1周年記念

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7368. 1周年記念

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/11/2(20:28)

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昨年の11月2日に多読を始めてちょうど1年になりました。現在256万語です。
多読を始めたきっかけや英語歴については100万語報告で詳しく述べたので、1年経った感想など。

まず200万語以降の歩みです。

PGR2…2冊
CER3…1冊
PGR4…3冊
OBW5…3冊
CER4…2冊
PGR5…投げました

絵本・児童書
レベル0…1冊
レベル2…8冊(←Marvin Redpost)
レベル3…8冊
レベル4…4冊
レベル5…4冊

とりあえず書評のレベルに従いました。しかしレベル3のうち、これはレベル3にしては難しいのではないかと思うものがありました。この間「ダレン・シャン」の3巻を何とか読みましたが、2巻の時よりはわかりやすくなった気がしますし、終わりの方はかなりわかったので、少々レベルが上がったかな〜と思いました。しかしその直後に読んだ本がレベル3にしては読みにくかった。

1周年を迎えて
とりあえず、ここまで行き詰まったり悩んだりはありましたが、停滞はしませんでした。おそらくこれは、多読を始めた動機が、英語の本が読める方法を探していたこと、本を読むのがとにかく好きでしょうがないからでしょう。そこに本があるだけ読みたい」と思いますから。この前の行き詰まりは未読本を積み上げたら解消してしまいました。

そして多読を始めた一番の動機は「指輪物語が読みたい」でした。しかし1年経ってもまだ読めません。それを考えると気が遠くなるような気がします。「快読100万語!」が出た当時はそれでペーパーバックが読めるレベルになるように書かれていましたが、最近はレベル3で100万語通過が標準とされるようになりました。ペーパーバックまでには相当本代はかかるし、時間もかかる。

では多読法の利点とは?
まず費用の点では、英会話学校に通ったり英語教材を買い込むことを思えば、安くはないにせよ決して割高ではないでしょう。ブッククラブや貸し借りに頼らず自費購入をすると大変ですが、他の英語教材で英語を勉強する費用を本の購入に回すと考えればいいわけです。

効率の点では決して「いい」とは言えないでしょう。1年経ってもレベル3〜4をウロウロしてるなんて。しかし、表面の暗記学習ではなくて英語が自然に体にしみこんでいるはず。何年かかっても、語数を重ねれば重ねるほど本当の効果が出てくると思います。対症療法で即効性のある現代西洋医学に対して、体質から徐々に改善していく漢方療法と言っていいかもしれません。

それから、これからの多読法のあり方についてですが、もともと多読は「ペーパーバックが読める」というのがうたい文句になっているようですが、それを見直してもいいのではないかと思います。
というのは、まず多読を始めた人には、今まで英語学習に挫折してきた、英語が苦手だった、という人が多く、そんな人でも楽しく英語の本が読めるのが、効果を上げているポイントです。最初からはっきりとした目標本があるならともかく、必ずしもペーパーバックを「ゴール」とか「最終目標」にしなくてもいいのではないでしょうか。むしろ自分のレベルにあった本を選び、「英語の本を楽しく読む」ことを目標にした方がいいのではないかと思います。

先日書店で「Big Fat Catの世界一簡単な英語の本」の隣に「世界一簡単な英語の本」という帯をつけられて「Charlie and the Chocolate Factory」が積んでありました。思わず「うそやー!!」とツッコミ入れたくなりました。「世界一、ってそんなことあるかい!」って。
また、ペーパーバックの読み方の本があり、辞書を引いて引いて引きまくれ、とか「辞書は引かなくてよい」などと書いている本があるが信用するな、とか書いてありました。もちろん中身は難しいPBがゾロゾロ。

結局今までの英語学習教材はある程度英語ができる人向けのものだったのです。「中学・高校で英語を6年間勉強していればできるはず」という前提でもあるのかもしれません。しかし、学校英語は結局は試験のための勉強です。6年間かけてドーピングを教えているようなものです。
なにしろ「受験」というものがありますので、それに対応しなくてはなりません。先生も受験英語を教え込まないとやっていけないようになっているのです。前に教師を対象に多読の説明をしたらさんざんな反応だったようですが、教師の立場からすると受験に直接結びつかないものを教えるわけには行かないのでしょう。

で、多読です。これの画期的なところはレベル0から始めることです。多読を始めた人で「チョコレート工場」が「世界一簡単」と感じる人はめったにいないでしょう。そういうレベルの人でも英語を読むことが出来るのです。そして「そういうレベルの人」が実はとっても多いんです。しかし今までの英語教材はそういう人の存在を無視してきたようです。あるいは英語の本はそんなに簡単に読めるものではない、という思い込みが支配的だったからでしょうか。

そりゃー私だって多読前でも辞書を引きながらがんばれば「チョコレート工場」は読めたかもしれません。つっかえながら、1日に数ページずつ何日も何日もかかって。そしてそれが英語読書と言うものだと思っていたでしょう。そして「英語の簡単な本、ってこんなに難しいんだ」と思ったでしょう。
しかしそんな苦行をしなくても、もっと易しいレベルから読む方法があることを、酒井先生以前には誰も考えませんでした。本当に画期的な英語習得法だと思います。

また、原則の一つ「辞書を引くな」というのも今までの英語学習の常識を破るものです。多読を始める前の疑問として、辞書なしでどうやって単語を理解したり増やしたりできるのか、というのはよく言われることです。それに対しては「辞書を引いても読めない本は読めない」と言っておきましょう。
私は多読前に辞書を引きながら英語の本を何冊か読みましたが、文章丸ごとわからない時は、いくら辞書を引いてもわかるようになりません。辞書を引けば本が読めると思うのは幻想です。辞書を引く心配よりも、自分が理解できる範囲の文章を読むことが大切です。
まずレベル0から始めて、自分が充分理解できるレベルの本をたくさん読んでみて、わからない単語はとりあえず飛ばして、それでどうしても行き詰まるようなら相談しましょう、ということにしておくのはどうでしょうか。その頃にはたいてい辞書に頼らなくても読めるようになって、単語獲得の心配が薄れていること思います。

それから多読の効果を客観的に示す資料として、「ハリー・ポッター」を読んだ人を対象に統計を取るのはどうでしょう。「ハリー・ポッター」を翻訳が出る前に読みたいと思っている人は多いでしょうし、実際多読で読めるようになった人がかなり出るようになりました。

その人たちを対象に、まず多読前のレベルを調査します。
PGR0が
「楽に読めた。簡単だった」
「ちょうどいいレベルだった」
「難しかった」
「PGRよりORTで始めた」
ぐらいに分類しておきます。
そして何万語、何ヶ月で読めるようになったか調べます。
それをまとめると「これだけの人が多読法で「ハリー・ポッター」が読めるようになった」という資料が出来上がり、多読のプレゼンテーションに活用できるのではないかと思います。

ということで、多読について思うことをつらつら書き連ねてみました。
2年経ったら何が読めるようになってるでしょう。


▼返答


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