地雷原は続く

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7980. 地雷原は続く

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/11/19(23:31)

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道化師"さん、こんにちは。

こういうことを話し出すとあれも、これも…となってしまいます。

〉そうですね。
〉定規で引いた国境はアメリカ以外にもあって、様々な問題の原因になっている。
〉でも、アメリカの国境の問題と質的に違うのは、
〉他の定規でひいた国境には、まだそこに元からいた民族が居て、
〉問題の当事者になれると言う事なんです。
〉当事者がいる限り、解決はなかなか難しいかも知れないけれど、
〉いつか解決される希望があると言う事なんです。
〉でも、アメリカの人為的国境で起こるべき問題では、
〉もう当事者が抹殺されてしまっていて、当事者能力を持たない、
〉だから、未来永劫、当事者による解決は無いと言う絶望しか無いのです。
〉これが、私の感じる「アメリカの原罪」です。

ただ、最近はネイティブ・アメリカンの立場から歴史を見直す動きがあります。「西部開拓」の時代は、インディアンは白人が「開拓」するのを邪魔する悪者にされてきましたが、近年になってやっと先住民の土地を奪っていたと言う認識が生まれてきたようです。

〉この歴史は、私も浅薄ながら多少知っています。
〉そして、この「ユダヤ人差別」を考える時、いつも、
〉「じゃあ、ユダヤ人っていったい何なんだ?」
〉と、思うのです。
〉ユダヤ教徒を指すのか、もっと広く同じ生活風習習慣を持つ人達なのか、
〉ヘブライ語を使う人たちなのか・・・。
〉そして、千年以上の長きに渡って、国を持たず、しかし、同化せず、
〉なお文化を保持し続けたのは、いったい何なのか?
〉きっと欧米に生まれ育っていると、肌で感じ取れる事なのでしょうけれど、
〉どうも日本人である私には、ピンと来ないんです。

日本人には「単一民族幻想」が根強いですから民族問題は大変理解しにくいです。しかし世界では「一つの民族、一つの国」という国の方が珍しいです。特に本当に少数しかいない民族がすぐ隣り合って住んでいて、外から見ると一体何が違うのかと思うようなこともあります。そういう時に民族を決定するのは最終的には「自己認識」なんです。自分は○×民族である、という自称です。

ユダヤ人も大ざっぱに言えばそのようなものです。ユダヤ人の家庭に生まれてユダヤ教の教えに基づいて育てられるとユダヤ人です。ヨーロッパではユダヤ人は居住地が制限されており、ヨーロッパ人からの偏見や差別もあって簡単に交じり合うことはありませんでした。またそういったユダヤ人家庭では住んでいる国の言葉のほかにヘブライ語の聖典を読むことを教えられます。そうなると成人すると自分はユダヤ人である、としか認識できなくなるわけです。

近年はヨーロッパでもそうした差別はなくなっていて(完全にはなくなっていない)、ユダヤの家庭でも厳密なユダヤ教の教育もなくなってきていますが、そうなると自分がユダヤ人であると思いさえすればそれがユダヤ人だということになるわけです。そして他の民族がユダヤ教に改宗すれば「自分はユダヤ人である」と言っても認めてもらえます。ユダヤ教に改宗してイスラエル国籍を獲得すれば完全に「ユダヤ人」になります。

数学者で大道芸人として有名なピーター・フランクルという人がいますが、この人はハンガリー生まれのユダヤ人です。数学に抜群の才能がありながら、ユダヤ人ということで進学に制限を受けて、そのため国外へ出たそうです。そして日本にまでたどり着いたわけです。第二次大戦を経てもなおヨーロッパにはユダヤ人に対する差別が残り続けており、そうした差別に会うと、ユダヤ人は自分がユダヤ人であることを強く認識せざるを得ないでしょう。

〉〉あれは9.11のテロでアメリカ人が大きな衝撃を受けたので、何か「報復」をしないと格好がつかないからです。「大本営発表」みたいに勇ましかったですね。「我々の側につくか、テロリストの側につくか!」なんて。

〉「大本営発表」で思ったのですが、きっと太平洋戦争で日本が勝っていたら、
〉今も「大東亜共栄圏」は、立派な国際的正義であり、
〉八紘一宇が日本の原罪を覆い隠す「偉大なる日本」のイデオロギーだったのかも知れません。

そうですね。なにしろいまだにその時代の夢が覚めていない人がたまにいますからね。

〉〉最近出た「帝国を壊すために」(アルンダティ・ロイ著、岩波新書)おもしろいですよ。アメリカを思い切り皮肉ってます。原書を探しかけたけど読めそうにないので先に日本語で読みました。

〉面白そうですね。それに新書なのが良いですね。
〉私はこの手の新書だと、小説より遙かに早く読めるものですから。

それならぜひどうぞ。語りかけてくるような文章に特徴があるので、原語ではどうなってるのかと思います。

〉〉アフガニスタンにソ連が侵攻して来たとき、ソ連に対抗するため武器をアフガン・ゲリラに渡したのはアメリカでした。イラン・イラク戦争の時、フセインに武器を渡したのは、イランを敵としていたアメリカでした。アメリカは自分が渡した武器によって攻撃されているのです。

〉これは、アメリカが自身の罪によって、苦しめられている構図ですから、
〉いたしかたないでしょうね。
〉いつか、アメリカと言う国が、自らの在り方を問い直し、
〉その向かう方向を大きく変えない限り、この構図は世界あちこちで続くのでしょう。

アメリカでも気がついている人はいるはずです。むしろその声を消そうとする動きが厳然として存在しているようです。

〉>ついでに、世界の民族紛争の多くは欧米の植民地政策の落し物です。

〉こういう民族紛争が多発している世界の中で、
〉日本は、アメリカ追従でイラク派兵する以外すべき事はないのでしょうか?
〉私個人的には、数年前の沖縄・九州サミットのように
〉次回の日本でのサミットが広島・長崎サミットなればと思うのです。
〉もうサミットが実務的な意味合いを無くし、セレモニー化しているのですから、
〉ここは、8月6日、8月9日を挟んで、広島・長崎に世界の首脳が集まって貰って、
〉せめて慰霊碑に献花でもすれば、少しは本気で「平和」への意志が感じられるのではないか?と思っています。

アメリカが反発しそうですね。スミソニアンの原爆展を阻止したような人たちがデモでもやりかねません。
むしろ問題なのは日本が自己主張をほとんどしないことです。派兵するのもアメリカに押し切られました、みたいな格好でポリシーもなにもない。反対する気力もない。
広島と長崎を持ち出しさえすれば、必ずしも平和を伝えることが出来る訳ではないと思います。広島・長崎に世界の首脳を集めるならば強い意志で反核・反戦を訴える姿勢が必要だと思います。慰霊碑の前でもアメリカに遠慮して献花のポーズだけとってはい終わり、さあイラクへ送る軍隊の配分を話し合いましょう、だとかえってむなしいです。

〉〉この掲示板でここまで書いていいのかと思いつつ、この辺で失礼します。

〉あっ、そういう自己規制も必要なのか・・・。
〉やっぱり、マーリー・マトリンのせいで、腑抜けているなぁ・・・。

だって、多読からどんどんずれてるし…。
これ、本当は秋男さんの定例報告スレですし…。


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