったので、他もそうかと思ったらどうも違うようです。フランス語やドイツ語は文法説明用の例文が並んでいて、文章ごとに文法や単語の説明がしてあったりします。中国語はもう少し長いひとまとまりの会話形式になっています。
ただ、「日本語が先」のCDをそのまま聞いていたらフレーズの意味はわかってくると思いますので、文法説明や新出単語は無視してCDだけ聞き続けていればいいと思います。
私は旅行から帰ってきたらロシア語は用がなくなったので終わりました。だれかこの方式で継続して未知言語を覚える実験をしてくれないものでしょうか…。


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