Re: 古川さんに質問です。

[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/5/11(06:42)]

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[電球] 1083. Re: 古川さんに質問です。

お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2007/3/12(14:33)

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追加です。
古川さんとの違いがわかりにくいと思えるので、
ながーい引用の後にすこしだけ付け加えます。

一言でいえば・・・ 文法などと言うものはないのですよ・・・

〉〉〉古川さんのいう「文法」とはどんなものですか?
〉〉 
〉〉 これは、難しい質問ですね。酒井先生は、文法の専門家だし、
〉〉 こちらはまったくの素人ですから。

〉〉 でも、簡単な範囲でお答えしますね。

〉〉 
〉〉(1)知っていると役に立つことのある規則ですね。
〉〉  例えば、
〉〉 cut, but, butter, putter
〉〉 などとあれば、(発音記号が面倒なのでカナできますが)
〉〉    u は ア とよむことの方が多い 
〉〉  というようなものです。
〉〉   Put とかもちろん、例外はあるけれど、
〉〉  読み方を知らない場合には、
〉〉   (1) ルールどおりに発音する方が通じる確率が高い
〉〉  というものです。
〉〉  もちろん、ア と読んで通じなからったら ウと読んでみる
〉〉  という知識も文法にはいります。

〉〉  一番役にたつルールは、"語順”だと思います。
〉〉    I like Floppy. は Floppy が僕を好きなんじゃなくて、
〉〉  僕がフロッピーを好きと解釈するべき というようなことです。  

〉〉(2)交換可能であるもの
〉〉  例えば
〉〉   push open the door
〉〉 という表現があれば、
〉〉   pull opne the door
〉〉 といっても多分だいじょうぶだろう という知識でしょうか

〉〉(3)言葉のイメージ
〉〉   falling leaves なら 落ちつつある葉っぱ だけど
〉〉   fallen leaves はら 落ちている葉っぱ というイメージ

〉〉(4)あとは連語のルール ですね・
〉〉  これは、語彙といってもよいでしょうけど。
〉〉[url:http://kkitao.e-learning-server.com/javaS/radio/grammar1/0.htm]]
〉〉で問われているものです。
〉〉  英語で black and white は自然だけど white and black は不自然
〉〉  というようなものも含まれます。

〉〉私は語学の専門家ではなく、「ユーザーの立場」なので、ようするに
〉〉正確に読んだり、相手に伝わるように話したり書いたりするのに役に立つ知識
〉〉全般を「文法」といっています。

良い点を衝いてはいるのですが、もう一息下がって、
それをどう教えるのかまで考えるともっとよかったと思います。

上のようなことはほとんど全部、「教えられない」のですよ。
フォニックスのほんとに最初のところくらいですね、
教えて意味がある生徒もいるかもしれないというのは。
「連語のルール」って、本当にルールなのかどうかわかりませんが、
そういうルールはおそらく、ない・・・

たとえば black and white なんかは典型的で、なぜwhite and blackと
いわないかをだれもしらないので、ルールを教えようがない!
古川さんが挙げている問題はかなり大きな問題ばかりです。
(いちばん根本的な問題だとはぼくは考えないけれど)

なぜそうなっているかがわからないということは「ルールを教える」ことは
できない。つまり、先生は日本語とはこういう違いがあるよと「事例」を
指摘するしかできない。全部の事例を指摘することは不可能です。
たまたま出てきたものを「ああ、こう言うんだ!」と吸収していくしか
ないわけです。

完全にルール=文法が解明された自然言語など存在しません。
ということは、古川さんが「文法」と思っているものも含めて、
言葉の仕組みを説明した文法など、世の中にないのですね。

慣用上のしきたりはどの言葉にもあります。
しかしそれは「教えられる」ような体系的なものではないですね、
当然ですが。

それをぼくは「作法の文法」と呼びますが、いつか「こども式」サイトで
くわしく説明します。みなさんが普通「文法」と呼んでいるものは
実は「作法の文法」です。それに対して言語学者が追求して
いるのは言葉の仕組みを根本から説明した「文法」です。
それがあれば文法を学んで言葉を獲得することも可能なのでしょうが、
まだだれも見つけていない・・・

古川さんとぼくのちがいを言い直せば、

古川さんは中学1年生に文法という幻を使って教えようとしている。
ぼくは幻の文法は現実の英語獲得には意味がないと言い切る。
(作法のため、受験のためのドーピング的文法指導はありえます、
 念のため。受験の分野で古川さんが成果を出してくれることは
 大歓迎です! ただ、ぼくは一緒にされると困る)

こういう違いだといえば方向の違いがはっきりするでしょうか?

あ、これは古川さんに反論を求めているのではありません。
掲示板のみなさんに説明しているだけです。

Enjoy English!


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