第10回 絵本の会活動報告

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[報告] 3455. 第10回 絵本の会活動報告

お名前: ユニコ
投稿日: 2004/2/29(09:04)

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■ 2月10日 第10回 絵本の会がおこなわれました。今回の報告はユニコです。

出席者 11名  

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Mother Goose関連        

絵本の会ではいまMother Gooseがブームになっています。
それでMother Goose関連でまとめてみました。
             
■「コールデコットの絵本」 (書評あり)

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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103594&bfile=bookdata]
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 福音館書店から完全復刻された19世紀の絵本16冊。
 あの「コールデコット賞」のコールデコットの絵本です。
 みんなでうっとり眺めました。マザーグースのナンセンスさもたまりません。(Kian)

☆The three jovial Huntsmen(3人のゆかいな狩人)
 陽気な田舎の3人組が狩りにでかけたお話。17世紀のバラッドです。(Kaako)
 
☆The Mad Dog(狂った犬の死に捧げる唄)
 信心深い男とその男と仲のよかった犬の哀しくもおかしな物語。
 あるとき犬が狂ってその男に噛み付いた。でも、死んでしまったのは犬の方。 (Kaako)
 
☆The milkmaid(乳しぼりの娘)
 「嫁さんは持参金つきでなきゃだめ」と母親に言われた貧乏地主の息子。
 乳しぼりの娘に求婚するが...。こちらもバラッド。(Kaako)

☆The farmer's boy(農家の若者)
 牧歌的な絵はコルデコットの十八番。
 積み上げ唄のかたちで書かれていて、ベースはナーサリーライムと思われる。 (Kaako)

☆The Great Panjandrum Himself(おえらいパンジャンドラムそのお方)
 18世紀末からよく知られたノンセンス詩。
 ドレスを着た擬人化された熊はビアトリクス ポターが参考にしたと思われる。 
(Kaako)

☆The Diverting History of John Gilpin(ジョン・ギルピンのこっけいな出来事)
 18世紀のイギリスの詩人ウィリアム・クーパーの滑稽な物語詩に
 コールデコットがイラストを描いた絵本。
 ロンドンのジョン・ギルピンのハプニング続きの一日のお話です。
 服地商人の実話が元になっていると言われているそうです。(Kian)

☆An Elegy on the Glory of Her Sex, Mrs. Mary Blaize(女の誉れ メアリー・ブ
レイズ夫人に捧げる唄)
 18世紀のイギリスの詩人・小説家・劇作家
 オリヴァー・ゴールドスミス作のエレジー(挽歌)に
 コールデコットがイラストを描いた絵本。
 メアリー・ブレイズ夫人の死を悼む唄ですが、
 随所にくすっと笑えるユーモアが描かれています。(Kian)

★バラッドとは★
 バラッドは基本的に口承で伝えられたもので、
 伝えられるうちにいろんなバリエーションがあらわれた、
 イギリスの庶民のなかで親しまれ、歌い継がれた唄だそうです。
 なので、イングランドでは英語ですが、スコットランドやアイルランドではゲール語で
 ウェールズではウェールズ語でのこっているそうです。(Kaako)

なお、その他の9冊は、第8回、第9回の絵本の会活動報告で紹介されています。

■ Ride a Cock-Horse and Other Rhymes and Stories / Randolph Caldecott(イラスト) (書評あり)

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 ↑の「コールデコットの絵本」の半分の絵本がこれ1冊に収められています。
 値段は約30分の1です(笑)。個人で所有するならこちらでしょう。
 コ−ルデコットの絵が好きな人ならいつまででも眺めていられるようなうっとりす
 る絵本です。(Kian)

■ The Oxford Dictionary of Nursery Rhymes / Iona and Peter Opie (書評あり)

[sss][url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103864]
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 マザーグース研究の第一人者、オーピー夫妻編纂の辞書。
 マザーグース549編を収めてあります。(Kian)

 アマゾンの画像の表紙は初版のものです。
   現在は第2版でガラリと雰囲気の違う画像が使われています。

■ The Rooster Crows / Maud Petersham, Miska Petersham (書評あり)  コールデコット賞受賞作。

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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103600&bfile=bookdata]
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 "A Book of American Rhymes and Jingles "という副題のとおり、
 アメリカの子どもたちに親しまれているナーサリー・ライムや 手遊び唄、
 数え唄など約75編の唄が収録されています。
 どの唄もとても調子がよく、すべて声を出して読んでみたくなります。
 また、独特の色づかいで彩色された絵がとても美しいおすすめ
 のナーサリー・ライム絵本です。(ポロン)

■ THE ITSY BITSY SPIDER/Iza Trapani (書評あり)

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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103588&bfile=bookdata]
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 有名なナーサリー・ライムを絵本にしたもの。巻末に楽譜と歌詞付き。
 ちいさなクモの冒険を色彩豊かな美しい絵で表現した絵本です。(こりんご)

  以下の2冊(★)は残念ながら、すでに絶版のようです。
  大阪市立中央図書館が所蔵しています。

★Nursery Rhyme Classics / Kate Greenaway

[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0712634649/sss-22/]
(アマゾン品切れ・ユーズドのみ)

 19世紀のイギリスを代表する絵本作家、
 ケイト・グリーナウェイのナーサリー・ライム絵本です。
 大型本なので、クラシカルで美しい挿し絵を十分堪能することができます。(ポロン)
      ISBN:0712634649   出版社:Cresset press

★Kate Greenaway's Mother Goose or Old Nursery Rhymes/ Bernard
McTigue, Rodney Eugen

[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0810910314/sss-22/]
(アマゾン品切れ・ユーズドのみ)

 ケイト・グリーナウェイのスケッチブック2冊分が収められています。
 まず驚くのは、水彩絵の具で彩色されたその色合いの美しさ。
 本当はグリーナウェイはこんな色で描いていたんだと感動してしまいます。(はね
にゃんこ)
      ISBN : 0810910314  出版社 ABRAMS

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八島太郎の絵本3冊の紹介。

■ Crow Boy / Taro Yashima (書評あり) 「からすたろう」の原書  
 コールデコット賞オナーブック。

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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103564&bfile=bookdata]
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■ Umbrella / Taro Yashima (書評あり) 「あまがさ」の原書。 
 コールデコット賞オナーブック。

[sss]
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103595&bfile=bookdata]
[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0140502408/sss-22/]

■ The Village Tree / Taro Yashima (書評あり) 「村の樹」の原書。

[sss]
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103596&bfile=bookdata]
[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0670050725/sss-22/]
(アマゾン品切れ・ユーズドのみ)
  
 上記3冊の作者、八島太郎は、プロレタリア運動に参加し、
 何度も投獄された後、1939年に渡米。
 アメリカで出版された彼の作品は、海の向こうで高い評価を受けました。

 人が社会で受容され、生きていくために必要なことは何なのか?
 重いテーマを描いた"Crow Boy"、
 ニューヨーク生まれの愛娘が、はじめて傘をさして歩いた日のことを、
 子どもの成長を喜ぶ親の深い愛情から描いた"Umbrella"、
 鹿児島で過ごした子ども時代の思い出を描いた"The Village Tree"、
 どの本も、日本人らしい情感に満ちています。
 特に、"Crow Boy"は大勢の方に読んでもらいたい絵本です。(ポロン)

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■ A Caldecott Celebration / Leonard S. Marcus(書評あり)

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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103598&bfile=bookdata]
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 コールデコット受賞作家6人と、その受賞作品にスポットをあて作家自身の顔写真、
 受賞時のスピーチ、逸話、スケッチや習作などが紹介されています。
 とりあげられている作家と作品は以下のとおり。(はねにゃんこ)

 Robert McCloskey Make Way for Ducklings
 Marcia Brown Cinderella
 Maurice Sendak Where the Wild Things Are
 William Steig Sylvester and the Magic Pebble
 Chris Van Allsburg Jumanji
 David Wiesner Tuesday

■ HORACE/HOLLY KELLER(書評あり)

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 養子HORACEを育てているトラの一家。
 HORACEはとても可愛がられているのに、
 自分だけ毛皮の模様が違うのが悲しいのです。
 HORACEのつぶやきに胸がしめつけられます。
 見守るパパ・ママの愛情の深さやHORACEの成長に感動しました。(こりんご)

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Valentine's day関連の絵本を3冊ご紹介。

■ Valentine / Carol Carrick, Paddy Bouma(Illustrated) (書評あり)

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 お母さんとおばあちゃんの3人で暮らすHeatherが主人公。
 毎日、朝早くから夜遅くまでお仕事のお母さんはValentineの日もお仕事で、
 がっかりするHeather。
 その日の昼におばあちゃんの羊が3匹も子羊を産み、
 その内の弱っていた一匹の世話を任されます。
 仕事から帰って来たママにおばあちゃんと二人で焼いた大きなハートのクッキーを
渡しながらHeatherが言います。
  "He needs me. ... His mother can't take care of him."
 この時のHeatherのとても嬉しそうで、自信と責任感でいっぱいの笑顔がとても
 ステキです。(ぷーさん)

■ Froggy's First Kiss / Jonathan London, Frank Remkiewicz(Illustrated) 
(書評あり)

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[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0140565701/sss-22/]

 FroggyはFrogilinaに一目ぼれ。
 すっかり落ち着きがなくなり先生にも怒られてばかり。
 そんなFroggyが授業で作った 大事な大事なValentine Cardは一体誰に渡される
 のでしょう。(ぷーさん)

■ Little Mouse's Big Valentine / Thacher Hurd (書評あり)

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 Little Mouseは大きな真っ赤なValentine(ハート)を作りますがみんな「大き
 すぎる」「明るすぎる」と言って誰も受け取ってくれません。
 別のMouseに出会ったLittle Mouse。
 二人で話すうちに名案が浮かびます。さて二人の名案とは?(ぷーさん)

 今回、紹介した絵本すべてに通じることですが、アメリカでのValentineは日本
 とは大分違っているようです。
 同性、異性を問わない広い意味での愛を与えあう日である、ということが良く分
 かります。(ぷーさん)

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以下は絵本を楽しむための関連本として今回とりあげました。

■『マザーグースと絵本の世界』  夏目康子 著

 [Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4753413802/sss-22/] 

本文に先立って巻頭30ページほどがマザーグースの挿絵(カラー)にあてられてい
ます。
ヘイ ディドル ディドル の項は、実に11種類もの絵が紹介されていていずれ
も画家の個性あふれる、甲乙つけがたい力作ぞろいです。(はねにゃんこ)

■『赤ちゃんの本棚 0歳から6歳まで』  ドロシー・バトラー 著
BABIES NEED BOOKS / Dorothy Butler の翻訳版。

[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4931129056/sss-22/]

 著者は児童文学者であり読書教育の第一人者として有名な方です。
 英語圏の子どもに読ませたい絵本の良書がたくさん紹介されています。
 本文にも巻末のリストにも共に、和書原書両方のタイトルが併記されており
対象年齢別に編纂されているので、絵本探しにとても便利です。

姉妹本『5歳から8歳まで』は物語が主です。(こちらもおすすめ!)(はねにゃんこ)

■『絵本を抱えて 部屋のすみへ』  江國香織 著
[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101339171/sss-22/]

 江國香織さんお気に入りの絵本にまつわるエッセイ集。
大人の絵本の楽しみ方が満喫できます。
 手ごろな文庫にも関わらず、それぞれの絵本がかなり美しいカラー写真でのってい
 るのもうれしいです。(はねにゃんこ)
                                     
    
■ The New York Times Parent's Guide to the Best Books for Chileren /
EdenRoss Lipson (書評あり)
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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S103601&bfile=bookdata]
[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0812930185/sss-22/]

 子どもの本のガイドブックです。
 年齢別(文字なし絵本からヤングアダルト向けのPBまで)トピック別など、
検索 機能が充実していて、自由自在に本が選べます。
メモ用に余白も多く、本の厚さの割りに圧迫感がありません。(Kian)

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今回も有志による読み聞かせがありました。
 
■ Hooray for Snail!/John Stadler(書評あり)
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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S101444&bfile=bookdata]
[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0064430758/sss-22/]

 動物チームの野球の試合を描いた絵本。
チームの危機にバッターボックスに入ったのはSnail君。
 バットをもつのさえやっとの彼がなんとホームランを打った!
 ちいさなSnail君がダイヤモンドを一周する間におこった壮大なスケールのお話とは…。
 1ページにつき一文しかないのに、表情豊かな挿絵と相まって抱腹絶倒のストー
リーです。

■ The Musicians of Bremen (PYR1) (書評あり)
[sss]
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S030009&bfile=bookdata]
[Amazon] [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0582470153/sss-22/]

 総語数たった60語で、ちゃんと「ブレーメンの音楽隊」になっている、衝撃の絵本。

■ Elmo Wants a Bath /Joe Mathieu (書評あり)
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[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/sss/sssrev.cgi?cmd=review&bid=S102336&bfile=bookdata]
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 セサミストリートのエルモのビニール張りのお風呂絵本。
 リズムがいい本なので、読んでいて楽しいです。


▼返答


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