首の長いキリンの話

[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/4/28(13:05)]

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13357. 首の長いキリンの話

お名前: ririco
投稿日: 2004/8/25(22:32)

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こんばんは、riricoです。
週末の読書相談会&シャドウイング講習会などなどで、
久しぶりに真面目に掲示板書き込みをしよう!と思い立って、
会社でちょこちょこ下書きを打っていたら、すごく長くなってしまいました。
タイトルからちょっと推測がつくかもしれません、キリン読みの話です。

先日何気なく、「Daddy−Long−Legs」を手にとりました。
子供の頃、何度も読んで内容はわかっていますが、レベル的にはだいぶんキリンです。
ちょうどGRを続けて読んでいた頃なので、長いものが読みたい気分だったこともあって
読み始めてみました。
そしたら、意外と読めちゃったんです。
今まではキリンと云っても、1ページにわからない単語が多い程度だったのに、
今回はわからないのは単語単位ではなくて、文章単位、時には段落単位でした。
でも、ちゃんと最後まで楽しんで読めました。
嬉しかったのは、「意外と読めた」ことではなくて、「すごく楽しかったこと」です。

「Daddy−Long−Legs」は、日本でも「足ながおじさん」のタイトルで有名なので
知っている方も多いと思いますが、
この本は、ほとんど全てが女学生ジュディの手紙で構成されています。
時には女学生らしいおしゃべりな文体、
時には学生らしく学校で習ったと言う論文のような堅い文体、
主人公のジュディは作家を目指していて読書家なので、
シェイクスピアのような文体や詩人風の手紙など、
いろんな文体の手紙が出てきて、それが面白かったんです。
時にはフランス語交じりの文章なんかもあったりして、
そこはもうお手上げで全然!わかりませんでした。

不思議なのは、構文も文法もよくわからないし、単語も知らないものがたくさんあるのに、
どうして読みながら、この手紙はユーモラスな文章で書いてるなとか、
この手紙は堅い文章だなとか、この台詞は気取って書いてるなとか、
わかるんだろうって不思議でした。
でも、なんだか伝わってくるんです。
それが、すごーく不思議で、でもすごーく面白かったです。

そう言えば、日本語ではハードボイルドなんて読んだことないのに、
GRでチャンドラーを読んだり、児童書のNateを読んだりすると
自然にこれがハードボイルドの文体だってわかるのも不思議だったなあ。

GRや児童書のレベル3くらいを中心に読んでいたので、「Daddy−Long−Legs」は長編で
長く感じたのですが、途中疲れたな−と思ったらICRやPuffinのレベル0か1を読んで
気分転換したりしました。
一気に首のながーいキリン読みとまだらのしっかりしたパンダ読みができて、
それを楽しめたのが良かったです。
「Daddy-Long-Legs」ならぬ「キリン−ロング−ネック」でした。

SSSのHPでも、酒井先生の著書の中でも、パンダの表紙の本でも、
キリン読みやパンダ読みの重要性については書いてあります。
私も多読を進める上で、意識的にちょっと下のレベルの本を選んだり、
自分にとってジャストのレベルより一つ上の本を読んで、
また戻ったりということをしてきました。
でも、根が几帳面で慎重派のA型なので、ちょっとだけ下のレベル、
ちょっとだけ上のレベルと言う範囲でしか選んでいませんでした。
首の短いキリン・まだらの少ないパンダといったところかな。

それは、パンダやキリンを適度に混ぜた方が読書の効率が上がるだろうという
ちょっと下心にも似た感じだったなーって思います。

この週末はタドキストの方とイロイロ本や読書について話す機会がたくさんあって、
その中で、キリン読みとパンダ読みの大切さみたいな話を聞いたのですが、
私の中では「Daddy-Long-Legs」のこともあり、とても心に沁みる話でした。

タドキストの広場のみなさんは、既にキリン読みやパンダ読みの効用は
体験している方も多いのでしょうね。
私もキリンの大切さを頭じゃなくて身体で知ったよー&単語や文章がわからなくても
文体の違いを楽しめたよーという報告でした。

ではでは、そろそろ読書の秋が近づいていますね。
みなさんもHappy Reading!!

▼返答


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