世界史クラブ:ムガール帝国

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1565. 世界史クラブ:ムガール帝国

お名前: 柊
投稿日: 2014/10/14(12:29)

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久しぶりの世界史クラブです。では、張り切ってまいります!

ムガール帝国というのは、インドの最後のイスラム教の王国です。最初の頃は、異教徒にも寛容で、開祖はキリスト教やヒンドゥー教徒の妻も持っていたそうです。ところが、最後の本当の皇帝と言われるAurangzeb帝がイスラム教徒で信心深かったためか、イスラム教徒以外は住みにくい国にしてしまったのです。しかし、そのAurangzeb帝のあとからは、側近たちが取り仕切り、皇帝の実権のない国になっていきました。

本の方はまずは薔薇の名前にもなったヌル・マハル(宮殿の光という意味の称号)から。The Twentieth Wife by Indu Sundaresan。 [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0743428188/ref=nosim/sss-22/ ] 1577年、ペルシア貴族の家に生まれたのがあまりに美しい女の子。Mehrunnisa (Son of Woman) と名付けられます。1歳になるかならないかぐらいでいったん捨て子にされますが、不思議な経緯で両親の元に戻ってきたので、これはアッラーのお告げだと、捨て子にするのをやめます。この本ではそういう話なのですが、Kathryn LaskyのJahanara : Princess of Princesses [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0439223504/ref=nosim/sss-22/ ]によると話がちょっと違う。

何でも両親が気になって戻ってみたとき、赤ん坊を守っていたのはコブラ。頭の脇のフードを広げて、影を作ってやって赤ん坊に日が当たらないようにしていた。さらには、そのコブラが乳の代わりに毒液を与えたために、ヌル・マハルは毒が効かない体質になったとか。

ともあれJahangir帝の20番目にして最後の妃となったMehrunnisaの話がThe Feast of Roses [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0743456416/ref=nosim/sss-22/ ].

話は一代飛んで、Shadow Princess by Indu Sundaresan [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1416548807/ref=nosim/sss-22/ ]。Jahangir帝の息子Shah Jahanとヌル・マハルの姪Mumtaz Mahalの子どもたちの話です。ちなみにJahangir帝はタージ・マハルを作った人で、Mumtaz Mahalはそこに眠る人です。

長女JahanaraはDara、次女RoshanaraはAurangzebと組んで、次の皇帝を荒らそう権力闘争に身を投じる。しかし、Aurangzebは誰よりもJahanaraに認めてもらいたかった。Daraの方は、異教徒にも寛容だったようですね。

Jahanara Princess of Princesses by Kathryn Lasky [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0439223504/ref=nosim/sss-22/ ] は祖父(というより、それを操るヌル・マハル)を倒し、父の即位を企む話。日本では見かけなかったですが、amazon.comではKindle版が出ていたように思います。

最後にBeneath a Marble Sky [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0451218469/ref=nosim/sss-22/ ] これはちょっと、紹介して良いのか迷うのですが、ムガール帝国の皇女は結婚を禁じられていた。そうでなくとも、皇帝と最愛にして唯一の妃の長女ともあろうものが、年老いた小金持ちに荷物でも受け渡すようにぽいっと与えられるということがあるものだろうか。他にもいろいろと疑問はありますが、Jahanaraの結婚と、結婚外の真実の恋とその子どもというテーマの話です。これが一番売れているというか、翻訳されている気がします。

というわけで、ムガール帝国16から17世紀辺りでした。長々お付き合いいただき、ありがとうございます♪


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