writingの楽しみ方の一例・・・SSS的「retold」の試み(超長文)

[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/4/23(17:48)]

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[報告] 13616. writingの楽しみ方の一例・・・SSS的「retold」の試み(超長文)

お名前: たこ焼
投稿日: 2004/9/6(17:34)

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こんにちは、たこ焼です。
お約束のもの、ちょっくら書いてみましたー。(^^)


■はじめに

「retold」・・みたいな方法についての報告です。

実は、たこ焼、この方法をまだやり込んではいません。
もっともっと場数を踏んで経験を蓄積してから、報告しようかと思っていたのですが、
わずか数回で目的への効果を感じたことと、
じゅんさんをはじめ、みなさんと意見交換をしたいとの想いから、
今の段階で報告することにしました。


■言葉の最小単位は「物語」

この方法は、いわば、
「言葉の最小単位は物語」の応用、実践篇・アウトプット篇です。(笑)

何もない真っ白な白紙に言葉を埋めていくのはとても大変で、敷居がかなり高いけど、
既にある文章に言葉を付け加えていったりするのは、けっこう気軽にできます。
既にある文章が連想を活性化し、「呼び水」となって、英語を引き出してくれるのです。

また、
「物語」はひとつのかたまりです。
その一部をちょっと変えただけで、その影響が「物語」全体に波及し、
他の部分も変わらざるを得なくなります。「物語」のこの性質も利用するのです。


■目的

アウトプットを気軽に楽しみ、「蓄積」から英語が流れ出やすくすることが目的です。

SSS式多読を続けて、「ある程度」の語数を読み重ねると、
自分の中に英語の「蓄積」を感じる人も多いかと思います。
この「蓄積」を感じながらも、思うように英語がアウトプットされてこない・・
そんな話をちらほら掲示板で目にしますが、たこ焼もまさにそうだったのです。
英語脳には「蓄積」があるのに、
そこからアウトプットへつながる「管」が詰まっているような感覚・・
とでもいいましょうか。
じゃあ、
なんらかの刺激を与えて、その「管」の詰まりを取るような工夫はないものか・・
と考え、いくつか試行錯誤してきた結果が、この「retold」なのです。
(この「ある程度」は、おそらく人によりけりでしょう。
たこ焼は300万語付近からそこそこ強く感じました。)


■使用上の注意(ちょっと長くって、しつこいかもしれませんが・・)

多読を始めたばかりの多読初心者や、まだ「蓄積」の少ない多読初級者が、
この方法を試すと、多読の調子を崩す・・かもしれません。ご注意ください。
また、インプットを強く意識して、この方法を試すと、多読の調子を崩す・・
かもしれません。ご注意ください。

「かもしれません」と書いているのは、たこ焼の経験がなく、単に予感に過ぎないからです。
しかし、多読初心者・初級者の方は、とりあえずは試さないことをたこ焼は強くお薦めします。
そして、この方法への、他のタドキストのご意見や、先生方のご意見を拝見して、
ちょっとしばらくの間、様子をみてくださるようお願いいたします。

インプットを強く意識しすぎると、多読での「読み」という無意識的なインプットの調子を
崩す場合もあるような気がたこ焼はするのです。これを恐れて、最近のたこ焼は、
暗記などの意識的なインプットを全くやっていないぐらいです。
(人によりけり? もっと実力がつけば大丈夫? う〜ん、よくわからないです。)
つまり、
もしも、「蓄積」の少ない多読初心者・初級者が、この方法を試せば、
アウトプットじゃなくってインプットの方に注意が強く傾くのではないか・・
すると、せっかく多読を始めたのに、「読み」の調子を崩すのではないか・・
と心配するのです。

単に、たこ焼の杞憂である可能性もあります。
う〜ん、正直言って、たこ焼にはよくわからないです。
他のタドキストや、先生方のご意見をお聞きしたいところです。


■具体的手順

(1)元英文を選択する。
(2)書き写す。
(3)文章を読む。
(4)文章を加工する。
(5)(3)と(4)を繰り返す。
(番外)パロディにする(省略可)。

この方法の要は、(3)(4)(5)です。
各ステップの詳細は、以下のとおりです。


■(1)元英文を選択する。

とりあえずは、100〜300 wordsぐらいの量がいいようにたこ焼は感じます。
後のステップで、何回も何回も読み直すので、それくらい短い方が手軽なようです。
短い・・といっても、何らかの「物語」を感じる程度には長いと思います。

本全体ではなく、一部分を切り出して使ってOKです。
大きな「物語」は、たくさんの小さな「物語」の集合体・・
でしょうから、その「小さな物語」を使うのです。

やり易い英文もあれば、やり難い英文もあるようです。
難しい・・と感じれば、その英文にこだわらず、別の英文で試した方がいいようです。

とりあえずは、PGR0なんかがいいように思います。

例えば、たこ焼は、
Flying Home (PGR0)の最初の部分、
1〜5ページまでを選びました。


■(2)書き写す。

選んだ元英文を、ワープロでラフに書き写していきます。
後のステップで何回も何回も文章の加工をするので、紙に書くよりも、
ワープロで、コンピューター上に書いたほうがいいです。

元英文をチラッと読んで、その英文から目を離し、
あたかも自分が作り出したかのように感じながら、英文を書きます。
「あたかも・・感じながら」とは、
瞬間的な記憶をついつい使ちゃうのは仕方ないけど、積極的には使わない
という心がけ・・のことなんですが、ちょっと難しいかもしれません。
たこ焼もまだ難しく感じます。

書き写す際に、正確さはあまり気にしません。
元の英文と違っていてもいいや。いや、積極的に変えていこう!
と開き直って書いていきます。
例えば、現在形で書かれたPGR0の英文を、過去形に変えたり、
元の英文には含まれていない語や文章をどんどん付け加えたりするんです。
後のステップで文章を大きく加工するんですが、慣れればこの段階で
大規模な加工を始めてもいいのかもしれません。

いろいろごちゃごちゃと書きましたが、
「あたかも・・感じながら」にしろ、「変える」にしろ、
難しいと感じるようでしたら、
このステップは、この方法の要ではないので、
無理せず、とりあえずは
「ただ単に書き写す」のでもOKだと思います。

例えば、先ほどのFlying Homeをこうするんです。
例文(1)

Felix was a blue and yellow bird from Brazil.
He lived in New York with Baxter family.
His house was a big cage.
He and Baxters lived on the fortieth floor in a very tall building.
・・・・・

(ほんのちょっとしか変えていない英文を
ネット上で長々と書いちゃったら、もしかすると
著作権に引っかかる?かもしれないので、
短い一部分だけこの投稿に書きました。)


■(3)文章を読む。(4)文章を加工する。(5)(3)と(4)を繰り返す。

いわば、「作家なりきりライティング」です。(^^)

まず、「物語」を感じながら、文章を読みます。
それから、何でもいいから、「思いついたこと」を書き加えます。
また、「物語」を感じながら、文章を読みます。
先の「書き加え」により、物語の全体が影響を受けます。
一部を変えたら、他の部分も変えたくなります。
語や文の追加・削除、文の順序の入れ替えがしたくなります。
その変えたくなったところを好きなように書き換えます。
以下、同様に繰り返します。

この(3)と(4)の繰り返しは、辛くない程度です。
たこ焼は、この繰り返しがけっこう楽しいのですが、
これは人によりけりなのかもしれません。

先のFlying Homeで言えば、
たこ焼はまず、Felixの「悲しい顔」のイメージが強く浮かんだので、
第1文に
Felix was sad.
という英文を追加してみました。
すると、元の第1文のFelixをHeに変えるという形式的な書き換えのほかに、
「どうして悲しかったのだろう」という想い・イメージが浮かび、
lonely
という語を入れたり、いろいろと書き換えました。
すると
その書き換え部分に影響され、また別の書き換えをしたくなります。
こうして、どんどん書き換えていくのです。

まだまだ書き足りない感がするのですが、
以下は、先のFlying Homeを書き換えた文章です。
あっ、
この投稿にコピーする際に、いくつか間違いに気づいたのですが、
たこ焼は現在、「英文の間違いなんて気にしないキャンペーン実施中♪」なので、(笑)
このまま投稿します。
例文(2)

Felix was sad.
He was a bird from Brazil. But now he lived in New York with the Baxter family.
Two years ago, he was captured by a bird hunter in the jungle of Brazil
and he was sold to the Baxters. He haven't seen his family and friends since then.
He lived in a small cage, all alone. There was no other bird with him.
Baxters liked him so much. They gave him enough food and water.
But he was lonely and unhappy.

Felix saw the city through the window near the cage.
This city was big and exciting. It was Baxters' home, but not Felix's.
“One day,” Felix thought.
“One day I want to go home. I want to fly back to the jungle of Brazil.
I want to see my family and friends again. I want to live with them happily.”
His eyes were full of tears.

“One day” came two weeks later.
Mr. Boxter opened the cage to give him food. At this moment rung the telephone.
Mr. Boxter went to the next room to answer the telephone.
Felix saw the open gate of the cage and the open window near the cage.
“This is it!” he cried.
He went out of the cage and flew out of the window to the sky.

Felix was free!
He flew over the streets and buildings with great joy, making many circles in the sky.
He was happy. “I am going home!” he said.
He started to fly south, heading for the jungle of Brazil.

(これぐらい変えた英文なら、ネット上に投稿しても
著作権に引っかかることはないのでしょうか?
たこ焼は、著作権について詳しいことを知らないので、
誰か知っている人は教えてください。)

Felix was sad.
ではなくって、第1文に
Felix was angry.
という英文を追加してみたら、これとは全く別の文章になるのでしょうね。


■(番外)パロディにする(省略可)。

もっとおもいっきり変えるのです。
登場人物や筋立ても変えてみるのです。

たこ焼自身は、このパロディを実際に書いたことはまだありません。
しかし、構想はいろいろと練っています。

例えば、
不幸本のパロディで、先のFlying Homeを元英文にします。
Sunny Baudelaire was sad.
が第1文になっている話と、
Klaus Baudelaire was puzzled.
が第1文になっている話と、
Violet Baudelaire was sorry.
が第1文になっている話と、
あと幾つかの話を集めて、ひとつの大きな話を作ろう・・
などと構想(いや、妄想・・というべきか? 笑)を
ときどき練っております。
これがなかなか楽しいです。


■辞書

アウトプット、特に「書く」ときに、辞書とどう付き合うか・・
たこ焼もよく分からないので、ぜひみなさんのご意見を聞きたいところです。

日本語において、たこ焼は、「読み」「聞き」のときに国語辞典をほとんど使いません。
しかし、「書く」ときにはけっこう国語辞典を使います。
言葉の微妙な意味や使い方の「確認」をすることが多いんです。

英語においても同様でいいのかな・・とたこ焼は思っていますが、どうでしょうか。
何か英語は浮かんでくるけど自信がないので「確認」とか、
成句とかが中途半端に浮かんだときとかに「確認」・・・。
しかし、この「確認」も油断するとやりすぎてしまうことがあります。

あっ、
イメージ→日本語→和英を使って英語
は、やらないことにしています。

イメージから英語が浮かばないときには、
英語が浮かぶような別の筋立て・イメージを考えたり、あるいは
ごく簡単な語を使って適当にでっち上げる・・こともします。(笑)
例えば、先の例文(2)の末尾付近、
making many circles in the sky
という表現は、でっち上げです。

この「でっち上げ」って、不完全感というか、少しストレスがかかるんですが、
意外といい方法なのかもしれません。
後々の多読の途中で、使えそうな表現に出会ったときに、
スウッとその表現が心に入るような感覚を経験したことがあるのですが、
これは、このストレスがあったからこそなのかもしれません。
ちなみに、上の表現に対しては、circle around という表現に、
Nate the Great か何かで後々に出会い、
circling around in the sky many times
とかの方がいいのかも?と思いました。
あっ、お断りしときますが、
この表現に確たる自信があるわけではないんです。(笑)
しかし、「でっち上げ」によって、
アウトプット→インプット→アウトプット→インプット→・・
というサイクルが回りだすのをたこ焼は少し感じたんです。
このサイクルって理想的なもののように思えるんですが、どうでしょうか。
次の段階での飛躍のキーポイントになるような・・・う〜ん・・・


■アウトプットとインプットとのバランス

この方法の目的はアウトプットですが、
アウトプットしている過程で「ついつい」インプットしてしまうのは大変いいことと考えています。

ただ、意識して、
アウトプットのついでに、インプットもやろう・・などと欲張って考えちゃうと
たこ焼はうまくいきません。
アウトプットをやっていたつもりが、いつの間にか心が、
「あれも覚えとこう。これも。」というインプット一色になってしまうのです。
だから、できるだけアウトプットに注意が傾いているようにたこ焼は気をつけています。


■自分が書きたいものを・・

自分が書いて楽しいものを書くのが一番だと思います。

自分が読んで楽しい本を読んでいながら、英語習得が進む・・。
楽しみの読書と英語学習とは対立・矛盾することなどない!という境地を
英語上級者でなくても十分味わえることを具体的に示したのが
SSS式多読の独創的な点の一つだとたこ焼は思います。

「書く」についても、そうすればいいのだと思います。

たこ焼は、妄想家なので「ストーリー」を書くのが面白いです。
だから、上記のように、選択した元英文は「ストーリー」でした。
同様に、例えば、
「日記」が好きな人は、英文の日記を元英文にすればいいのではないでしょうか。
実際、チクワさんがChat広場で「赤毛のアン」を元に英文の日記を書かれています。
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-eng&c=e&id=323]
他には、歌詞が好きな人は、替え歌を作るとか。
あと、たこ焼もいつか試そうと狙っているのは、
読んだ本の感想・レビューです。
元英文は、米国アマゾンにたーくさんあります。
どんどん自分の好きなように変えていって、自分の情念をのせていく・・。
大幅に変えて、対象の「本」すら元英文とは異なった「本」に変えてしまう・・。
う〜ん、楽しそう!

とにかく、
自分が書いてみたい!
と思うような元英文を使えばいいのだと思います。


■元英文すら自分で書けるようになるのでは・・

こんなことを何回か繰り返しているうちに、
いつの間にか、「元英文」すら自分で書けるようになるのではないでしょうか。
何もない真っ白な白紙に、
稚拙な文章でもいいから、少しでも言葉を埋められれば、
そのあとは、この「retold」の方法で、どんどん加工していけばいいのです。
そうすれば、
100%オリジナルでありながら、
そこそこ満足(自己満足ですが・・)できる文章が書けると思うのですが・・。


■最後に

この「retold」、そんなに奇抜な方法ではないと思います。
ですので、
もう既に、同じ方法あるいは同じような方法を試されている方もおられるのではないか、
と思います。ぜひ、ご意見・ご経験を披露していただきたいです。

はじめにも言いましたように、たこ焼はまだこの方法をやり込んではいないので、
間違い・勘違いがあるかもしれませんし、より優れた工夫・コツもあるでしょう。
ですから、
「いや、これは違う」とか、「これは、やめたほうがいい」とか、
「こうすれば、もっといい」というように、どんどんドシドシ、ご意見くださいね。

ではでは〜♪
(かなり大そうな報告になっちゃった・・。)


んんん、んんん、んんん、んんん・・・(←じゅんさんへのテレパシー送信。大笑)


▼返答


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