Re: ハンドボールと水球の話

[掲示板: 〈過去ログ〉多読と英語学習・試験に関する掲示板 -- 最新メッセージID: 1756 // 時刻: 2024/5/1(13:31)]

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750. Re: ハンドボールと水球の話

お名前: 寅彦 http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
投稿日: 2009/11/7(09:13)

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TOEICで高得点で次に英検一級を受けてみたらうまく行かなかったというのは、ハンドボールが上手になったので似たような水球をやってみたらできなかったというようなものでしょうか。

両者の違いと言えば
1.試される技能の違い
TOEICが読む・聞くのインプットの二技能をテストするのに対し、英検一級は読む聞く書く話すの四技能。
以前は和文英訳、英文和訳が出て、試験問題も日本語でしたが、現在は日本語ができなくても受かるような試験らしいですね。
(私が受けたのは変更前でした)

訳すという五番目の技能をテストしなくなったというのは残念なことだと思います。五技能を試す一般的なテストが無くなってしまったわけですから。
「英語を英語のままで」という発想からは四技能のテストで良いわけですが、それであれば英検一級で無くても海外の試験を日本で実施すれば良いわけです。ケンブリッジ英検とか。

英検が文部省のお墨付きを失って、TOEICがどんどん勢力を伸ばして、焦った日本英語検定協会は、(私の記憶では)ケンブリッジ英検と提携をして英語だけで受けられる試験に作り替え、かつ、合格者が入学の際の英語の試験を免除できる提携大学のネットワークを増やし、生き残りを目指しているわけです。
まあ、「訳す」という五番目の技能が難しい技能なので、それを試すのは一級を終えてからのプロ向けの試験でよいかという判断もあるかも知れません。(日本通訳検定はつぶれてしまいましたが)

2.評価の方法
かつての通訳ガイド試験は試験問題自体は簡単なものの合格者を上位10%とすることで、(合格するのが)難しい試験となっていました。
英検一級は絶対的なレベルで難しいですが、評価も絶対レベル。
TOEICは評価は偏差値ですので、受験者全体に対して自分がどこにいるかということです。
自分より英語のできない人を100万人連れてきて受験してもらえば自分もTOEIC990点だろうかと考えたこともありました。

今では過去5年?のデータでの偏差値ということらしいので、5年間毎回100万人を動員するのではお金が続かないなあというところです。

また、「受験者全体」という母集団が日本人・韓国人を中心としている中で、自分はnon-nativeの中での順位が知りたいのか、海外に出ても、ネイティブと比べてもやっていけるレベルかどうか知りたいのかということもあるでしょう。
後者であれば、EUの統一レベルに沿ったケンブリッジ英検などが良いでしょう。

結局の所、TOEICと英検一級は別のものというだけのことで、どちらが良い、どちらが悪いと言うわけではありません。

(突然ここで話が変わる)多読によるunlearnという話があります。
(私個人は)学校英語で身に付けたものでunlearnしなければならなかったものはほとんど無いと思っています(忘れちゃったから)が、これはunlearnが必要だと思っているのは、訳語に出てくる漢字のイメージです。
different を違うとか異なるとか訳出した瞬間に、「違和感」「異物」「間違い」などと、「正しくない」というニュアンスが強烈に想起されます。

(話は戻る)というわけで、インプット能力を評価したくて、かつ、(国内での入試や採用試験に使うので)日本人の中での相対的評価が知りたいという目的であれば(受験者も評価者も)TOEICを使えば良いというだと思います。



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