Re: 辞書を引かないデメリット(約束通りのレスです。かなり長文です)

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[♪] 3158. Re: 辞書を引かないデメリット(約束通りのレスです。かなり長文です)

お名前: K子
投稿日: 2003/3/16(22:49)

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appleさん、それから入門の部屋に集うみなさん、こんばんわ、
K子と申します(^^)。appleさんにお約束した通り、改めて出てきました。
きちんと書きたいと思うので、かなり長くなってしまうと思いますが、
どうぞおつき合いください。

私は初めてSSSの掲示板が出来た頃、今から約1年と4か月程前から
ここにはお世話になっていて、100万語越えた時にはコメンテーター
として、そしてその後、気付いたら常任東京オフ幹事(笑)だったりするくらい、
本当に懇意にさせていただいていて、ここで推奨する多読という方法は
本当にどなたにもお薦めできる素晴らしい方法だと信じて疑わないくらい
なのですが、残念ながら100%ここで言われている通りにできてません。

「辞書」と「スピード」に関して、はっきり言ってこてんぱんに
打ちのめされて、冗談ではなく、トラウマと言ってもいいくらい罪悪感と
劣等感を植え付けられました。今でもチクチクします(苦笑)。それでも
こうしてここにいるのはどうしてかというと、それらを差し引いても
SSS方式は素晴らしいと思うからです。appleさんの書き込みを見て
(最近とんと読んでいないもので(^^;)、本当にいいタイミングで目につき
ました)、恐らく同じような悩みを持ってどうしたもんかと悩んでいる人が
たくさんいるんだろうな、などと思い、ぜひぜひそれらのことがきっかけで
挫折感を持ったり、この方法を捨てたりすることだけは避けてもらいたいと
思って、あんな予告までして書こうと思った次第です。

どんなものでもそうですが、始めから臨機応変にちょちょいのちょいって
具合にやりこなせる人などなかなかいないと思います。私もそうでした。
私はレベル0から知らない単語が出現し、「辞書は引かない」という名文句を
踏襲すべく、頑張って「わからないところは飛ばす」よう心掛けました。
ところが、それでは「楽しい読書」にならなかったのです。まして、私は
これを通して、それまでNHKラジオで独習したものの今ひとつ伸びの悪い
自分の英語力、特に決定的に感じていた語彙不足を解消したいと思って
いたのに、これではちっとも前に進まないとものすごく悩みました。
「わからない単語がほとんど存在しないものから」と言われても、最初から
わからないものがどどどっと来るともうそれで「あなたはこの方法は
向きません」と言われているようで、ここが最終手段と思って全ページ
プリントアウトまでしたのが無駄になってしまうと本当に落胆しました。
で、ズルなのはわかっているけど、辞書を使ってしまえっと思ったのです。
もちろん、その時、英英辞典も持っていたのですが、とてもじゃないけど、
英語で説明されたってまたそこにわからない単語が出てきたのではそれこそ
アリ地獄! そう思い、英和辞典を利用しました。

その当時、まだ酒井先生の本は読んでいなかったのですが、海外の人と
メールをしたり、実際に会って四苦八苦しながら会話を交わす経験が
あったので(もちろん【常に】辞書引き引きでしたよ!)、辞書の意味や
例文などは鵜呑みにできないぞ、という気持ちが体験から既にありました。
痛い経験を何度かしているからです(^^;)。でも、見当のつかないものがある程度
見えてくるという意味で、辞書はとても役にたつものだとは今でも思っています。

さて、それでは私が現在までにどんなふうに多読をすすめ、レベル0でも
わからない単語が1コや2コじゃなかったのにその約4か月後には一般
ペーパーバックを読むに至ったか・・・それはすべて辞書を「自分なりに
上手に活用した」からだと信じています。実感として、SSSを知る前に
約3年ほどかな、3年半くらいかな、とにかくそれくらいNHKラジオを
通勤時(のみ)に聞いて家ではせっせとメールを書いて、などとしていた分より
多読始めてから現在までの方が数段英語が近くなった、つまり上達が早かった、
と感じています。ここが「時間をかけてじわじわと言葉がしみ込んでいく」という
多読法に相応しくない妙に期待させるような感想ですが、これを私なりに
言い換えると「辞書を上手く利用してドーピングしながらせっせと読むことで
しっかりと言葉がしみ込んで、それを自分で発信できるくらいきちんと消化吸収
できているみたい」てな具合かな(^^;)。
なにせ、私は「死ぬまでに英語を習得できてりゃいいや」ってつもりでやって
いるのではなく、「なんとか少しでも早く上手になってどんどん世界を広げたい、
老いぼれて動けなくなる前に!」と思っているからです。多少の焦り、
いや、焦ってはいないけど、何につけ人より時間がかかるので、かなり
気分を集中させているつもりです。

なんだか前置きが長くなってしまいました。でも許してください。
「それはこうするといいんだよ」だけ書く、というレスを付けたくないという
気持ちから、少し私が歩んできた道のりを話した上でそれじゃあどうするのって
ことを書いた方がなんとなく納得していただけるかなぁと思ったからです。

それでは、読書する時に私がどのように辞書と付き合っているか。
最初はその当時、掲示板上で唯一の先輩だったシンジさんという方が確か
言ってた「読みながらわからない言葉をチェックだけしてあとで調べる」
という方法を取ったのです。これは確かここの方もそれならと認めていた
と思います。とにかく読書がスムーズでなければいけないというのが
大前提である訳だし。ところが、あとから引くということをするとまた
その言葉のあったあたりを読み直さなければいけなくなり、とても面倒に
感じたのです。どうしてかというと、私はただ単に単語の意味を知りたい
のではなく、その文、そしてその物語りを「理解」したかったのだから。

それで次に、わからない単語に線を引いて、そのままある程度まで読み進み、
くぎりのいいところで辞書に当たる、ということをしたのです。これは
その後の文章の理解度に好影響でしたが、それでもやはり調べた単語に
対してその辺りを改めて読まなくてはならず、ちょっとやっかいだなぁと
感じました。で、行き着いたのが、「引きたいと思った時に引く」という
荒っぽい方法です。どの辺りから、ということは細かく記録していないので
だいたいになりますが、レベル1を読みはじめた時にはそんなふうに
していたと思います。掲示板上では「辞書なしでは無理」のような悲鳴を
上げつつ、なんとか頑張ってるフリをして実際は「我慢を辞めて辞書使う」
といった状態でした(^^;)。これが私の葛藤です。まだまだ始めたばかりで
声を大にして「辞書使うもんねぇ」なんて言えないし、そう言ったところで
それが実際どう作用するかわからなかったし・・・。辛かったです。

さて、辞書との付き合い方の中でそこで得られる言葉の意味をどの程度
自分に取り入れるか、なのですが、私は辞書は「ヒント」だと思っています。
特に英和辞典は完璧にヒントでしかないと思ってる。名詞などでは対訳が
きっちりハマルものもあるのでしょうが、なんたって、辞書もそれを作って
いる人たちの日本語の解釈や理解度、それから英語自体の、あるいはその言葉の
持つ背景などの解釈や理解度で訳として使われる言葉も違ってくるようなので
(私はそう感じてます)、完璧に「ヒント」と位置付けるのです。

余談ですが、どうしてそう感じるかというと、最近では辞書を使う時は基本的に
英英なのですが、私の持っている電子辞書は発音をしてくれて、それは英和
のみの機能なのです。で、時々、あれあれ、これってどんな発音なんだ?
と思った時にジャンプして、その時にちょこっと見たりする日本語訳が
英英で言ってるのと微妙に違ったりするのを何度も見てて、「この辞書を
作った人は日本語知らないなぁ」などとエラソーに感じたりしたからです(^^;)。
もちろん、自分が間違った解釈してるだけじゃんって可能性もありですが(--;;;;;

戻りますが、初期の、まだ英和のみを使ってた私が辞書を引いて和訳を見た時の
意味の捉え方は簡単に言うと「●●はこんなカンジね」でした。で、読書に戻る。
絶対守っていたことは、それをきっかけに日本語訳を始めないということ。
無理に代替えの言葉に当てはめるのではなく、即座に感覚に落とす、というか。
短い文章などではそれは案外簡単でした。なぜなら、それ以外の言葉を
英語だけで理解できていれば、例えわからないたったひとつを日本語で
引いたとしても、残りの全部をわざわざ日本語という言葉にしなおす、ということを
する必要がなかったからです。ここらへん、難しいかなぁ、理解してもらえる
説明になっているだろうか・・・(^^;)。

なんというか、言葉というものはもともと感覚で捉えてることが多いので、
それが日本語で展開されていようが、英語で展開されていようが自分の中には
スッと入ってくるという、そういう感覚があると思うのです。日本語の理解を
思い出せば、元々は学校で辞書引かされて意味かかされて覚えたものだとしても、
のちのちきっとその言葉を使い続けることで「感覚」として自分の中に
落ちていて、「意味としての説明言葉」がカラダにストックされているの
ではないということに気が付くと思うのです。そういったカンジで、辞書引いた
時に「ヒント」を得て、あとその言葉の意味するところは文章を読みながら
納得していくのです。その積み重ねで言葉が少しずつ自分のものになっていく。
感覚として消化されていくのです。

わからない言葉を辞書で調べた時の私の読み方の雰囲気は、簡単すぎる
例えですが「I love you」の「love」がわからなくて、それ以外が分かる場合、
「I 好き you」のような感じで、きっちりとした文章に仕上がげるのでは
なく、虫食いだったところが埋まって良かった程度でさらりと流すのです。
次に違うパターンでその言葉が出てきた時に、その言葉の雰囲気を覚えて
いれば多少のバリエーションも受け入れられる。それをくり返すことで自分でも
発信できるくらいに言葉の意味(感覚)が身についてくるのです。そうすると、
読書も楽しくなるし、従って、ちょっとズルだけど辞書使ってもいいかな、
なぁんて自分をなぐさめてあげることができるのです。

でものべつまくなし、知らない言葉を片っ端から引いていたかというと
それは違います。飛ばしたって支障のない言葉はたくさんあるからです。
その基準は気分なので説明が難しいのですが(^^;)。基本的に「わからない
とこは飛ばす」は守りつつ、ということです。とにかく、精読のように、
きっちりと理解する努力はしない、でもどうしても知りたいことがあったら
その気持ちも満足させてあげる、そうすることで、楽しい読書を継続できる、
それが私の得た辞書との付き合い方です。

ちなみに、レベル3くらいの頃には少ないにしてもそれまでに読んだものの
積み重ねで飛ばして支障のないわからない言葉も増えてきたり、面倒だから
辞書見なくてもいいやと思うことも増えてきたりして、それくらいから読書に
いよいよ加速がかかったような記憶があります。で、だいたい30万だか
40万語くらい読んだあたりでたまたまアメリカ人の友達と食事をする
チャンスがあり、それまでの成果を実感する最初の機会となったのでした。

今でも、いや、むしろ、ペーパーバックなどは想像もつかない言葉が
ごちゃまんと出てきます。時に、性急に辞書にあたって、数行読んだのちに
その意味が見えてきて「辞書引いてソンした」と思うようなことも
時々あります(笑)。つまり、辞書なしでも周囲の文で理解する、という経験
です。基本的には何度も出てきてるのにイマイチわからなくてウザイものは
辞書に助けてもらう、というのが今の私のパターンです。辞書を引くことが
できるのは家で読んでいる時だけなので、全体で考えればそんなにしょっちゅう
ではありませんが、SSS的に言えばきっと誰よりも多く辞書にあたってるい
のではと感じます。

それから、だいたい200万語までいった頃には英英辞書に当たることが
苦ではなくなりました。これも進歩ですよね(^^)。でもって、英英が使える
ようになると、さらに言葉たちが近くなって来るように感じられ、増々楽しい
気分で読書にあたれるようになりました。

そうそう、もうひとつ言っておかなければいけないことは、「絶対覚えようと
いう努力はしない」ということです。そんな努力をしなくても、何度も
出てくるうちに自然と身につくからです。これはホントです。

最後になりますが、私がここで「辞書使い」を公言することは、今だにかなりの抵抗が
あります。それはこのサイトではたくさんの「辞書なしで意味が取れました!」
という報告がたくさんあるからです。今まで辞書依存症だったのにそれが
なくなったという報告などなど、とにかく辞書と決別した多くの方の声を
聞くにつけ、私はどんどん海より深く落ち込んでいく思いなのです(;_;)。
なぜなら、私は自身の想像力は人並み以下だとは思っていないし(笑)、どちらか
というと感覚的な人間なので、そういったことは得意なハズなのに、私には
できないのですから・・・。

でも、人それぞれ、あまりきっちり考えないで、自分なりの快適なやり方を
模索しながら楽しく多読を続けていって、ある日その成果に気付くことが
あれば、それでいいのかな、なんて思う300万語越えの私です。

すみません。本当に長くなってしまいました。飽きずに読んで、理解して
もらえたとしたら嬉しく思います。もし、つまらなかったらごめんなさい。
また今度、ちゃんと理解してもらえる説明を考えます(^^;;;


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