「学習者に文法はいらない!」(長文です。)

[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/5/21(03:24)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

[電球] 1036. 「学習者に文法はいらない!」(長文です。)

お名前: たら
投稿日: 2006/11/12(12:15)

------------------------------

これは、さっき酒井先生から教えてもらったことばです。

たった一言のことばが長い間、抱えていた問題の答えのヒントになることが
あるのですね。
探していたミッシングリングやジグゾーパズルの最後のピースを見つけた
思いです。

(言語)学習者には「文法」はいらない!
なぜなら
人間は自分で自分の(言語)文法を作ることができるから。

そして、たぶん、自分で作った文法でないと、自分でうまく活用できないので
しょう。だから、日本人の多くは6年勉強しても、英語をうまく活用できないの
です。

出来上がった文法は誰かが学習した後の結論(残りかす)だから、
文法を覚えるのは苦痛なのです。
単語を覚えるのが苦痛なのは、
経験がないのに原因と結果を結びつけるのが不自然だから。

(言語)学習者に必要なのは(私の仮説では)
1.愛と励まし と 2.切迫した必要性 3.興味
です。
たぶん、人間(の頭脳)は経験を積んで、脳の中に回路を 作っていくのだと
思います。その過程で、「愛と励まし」が必要なのだと思います。
出来上がった回路の集大成が言語であれば「文法」なのでしょう。

一人一人の頭脳が違うように一人一人の「文法」も微妙に異なっていると
思われます。が、その差異を研究するよりは、shareできる部分を探すほうが、
ずっと楽だし、前向きだと思うけれど、、、

たぶん、日本の英語教育の問題は、教える側にいる人にこのことに気づいて
いる人が少ない(なぜなら、自分で使えるところまで外国語と格闘したことが
ないから)か、気づいていても、その事を隠そうとしている(なぜなら、文法
と語彙という情報を独占して教える側が優位になろうとしている
(いわゆる権威というもの)から)からだと思います。

私が酒井先生の本に最初から魅力を感じたのは、たぶん、ここだと思います。
出来上がった学説や、理論の上に何かを作り上げるのではなくて、自身が
感じた素朴な疑問に正直になって、ずっと粘り強くその解明を続けてきた
ところだと思います。

でも英語本でこのことを書いてあるものがほとんどないのです。ところが、
最近、このことを、明快に書いてある本をみつけました。

プロフェッショナル 仕事の流儀 というNHKの番組があるのですが、
その本がでました。その中に竹岡広信さんのことがのっていました。
有名な ドラゴン桜のモデルになった人です。京都の亀岡で英語塾をしている
人です。

ちょっと長いけれど引用します。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「18歳のときに、実家の塾でアルバイトをしないかと誘われ、軽い気持ちで
引き受けた。、、、、
「こんなに熱心な先生は、はじめてだ。」といわれ、生徒からの信頼も
あつかった。
 3年間教えて、迎えた入試。竹岡には自信があった。しかし、結果を聞いて
耳を疑った。男子全員 不合格。
「3年間、ありがとうございました。期待に答えられなくて、
すいませんでした。」

何がまちがっていたのか、何がわるかったのかはもう単純なことで、
「詰め込んで」いたから。
僕に辛抱がなかった。生徒の力を信じていなかったんです。その結果、
ほとんどが落ちてしまった。 どんどん詰め込む方法も一時的には
効果があるんです。けれど、ほんとうに難しいところまでいこう、
あるラインまでいこうと思うと、しんどい。目先の結果は出ると思うんです
けれどもね。
 当時は、情熱だけは今以上にあった。けれど方法論がまちがっていた。
方針のない情熱は ”自己満足”だ。

ただそのことにだれも気がつかない。生徒も、教師も。
誰もが落ちたのは「生徒が勉強していないから」だと思ってしまう。
 中略

だから、先生が悪くてもばれないんです。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

これから、酒井先生の時代がくるような気がします。
こさせなくてはならないと思うのです。


▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.