CODのEnglish Uncoveredというコラム

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577. CODのEnglish Uncoveredというコラム

お名前: ドラちゃん http://dorataoku.blog37.fc2.com/
投稿日: 2009/3/23(00:49)

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最近、ちょっとした気の迷いで、COD (= Concise Oxford English Dictionary)
を買ってみました。

辞書自体はcentral, core meaningsに主眼を当てて編集してあるだけあって、
語によっては説明が簡潔すぎて逆に意味を取るのが(今の私には)難しかったりします。

私が面白いと思ったのは、巻末のAppendixに『English Uncovered』というコラムが
あって、この中でOxfordが、どのようにして見出し語を選んでいるかなどの説明が
なされている部分です。

以前から噂には聞いていたのですが、OxfordにはThe Oxford English Corpusと
The Oxford Reading Programmeという2系統のデータベースがあって、これらは
世界の色々な地域で使われている、文書や電子メール・ブログ・チャットルームなどから
引用された膨大な量の例文集で、ここから様々な統計情報や実際の用例を引き出して、
辞書の編集者達が勘案しているという事のようです。

もっとも、Corpus自体はOxfordに限らず、辞書を作っている各社が各々独自に
育てているモノの様ですけれど。

特に興味深かったのは、The commonest words (最共通単語)の中の
The commonest nouns : top 25 (最共通名詞上位25語)ですね。
とりあえず、単語とコメントを書いてみます。

1. time
2. person
3. year
4. way
5. day
6. thing
7. man
8. world
9. life
10. hand
11. part
12. child
13. eye
14. woman
15. place
16. work
17. week
18. case
19. point
20. government
21. company
22. number
23. group
24. problem
25. fact

・manは7位なのに対してchildは12位、womanは14位。

# もっとも私はpersonが2位に入っていたので
# 男女同権もそれなりに浸透しているんだな、
# とホッとしたのですが。

・肉体の一部を示す語の最上位は、handが10位、その次がeyeで13位、その次は
 headで27位。

・workが16位であるのに比べ、play,restは100位以内にも入っていない。

・warは49位だが、peaceはその姿すらない。(原文は、war is at 49,
 with no sign of peace)

・problemは24位だが、solutionは視界に入って来ない。

・friendは30位で、enemyやfoe(= enemy)は無い。

・bookは41位だが、computerは100位より下で、さらにpaperよりも下だ。

・moneyは驚くほど低く65位で、しかもcashなどは見る影もない。この
 低ランクの理由は多分、moneyの同義語が多数あるという事実により
 説明されるだろう。

これらのコメントは、英語圏の文化やものの考え方、特にアメリカの社会で
生きていく人たちの姿勢などについて、考えさせられるものがありました。

その他には、How many words are there in Englishというセクションでは、
10の基本形単語(lemma)から導かれる派生語がThe Oxford English Corpusで
使用されている単語の25%を占めるそうです。
この10のlemmaは、the, be, to, of, and, a, in, that, have, I ですが、
これだけで1/4ってスゴいですね。

同様にして、100の最上位lemmaで50%、1,000の最上位lemmaで75%と来ますが、
90%をカバーするためには7,000ものlemmaが必要で、95%に至ると50,000の
lemmaが必要だと言っています。

ここで言っている数は基本形だけなので、派生して生じる形を含めると相当な
数になりそうですね。

しかし、実際の単語数ではないとはいえ、具体的な数字を見てみると、多読を
通して難しい本が読めるようになるという発想がいかに的を射たものであるか、
という点で納得がいくものがありました。

ちなみに、OED (= Oxford English Dictionary:あの図鑑みたいな辞書ですね)
の第二版では61万5千語の見出し語があるそうです。

その他にも、20世紀の百年間でOEDには9万語の新語が追加されたそうで、1年辺り
900語の新語が生まれていた事になるとか、どのようにして新しい語が生まれて
いくのか? どのようにして綴りが変化してしまうのか? とか、読んでいて、
非常に興味深いものでした。

ちなみに、もっとも意味が多い動詞は…

1. set : 156 senses, with countless subsenses
2. stand : 104 senses
3. fall : 101 senses

だそうですよ。setは確かにそうかな、と思いましたけれど、それ以外の語は
結構意外でした。

ちなみに、Oxfordは [url:http://www.AskOxford.com] というサイトで、
ボキャブラリーに関する色々な蘊蓄やFAQを公開していますので、興味がある方は
見てみてはいかがでしょうか?


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