進軍ラッパなる度に・・・

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8159. 進軍ラッパなる度に・・・

お名前: 道化師
投稿日: 2003/11/23(22:24)

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こんばんは、杏樹さん。
バナナさんご推薦の「ゼウスガーデン衰亡史」を読んで気宇壮大になっている道化師です。

〉ここのところ遊んでもらって多読のお邪魔をしてすみません。お子さんの世話もしなくてはいけないのに…。

私の多読は、必要性とか確固たる目的意識のあるものではなく、
純然たる楽しみですから、他に楽しい事があれば、和書読みでも、
こうした会話であれ、どんどん楽しい事のほうにシフトして良しとしています。
子供の世話は「親は無くても子は育つ」と言いますが、
昨今では「親があっても子は育つ」と言うそうです。
小子化や経済的豊かさが親の子供への過干渉をもたらし、
子供の自立していく精神の発達の阻害になるそうですから、
親は親で、「子供の成長だけが楽しみで」などと言わず、
親自身の人生を楽しむべしと言うことなのでしょう。
(と、杏樹さんとのやりとりが楽しいだけなのに、
 そこにこんな言い訳を入れてしまう素直じゃない私・・・。)

〉そんなご謙遜を。どんどん話が展開していくのでおもしろいです。

いや、謙遜じゃなく、全知全能をかけてお相手させて頂いています。

〉〉〉今度は石の下に埋めてしまいました。(一応聞きますが、もとネタわかりますよね?)
〉あちゃー。通じてなかったんですねー。
〉「ここはお国を何百里離れて遠き満州の…」
〉って軍歌、知りません?
〉長い歌らしくて全部は知らないんですけど…。
〉「赤い夕日に照らされて友は野末の石の下」
〉とか
〉「しっかりせよと抱き起こし仮包帯も弾の中」
〉とかいう歌詞があるんです。

ああ、なるほど。知ってます。言われてみれば、上の歌詞すべてメロディ付きで歌えます。
でも「野末の石の下」は、完全に抜けていました。

〉そういう「夢」が出来上がってしまったら、ますます道化師さんの前に出られなくなってしまう…。上沼恵美子よりはおとなしくて静かです。

「上沼恵美子よりおとなしくて静か」と言うことが、おとなしくて静かと言うことになるのか、判断に悩む所ですねぇ(笑)

〉魔法が解けて王子様に戻った野獣なんですね。

魔法が解けても、やっぱり「野獣」であることには変わりないと言うことか?
(確かに、可愛い子羊が目の前に居ると、狼に変身してしまいたくなりますが)

〉〉歴史的には杏樹さんが詳しく書かれたユダヤ人がヨーロッパでその役割を担ったのでしょうし、開国前の日本が被差別部落を村の周辺に置き、近代日本が朝鮮を差別的に扱ったのも、この構造があるからだと思うのです。
〉〉アメリカが建国以来、常に「敵」を持ってきたのも、「移民による他民族国家」と言う性質上、自らが「国家」としてまとまる上で必要だったからだと思います。
〉〉(と、この理屈は今をさること十数年前の私の卒論のテーマでした。進歩が無いなぁ)

〉何を専攻なさってたんでしょう?

法学部です。ゼミが「法哲学ゼミ」でした。

〉ともかく人間の集団は被差別民を常に作り出しておく構造になっていたわけですね。

国と言わず、民族、村落集団と言わず、この原型は学校のクラス、友達グループ、
と何の集団でも見受けられます。
例えば、学校の校内暴力は生徒が生徒集団としてのアイデンティティーを保持するために教師を排除の対象にした時の形であり、
教師側がこれに反して、内申書や徹底した管理と言った手段で生徒を押さえ込んだ結果、他に排除の対象を求めざる得なくなった生徒集団が仲間内にその対象を求めた結果が「イジメ」という形になって現れました。
日本の「村落」に於いては、排除の対象は「部落民」「村八分」「よそ者」と3種類ありましたが、その排除の形が違っていました。村落の集団を確立する為の他者として「部落民」が必要とされ、村落集団の掟を破って集団構成員を外された者が「村八分」であり、この両者は「生かさず殺さず」の排除がされましたが、流れ者や落ち武者と言った完全なる他者は「落ち武者狩り」に見られるような完全な抹殺がされました。

〉〉〉ただ、第二次大戦では無差別爆撃が平気で行われていましたが、アフガニスタンやイラクへの攻撃では民間人や民間施設を爆撃すると即世界中に報道され非難の声があがりました。50年前ならアメリカもバグダードを大々的に空爆して焼き尽くして制圧したと思います。しかし民間人に配慮しなければならない時代になったのでそれができなかった。少しは人類も進歩したのかなと思います。

〉アルジャジーラの放送でも見ることができたら見方も変わってくるかもしれません。アメリカの情報は一種の「大本営発表」の面もありますから。

そうですね。でも、アラビア語まで手を伸ばすのは、さすがに厳しいなぁ。
せめて、「日本語による情報統制」を避ける為にも、インターネットというより統制されにくいメディアを利用する為にも、多読で英語が「読める」ようになることは大切だと思っています。
(杏樹さんのように、英語に留まらず、より他言語に通ずるようになるのが理想ですが)

〉付け加えるなら、空襲の被害を訴えることはアメリカを糾弾することではなく戦争の悲惨さを訴えるものであるべきだと思います。糾弾するのではなくただこういう事実があったことを知って欲しい。日本には今でも空襲の記憶をとどめている人がいることを。日本はそういう戦争を経験したからこそ憲法9条を守っているのだと。

杏樹さんからの「糾弾ではなく、知ること」という発言を読んで嬉しかったです。
完全に同意します。

〉南北戦争は内戦でしたから。特に北部の人にとっては奴隷解放の輝かしい戦争でした。勝った方には反省は起こらないんですね。

通常、旧ユーゴやルアンダを見ても、外国との戦争よりも内戦の方が悲惨な筈で、負けた南部の記憶だってアメリカに残っていて然るべきなのでしょうけれど。
あっ、そうか。その南部の反発を制圧していく為にリンカーンをはじめとする大統領の英雄化があり、その伝統が今のアメリカの教育に残っているのか・・・。

〉〉〉それはもっともです。しかし戦争責任はやはりはっきりさせなくてはなりません。一般の国民が完全に無実だとは言えないとしても、民間人と為政者の罪は同等にはならないと思います。「私の反省」は必要ですが、しかしそれで終わらせることは出来ません。戦争を起こしたもの、起こそうとするものに対して厳しい目を向けていかなくてはいけません。民間人同士で謝罪してるのに政府は知らんぷり、ということも起こるわけで。南京にある大虐殺記念館では日本人が千羽鶴やたくさんのお便りを寄せて謝罪を表明しているのに、日本の首相は毎年靖国神社への参拝を欠かしません。

〉〉うーん。
〉〉ツッコミの杏樹さんにツッコミを入れるのは恐い気がするのですが、はまこさんの書き込みに「どんどん入れて」とあるので、入れますが・・・。
〉〉それに所詮、東京から離れた事の無い人間に本当の「ツッコミ」が解る筈も無いので、ご容赦を願って・・・。
〉〉(5.6人まとめてかかっても、投げ飛ばしていただけるようなので)
〉〉「戦争責任」と言うのは、言葉として存在しても、実態の無い言葉の典型だと思うのです。為政者の「戦争責任」と言う時、それは「敗戦責任」なんですね。勝てば決して責任は問われない。それは東京裁判でもニュールンベルグ裁判でもそうでした。チャーチルだって、トルーマンだって、スターリンだって戦争責任は問われなかったのです。更に、国民が為政者に問う物ではなく、戦勝国が敗戦国に突きつけるものです。戦争に勝ったか負けたかでどちらに転ぶか解らない責任を問うというのは、はなはだ矛盾に満ちているのです。確か東京裁判でも、インドの判事(パール判事と言ったかな?)が「国際法上、戦争は責任が問えるのか?」と同様の主旨の事を問うていたと思います。

〉全くその通りです。東京裁判を認めない日本人もいます。結局は勝者が敗者を裁くだけ。「敗戦責任」にすぎません。
〉だからこそ日本人は連合国の決定に唯々諾々と従うだけではなく、戦争を起こした大本の原因を追求するべきだったんです。戦争体験といえば空襲や物不足で窮乏した話、大陸からの引き上げの苦労話、赤紙で召集された兵士が戦地でどれだけひどい目にあったか、そういう話ばかりです。では一体どうしてそういうことが起きたのか。そこを追求することがまさしく本当の「反省」を生み出すことだと思います。

確かに、一般の「戦争体験談」と言うと、杏樹さんの言われるような「悲惨な体験談」が多いですよね。
そして、日本の映画やテレビで流される戦争物語も、自らの悲劇を語るものが殆どです。
でも「反省」(私的には「罪」に拘りますが)するのならば、自らの国が招いた悲劇より、他国へ与えた「悲劇」、
前にも出てきた南京大虐殺であれ、
朝鮮人の強制労働であれ、
朝鮮人女性への従軍慰安婦問題であれ、
(多分、朝鮮人女性に限らず、中国や東南アジア女性にも及ぶと思いますが)
731部隊の人体実験であれ、
自らのした行為を先に問うべきだと思います。
日本国内に現れる反省は、あまりに被害者的すぎると思うのです。
「火蛍の墓」に涙する前に、涙しなければならに問題があると思うのです。

〉それももっともです。しかし日本はボロ負けに負けたからこそ「戦争=悪」の図式が出来上がったわけですし、だからこそ負けた経験のないアメリカのような国に唯々諾々と従うのではなく、世界に向かって戦争の罪悪を訴えていく務めがあるのではないかと思います。負けたからこそアフガニスタンで、イラクで、犠牲になっていく人々の立場に立って戦争を糾弾することができるんです。

本当に日本という国が、杏樹さんの言うように戦争を糾弾出来るのであれば、経験者のリアリティをもって重い発言になると思うのですが・・・。
きっと「今度は勝ち組」に廻ろうって感じで、「国際協調」と言っているんでしょうね。「国際協調」が実は強い者に巻かれるという「アメリカ協調」であり、これは今回のイラク戦争でアメリカと国連が相反した時には、アメリカ支持に廻るという事で衆人知るところなってしまいました。

〉またヨーロッパでは連合国側、つまり勝者側になった国でもナチスの支配を受けたり空襲の経験があったりします。そこがアメリカと違うところで、戦勝国とは言っても、戦争に反対する気持ちはアメリカよりずっと強いはずです。

結局、イギリスも政府はイラク戦争支持に廻りましたが、「イラクが大量破壊兵器を保有しているから」という嘘がばれた時点で、アメリカより激しく非難が上がっていますね。(結局、イラク戦争に根拠を与えた学者は自殺してしまった)

〉チャプリンが「殺人狂時代」で言っていることですね。一人殺せば犯罪者、何万人殺せば英雄。

確か、石川五右衛門も釜ゆでになる前に、豊臣秀吉に同じような事を言ったとか・・・。

〉責任とか正義を振りかざすと道を誤ります。「責任を取れ」ではなくて、なぜそういうことが起きたのか調査し分析することです。罪人を見つけて裁くのではなく、原因をきちんと究明しておくことです。今の日本人に罪が残っているとするならば、原因の追求をしてこなかったことです。

10年位前、ビデオで「行き行きて神軍」というものが話題になった事がありました。一兵士として戦争に行った男性が、自分の冒した戦争犯罪を悔い、そしてその犯罪を命令した当時の上官達を探し求めて糾弾していくと言う内容だったようです。
(私は残念ながら、このビデオを見ていないので、ハッキリした事は解りません。今でも観たいと思っているのですが)
この男性は、その後、その糾弾が行きすぎて、傷害事件を起こしてしまい、服役したようですが、この男性の例は極端にしても、観念的にではなく具体的に原因を究明していくべきだと思います。
軍令本部や参謀本部が命令を出した正規軍同士の戦闘もあってはならないですが、一般民間人を対象にした惨劇は、もっと下部の指揮系統で発生しているからです。

〉ただ、安全なところにいる人が決定を下して、実際に被害に遭うのは一般市民や下級兵士、ということがありますので、そういう人たちが決定を下すのに対して厳しい目をむけて置かなくてはならないと思います。

今の戦争は遠隔操作によるリモコン戦争になりつつありますから、ますます決定を下す人への厳しい目が必要ですね。

〉アメリカは民主主義の国のはずですが、軍隊には黒人やヒスパニックなどのマイノリティーや貧困層が多く、特にイラクへ送られる兵士の中には、国政にあずかる議員さんたちの子弟はほとんどいないそうです。そういう人たちによってアメリカ人とイラク人が殺し合いをすることになるのは理不尽です。近代戦はずっとこういう理不尽に覆われているのです。

確かに選ばれし騎士が、名誉の為に戦った近代前の戦争とは違いますね。
同じように第二次世界大戦でも、グルカ兵とか、日系アメリカ人の部隊とか、在日朝鮮人日本兵とか、国民としてのアイデンティティーが周囲に疑われる弱い階層がより危険な戦地に行かされたようですね。
アメリカは民主主義国家と言いつつ、貧富の差が大きく、支配層と被支配層が別れているようですね。多読を通じて読むアメリカ社会を見ると、ますます最近それを感じるようになりました。
ただ、日本だって「一億総中流」だなんて言う幻想で隠れていますが、戦後50年以上経って、確実に支配層と被支配層に別れて来ているのですが・・・。

〉〉そうそう。私が見たことのあるミュージカルは、
〉〉テレビで宝塚の「ベルバラ」だけなんです。
〉〉オスカルもアンドレも、往生際が悪かったなぁ。

〉それを「ミュージカル」と言われるとちょっと…。

そうか、あれはミュージカルじゃないんですか。
あれは「タカラヅカ」であって、ミュージカルでは無いんですね。

〉「ウエストサイド物語」ぐらいにしておいてほしい。

演劇ではなく、映画だと「ウエストサイド物語」とか「コーラスライン」とか、
色々見たことがあるんですけれどね。
「コーラスライン」の「サプライズ」が何にサプライズしたのかを知って、私がサプライズしてしまいました(笑)

〉さすがにプレイボーイ道化師さん。幻想を広げすぎですよ。奥様に悪いので、別の夢を見たほうがいいのでは…。

残念ながらプレイボーイはないなぁ。
(なれたら良いなとは、思わないでもないですが)
女性の事は興味があって、色々思う事が多いですが、
どちらかと言うと「フーテンの寅さん」なタイプなんです。
ほら、寅さんはよく夢を見るでしょう?

ではでは。


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