図書館の事情補足説明

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190. 図書館の事情補足説明

お名前: momiji
投稿日: 2006/3/31(12:55)

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ミグさんこんにちは。

公共図書館にGRを普及させようという
ミグさんの努力には本当に頭がさがります。
すばらしいと思います。
ミグさんの行動力はすごいですね!

ただ、少し図書館に詳しいものとして、
図書館の事情もわかって欲しいなと思って投稿しました。
ミグさんの文章を読むと、
よくわかってらっしゃるとは思うのですが・・・。
私なりに補足したいなあと思いまして。

もともと、日本における公共図書館は、
予算・人員の面でめぐまれていないところへきて、
現在では、さらに予算・人員を減らされていて、
正規の職員もどんどん少なくなってきています。

また、正規の職員にしても、
なんでも一通りできるジェネラリストが好まれ、
図書館の専門的な知識(のみ)を豊富にもったスペシャリストを
嫌がる日本の風土の関係もあって、
書誌データを入力できたり、
利用者からのさまざまな質問(レファレンス)に対応できる
スペシャリストを各図書館に十分に配置していない(できない)という状況です。
つまり、ずーと図書館で働いて、図書館のことをなんでもよく知っている
職員というのは少なく、数年で他の部署に移る(移される)人も多いのです。

書誌データの入力といのは、簡単な仕事ではなく、
本を良く知っているスペシャリストが行う
大変難しい仕事です。
書誌データをきちんと入力するには時間もかかるし、
専門的な知識も必要なのです。

書誌データを入力しなければ、
実際に利用者に提供することはできません。
しかし、入力できる専門知識を持った職員は少ない、コストもかかる。

お金も入力の手間もコストという面では一緒なんですよ。
給料を支払われている図書館員が書誌データの入力の時間をとる
ということとは、それだけ他の仕事ができないわけですから。

もちろん、全ての公共図書館が、
このような状況というわけではないですが、
大半の公共図書館に通じる事情だと思います。

他のことよりも洋書を入れるほうが優先度が高い(利用者のためになる)
と思う図書館であったりすると、リクエストや寄贈が通りやすいのではないか
と思います。

要は、トレードオフなんですよね。
ほかの事を犠牲にしてまで、
洋書を入れる価値があると判断されるかどうかという。

また、特定の一利用者がリクエストした本を
大量に採用することは、普通しないです。
一人の人を優遇することになりますから。

多読のことをよくしっている図書館員がいて、
これは、リクエストしてきた特定の一利用者ではなくて、
公共図書館の利用者全体の利益になるのだ
とわかっている場合は、大量の本のリクエストも
受け入れられるのだと思います。
寄贈の受け入れも同様です。
今までの流れからわかるかもしれませんが、
実は、図書館が本を所蔵する際のコストは、
本の購入費だけでなく、書誌データの作成、配架場所の確保など
受け入れにかかるコストも相当あるからです。

鶏卵なんですけど、多読が普及していれば、
公共図書館も多読用図書の所蔵の必要性がわかっているので、
所蔵すると思います。
多読が普及してない→必要性がわからないので所蔵しない
多読が普及している→必要性がわかるので所蔵する
ってことですね。

ということは、
公共図書館に多読用図書を普及させる運動としては、
多読用図書を公共図書館に入れて欲しいという
署名を集めて、自治体に要望を出す(必要性をわからせる)
なんてのもありかもしれませんね。

ま、こんな図書館の事情があるからといって、

"ミグ"さんは[url:kb:164]で書きました:
〉GRはテキスト教科書なので図書館では受け入れ不能

教科書だから入れないという断り方はなんだかなあとは思います。
「公共図書館が、教科書だと入れないというルール」なんて、
聞いたことなかったけど、あるのかしら?
あと、「GR=教科書」というのもナンセンスですよね。

それはそうと、
何にもしないのは、現状が変わらないわけですし、
変えたければ、なにか行動を起こさねばですよね!

リクエストを出すってのは、それだけ欲しい人がいるんだっていう
意思表示になるんですから、
とにかく、通るか通らないかはともかく、
リクエストを出すってのは重要ですよね。
1人でもできますし。
私も、めんどくさがらずに出すようにします・・・。

メグさんが寄贈した図書館のGRの回転率のよさが
わかるデータを公開することができたら、
いかにGRが借りられてて、公共図書館には絶対に必要な図書なんだって
アピールできていいですね。

図書館の多読図書受け入れ作戦については、
他にもあるかもしれませんね。

図書館関係者に英語の多読を広めるとか?

いい案が思いついた人がここで、やり方を発表して、
ここで情報交換できるといいですね。

それでは。


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