PDAで多読三昧

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12900. PDAで多読三昧

お名前: sakigoro
投稿日: 2004/7/12(23:01)

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みなさん、こんばんは、sakigoroであります。
MOMA親爺さん、迎撃オフ、楽しかったです。幹事のマリコさんをはじめ、
準備・運営に携わったかたがたに感謝、感謝。

オフ会で、PDA環境の多読に興味をもつ方がけっこういたようなので、
私自身の備忘録をかね、Q&A形式で詳しく書いてみます。
尚、以前にも同じネタで書いているので、興味のある方は
http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-f-g&c=t&id=12275
もあわせて読んでいただけると参考になるのではないかと思います。

とっても長いので、興味のない人はすっとばしてください。
また、ある程度、初心者を意識して書いたので、ご存知の方には
退屈な内容かもしれません。 その節は、ご容赦。

Q.PDAって何?
A.personal data assistant(携帯用情報端末)の略で、
 PIM(personal information manager 《電話番号・予定など個人の情報管理を助ける
ソフトウェア》ことを主たる目的とした端末です。
 PIMソフトは、携帯電話にものっている住所録管理ソフトをもっとかしこくしたようなもので、
 PDAの場合はPCと連携させて使用します。(データの入力、編集は、入力のしやすい
 PC上で主に行い、PDAのデータと同期させ、PDAは主に情報の閲覧・検索に使うという
 のが基本的な使いかた)
 日本でメジャーなのは、Palm OSを採用したSonyのClieシリーズ。または
 マイクロソフト Windows CE(Pocket PC2002, Pocket PC2003等)を採用した
 PPC(Pocket PC)で、代表的な製品は日本HPのiPackシリーズや、東芝の
Genioシリーズ等があります。他にもOSにLinuxを採用したシャープのザウルスが
 あるのですが、私は詳しくないので、ここでは触れません。
 携帯電話のPIMがかしこくなってきため、この分野におけるPDAの強みはなくなり、
 世界的に売れ行きは鈍ってきているようですが、片手でどこでも閲覧できる情報端末として、
 多読用に使うとすれば、まだまだ、とても魅力的なガジェットだと思ってます。
 sakigoroの場合、Palm OSを採用したSony Clie PEG-TH55と
 Microsoft Windows CE .Net 4.1を採用したHPC(Handheld PC)で
 あるNTT DocomoのSigmarion3を使っています。PPCとは違い、キーボードを
 もったHPCですが、使用OSはPPCとほぼ同一のもので、PPC用のソフトも
 工夫をすれば動かすことのできるものがけっこうあります。サイズが大きい分、
 液晶も800x480と解像度の大きいのがのっており、腰掛けて両手が使える環境では
 威力を発揮してくれます。

Q.画面の読みやすさは?
A.現行Clieの標準解像度が320x320(または、320x480)、
 PPCが240x320です。
 参考になるのが、携帯電話の液晶との比較です。
 最近の携帯電話で解像度で最高なのが、PPCと同じ240x320ですが、
 液晶のサイズはPPCの方が圧倒的に大きく、画面の読みやすさでは
 携帯の液晶とは比べものになりません。
 PPCで液晶の大きいのは4インチくらいありますが、携帯電話では最大クラスで
 せいぜい2.4インチ程度。 ただし、解像度の割に大画面の代償として、
 字の粗さは避けられません。 紙に比べて読みやすいかどうかという点については、
 ある程度慣れの問題もあります。
 個人的には、比較的小さな液晶に高解像度のClie上ではっきり表示される
 字は、とても読みやすいものと感じてます。
 尚、PPCの最新版で、解像度480x640のモデルも出始めましたが、ソフトの
 方がこの解像度にまだ対応していないのがほとんどなのが現状です。
 値段も飛びぬけて高いので、とても魅力的なのですが、個人的には
 まだ様子見です。

Q.何が読めるの?
A.基本的には電子テキスト化されたものを、読みやすいようにリーダーソフトを
 使って読みます。以下、PBの場合、新聞等の情報系、及び、著作権フリーの
 作品にわけて説明します。

A1. PBはどこで買えるの? どうやって読むの?
 私の場合、eReader.com(url:http://www.ereader.com/)と
 mobipocket.com(url:http://www.mobipocket.com/)で購入しています。
 品揃えは、サイトにいってもらうとわかると思うのですが、amazon.comと
 比べるべくもありません。GRも絵本もありませんし、児童向けの作品も
 ほとんどありません。それでも最近の一般PBはけっこうそろっており、
 通勤中に片手で読むためのPBを購入する場として便利に使っています。
 
 著作権がフリーになっていないPBを読むには、それを守ることのできる専用の
 リーダーソフトを使用して読むことになります。
 リーダーソフトは、PDAで読めるPBを販売しているサイトが提供する専用ソフトを
 無償でダウンロードして使うことになります。
 私が使用しているリーダーソフトは、
eReader Pro for Palm OS version 2.5.3 (url:http://www.ereader.com/)と、
 Mobipocket Reader 4.8 (url:http://www.mobipocket.com/)
をそれぞれ、ClieとSigmarion3にインストールして使っています。
 どちらのサイトも有償版しかダウンロードできないようになっていますが、
 お試し期間を過ぎても、有償版の機能が使えなくなるだけで、コンテンツを
 読むのには支障なく使い続けることができるようになっています。
 
 尚、eReader.comで購入したPBをMobipocket Readerで読むことは
 当然できませんし、その逆もしかりです。

Q.PDAやPCで読むために加工されたPBの値段は高いか?
A.サイトに行けば分かるのですが、amazon.comの価格と比べて、
 若干安いくらいの値段です。
 また、まだPB化されていない作品の場合は、やはりハードカバーと同じくらいの
 価格になってます。
 それでも、amazon.co.jpに比べれば、相当安くなります。
 中でも、eReader.comの方が、mobipocket.comより心持ち
 休めの価格体系となっている気がします。
 eReader.comの場合、注目すべきは、週に一回、無償で配信されるNews Letterを
 申し込むと、常に10%ディスカウントの価格で購入することができるようになる
 ということです。従って、例えば、Dan Brownの"Angels and Demons"を、
 Amazon.co.jpで、紙のPBとして購入すると、\1,330+配達費ということになりますが、
 eReader.comでのNewsletter PriceだとUS$5.98ということになり、
 かなり安くなります。 ディスカウントの適応を受けるには
 Newsletterの最後の方に記載されているPromo Codeというのを、発注の際の
 指定ダイアログボックスに記入するだけで良いので簡単です。
 但し、PB化がされて安くなっている作品の場合でも、
 eReader.comでも、Mobipocket.comでも、まだハードカバーの価格体系のままに
 なっている場合があるので注意が必要です。

Q.eReader Proで、購入したPBを読むためには?
A.eReaderは、Palm系、PPC系のPDA以外にも、一般PC、Mac用があります。
 従って、PDA用に購入したコンテンツもPCなどの大きな画面で
 読むことができます。
 eReader.comで、それぞれの対応プラットフォームに適したeReaderをダウンロード
 してください。zipファイルになっているので、適当なフォルダーに解凍し、
 その中にあるインストールプログラムをはしらせれば、簡単にインストール
 できるはずです。
 このサイトからPBを購入するためには、メンバーになる必要がありますが、
 その際に連絡するクレジットカードでの氏名、ナンバーが、購入したPBを
 オープンするためのキーとなります。
 つまり、このリーダーを使って、初めて購入したPBを読もうとすると、
 アラートメッセージが出て、そのままではオープンできません。
 画面の指示に従い、氏名とナンバーを入れると正常にオープンできるように
 なります。 
 このメッセージが出るのは最初にオープンする時だけで、新たに購入した
 PBをオープンする際には、必要ありません。
 クレジットカードの番号が変わった場合は、メンバーサイトに行き、
 会員情報の変更を行い、購入済みのたPBを再度ダウンロードする必要があります。
 購入したPBは、いつでもメンバーサイトから無償でダウンロードできます。

Q.Mobopocket Readerで購入したPBを読むためには?
A.必要なリーダーソフトをダウンロード後、支持に従いインストール
 するとPDA以外にも、PC上に、Mobipocket Web Companionという
 ソフトもあわせてインストールされます。
 このソフトが優れものなのですが、これは、後述の「新聞を読むには」の
 ところで説明します。eReaderと同じく、色々なプラットフォーム用の
 Readerが用意されているのですが、Mac用はないようです。
 ここでもeReaderと同じく、PBを購入するためにはメンバーとなる必要が
 ありますが、購入コンテンツをアクティベートする仕方が、eReaderとは
 違います。インストールされたMobipocket Readerには、PIDナンバーという
 インストールされたディバイスに固有のID番号が振られており、
 ダウンロードするコンテンツには、それに適応したIDが割り振られています。
 従って、PIDナンバーの違うMobipocket Readerでは、コンテンツをオープン
 できないことになります。一人で二つまでのPIDナンバーをメンバーサイトに
 登録することができるので、PC上とPDA上で同じ購入コンテンツを読むといった
 ことはできますが、3台目のディバイス上で読むことは不可能です。
 ソフトの再インストールや、PDAの買い替えなどでPIDナンバーが変わった
 場合は、メンバーサイトでPIDナンバーの変更を行い、購入したコンテンツを
 再度ダウンロードする必要があります。
 尚、eReaderと同じく、一度購入したコンテンツは、いつでも、何回でも
 ダウンロードできるようになってます。

Q.eReaderとMobipocket Readerの違いと特色は?
A.eReaderは無償版と有償版のProでは、機能の差が大きく、Pro版を
 購入した方が満足度が高いような気がします。
 特に、sub-pixel font smoothingというフォントのギザギザをなくして
 読みやすい画面を作ったり、ビルトインの辞書引き機能などは有償の
 Pro版でなければ利用不可能です。(今だと、プロモーション価格で$19.95
 のProが$9.95で購入が可能。おまけについてくるConnellyのBlack Ice等を
 考慮すると、思い切って購入した方が得かも。)
 画面の美しさはeReaderの方がMobipocketより上ですが、その分、動作が
 遅い感じがします。CPUが強力でない、古めのClieかなんかを使っている人には
 きついかも。それを意識してか、eReaderには画面の美しさを
 犠牲にして、動作優先にするモードも選べるようになってます。
 但し、現行のClieである、TJ25やTH55でためした限りでは、別にモードを
 選ばなくてもサクサク動作しました。
 Mobipocketの方は、有償版で追加される機能は、組み込み計算機が使える等とか
 あまり読書とは関係のない部分であり、フォントスムージングも組み込み辞書
 機能も無償版でも使えるので、私は無償版のまま使ってます。
 画面の美しさはeReaderの方が上ですが、後述の英字新聞を読む環境が
 素晴らしいので、Mobipocketの方もとても気に入ってます。

Q.PDAで新聞を読むには?
A.英字新聞であれば、複数の手段があります。個人的には定番のAvantGo
以外に、今回、新たに使うようになった他の手段も含めて紹介します。

A1.AvantGo
もう何年も前からお世話になっている情報配信システム。
 http://www.avantgo.comでメンバーになり、必要ソフトをダウンロードして
 セットアッププログラムを走らせると、母艦になるPCと対象となるPDAに必要なソフトが
 インストールされます。PDAへの必要プログラムのインストールは、セットアップ
 プログラムが走っている途中で、Palmの場合はホットシンク、PPCの場合は、
 ActiveSincを行なうように促されるので、それに従い、PDAと同期をとることで
 行なわれます。 PDAへのインストールが終了すると、AvantGoのホームページに
 再度接続されますので、PCのブラウザから、読みたいニュースチャンネルを選びます。
 これでセットアップは完了。 次回からシンクするたびに、選んだチャンネルから
 PDAで読みやすいように加工されたコンテンツがPDAに自動的にダウンロード
 されるようになります。 現在のAvantGoは、PDAがインターネットにつながる
 ことのできる環境にあれば、母艦とシンクしなくても、直接、最新のデータを
 PDAにダウンロードできるようになってます。 Palmの場合、AGConnectという
 ソフトが自動的にインストールされているので、そのアイコンをタップして開き、
 その中のSync This Serverというボタンをタップするだけで、最新のデータが
 ダウンロードされます。(但し、内容に変更がなければ、ダウンロードは
 されません。)基本的に無料のサービスです。

A2. 有償ですが、http://www.airbitway.com/で、PDA読売などを購読
  することができます。購読に必要なソフトは、このサイトから
  Palm用、PPC用、それぞれ、無償で提供されています。

A3. Mobipocket Web Companion
Mobipocekt Readerをインストールした際に、PCに自動的に
  せっとされるMobipocket Web Companionから、ニュースチャンネルを
  選ぶことができるようになります。この中から、読みたいチャンネルを
  選ぶことで、PDAと母艦PCをシンクするたびに、PDAに選んだニュースが
  自動的にインストールされるようになります。
  登録チャンネルの中に、Japan Times On Lineがあったので、私は
  これと、BBC World News等にチェックを入れてます。

A4.2++ v0.6.0.14(url:http://homepage3.nifty.com/UK-taniyama/)
世の中を騒がすことの多い、2ちゃんねる形式の掲示板を読むための
  ソフトです。 ここで紹介するのは、2ちゃんねるを読むためではなく、
  これのプラグインが素晴らしいためです。
  詳しい説明は省きますが、Mobipocketと同じく、RSSでのニュースフィード
  が読めるようになり、このソフトの作者が登録しているRSS機能が素晴らしいのです。
  基本的に日本語のサイトばかりが登録してありますが、asahi.comの
  英語ニュースの切り出しが見事です。
  残念ながら、Palm版はなく、PPC版しかありません。

Q.PDAで読めるフリーコンテンツは?
A.eReaderも、Mobipocketも、Gutenberg等においてある、無償コンテンツを
 読むのに使えます。だけど、プレーンなテキスト(Palmの場合は、DOC形式)
 をそのまま読むより、eReader用、Mobipocket用に整形されたものの方が
 当然、読みやすいです。
 こうしたコンテンツを手にいれるには、
 eReaderの場合、http://manybooks.net/ が便利です。
 Mobipocketの場合にも、このソフトの形式に整形したGutenberg Libraryがあるとは思うのですが
 まだみつけることができてません。
 そのかわり、http://www.mobipocket.com/en/eBooks/Search.asp?TypeSearch=Freeに
 行くと、無償で読めるコンテンツが288種類あります。
 さらにMobipocketの場合、http://www.baen.com/library/に行くと、
 本来有償のコンテンツが無償でダウンロードできます。
 別に海賊版ではありません。 プロの作家の何人かが、あえて本来有償の
 自分の作品をダウンロードできるようにしているサイトです。
 どうしてこんなことをしているかは、このサイトの管理者、Eric Flint
 が説明しているので読んでみてください。 
 ここのコンテンツの場合、PDAで読む場合は、Mobipocketでないとだめみたいです。
 まだ読んでいませんが、Amazon.comでとりあえず、Eric Flintを調べてみると
 結構な多作家で、星が4つついている作品も多く、内容に期待できそうな感じ。

Q.文字化けするのですが?
A. 日本語環境で英語コンテンツを読む場合、システムフォントが日本語で
 あるため、稀に文字化けすることがあります。
 キーボードのトップに書いてある英数字や記号が使用されている限りは
 問題ないのですが、キーボードにないような特殊記号がコンテンツに
 使われている場合、文字化けしてしまうのです。 実用上、ほとんど問題は
 ないのですが、変な漢字や、豆腐のようなマークが出てしまうのは、
 あまり気持ちよくありません。 
 MobipocketやeReaderの場合、使用フォントを選ぶことができ、
 日本語を一切考慮していない英語専用フォントを
 指定すれば、この問題を回避できます。私の場合、eReader Proと同時に購入した
 Agfa Monotype Fontを指定することで回避しています。
 ただし、eReaderに組み込みが可能な辞書は、相変わらず、本体のシステムフォントを
 使ってしまうので、このままでは、やはり一部、文字化けします。
 これを回避するために、Palmで使えるYAHMというハックソフトに、FontHackV 1.03
 を導入すれば、アプリ毎に使用するシステムフォントを指定することが
 できるようになり、解決します。 詳しくは
 http://hidebou.web.infoseek.co.jp/log/2004_06/10.html にある説明が
 とても参考になります。
 AvantGoも同様にして文字化けを解消しました。
 Clieのシステムフォントはきれいなのですが、英語の場合には文字が細すぎる
 ような気がします。 FontHackVに同梱されているフォントを使用してみた
 ところ、文字化けが解消されたばかりでなく、読みやすい太い英字に変わり、
 大変満足しています。 ただし、AvantGoからみるオプションメニューは
 Clie本体のものなので、日本語のダイアログが文字化けする副作用があります。
 ただし、AvantGoを使う時だけ英語システムフォントを指定するので、他のアプリには
 影響なく、大した問題ではないと感じています。

以上、長々と書きましたが、参考になるかたがいれば幸いです。

もし興味のある人がいれば、ClieやPPCで聴くインターネットラジオに
ついて書いてもいいのですが、そんな人、いるかしら?


▼返答


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